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表題作神降る夜に恋をして

北野直哉,26歳,売れない俳優
御嶽葵,18歳,特殊能力を持つ神託を授ける神子

その他の収録作品

  • 雪降るイブにキスをして
  • あとがき

あらすじ

御嶽一族の男子には昔から予見能力を持つももが産まれ、葵もご神託を下す神子として村を支えてきた。しかしその予見が降りるのは、射精時の恍惚とした状態のみ。恋愛も自由にできない葵は村を飛び出し、出逢ったのは売れない俳優の直哉だった。ひと目で恋をしてしまった葵は、直哉の家へ転がり込みそして直哉と……葵の力もあり、俳優として芽が出始めた直哉と恋人同士になった矢先、葵を探していた村からの使いがやってきて……

(出版社より)

作品情報

作品名
神降る夜に恋をして
著者
朝日奈れん 
イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
アズ・ノベルズ
発売日
ISBN
9784781607511
3.6

(12)

(3)

萌々

(3)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
43
評価数
12
平均
3.6 / 5
神率
25%

レビュー投稿数5

高い能力、やんちゃな受け様

代々特殊能力を輩出する家柄で、現在の村の生き神様としてご神託を授ける
仕事をしている受け様なんですが、設定はシリアスになってもおかしくないのに
現代の神様事情を反映してるかのような今どきの流れになってるお話でした。

受け様は今にも寂れてしまうのではないかと思うような村で、代々神託を告げる
家系の能力者なんです。
その能力を発揮するためには、受け様がオルガスム状態になるのが条件。
受け様は代々の能力者の中でも特に高い能力を持っていて、権力者の顧客が
常に鈴なりの状態で、村に財をもたらす生き神様なのです。
でも、14才までは村の子供たちと一緒に普通に暮らしていた受け様ですが
それ以降は神託をする神殿と母屋だけが世界の全てなんです。
この設定だと軟禁されて辛い感じなんですが、受け様はかなりやんちゃで
現代っ子で活動的なんですよね。
ご神託の時は、それなりに振る舞っているけど、終われば18才の青年
家の中でゲームやTVにも飽きてきて、鬱憤がたまってくるのです。

そして受け様は、鬱憤晴らしの意味で、逃げきれないと解っているのに
やんちゃ心で冒険の旅って感じで村を抜け出して都会へ・・・・
そして、そこで偶然出会ったのが俳優志望の攻め様で、外見が受け様お気に入りの
2次元キャラに似ている事から受け様一目で気に入って酔ってる攻め様の家に
張り切ってお邪魔して、かなり強引に迫って本番寸前の絡みをするのです。

翌日酔っていた攻め様は記憶が無くて、受け様は初めてだったのにと演技します。
村を抜け出して好みの相手に出会ったことで攻め様の側から離れないように画策(笑)
なんとも現金でやんちゃで憎めない受け様なんですよね。
そして未来を見通す力で攻め様が俳優として活躍するようにアドバイス
攻め様は見事ドラマの主役に・・・

でも、やっぱり幸せは長くは続かない、受け様は村からの迎えに従うことに
従わなければ攻め様の未来がダメになるから・・・
現代っ子の生き神様だけど、ワガママなようで初めて好きになった相手には
結構な健気さを発揮してます。
現代の生き神様の幸せは叶うのか?二人が本当の恋人同士になるまでの
ハッピーラブストーリー、なかなか面白いです。

4

冬にはこたつよね

私も初読みの先生でした。ムク先生の挿絵目当てでget
あっさり楽しく読めるのですが、読後感がふわふわ幸せ感高いので
ちょっと奮発気味ですが萌2で。

受けさん:渋谷歩いたら、数多くのナンパ・スカウトに声かけられる容姿。
     生き神扱いされてる特殊能力持ち、ポジティブシンキングできる子。
     ここだと思ったらがんがんいっちゃう現代っ子!
     そこが面白かった~
攻めさん:役者ばか。売れてない。イケメン。脱走してきた受けさんが
     公園でどうしよかなーと考えてたら、
     酔っぱらった勢いで持って帰っちゃう。
で、すったもんだして、くっついていくお話。

本編は、2時間枠のドラマみたいに大団円で終わるのですが、
そのあとのショートがきゅーんしました。
色々あって不機嫌絶頂の受けさんのところに、なんとか頑張ってたどり着いた
攻めさん。受けさんがお茶入れに行ってる間に、おこたで眠りこけちゃう。
会いに来てもらえてうれしくてうれしくてしょうがない受けさん。
そっと寄り添うところで fin。でした。
こっちまでふんわり幸せになれました~ 
このショートあるのとないのとでは大違い!です。

4

座敷わらしではないけれど

ちょっと違う本と勘違いして購入した本だったのですが、
ちゃんと楽しめました。

昔から村の繁栄のために、予見能力を代々引き継いできた一族の子孫である
葵は、自分の境遇に飽き飽きしながらも、
村のために、寄付者・信奉者にお金と引き換えに、
予言する役目を担っています。
でも、若い葵は、そんな役目に縛られることのない世界に憧れ、
村を脱走し、東京へ。そこで、偶然出会った、売れない役者に出会い
恋をし、村に縛られないけど、共存していく行き方を勝ち取るという
ものでした。

この本がいいな~と思ったのは、葵の性格です。
こいったストーリのときって、弱々しくて、言いなりにならざるを
得ない性格だったりするんですが、
葵は、あっけらかんとしているんですよね。
村から脱走したときも、
「失敗するだろーな。ちょっと冒険を楽しむつもりで・・・」
と言った具合で、自分に悲観しない。
そんな性格の受なので、ポジティブに楽しめる
物語になっているのだと思いました。

3

普通の男の子になりたいーーー!

