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表題作ひかげの薔薇

御倉俊介,財閥御曹司
楡崎陽,御倉の愛人

その他の収録作品

  • まひるの華
  • あとがき
  • その後のふたり

あらすじ

BLという名の病を読む
エロティックBLルネッサンス◆ハーレクイン・ラブシック創刊第2弾!

日の当たらない場所で、たった一人のためにひっそりと咲いている――薔薇。
マンションの一室で繰り広げられる愛の歪み。至高の純愛。

“月百万で君を飼う。なに一つ不自由はさせないが、自由はない。"
愛人の子として、陽はこの世に生を受けた。男にだらしない母に捨てられ、育ててくれた祖母も、ある朝、布団の中で冷たくなっていた。
愛されず、大事にされない。だから誰にも何にも期待しない。
方や名門に生まれ、華族出身の妻を持つ、冷たい大富豪の御倉。いかにも高級なコートや時計に惑わされたわけではないが、なぜか陽は御倉の誘いを断りきれず、彼の高級マンションへ連れていかれ、身体を繋げられてしまう。
いままで経験したことのないような男同士の激しいセックス。火遊びに始まったふしだらな関係。それなのに……
怖いほどに甘やかされて、本気になりそうで陽は怖い。土日には必ず屋敷に帰る、御倉の心はここにはないのに――。
思わず逃げようとする陽を、だが彼は捉え、監禁し、脅したのだ。
「どこへいく。君は私の所有物だ」
心も躰も搦めとる熱情と執着……鹿住槇史上、最深の偏執愛でお届けする、ラブシックシリーズ第二弾。
書き下ろしショートショートも収録!

作品情報

作品名
ひかげの薔薇
著者
鹿住槇 
イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
ハーレクイン
レーベル
ハーレクイン・ラブシック
発売日
ISBN
9784596744340
3.9

(55)

(23)

萌々

(13)

(13)

中立

(6)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
212
評価数
55
平均
3.9 / 5
神率
41.8%

レビュー投稿数10

すべてがゴージャス

まさに、レビュータイトル通りです。
本の装丁からイラストから話の内容まで、すべてが高級感に溢れていました。

私は、葛西先生の挿絵目的で購入したのですが、ファンには有難い表紙でした。
なんとも表紙イラストが帯状になっているんです!!
(説明下手ですみません、、、)
今回ハーレクイン様の小説を手に取るのが初めてだったので、全ての作品がこうなのかは分りかねますが、これは挿絵作家ファンには大変嬉しいデザインです。

また、話の内容も社長×愛人という何とも美味しい関係。
そしてその社長が一見すると冷徹な潔癖風イケメンなのですが、実際は受けを溺愛しており、甘やかしたくて仕方がないというデレっぷり。
’’耳元で囁く’’という描写が多かったのも甘い雰囲気が伝わってきて最高でした。
そして、濃厚なエロも味わえます。
小説だからこそ出来る内容も含まれたきわどいプレイも、美しく繊細な挿絵でより一層甘く、そして切なく感じられます。
また、仕事に対する受けの熱意や思いに心を打たれ、気づくとほろりと涙を流してしまいました。。。

不器用な二人の大人でゴージャスな恋愛。是非、お勧めします!

11

私のハーレクインのイメージを覆された一冊!!


こちらのレーベルは段落が分割されているタイプなんですね。

いつものと違うので、読む時に少し違和感がありましたが、読み始め数ページで「あ、これは好きなやつだ…」と確信しました。

金持ちイケメンの攻め御倉は、ゲイだけど社会的な理由で家庭持ち。
が、ある日バーに勤めていた受けの陽に一目惚れします。

受けの容姿も整っていて納得。

そして、あれよあれよと強引に愛人契約を結ばれます。

攻めの持ってるマンションで囲われ、そのまま陥落させようと企てるも、贅沢な暮らしに慣れないようにと受けは意識をしっかり保ちながら生活します。

「この遊びもいつかは終わるだろう」と諦めていたからでした。

攻めは本気なのに、です。

この手の執着攻めは結局、
攻めがキレて監禁パターンだろうな…という私の予測は見事に裏切られます。

なんとページ半分くらいで両想いになり、
半軟禁?生活は終わります。

えっ、じゃあ残りの半分はどうするの!?
と戸惑いました(笑)

結果、社会復帰した受けを自分の会社に勤めさせて仲良く暮らすのですが、攻めの行動は受けのことを本当に思いやってるんだな…と、とても伝わってきます。

最初はハーレクインと聞いて、昼ドラみたいなドロドロでエロいやつなのか…と、身構えましたが、むしろ真逆でめちゃくちゃ最高でした。

調べたら「必ずハッピーエンドの恋愛大衆小説」という意味があるんですね。

ハピエン大好きな私としては他作品も読んでみたいと思いました。

ただ、家庭持ちは変わらずで、ずっと妻子がいるなか愛人エンドです。

本人達は互いをベストパートナーとし、奥さんも子共もとてもいい人たちですが、そういう終わり方にモヤッとしてしまう方は、少し評価が分かれてしまうかもしれません。

9

麗しい作品

愛人ものは好みじゃないので避けていたのですが、もっと早く読めば良かったです。
葛西リカコさんの表紙買いで読んだのですが、この表紙のように美しい内容でした。上品で、でもエロスもあり、王道BLではないでしょうか!?

