人気アイドルグループ、犬猿なふたりの恋は…!?

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表題作独り占めバックステージ

一ノ宮愁,18歳,アイドルグループ「5seconds」のメンバー・高校生
窪寺万澄,18歳,アイドルグループ「5seconds」のメンバー・高校生

その他の収録作品

  • 独り占めスプラッシュ
  • あとがき

あらすじ

五人組アイドルグループに所属する万澄。生まれ持った美貌と歌唱力で人気一二を争うが、他のメンバーのように思い入れられずにいた。とりわけ高校のクラスメイトでもある愁とは反りが合わずに衝突しがち。それなのに、まっすぐ褒めたり苦手分野の教えを乞うたり――愁はたまに万澄を戸惑わせる。さらには落ち込んでいたところにキスされて……!?

作品情報

作品名
独り占めバックステージ
著者
市村奈央 
イラスト
鈴倉温 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344840126
3.6

(11)

(1)

萌々

(5)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
40
評価数
11
平均
3.6 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数4

両視点交互に読めるのがポイント!

アイドルからこの世界に嵌った私には、懐かしい感じもあり、そのグループに重ねて読み進めた事で
久しぶりにアイドルものにハマりそうです。

受けさんで、少し気難しい性格の万澄。
アイドル総選挙みたいなものでセンターに選ばれても、握手会で騒がれても、グループ内での
1、2位を争うほどの人気を持っていても、いつもどこか冷めた感じのあるクール美形。
攻めさんで、素直で明るくて天真爛漫な愁。
ファンサービス抜群で、演技派を生かして俳優業で活躍し、グループ1の多忙でありながら
アイドル活動も手を抜かない頑張り屋さん。
そんな2人が仲良く出来るはずもなく、いつも衝突してばかり南水ですが。
万澄のファンの暴走事件や、ロケ先での事故、万澄の好感度大暴落、事務所移転問題など。
様々な問題を乗り越えていくうちに、万澄が可愛いツンデレだったと判明!!
気付いた時にはもう、5seconds(グループ名)の愁×万澄推しになってました笑。
表題作後の番外編なんかもう、話が始まった時の2人からは考えられないほどのイチャつきぶりで、
ニヤニヤしっぱなしだったように思います。

まだまだこの2人の今後の話や、他メンの絡むお話が読みたくて読みたくて仕方ないです!

3

キラキラアイドル


仕事にやりがいや目標を見いだせないまま、ただ与えられた仕事を最低限こなしていたアイドルが、いかに自分の今いる場所がかけがえのないものかに気づき、仕事に前向きになる話です。

万澄(受け)はアイドル5人グループの一員です。グループ内では1.2を争う人気を誇りますが、他のメンバーのように仕事に一生懸命ではありません。そんな万澄にいつも苦言を呈してくるのは同じグループの愁(攻め)です。クラスメイトでもある愁は何事にも一生懸命であけっぴろげな態度で接してきて、万澄を貶したり褒めたり教えを乞うてみたりと万澄には理解できない行動をしてきます。二人はいつも衝突し、それを他のメンバーに宥められるという感じでグループ活動をしています。

万澄は両親とも有名俳優のサラブレッドです。母親は小さい時から別居しており、忙しい父親はかわいがってくれますが一緒にいる時間はほとんどなくファザコンです。万澄は父親と一緒にいられる機会が増えると言われスカウトを受けたのです。
愁とは考え方が違う上、万澄には愁が何を考えているかがわからないため、苦手に思っています。
本当は誰よりも誰かに必要とされたいのに、それを素直に言葉にできないツンデレさんなのです。

愁は芸能界に入りたくてオーディションを受けてデビューしたので、とても仕事熱心で仕事の幅を広げるため俳優の仕事も積極的にしています。やる気をださない万澄のことが癇に障ってしょっちゅう絡んでは衝突しています。
それでもふとした拍子に見せる万澄の無防備な姿や素直な礼、ツンツンする中でのデレに気づき意識するようになります。
3ヶ月に一度あるファン投票で初めて最下位になった万澄が、誰からも必要とされないかもしれないと動揺し泣く姿を見て、万澄が好きだと気付くのです。

交互に視点が変わるのでそれぞれの考えがわかりやすいです。
二人ともお互いがとても気になって、相手の考え方がわからないため知りたいと思っているところは同じです。特に愁は、オーラがあり歌や踊りに天賦の才がある万澄を羨ましく思っていてそれを生かさないことに腹を立てています。
グループ内で二人が衝突しそれを他のメンバーが宥めるという状況が続いていましたが、万澄の父親の事務所独立絡みで万澄の移籍の話が出て事態が動きます。引き留めたいメンバー達ですが‥

最後の最後まで万澄の動向がどうなるのかわからないまま進みます。愁は万澄を好きだと気付くまではずっと万澄に言いたい放題だったのに、万澄が一番言って欲しいと望んだときには臆病になり話がこじれてしまいます。
結局、万澄を慰留するために言葉ではなく態度で表すという作戦に出るのです。
万澄は家族の愛に恵まれなかったので自分に自信が無いのだと思います。その為、誰かに必要とされる事を強く望んでいたのではないでしょうか。
移籍+解散発表のコンサートで今までになくファンと一体になることができた万澄は初めてこの場所を失いたくないと強く思います。
プライドが高いく強がってばかりの万澄が、愁の前で少しでも素直になり甘えることができるようになったことが本当に良かったです。甘やかしてくれる存在ができたらきっと万澄もいい方向に変わっていけるのではないでしょうか。

