水の春

mizu no haru

水の春
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神19
  • 萌×233
  • 萌22
  • 中立4
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
20
得点
297
評価数
79
平均
3.8 / 5
神率
24.1%
著者
黒沢要 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
ISBN
9784829685204

あらすじ

友達ならとか、いらない。今は、好きでいさせて──
とある秘密を抱える春原澄は、目立つことを厭い優等生を演じていた。なのに男が好きと噂でなにかと目立つ存在のクラスメイト・四ノ宮吉野に、その「猫かぶり」を指摘されてしまう。好きだから話をしたいと告白され拒絶した春原だったが、自分を偽らない彼のことが気になり始める。誠実な好意を示す四ノ宮と少しずつ距離を縮めて……。大切に想う人がいるから、一生懸命になれる。初々しくて純粋な恋物語。
妻を亡くした作家と彼に恋した担当編集者の、大人だからこそ臆病になる恋の行方を描いた『花の雨』も収録。
(出版社より)

表題作水の春

四ノ宮吉野,ホモと噂のある同級生
春原澄,秘密を持つ高校生

同時収録作品花の雨

春原 泉 作家
結城 基 担当編集者

その他の収録作品

  • 春日和
  • 六月来る
  • 凌宵花
  • あとがき

レビュー投稿数20

一度読んだら好きになる

透明な水に触れているような心地よい空気感のなかにコミカルなところがあったり、キャラクターの強い思いが印象的に描かれていたり、ページをめくるごとにストーリーの楽しさに惹きこまれ好きになっていく作品でした。

表題作の「水の春」で描かれる、澄と吉野はお互いに守る側の人なんだなぁと思いました。澄は大切な家族を、吉野は澄が守りたいものを守る子でした。
吉野が澄に向ける思いは、澄を形作るものすべてを愛おしく思う愛し方で優しい真綿に包まれるような心地よさでした。初めて話かける時にも、澄が隠してきた性格を刺激するように、自分を印象付けるように近寄りながらも、その場で自分の気持ちを押しつけるようなことはしないところがより愛情深さを感じさせていました。
澄も、これまで自分が守りたいものを大切にするために隠してきた部分を初めて見破られて、自分のありのままを受け入れられて気持ちが吉野に傾いていく過程がとても自然でした。押し流されて好きになったんじゃなく、自分が吉野を大切に思っていくなかで好きになったことに自分の意思をしっかり自覚しているところが男前でした。
吉野はどこか落ち着いていて、大人な雰囲気を持っているのに澄と向き合うときのひたむきさや緊張感が溢れる汗や冷えた手などから伝わってきて可愛かったです。そういった演出やちょっとした会話のやりとり、空気感からお互いへの愛おしい思いが伝わってくるところが他にはない自然さになっていたと思います。

澄の両親の話「花の雨」「凌霄花」では澄のお父さん泉先生のキャラクターが私の予想を裏切ってくれていたところが面白かったです。見た目の雰囲気からはとても落ち着いていて大人で、気持ちが大きく揺さぶられるようなことはないのかなと感じさせるのに基を初めてみた時の感動や、自分がうたたねをしている間に基が外出してしまった時の焦っているところなどから、基が本当に大好きなんだ、この人は強い思いを基に向けて大切にしているんだと感じさせてくれました。
基は自分に自信が持てなかったりする人ですが、そんな弱さを感じたときほど泉先生が自分のせいでしょうか?と自分のせいだと思っていたりしてそこにえぇ!?と基がびっくりするパターンが面白かったです。基が悩むことは同じように泉先生も悩む部分で、そんなところもお互いが大事だからなんだねと思わせてくれて微笑ましくなりました。
泉先生の、自分が子供を産めないことを謝るやり取りはそのテンポや真面目さが最高に面白くて吹きだしてしまいました。先生、最高です。
キャラクター1人1人が相手を大切に思う気持ちが優しく丁寧に描かれているので読んでいて心が透明に澄んでいくような物語でした。

