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表題作きみがほしい、きみがほしい

広嗣,受の恋人,25歳
平坂秋緒,攻とカフェを経営,26歳

その他の収録作品

  • きみと、家族と
  • あとがき

あらすじ

ひとつ年下の恋人・広嗣とカフェを切り盛りしている秋緒。穏やかな日々に、忘れたふりをしていた“過去”が追いすがってきて…?

作品情報

作品名
きみがほしい、きみがほしい
著者
市村奈央 
イラスト
三池ろむこ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344837508
3.6

(16)

(4)

萌々

(5)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
56
評価数
16
平均
3.6 / 5
神率
25%

レビュー投稿数4

こんなカフェが近くにあればなぁ

お初の作者さんの作品でした。
初めから恋人同士で、2人でカフェを営んでいる幸せなカップル…ではなかったですね。
割と早めの時点で何かこの2人、秘密があるなというのは文脈から分かりました。

ヒロが作る料理やアキの作るおむすびの描写が美味しそうで、お腹の虫が騒ぎました。
美味しい食事、くつろげる場所、イケメンの店員のいるカフェを行きつけにしたい!

2人の愛情は確かなんだけど、ヒロはいつか家族に帰さないといけない…と思っているアキにはあまり共感できませんでしたが、その気持ちも分からないわけではなく。
相手が居れば他は何も要らない、っていう気持ちは嘘ではないけど、やっぱり逃げるようにして故郷を離れた後ろめたさや罪悪感は関係に影を落とすものなのでしょうね。

2人離れ離れの日々を越えて、完全にとまでは言わずともお許しをもらえてよかったです。
家族も増えた事で2人の生活にも変化がついて、ますますラブラブで微笑ましく思いました。

0

ささやかな幸せは しっとりと切なく。

冒頭から 穏やかで満ち足りた風な二人が描かれ、その中に ふと張り詰めた何かがそれぞれが纏っている事を読み手に気付かせるような 静かな筆使い。読んでいてだんだん知らず涙が溢れ落ちる。「寂しい」と声に出すまでに彼がどれ程孤独であったか、そしてそれを包む優しさの愛おしさがとても沁みました。

0

萌えられず

タイトルとあらすじに惹かれて購入。以前に1冊読んだ本もなかなか良かったので期待していたのだけど、何だか作品に浸れず。
カフェを経営しながら2人穏やかに暮らしているのに、攻を「借りている」とはどういうことかと思っていたら駆け落ちしていたというのにびっくり。
主人公との交際を反対されたからといって、いきなり駆け落ちしちゃう攻の行動が理解できない。主人公もいきなり何もかも放り出して付いて行っちゃうのも謎。それなのに5年後に半年攻が実家に戻ったら割りと簡単に親が許してくれちゃう。何だかご都合主義的な感じ。

5

スケールの小ささが逆に良い?

あらすじ:
一つ年下の恋人・広嗣(攻め)と一緒にカフェを経営する秋緒(受け)。
常連も多く、穏やかな日々を送る二人だが、後ろ暗い"過去"に今でも怯えていて…

2014年〜の現在編と、2005年〜の過去編とが交互に語られる構成。
攻め受けの視点も都度入れ替わり、現在編も2015年、2016年…と時が経っていくという、なかなか凝った内容です。

優しく男前な広嗣と、美人の秋緒。
仲良く暮らす二人ですが、何やら後ろ暗い過去を抱えている様子。
ほのぼのした空気が時折緊迫し何とも言えない緊張感が走る、なかなかメリハリある展開です。

【※以下ネタバレ】

7年前、19歳のとき、両親を交通事故で亡くした秋緒。
高校時代から秋緒に憧れていた広嗣は、ひとりぼっちの秋緒を支え、やがて二人は恋に落ちます。
医者の息子で、医学部を受験予定だった広嗣ですが、秋緒とのことを親に反対され、彼と駆け落ち。
秋緒の叔父の家を譲り受け、そこでカフェを始めた…という事情がありました。

駆け落ち設定にしてはあまりに恵まれた環境だな〜と思いますし、
この環境で誰にも見つからず何年もやり過ごしている〜という設定にも少し無理があるように感じますが、
世間知らずな若者二人の不安感や苦労は描かれていて、なかなか読ませる内容。
医療費の知らせが実家に届かないよう、保険証は使わず治療費を自己負担していたり、
広嗣の親に居場所がバレて、広嗣が実家に戻ってしまったり…
駆け落ちの大変さや、地に足が着いていない不安感などはよく伝わってきました。

人物描写もなかなか工夫されています。
広嗣から見た秋緒は、綺麗で繊細で守ってあげたくなる存在ですが、他の常連から見た秋緒は、それなりにしっかりした普通の成人男性。
同じ人間でも、人によって持たれる印象が変わること、
駆け落ち後の数年で秋緒もそれなりに成長していることがさりげなく描かれていて、上手いなと感じました。

秋緒が叔父に世話になりっぱなしだったこと、
広嗣の親との和解があまりに簡単だったこと、
悪人が出てこないことなど、
全体的に深刻さには欠けますが、こんなスケールの小さい駆け落ちもあるかもな〜と、妙なリアリティは感じられる一冊。
現代の話で駆け落ちモノという点も珍しく、興味深い作品でした。

6

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