初読みの作家さんです。
アズノベルズでムクさんのイラストって!って珍しいなと思い手にとってみました。
そうしたところ、意外や意外、とっても楽しいお話でこのムクイラストの可愛らしさがピッタリ合って面白かったのですよ。

主人公は未来のビジョンが見えると言う代々その血を受け継ぎ、特に突出した能力を持ったために、14歳の頃から神子としてほとんど建物から、よくても村からは決して出してもらえない幽閉された生活を送る18歳の葵。
そんな彼が、なにもかも与えられた生活に不満を抱き、外へ出たいと望み村を脱出したことから始まる出会いと恋の物語でした。
着の身着のままで、運よくトラックに拾われて、渋谷まで来たけれどお金も持たず、村への連絡方法も解らず、公園で寝ている時に、酔っぱらった売れない俳優だという直哉に声をかけられ、彼の家へ連れて行ってもらうことに。
直哉が好みのタイプだったこともあり、恋愛をしたいと憧れていた葵は、酔って記憶のないのを言い事に、まんまと既成事実があったかのように振舞って直哉と彼の従兄が一緒に住むアパートに同居させてもらうことになるのでした。

葵の未来の予見をする方法が面白いです。
射精時の瞬間にビジョンが見えると言う、、だから、依頼客が来ると、別室にこもっていわゆる、、、ヌいてもらうんですねw
その相手は修治という幼馴染で、ちゃんと女性のいる男子で、決して恋人とかじゃない。
この修治が、意外にもしたたかで、後半ちゃっかりしたところを見せるのが愉快です。

さて、葵ですが、恋に恋しているところもあるけれど、結構一途でかわいい。
普通、こういう閉じ込められた巫女みたいな設定って、不幸とか意にそぐわないとか、主人公が受け身だったり、あきらめていたり、なんて設定をよく見受けるのですが、葵は欲も悪くも現代っこなのでポジティブです♪
ちゃんとその能力の事は割り切っているし、ただ、自由がほしいだけ、それだけなんですよ。
その点が純粋だったと思います。
それに加えて、いわゆる世間知らずですが、成功したい欲深い大人達に御神託を与える仕事をしてましたから、その分はけっこうしたたかなんです。
そういった点もとてもポジティブで葵が生き生きしていました。

好きになった直哉の為に未来を予見して、最初のきっかけを与えることまではするのですが、それ以降の直哉がとても実直で真面目でイイ奴で、ちょっと惚れるw
最初、葵に嵌められた形で恋人になってはしまったけど、ちゃんと真面目に向き合って受け入れてくれる。
決して豊かでないのに、毎日留守番する葵の為に千円置いて行ってくれる。
葵の予見をあてにせずに、自分で切り開くからと、潔い。
主役の座を射止めて忙しくなり、あまり構ってあげられなくて御免と素直に言う。
こんないい人なのになんで恋人に振られちゃったんでしょうww
、、忙しくて会えないし、金もないっていうのもあるかもねww

けっこうさばさばしたドライな軽さもあるんだけど、それだけじゃない愉快さがあって、楽しめました。
イブの話しの短編は、幼なじみの修司視点+主人公達のほっこりラブです。

2

まるで映画のようです

 加美輿村で依頼者の予言をする葵。彼の占いの的中率は高く、依頼者は後を絶ちません。
眉目秀麗、白い肌、繊細な体つき、家、お金、仕事、何一つ不自由はないけれど、普通の若い人が経験するであろうことはできず、彼は「かごの鳥」です。その上、この予言は、葵が自慰をすることでしかできないため、葵はずっと村に縛られてしか生きていけないのです。
 ある日、葵は偶然出会ったトラックの運転手と共に初めて東京に行きます。そこで俳優の駆け出しである直哉と出会います。直哉はやけ酒の後、葵を自宅に連れて行きます。そこで葵は彼と一晩共にしたと言うのです。

 直哉の未来を予見する代わりに、東京での奇妙な同居生活が始まります。葵とは反対に、自分の夢を追う直哉。葵の言うとおりに過ごすことで、彼の俳優人生は瞬く間に開会していきます。

 加美輿村では決して味わえなかったピザ、初めての家事、お使い…。直哉と体を重ねることと同じくらい、葵にとっての「普通の暮らし」は思ったよりも楽しそうでした。淡々と満足するより、初めて人が欲しいと思えた瞬間、恋って苦しいと悩む葵がきゅんとします。やがて村からの使いにより、葵は連れ戻されます。一方通行の逢瀬と葵も悩みますが、最後に直哉が訪ねてきた時、本当のドラマが始まります。

 小椋ムクさんのイラストなので思わず手に取った1冊です。高貴な身分とも言える葵が村を抜け出して、一般人と恋愛を繰り広げていくお話はまるで映画のようです。しかし、話がよくまとまりすぎていることと、萌えが足りなかったことは否めません。直哉とのシーンもあるのですが、葵の中には、楽しさや愛の他にも、いつも「未来」のことが頭の片隅にあるようでした。

1

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