次回作など他にもいろんな作品を読んでみたい作家さんです。

4

お前がいいっ言う物 俺が持ってる物全部あげる

泣きました
タイトルにしたこのフレーズに。
四ノ宮が春原にピアノを聴きたいと言われ、それを叶えた後の台詞です
春原に自分の想いは伝えたが、答えを望む訳でも無く
ただ、春原を想い彼の望みを叶えようとする四ノ宮の
押し付けない溢れる情熱が琴線に触れました
性急に進むのでは無く、互いを想い合い育む愛の描写が沁みました
春原の父(作家)も四ノ宮と同じセリフを元担当編者で亡くなった妻の面影を持つ基に想いを伝える時に使いました

妻の面影では無く君を愛したと伝えるシーンに涙腺がらまた緩みました


程なく暮らし始め澄が出て行った後に基が先生に子供欲しいですか?と聞いた時先生が僕が産めなくてすみませんと告げた時本当の愛を見た気がしました

すごく深い内容で純度の高い愛でした

大好きな作品です

1

究極の愛の告白 2種

読み直してレビューを確認したら、評価だけが「神」で確定されてました。
初読のとき、おそらくわたしは感動を文字にすることができなかったようです。
ただ残念なことに感動は水物で、一度感じたものをもう一度感じるのって困難。
読み返したら「萌2」なんだなあ…。
初読で何を感じたんだ、わたし!!

1冊まるまる1つの家族の話です。

【水の春】(3話)
高校生の春原とクラスメイトでホモと噂される四ノ宮。
2人が関わりを持つようになって、だんだんと距離が近くなっていって…という話。
学校では話さない2人が信号のところで待ち合わせして話すようになるのですが、この行動が瑞々しくて、照れ臭くて、ああ、若いなあって思えます。
四ノ宮の殺し文句がすごいです。
これはぜひ読んでください。読んで感じないともったいない。
「緊張して冷たい手」は他の作家さんの作品でも使われますが、この作品の使い方は秀逸じゃないかなと思いました。

【花の雨】
前話でちょっと出てきた春原の母・基と父の馴れ初め。
色素の薄い髪や目、女顔。
担当する小説家を好きになって、その先生の亡き妻と自分が重なる要素に心を痛める編集者の基。
懐いてくれる先生の子供(澄)の母を想う気持ちや、先生が自分の目や行動を妻と重ねる言葉に傷付きながらも…というすごく切ない話です。
こちら、何だかすごくいいんだよなあ。
先生が書く作品の結末を使ったお互いの駆け引きと真意が交差する辺りも、すごく切ないのに優しくて和みます。
先生が基に言う言葉が、前話の四ノ宮と被ってるのは狙い?

【春日和】
描き下ろし的小話。
基との初対面の印象を語る先生のノロケ。
先生が真顔で繰り出す爆弾の威力たるや…。

【六月来る】
描き下ろし的小話。
大学生になってルームシェアしつつ、同じ大学に通う澄と吉野。
相変わらず意地っ張りな澄に、ついつい意地悪をしてしまう吉野。
軽口を叩き合える関係っていいですよね。

【凌宵花】
描き下ろし的小話。
澄が出て行って2人きりになったことで「子供」を持つことが頭を過る基。
「子供、欲しいですか?」という基の質問に対する先生の返しがいい。
この2人の会話って本当に和みます。

「神」と感じたときにレビューを何としてでも絞り出すべきでした。
「神」と「萌2」ではテンションが違いすぎる…。
おそらく澄と吉野と女子の辺り、細かく分析しながらものすごーーーーく長く語るつもりだった気がします。
読み返した「萌2」のわたしは、先生×基の方に惹かれました。
テンションは下がりましたが、読み返してもほんわかした気持ちになれる1冊です。

1

切なくも美しい良作

何度読んでも良いものはいい!
大好きな作品です。
ふわっとしているようでしっかりしている2組のカップル。

高校生の四宮と澄、そして澄の父とパートナーの基。
とくに大人カップルのエピソードは切なくて美しくて泣けます。
シンプルに、素敵なカップルで素敵な家族だと思える。
高校生カップルは、初々しいですね。
言葉使いとか行動が男らしいのは澄だけど、内面の男らしさは四宮にこそ感じました。
澄を好きな気持ちがどストレートに伝わってくる!

