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ぼくの履歴書(表題作 ゴミ置き場から愛をこめて)

boku no rirekisho

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表題作ぼくの履歴書(表題作 ゴミ置き場から愛をこめて)

江ノ本竜也・高校2年・獣医院の息子
昴・謎の少年

その他の収録作品

  • (表題作なし)
  • ゴミ置き場から愛をこめて
  • きみの事情
  • あとがき

あらすじ

高校2年の江ノ本竜也は、獣医師の父親と二人暮らし。
彼は夏休みのある日、ゴミの中から見知らぬ少年を助けた。
行くところのないという少年は、そのまま竜也の家に居候することになった。
少年は日常的な行動や経験の記憶を喪失していて、キュートな美少年だけど、ちょっとだけヘンなヤツだった。
そんな少年といると、竜也はフワフワした気分になり胸の鼓動がおさまらない…。
竜也と少年のセンシティブ・ラブストーリー。

作品情報

作品名
ぼくの履歴書(表題作 ゴミ置き場から愛をこめて)
著者
白銀みるく 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044366056
3.5

(2)

(0)

萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
7
評価数
2
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

深い。

これは、表紙やあらすじのほのぼのした雰囲気とは違って、かなり『痛さ』や『重さ』を含んだ作品です。『センシティブ・ラブストーリー』ってつもりで読むと、ノックアウトされかねません。
竜也(攻)の一人称で、語り口がちょっとコメディテイストなので、そのぶん和らいではいますが、容赦なくグロい描写もあります。昴(受)自身が、かなりひどい虐待を受けて来ていますしね。

私はいわゆる『痛い作品』は苦手で、そういう評価の作品、また『痛い系』と言われる作家さんは最初から避けています。でも、これは私にとって『痛い作品』ではないんです(他にもそういう作品はあります。たぶん『痛い』の捉え方が違うんでしょうね)。

でも、いくらご都合主義と言われてもいいから、あの根津(昴を虐待したヤツ)には鉄槌を下してほしかったです!現実にはこういう奴は平然とのさばって行くんでしょうが、フィクションには『勧善懲悪』がどうしても欲しいときがあるんですよ!

あとは、いきなりファンタジーが入ってきます。擬人化?変身もの?竜也のクラスメートの須磨も絡んで来るんですよ。すごく淡々と語られるのでうっかり流しそうになりますが、よく考えるとかなり突飛な設定ですね。
私は、もともとファンタジーBLも好きなので、それも含めてお気に入りです。

これは、白銀さんでいちばん好きな作品なんです(って言っても、全部で6冊・そのうち4冊はシリーズなんですけどね。いや、『プラスチックの卵』シリーズも好きですが)。

金さんのイラストの中でも、かなり好きな部類に入ります。脇ですが、(竜也のクラスメートの)須磨のイラストが格好いいんです!
ただ、カラー口絵は残念でした。本文中のモノクロイラストの抜粋を、彩色なしで単にカラー刷りしただけで、カラー口絵をつける意味がなかったです。

0

痛くて甘い

白銀みるくさんの作品はどれもみんな好きです。
といっても残念ながら6冊しか出ていないのですが、読みやすいし甘いだけでも痛いだけでも無いその両方を上手く書く匙加減が好み。

獣医師の息子で動物好きの竜也[攻]と記憶喪失の少年昴との話。
ちょいファンタジー入った、でも痛さと甘さが両立してる話です。痛さはやや多め。
竜也の父(獣医師)が経営している動物病院が舞台なのでワンコやニャンコ達が沢山登場します。
といっても嫌な飼い主や、虐待されているペットも出てきます、その描写が結構酷いのでそういうシーンが苦手な方はこの作品は駄目かも。
そもそも昴自体が虐待されていたので、竜也と出会えて良かったなって同時に虐待主である根津が結局また後釜探してこれからも同じ事を続けるんだろうなって考えるとなんかご都合展開で構わないから根津に復讐というかぎゃふんと言わせて欲しかった気がします。
途中から出てくる竜也の同級生須磨と飼い犬とのエピソードも地味にいいんですが、そんなに沢山人化した獣がいるのーーー?!とは思いました。
まあそんな世界だからこの2人の今後も上手く行くんだろうなと妙に納得したりしなかったり。

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