攻は、男前、圧倒的なセレブリティ感、傲慢な雄っ気ってもう全て揃えててキングです。本当かっこいい。それでいて執着愛ってずるい。笑
受は、不憫な境遇であっても悲壮感がなくて、前向きだし、中性的な容姿ながらも男らしさを失わず、すごく好ましい感じです。

ひかげの薔薇、まひるの華(ひかげの薔薇 後編)と読みましたが、読みづらさのない文章で私は好きでした。
圧倒的な社会的地位を持った男性が攻めのストーリーすきだなぁ。笑 

2

囲われの薔薇

ハーレクインラブシック復刊シリーズ第二弾は
第一弾の「蘭陵王」とはうってかわり
ゴージャス甘エロ路線。

社長×愛人という関係が冒頭から既にあり、
両想い(ただし中盤まで受けは攻めの気持ちに気付かない)な二人のめくるめく情事を堪能できる、フランス映画のような一冊です。


両想いなのに喧嘩ばかりな点もフランス映画的。
恋人への援助を惜しまないセレブ・御倉(攻め)と
人の金やコネを利用することに抵抗のある庶民・陽(受け)。

金銭感覚も愛情の示し方も違う二人は
ことあるごとに衝突するも
大抵はエロになだれ込み物別れに終わります。

緊縛、張型、猿轡など、プレイはややSM寄り。
思い通りにならない年下の恋人を
甘やかしたい一方で、
屈服させ泣かせてもみたいという
御倉の複雑な愛情がよく表現されています。


衝突すると言っても、所詮陽は御倉の愛人。
対等な関係になることはありえません。

御倉のコネで秘書室に配属され、
同僚からの嫌がらせにもめげず自分の力で
出世しようとする陽。
しかし御倉はそれすらも許さず
最後には社長の権限で
陽を無理やり自分専属の秘書にしてしまいます。

最後まで、御倉が陽と同じ目線に立つことはなく
陽の立場は「囲われる愛人」のまま。
そこに本書の面白さがあります。

どんなに愛し合っていても、陽が御倉の所有物で
あることに変わりはなく、陽自身もその関係を
本気で対等なものにしたいとは望んでいない。
美人で、頭の回転も悪くないのに
ネガティブで常に自分に自信のない陽は
温室咲きの薔薇のように
御倉の庇護下でしか輝けない存在なのかもしれません。

セレブに至れり尽くせりで愛される幸せなラブストーリーのようで、その実かなり不自由で閉塞的な印象も受ける作品。
読み手によって様々な捉え方が可能な点が、ただ甘いだけのラブストーリーとは一味違う面白さと言えるかもしれません。


この復刊シリーズ、
来春発売の第三弾も、同じ作家さんの作品だとか。
第一弾の「蘭陵王」に比べると
本来のハーレクインのイメージに忠実な
ロマンチック路線に移行してきているような、
やや守りに入っているような印象を受けますが
今後も本書のような
捻った面白さのあるラインナップに期待します。

16

恋は理屈じゃない

ハーレクインの名に恥じないハーレクイン展開。
愛人の子として生まれ、今は天涯孤独の陽。
「愛されず、大事にされない。だから誰にも何にも期待しない。」そんな、愛され方を知らない主人公を、名門の大富豪が愛人にするお話。
財閥御曹司の御倉の陽への接し方は、ただお金の力に任せて強引に調教したりするだけかと思いきや、
自分から欲しいと思った陽が、
自分を家柄や名前で見ない陽に、
どう愛したらいいのかわからず、いわば、途方に暮れて暴走しているだけという、根底にあるのは、不器用なお子様の初恋物語。
それが、財閥の御曹司で超お金持ちというハーレクイン設定に乗っかっている。
作中で陽が「何で自分を選んだ?」と御倉に何度も問いかけるが、そこは「ひと目見て恋したから」で押し切られてしまう。
この、「好きになっちゃったのは理屈じゃない」論理さえ受け入れられれば非常に甘くてロマンチックなシンデレラストーリーが堪能できる。
ここを割り切れば、痛いことも不快なこともなく、適度にエロくて読みやすい作品だと思う。

3

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