線の細い絵も作風に合っていて好きです。
何度でも読み返したくなる作品です。

1

男の母を気遣う優しい少年

珍しい視点で展開する物語。
父と父の恋人=後妻(♂)の穏やかな生活を守りたい為の秘密保持を願う、息子視点で描いた話。
表紙絵を見て、小学生か中学生が主人公かと勘違いしてしまった。高校生でした。

春原の家庭は、父親と二人の父子家族、母は小五で病死。作家の父が選んだ後妻は元担当編集者、母の面影を持つ優しい男性。春原君は、父と父の恋人を守るために、ひたすら秘密を隠している。

同級生の四宮は、オープンゲイ。春原に片思いをしていた。(※「ホモ」は今は差別用語に類しています)
両親と妹と四人家族、母はピアノ教室を運営している。
四ノ宮君が春原君に気持ちを伝えた時、春原は、父の恋人が男性であること隠したいこと、守りたいことを初めて四ノ宮に告げる。

春原君が大学に進学して、別居を始めて家の中が静かになった、子供が居ない=産めないことを実感する春原君の父と恋人。 
優しい思いやりを相互に交わしあう理想の良い家庭です。
抒情的な風景、家屋、綺麗な描写の美しい作品でした。


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▶季語をtitleに選ぶ著者は、知識豊かな風流人ですね。

★タイトルの「水の春」は、万葉集にもある季語。
春の、水量の多くなった川や湖沼の水。 春の季語。

★「花の雨」晩春の季語。
晩春花時の雨. 桜の咲く頃に降る雨、あるいは咲き満ちる桜の花に降る雨。

0

透明感のある良作

タイトルが「困った時の季語頼み」とあとがきでおっしゃっていたのですが、
それが凄くぴったりきていて素敵でした。
漫画に表れないどうでもいい設定に時間をかけてしまうらしく、
おちゃめな作家さんだと思いました。(死語)

一読目はセリフが少ないせいもあり、さらーっと読んでしまいましたが
二読目からは隅々まで楽しみました。
背景やら小物やら、指の先まで。(変態?)
丁寧に描かれていて、とてもバランスが良かったです。

四ノ宮の、素直で気遣いが出来て、決める時は直球という男前度と
春原の、一見穏やかそうだけど実は猫かぶり、
でも繊細な面もあり、恥ずかしさが脳に達しないようにしているっていう
シャイシャイボーイなあたりが萌えでしたw
同じ大学へ進んで、ルームシェアして…。
もっと二人の続きが読みたいです。
あの、噛むとかキスマーク付けるとか大好きなので、
四ノ宮×春原でも見られて嬉しかったです!
もー、ばんばん付けちゃってほしいくらい!
(でも見える箇所に一つ、っていうのがいいのかも。
いやいや、見えないところにも沢山っていうのも…しつこくてすみません)

春原父(作家)×結城(編集)の、大人のしっとりした恋が
穏やかな日常の中で育まれていく様子も素敵でした。
結城が色素薄いっていうのがポイント。好きだわー。
あと、首に二つほくろがあるっていうのも!
春原父さん…。あんな素敵なナイスミドル、いるんかいな!
私はオヤジスキーなんですが、ちょっと完璧すぎて…(?)

