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熱砂の国の教育係 ~甘やかな罰と御褒美~

nessa no kuni no kyouikugakari

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表題作熱砂の国の教育係 ~甘やかな罰と御褒美~

キファーフ・アールハリーファ,28歳,尊を迎えに来た男
沢村尊,19歳,予備校生

あらすじ

ごく平凡な家庭で育った尊は、浅黒い肌に精悍なマスクの教育係・キーファーフによって、中東の王国に王子として連れて行かれて……!?

(出版社より)

作品情報

作品名
熱砂の国の教育係 ~甘やかな罰と御褒美~
著者
日生水貴 
イラスト
タカツキノボル 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775520505
3

(4)

(0)

萌々

(0)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
12
評価数
4
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

褒めて伸びる子なんです

とっても元気でやんちゃ、思ったことが直ぐ顔に出てしまう受けの尊。
そして相手役は尊の教育係になるキファーフ、そんな二人が主従関係プラス恋人に
なるまでを、二人の思惑や誤解と擦れ違い主従の関係と後継者問題を絡めながら
全体的にはコミカル路線だけど、そこに恋する切なさと信じていた相手の裏切りと
思える出来事が切なさを感じさせ、出会った時には単なるやんちゃなお子様だった尊が
異国の地で成長し、恋を知り成長するような姿も描かれている作品でした。

舞台はアラブだけれど、恋愛的な面でアラブにありがちな傲慢な身勝手さや痛さは
無縁の話、でも突然アラブの国のある地域を統治しているのが尊の大叔父で、
尊が後継者としてアラブに行く事になるのですが、素直な尊は騙される感じで
つれて行かれるのですが、その辺はアラブと言うより出来る男が腹黒的に策を練って
お子様を連れ出してしまう感じでしょうか。

言葉も風習も何もかも初めて尽くしの場所で、初めはキファーフにお前はキチクかと
思えるようなスパルタ式で勉強を軟禁状態で思えさせられる。
でもこの尊くんはお勉強が非常に苦手(笑)単語一つ覚えるにも大変で、スペルを間違えたら
おしおきとして、尊が嫌がる事をすると言われ出来たら逆にご褒美と要求するところが
お子様な尊くんだったりします。

そしておしおきがキス、もちろん男との経験なんて皆無な尊くんは嫌がり、
必死でスペルを覚えるけれどなかなか勉強が進まない。
そこへ王族繋がりで多少縁戚になる別の地区を統治する家の王子がやって来て、
尊くんを攫うように外へ連れ出して、そこで初めて尊は言葉に興味を覚えるようになり、
それを知ったキファーフは飴鞭作戦はやめて褒めて育てるにシフトチェンジ。

少しずつ言葉を覚えて来たが、自分を後継者に指名した大叔父には会わせてもらえない。
キファーフにいくら頼んでもまだ早いや、病気で寝ていると言われ、尊は疑心暗鬼になる。
いつも一緒にいる事でどんどん気持ちが育って行き、尊の無自覚大好きオーラが
出ているのではと思わせる気がしました。
そして思いを通じ合わせた訳ではないが、流されるように抱き合ってしまい、
尊はキファーフを好きになったことを自覚、しかしその相手は恩人でもある大叔父が
1番でその為なら尊を利用しようとしていると思い込む出来事が起きてしまう。

尊くん視点で描かれているので、キファーフの思惑も気持ちもはっきりした事が
解らず少し物足りない気がしましたね。
途中で出てきた当て馬なのかいい人終わりなのか分からないままの王子も気になるし
もう少し番外編でもいいからプラスが欲しかったかも知れません。

2

ほのぼのアラブもの

普通の日本人の青年が、実は中東の王族の血縁で、王子としてレッスンを受ける…
というアラブもの。
エロエロかと思いきや、主人公の内面の成長や攻めとの心の交流を
ほのぼの見守るような微笑ましいお話でした。


大学受験に失敗し、バイトしながら予備校に通う青年・尊。
ある日、中東からキファーフという男が彼を訪ねて来る。
キファーフが仕えるサラーフ王国第三の州の統治者ニザールは、尊の祖父の兄にあたる。
ニザールは現在病床にあり、唯一の近親者である尊を跡継ぎとして迎え入れたいという誘いだった。


乗り気でなかった尊だが、跡目争いに日本の自分の家族が巻き込まれる危険性を知り、
家族を守るため王国行きを決意する。
現地で言語レッスンを受けたり、現地の文化習慣に触れたりする過程で
キファーフに惹かれていく尊は、本当に素直というか純朴ないい子ちゃん。
「おしおき」と称してキスされても好意的に解釈、
冷たくされてもちょっと優しくされると途端に嬉しくなってしまう。

ポジティブとも言えるこの性格は嫌いではないけれど、
ラストまでその単純さで突っ切ってしまったのはいただけない。
成長/自立=別離とは必ずしも思いませんが、
自分の力で頑張って一人前になる!という覚悟はキファーフのちょっとした甘い言葉で
覆されるものだったのかと肩透かしを食らいました。
アラブBLとしてはこのEDが正解なのでしょうが、
それならそれで甘いシーンをもひとつ追加してほしかったかな。
終盤までの展開は割と好きだっただけに、ラストが尻切れに思え残念でした。

2

見ての通りのアラブもの

これも王道なシンデレラ的ストーリーなのかなと思ってたら違った。
そうか、表紙のアラブ人は王子ではなかったのか。
あらすじや帯をあまり見ずに表紙買いする癖もあり
自分が思ってたストーリーと違ってたので楽しめた。
外す場合も多いけれどね…(^^;)

大学受験に失敗し、アルバイトをしながら予備校へ通う日々。
ある日家に帰ると見知らぬ人物(キファーフ)が!!
なんと自分は王子さまだったのです。

すでに他界している実の父親の父親、つまり祖父がその国の王族だったと。
そして祖父の兄に当たるニザールという人物が病床に臥している為
その跡を継いで欲しいと。(いくら優秀な人物がいても血縁者でなければ後が継げないらしい)
最初は断っていましたが、自分が王子と解った途端に
誰かわからない者から命を狙われるように、家族にも危害が及ぶかも?!
そうしてその家族の身の安全を保障する交換条件としてその国へと旅立つのです。

頑張ってこの国の言葉や習慣いろいろと覚えようとするも難しく悩んでいると
別の王子が現れて尊を外に連れ出してくれます。
楽しい事をしながら憶える言葉はすんなり頭に入っていき尊もイキイキ。
それからはことあるごとにキファーフが連れ出してくれて勉強も順調に進んでいくのですが

何故かニザールに会わせてもらえない…流石におかしいと思っていると
実はニザールが病床に臥してるのは嘘でキファーフが勝手に尊を次の主と決めていた。
最初は今の主のためを思い行動していた事が、だんだんと尊を側に置きたくなって…
本当の事を知った尊は日本に帰ることを決意したのですがキファーフに閉じ込められ
一週間後に後継者に相応しいかの最終テストが。

知らない間にキファーフのことを好きになってた尊。
だけどキファーフの1番は今の主で自分は…
ですが前向きな尊、テストに合格して自分のことをキファーフに見てもらおうと頑張りました。

テストは無事合格。しかし尊はそのままこの国に留まるのではなく
1度日本に帰り、大学でこの国のことを学び戻ってくる決意を。
大人なキファーフはそれを受け入れるのかと思いきや最後の最後で独占欲出してきたかな。
最終的にはこの国でキファーフの元で学んでいく感じで終了!!

正直言えば、この独占欲出した後の2人のラブラブ度がもう少し見たかったな。

1

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