雀影
*メーカー通販特典は、ホーリンラブブックスでご購入いただいた場合は付きませんのでご注意ください*
たった半年間をいっしょに過ごした。
また、250年眠って、、、
寅雄にとって、
眠っていた250年間は存在していない時間。
目覚めた時はいつも、眠りにつく(死の前の)瞬間とつながっている。
だからこそ、500年の時を超えて、
愛する人の元へ、たどり着く。
このお話、ドラマCDになってよかった。
原作では、細部に気が散って物語に浸りきれなかった所もあったけど、こうやって音だけで聞くと、寅雄の心情だけに集中できる。
たとえ間に何百年の時をはさもうとも、寅雄の時間は、寅雄が生きている間だけのもので、それは外の時間とは関係ない。
その事が、たっつんの演じる「ずっと一人の人間として変わらない寅雄」と、
小野さんが演じわける「人間として生きていた時のヒカル」「250年後の残念なアンドロイド・ヒカルB」「人間のヒカルそっくりな本来のアンドロイド・ヒカル」との対比で、よりくっきりとする。
寅雄の恋が、寅雄の望む形でハッピーエンドになる。
それで充分。
原作はSFのBLということもあり、
賛否両論の意見でしたが
このお話は音声化されて良かった!
声優さんの力は偉大です。
音響が加わるだけで世界が立体になり
キャラに感情移入できます。
このお話は寅雄目線で物語が進んで進んでいきます。
意地っ張りな寅雄はたっつんで間違いないですよ。
泣きの演技が涙を誘います。
お話の冒頭から既にクライマックスですが、
原作ではサラッと読んでしまう場面も
こんなに切なくなるかぁ、と油断できません。
そして、お相手の小野さん。お一人で4役も!
人間の光とアンドロイドのヒカル。これだけでも凄いのに、
ヒカルA、Bも演じ分けてます。これは読んだだけじゃ解らない!
「何故、寅雄がヒカルを好きなったか」
それが伝わる演技でした。
音源化されて良かったところは2つ。
1つは、ヒカルと過ごす最後の夜。
「好きだよ」って素直に伝えるアンドロイドと
「好きだ」とは言えない意地っ張りな人間。
あの数ページがこんなに甘くて切ないシーンになるとは!
気遣うヒカルの台詞がたった一言足されるだけで、こんなにも違うとは...。
もう1つはボーナストラック。
原作で描かれていた部分は音声化されていませんが、
このシーンがあるからこそタイトル
【営み=ROMANCE】の意味が伝わります。
約束の為に生きる彼の恋物語。
切ないSFBLを聴いてみたい方に
おすすめのCDです!
山中ヒコ先生の原作の雰囲気にどっぷりつかれればいい作品ではないでしょうか。
コミック既読ですが、その雰囲気そのままでした…(ちなみにコミックでは号泣しました)
たっつんの演技はいうまでもなく期待通りでしたが、小野友樹さんの演技が今までのイメージにないものでした(いいいい意味で)。
特典トークCDでもおっしゃってましたが、今までウオー系の役(笑)が多いイメージだったので、これからどんどんこういう役もやってほしいな、と思います。
この作品はCDを買わずにはいられませんでした・・・
小野友樹さん×鈴木達央さんだったのですが、私はBLドラマCDと言うものを聞いたことがなく、初めてでした。エロ度がかなり少なくストーリー重視の作品だったので、すごく聞きやすかったです。
原作の漫画だけでもボロ泣きだったのでCDの威力もすごかったです笑
鈴木さんの泣き演技や苦しんだり葛藤するところがもうつらい、ヒカルAやB、250年後の演じ分けをされているのですごいです。
音声だけだとわかりにくいところは漫画片手に聞いて涙を流して欲しいです。
中学校時代の回想もお二人が演じている。好感!!
ラブストーリーというほどハッキリした話でもなく、
長いスパンのゆるやかな繋がりを描いたSF。
世界観を掴むために原作既読をおすすめする。
大学時代にバーで再会してからの、少し若い二人の幸せが滲む声があまりに温かく、
この後の展開を思うとつらい。
両親のホログラムを見せられて嗚咽する寅に、
妙に穏やかな声で「泣いてるの?うれしいの?かなしいの?」
と訊くヒカルBが耳で聴くほうが対比が鮮やかでつらい。
絡みは原作より少し足されているかな?
でも喘ぎ声というほどではなく、何をしているかわからない感じ。
ヒカルBを背負って砂漠を歩く達央さんの躍動感はさすが。
あれは自分も怪我をしているのに成人男性の重さを背負い、
足を取られる砂漠を歩く以外の何物でもない演技。
ヒカルBに会うために、尾瀬を目指し砂漠を歩くシーンも素晴らしかったですね…。
吹きすさぶ風の中、極限状態を押して気持ちだけで歩く、スケール感に負けない演技。
渾身のモノローグ。
達央さんの真っ当な演技はやはり良いものです…。
役も祈るように涙が滲んでいますが、聴いているこちらもつられるね…。
それだけの強い演技が魅力の方ですね。すごくよかった。
書き下ろしボーナストラック「500年後」は
原作巻末「250年後」の尾瀬にヒカルBが作ったとらさんの家が出てくる。
アンドロイドが一途に健気にとらさんを想って、二人で過ごした家を一人で作って250年待つ…
白痴的な愛情に泣けてしょうがない。
泣く寅に、また抑揚のない声で「泣かないでとらさん。痛いの?かなしいの?」と言うんだな。
またか…。
それが余計につらくて温かい。
キャストコメントはいつになく神妙に、
達央「いやー我々のトークなんかいらないんじゃないかなっていう」から始まるw
小野さんは光、ヒカルA、ヒカルBの3役演じ分け+光も中学生と大学生がありましたね。
達央さんも小野さんも終始穏やかな役で、
しっかりと内容のある話で演技力を発揮している良作だと思います。
決してわかりやすい原作ではないしCD向きでもない話だけど、脚本やBGMもよかった。