• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作俺たちのBL論

サンキュータツオ
春日太一

あらすじ

BL大好き男サンキュータツオ、BLと縁遠い世界に生きる男春日太一にBL=知的遊戯の魅力を徹底講義!男による男のためのBL入門。

《目次》
はじめに

第一部《基礎編》 男がBLへの誤解を解く
第一章 男が語る「BLとはなんぞや! 」
第二章 男がBLに目覚めるとき

第二部《応用編》 男がBLを読む
第三章 男がBLを読んでみたら……
第四章 男がBL思考をケーススタディしてみる
第五章 男が妄想に挑戦する

第三部《解脱編》 男がBLに欲情する
第六章 男がBLに評論されている
第七章 男はBLの絡みをどう楽しめばいい?

終章 《着地編》男と「腐女子」の関わり方

BL文献案内
ケーススタディシート

作品情報

作品名
俺たちのBL論
著者
サンキュータツオ  春日太一 
媒体
小説
出版社
河出書房新社
発売日
ISBN
9784309024417
3

(1)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

ふむふむなるほど

少し年のいった読者がBLって何?腐女子って何?と考えるのにいい材料。それぞれの意見に異論はあるだろうがこれほどすっきり整理されていると反論もしやすく、誤解や混乱が少なくなりそうで感心した。2006年-08年くらいにがオタクが「市民権を得た」、それ以降は「わりとのびのびしている」(P12)、そうなのか、いつの間に。でもこれで中島梓さんが書いていたやおい論と現在のBLのギャップも理解できそうだ。BLが商業、同人がやおい、という整理(21頁)はうーんこれでいいのかな?今ってそもそも「やおい」って言葉そんなに使うのかな?と疑問に思った。昔のやおい小説を思うとおおざっぱ過ぎる括りだと感じるが、時代で意味合いが違うのだろうと理解している。つまり、市民権を得る前がやおい(商業も同人も含む)、市民権を得た後がBLだと私は推測している(違ったら教えてください)。
128頁の春日さんの男性の身体に基づく読み方は異性には分からないことで大変に参考になった。というかよく正直に書いたなあと思う。森岡正博の『感じない男』に匹敵する貴重な視点ではないだろうか。
追記:サンキュータツオさんがBLに開眼したのは2008年頃、数多のアニメを経てからだという。なるほど、著者二人とも演劇や時代劇、コメディの世界を良く知っている人たちで、BL世界の中にある人の関係性や男らしさとは何かという問いなどが実は古典的なものだと気付く土壌があったから表面にある大いなる抵抗感(嫌悪感や偏見や誤解含む)を超えて理解する力を獲得できたということなのだろう。BL世界を知らない人への橋渡しとして名著だと思う。映画『リトルダンサー』が男の子のバレエへの偏見を打ち破るのに一役買った(のか?)ような存在になるのでは。これから、子どもの頃から周囲にBLがある男性たちがBLをどう語るのか、とても楽しみになってきた。
あと、せっかく男性が書いているのだから、「ルッキズム」(そんな言葉が存在すると7月2日、BLinAsiaで知った。イケメンばっかりもてはやされて見た目差別が横行すること、だと私は理解した)について一言言ってくれてもよかったな。

5

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP