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表題作気に食わない友人

渡会雪会
ケーブル局のプロデューサー、28歳
青井忠志
葬儀屋の若社長、28歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

葬儀屋の若社長・青井には忘れられない相手がいる。それは、高校時代の 同級生・渡会だ。成績優秀で責任感が強い渡会に(勝手に)ライバル意識を持っていた青井は、三年間、渡会に勝つことだけを考えて必死に努力してきた。
そんな渡会と、十年ぶりに再会! しかも、テレビ局のプロデューサーに なっていた渡会に「葬儀屋の仕事を取材させてくれ」と頼まれて…!?

(出版社より)

作品情報

作品名
気に食わない友人
著者
榊花月 
イラスト
新藤まゆり 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199006951
2.2

(7)

(0)

萌々

(0)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
4
得点
13
評価数
7
平均
2.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

長い勘違いの末の結論

受け様の一方的なライバル視から始まっているようなシュールな内容でしたね。
中学時代から全国模試で前後の順位を争ってきた二人なのですが、受け様はお互い唯一の
公立の学校の上位者でいつの間にか受け様は全国模試よりも攻め様を抜く事だけを
目標にしていて、全国で10位に入った時も周りは凄いと言っても、攻め様を抜けないから
癇癪を起こす雰囲気なんです、それに攻め様の名前が雪会だから、相手が女の子だと
思い込んでることもあって、進学校に入学した時も、必ずここへ攻め様が来ていると
その女の子が誰なのか見てやるぞ的な感じだったが、その事実は大人びた雰囲気の
攻め様で、勝手に女の子と思い込んでいた受け様は、更に男だと知りライバル視するように
なって行きます。

そのライバル視はかなり執着に近い感じなのですが、思春期の好きと嫌いのはざまで
テンパっているようにしか感じられない感じでもあります。
そして、そんな気になる存在の攻め様に好きな相手がいると聞いた受け様は
その相手が誰なのかさり気なく聞こうとして、攻め様の好きな相手が自分だと言われ、
からかわれたと言う思いから更に受け様は攻め様に対して険悪になっていく。
高校時代の攻め様はナンパな感じが全然無くて、硬派で強面の雰囲気でデキる男みたいな
雰囲気だったので、受け様は嫉妬的な僻みを抱いているような感じもありました。

そんな二人は、高校時代の恩師の葬儀で再会するのですが、受け様は報道関係の夢を
諦めて家業である葬儀社の若社長として、恩師の葬儀を仕切る立場なのですが、
攻め様はケーブルTVのプロデューサーになっていて、昔のこだわりがぬぐえない受け様は
攻め様を避けようとするが、攻め様に葬儀社の取材を申し込まれ、渋々受け入れる。
そこから二人は仕事上の付き合いをするようになるのですが、受け様は根本的に
攻め様を誤解しているのです。

攻め様はお笑いがしたくてTV局に入社しているのですが、何故か受け様は自分と同じ
報道関係の仕事がしたいと思い込んでいて、受け様が現在お笑い番組を担当している事を
苦々しく思っているんです、それは自分が果たせなかった夢を理想的な攻め様に
投影しているんですが、受け様はまるっきり無自覚。

後半で、学生時代から受け様の一方的な勘違いで、攻め様を別の偶像化しているような
人間に仕立てていた事に気が付き、それと同時に攻め様への思いを自覚してしまう。
長い勘違いの末の恋の始まりのお話でした。

2

ラブを楽しむというよりは…

意外にも主人公の職業が葬儀屋さんで、
色々と考えさせられるお話でした。
ですのでそっちに気がとられたような…w

青井が中学時代から試験の度にほぼ自分の上位にいる名前を意識して
一人で勝手にライバル視してきた人間と
まさか高校で同じクラスになるとは。
それで勝ち目もなさそうなのに、更に闘争心を燃やしてしまったりとか
周りからみたらきっと「そんな必要ないのに」って思うかもだけど
青井からすると必死でしょうがなかった高校生活。

渡会が完璧だと思い込んで、
志望する職業も報道なんだろうとまたもや思い込んで
まさかお笑い番組を手掛ける所に最初から進みたかったと知り
ショックを受けるのがなんだか哀れ…。

回想シーンと交互に展開されますが
高校三年の最後の後夜祭で
キャンプファイヤーと時にみんなで作ったであろう看板等が
燃料としてくべられているのを見て
父親が言っていた「燃やせば全部なくなるってもんじゃない」という言葉で
感傷的になる青井。
小さい頃から「人の不幸で飯を食っている職業だ」とかわかわれ
自分は絶対継がないと決めていたのに
就活に失敗し父親が倒れた事でやむを得ず継ぐことに…。
それでも投げやりにならず、人の最後のセレモニーなのだから
故人と遺族の気持ちを考慮しながら日々真摯に仕事と向き合う姿は
渡会じゃなくても惚れます。(渡会は惚れ直したんだけど)

自分の気持ちに白黒つけられないのは往々にあるので
キャンプファイヤーの夜誰もいない体育館で
自ら渡会に仕掛けたキスを引きずり、
ずっと認めたくない、気づきたくないともがく青井が良かった。
焦れ焦れは好き。
渡会の一途な堅物さも楽しめました。
あと、共通の友人・酒屋の酒井が憎めない奴!
大雑把な性格の中になかなか気の遣い方が自然だったりして
こういう男と友達になりたいと思いました♪
酒屋の中を立ち飲み屋に改装して
輸入缶詰をつまみに出してるとか、立ち寄りたい…!!
でも「陽気なふとっちょ亭」というネーミングは…どうなの…?w

2

ぼやき系?

青井忠志(受・愛称「チュー」)の視点で進んでいきます。

青井は中学に名前だけ知ったライバル「ワタライユキエ」と同じ高校になります。友人の小町がフラれたのを機に渡会(攻)に告白された青井は、学園祭の夜についキスしてしまいます。そして6年後、葬儀会社「あお忠」の社長となって、元担任の葬儀で渡会と再会するという話です。

時系列ではそうなんですが、再会してから過去を振り返るという書き方になっていて、渡会にキスしたということは序盤に出ていますが、どういう展開でそうなったのかが予想できなかったので、その場面になったときに「なるほど、こう来たか」となりました。

青井が、意識してるのは自分だけなのかとか、渡会がくだらないお笑い番組を作って…と心の中であれこれ文句を言っているのが面白かったです。口には出さないのですが「女に負けるなんて」とか「お笑い番組はくだらない」とかそういう偏見も入るので、苦手な方には向いていないかもしれません。でも私は主人公の人間味が出て良かったと思いました。

腹の中ではあれこれ言うものの、ちゃんと社長として務めているのも好感が持てました。

そして肝心の恋愛はといえば、渡会が青井を好きなんだろうなという描写が端々にあって微笑ましかったです。渡会が小町を助けた理由が人魚姫だったのはツボでした。

1

あれ・・・

榊さんの作品は、以前から読ませていただいているのですが、
本作は、何故か今まで榊さんの作品を読んでいたときには
なかった違和感がありました。
思わせぶりというか、もってまわったような表現が多いように感じてしまい、
素直に読み進めることが難しかったです。

学生時代からずーとライバル視していた2人の再会ものです。
葬儀社の跡をついで社長として働く青井は、高校の同級生、度会と再会する。
青井は、ずーと度会をライバル視していたのですが、度会から好きだと言われ、
一度キスをした過去があります。

今回は楽しめなかったですが、榊さんの次回作も読みたいなと思います。

3

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