デビューコミックスとの事で、かなりこれからが楽しみな作家さんです。
ちょいちょい「…ふふっ」と笑わせてくれるところもあって
そういうセンスも私は好きです。
カラーの素朴さ加減も独特で、心に残ります。

6

タイトルがぴったり

「水の春」というタイトルがぴったりの、初々しくキラキラしたお話。

高校生のお話なんだから、このくらい青臭くって、焦れったくって、回りくどくって、そして淡い関係なところがとてもいい。
白っぽい繊細な絵も、落ち着いた感じで素敵。
絵は好みのタイプだけど、強いて言えば、黒髪の子は、なるべくならどのコマでも終始一貫して黒髪でいて欲しい、かな。
効果として、黒ベタの髪だと濃すぎるって判断でトーンで表現されている所はいいなって思うのだけれど、完全な白髪になっていると、ちょっとついていけないかも。
でも、瞳の色のトーン処理とかはすごくいい。
絵はとってもお上手だと思う。

そして「花の雨」。
こっちの、大人カップルの話がすごくいい。
この1編で単独のお話としても、いい作品だと思うけど、その前に澄の子供らしい淡いお話があるからこそ、大人の恋のお話がより味わい深い。

全体を通して、バランスがとれていて、派手さはないけど、しっとりといい作品を読んだって満足感があった。

5

水の中の様な穏やかさ

タイトルの様なイメージの1冊。
特に波がなく、とにかく穏やかでゆらゆらしている感じの1冊です。

澄の秘密は、読んでいるといかがわしい事が待っていそう(笑)っておもったけど、
以外にたいしたこと無くて拍子抜けだったけど、
恋愛に変わっていく過程とかが丁寧で良かったです。

そして、お父さんの話も良かった!!!
セリフの一つ一つやコマ割りが本当に穏やかでゆっくり流れていて
なんだか心まで穏やかになるようなお話でした。

劇的な変化や刺激はないけど、読み終わった後
なんだか穏やかな気持ちになる優しい1冊でした。

2

淡々と交わされる言葉がとても日本的に思えるのです

初読み作家さんです。
この作品が初コミックスだとか。
とても好きです、こういう雰囲気の作品。
無駄な台詞がなくて、控えめで、静かに時が流れていくような…。
動と静で分けると、静になると思うのですが、台詞と台詞の間の取り方とか、リズムにとても日本的なものを感じます。
読んでいて心地いいというか、落ち着く感じ。
決して派手な展開はないのですが、ハッと驚かされたりとか、意表を突く展開があって読ませてくれる作品でした。
こういう作品にはそれ程頻繁にはお目にかかれないので、是非このスタイルで続けて欲しいです。
今後も楽しみな作家さんになりました。

2

主に収録作品に対するレビューです。

タイトル通りみずみずしい青春ストーリーです。
受けの澄くんの話があってこそ、美しく続く「花の雨」。
まるで一つの曲のようにつながった両作品です。
(いや実際繋がっているんですけれど)

受けの基さんがとにかく麗しい方です。
私が読んだ商業誌BLの受けさんの中でもトップクラス(に、好みなだけですが)
「水の春」の澄くんとのやりとりがとにかく可愛い!
「見とれちゃう」だの「あんなに綺麗な人と似ている所があるなら嬉しいな」だの……
もちろん直前の話で澄くんが吉野くんにどんな事を思ってるかなどを踏まえた会話であったり、会話などが細かい!
何より基さんの優しい口調が素敵で、ついいろいろな声優さんで妄想してしまいます。
もちろん春原先生(澄父)の言葉遣いや言動もとても優しくて、凄く柔らかく、そして相手を思い遣っているカップリングだなあと涙します。
「初めて会った時から、気の迷いではないか」〜
という一連のページから
「私は貴方の望みを叶えてあげたかった」
から次のページまで、涙無しには読めません。
最後に二人が並んで立つシーンは最早熟年夫婦のノリのようです。
一冊に一つの世界観が纏まったとても素晴らしい本でした。

2

この作品が収納されている本棚

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