表題作後のSSは愁視点です。
前向きになり以前だったら絶対断っていた仕事を受ける万澄の話です。
カナヅチな万澄が水泳にチャレンジするのですが、愁がチャレンジの付き添いだったので、カメラが回ってるのに拗ねたり怯えたり泣いたりとすごく感情豊かになっていて、あれはどこまで放送されたのでしょうか?溺れ掛けて愁に抱きついて泣いてるシーンなんて流して大丈夫かしら?ファンはきっとびっくりですね。これがOnAirされた時のメンバー含む周りの反応も読みたかったです。
最初のころとは全く違う二人のイチャイチャぶりに驚くばかりでした。

本編で万澄は受験勉強をずっと頑張っていましたが、結果はどうなったのでしょうか?SSで卒業していましたが、その結果も気になりました。
できれば、その後の5人の活動ももう少し読んでみたいです。少し変わった万澄の姿と他のメンバーとの様子なんかもとても気になります。
ただ、周りにバレてとか脅されてとかで別離の危機というのは食傷気味なので、そういう展開じゃないこの5人の頑張る話を読んでみたいです。

今回はキラキラアイドルなのでいろんな衣装が出てきて楽しかったです。できれば全ての衣装のイラストが見たかった。特に、革のホットパンツとベスト、マント、ガーターベルトとブーツにステッキという万澄の衣装、見たかったなー。

1

見たまま、カワイイ

キラキラなカワイイ成分を補給したくて購入。
カバーイラストの、いかにもなアイドル衣装!
これはこれでTLっぽくて、また違った意味でレジに出すのにハードル高いというか、まあ、通販したから関係ないんだけど。
10代のアイドルの子が、アイドルであることにどう向き合うかっていうストーリー。
そこにグループ内恋愛が絡んでくるけど、そこはまだみんな子供なので、自分の気持ちが本当は何なのかがわからずに右往左往する。
こんなん、おもしろいに決まってるじゃん。みたいな。
想定通りに楽しめたので、満足。

1

受け視点を好ましく思うかどうか

「5second(ファイブセカンズ)」という5人組アイドルグループに所属する、高校生2人をメインCPに繰り広げられる物語。
鈴倉先生のカバーイラストの通り、キラキラとしたアイドルくん達のお話なのですが、高校生ならではの心情が等身大で描かれているからか、あまり派手な印象は受けません。
恋のお話がメインというより、子供な若者が少しずつ成長していく様子を追う感覚が近いかも。

このアイドルグループ、シングル曲のセンター決めはファンからの投票なんですね。
そして、毎回今作の攻めの愁と受けの万澄が1位の座を競っているというもの。
ライバル関係にある反発し合う2人が〜と、よくある設定かと思いきや、愁と万澄では仕事に対するスタンスが異なるので、ライバルとしては温度差があるんです。

愁はアイドルになりたくてなった努力家。
けれど、万澄はそうではない。俳優である大好きな父親の側にいられるかも…と、そもそもの芸能界入りの理由も、仕事へのモチベーションも愁と比べてしまうと雲泥の差。
ただ、愁がこなせないことをさらっとこなしてしまったり、努力では決して出せない華があるんです。
しかしながら、上記の通り最低限の仕事をこなしているだけなので…愁はもっとやれば出来るはずなのに勿体ない!と、もどかしく感じていたり。
一方の万澄は、自分には出せない面を持っている愁に思うところがある。
2人共が年齢的にも精神的にもすごく子供なんですよ。
お互いに憧れている部分もあるというのに、素直に認められなかったり、ついつい反発してケンカになってしまったり、嫉妬をしたりと、かなり青くさいやり取りが続きます。
これは高校生ものだからこその青さだなあなんて思いながら、2人が少しずつ一生懸命に成長していくもどかしい姿は、よちよち歩きの雛鳥を見ているかのようで微笑ましく読めました。

両視点なので、お互いをどう思っているのか、どんな気持ちなのかがすごく丁寧に描かれていて読みやすいです。
愁は、猪突猛進っぽさはあれど、良くも悪くもまっすぐで素直な嫌味のない優しい良い子。
万澄への意識が少しずつ変化していくのが分かりやすく、万澄がふとした時に見せるギャップのある姿にザワつく心もじれったくて可愛い。
と、攻めの等身大の若者感は良かったのですが…

今作は、万澄視点を可愛らしいと思えるかどうかで感想が分かれる作品かなとも思います。
ジャンル分けをするのならツンデレなんだと思う。
うーん、結構ツンが多めです。
攻めの愁と周囲のメンバーが真面目に真摯にお仕事に取り組んでいる様子が描かれているからか、なおさら万澄のやる気のなさや未熟さが目立ってしまって、普段なら可愛く感じるはずのツンデレさも面倒に感じられてしまった。
合間に入る父親とのエピソードが深くはないのに、万澄が父親に心酔しきっていることに違和感を覚えてしまったのもあるかもしれません。
両親とのあれこれがもっと詳しく描かれていたのなら、万澄に対しての印象も変わったのでは?と思います。
じゃないと父親が少し異常に見えます。
この辺りが気になってしまってハマり切れず。
アイドルもののお仕事面に何を求めるかによるかもしれません。

愁視点から見た万澄は可愛かったですし、特に意識することもなく、見るものをハッとさせる妖艶な雰囲気を纏う受けの図は良かったんですけど。
後半になってようやく万澄の未熟さを可愛く思えた気がします。
もう、後半はすごくすごく可愛いんですよ!
やや気になる部分も書いてしまいましたが、愁と、後半と本編終了後の万澄は本当に可愛かったです。

ソロ楽曲をシャッフルして披露するくだりや、他メンバーもきちんとキャラクターが立っているのも良かっただけに、中立と評価に悩みつつこちらの評価で。
デレ後は可愛かったけれど、万澄は私が求めていたプロのアイドルではなかったかな。

0

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