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おじさんと言いつつ、ワイルドでかっこいい攻めが多い世の中ですがこちらはしっかりとおじさん攻めでした。(もちろん読者受けする程度の設定はありますが)
どこにでもいる40代の普通の男の安原さんが伊崎には合ってたんですね。
想いが通じ合ってからの伊崎が可愛くて可愛くて…こんなふうに甘えられたり懐かれたらそりゃ絆されます。
初エッチのシーンで伊崎が中イキしてるのによくわかってない安原さんの図、いいぞもっとやれとなりました。
前半は受け視点、後半は攻め視点となります。
一冊を通して受け視点が好きなんですが、こちらの作品は前作が同じように受け攻め視点両方あったので期待して読み進められました。
「嫌いな男」のスピンオフ。ちらっと登場した、向居の仕事上のパートナーである伊崎が主人公。
位置づけ的には後日談なので、向居と南のCPもちょこっと出てきます。相変わらず仲良し。
伊崎も向居と同じでノンケがタイプであり、しかもちょっと無理目(背伸びしても届かないくらい)の高レベルの年上が好み。これだけでも難儀なのに、学生の頃からくっついたり離れたりを繰り返す好みドンピシャの男がいて、一途というか足下見られているというか、負のスパイラルの匂いがします。
本書は伊崎が全然好みじゃないはずの安原と恋に落ち、この腐れ縁的な各務と別れるお話です。
「嫌いな男」と大きく異なるのは、前者がお仕事BLの要素もあったのに、こちらはプライベートに全振りしている点です。
普段なら絶対に入らない居酒屋で知り合い、なんとなく気に入ってその店に通う。何度も会って飲み友達になり、おうちを行き来するようになる。そうして関係を深めていった安原は、起業家で24時間仕事に充てることも出来てしまう伊崎にとって、リラックスできるかけがえのない相手であると読んでいてわかります。
彼は伊崎の安全地帯にいつのまにかなっていて、別れても時が経てば各務になびいていたスパイラルをソフトに断ち切るなど、徐々に存在意義を増していく、その流れが自然でした。全体的にほのぼのしているのは安原のキャラクターかもしれないです。
各務との別れは結構唐突で、いったん執着を見せながらも急速に冷めていった(賢者タイム的な)ので、更なる一波乱を期待しましたがそれはちょっと肩透かしでもありました。
伊崎の過去と家族、安原の過去と家族が丁寧に描かれていることで立体的になるものの、リアルに寄りすぎて萌えからは離れて行った印象です。
本書の3分の2が伊崎視点の「隣の男」、3分の1が安原視点の「今夜の月は」。
イラストの安原さんはだいぶかっこよすぎかな。
大好きな「嫌いな男」のスピンオフとなるこちら。
電子で買うつもりで待機していたのですが、コミコミさんにてディアプラス文庫小冊子フェアの文字を見て、そりゃーGETせねば、とさらに待ちました(≧▽≦)
受け様は前作にて不誠実な恋人に振り回され、やっと別れる事を決めてた伊崎。
ふらりと立ち寄った居酒屋で相席した男性と飲み友達となる。
それが攻め様である安原。
伊崎は、理想となるような男性に憧れて好きになり、あの手この手で頑張ってきた、そんな恋愛遍歴。
伊崎とにって目標であり、長く別れたくても別れられない相手であった各務と、今度こそ別れる決心をして苦しい時。
気取らずにすむ安原と過ごす時間は楽しくて、きづけは心待ちにするようになり。
ーいつのまにか好きになっていたー。
そんな伊崎の気持ちが、とてもこそばゆくて可愛くてきゅんきゅんでした。
伊崎の告白も素直で可愛くていいなぁ。
安原視点では、どっしりと穏やかな安原の独占欲を見せてもらえてうふふですよ( *´艸`)
こちら単体でも楽しいですけど、前作の2人も仲良く登場してるので、にまにま増し増しです。
イラストは引き続き北沢きょう先生。
4人での食事シーンが目の保養。
更に安原が迎えに来たシーンが良きかな、でした(*^^*)
BL小説は自分には合わないな、コミックの方が眼にもやさしいし読むのを控えようと思ったばかりなのについ購入してしまった。
このかたについてもよく知らない、ただ大好きな須坂紫那先生の「隣の嘘つき」の原作者だというだけ。
「隣の嘘つき」、繰り返し読む程気に入ってます。
本作品もファンタジーでもなくヤクザや刑事や探偵が登場しないお話で高評価だったので結構期待しました。
結果、一気に楽しく読めました。
メインの登場人物のほとんどは美形で華やかな世界の住人のようですが、でもまあとんでもなく想像外ではなく、多分私にとってここが重要なとこなのだと思います。
想像を越える設定、ストーリーだと白けてくるのだと思います。(といっても「魔道祖師」とかは魅せられましたから例外はある)
ごく普通っぽいノーマルで人柄も良い安原がフィーチャーされている事で、私のBL小説への違和感というか拒否感が見事に払拭されました。
濡れ場も白けず読めました。
スピンオフとの事なので、元の小説や先生の他の作品も読むつもりです。
星5と星4、迷いましたが私にまた小説を読む楽しみを与えてくれたので星5にしました。