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表題作夢は夜ごとに訪れて

小林勝海・無職で妻子に逃げられたらしい男・30代
環一夜・しっかり者の貧乏大学生・20歳

あらすじ

貧乏だが健気に生きるしっかり者の大学生・一夜は、パチンコ屋で、渋い男前だがやさぐれた男・小林と出会う。小林からナンパというにはヘタな誘われ方をされ飲みに行った一夜だが、結局小林は潰れてしまう。小林をリストラされたうえ妻子に逃げられた人と思った一夜は、彼を気の毒に思い部屋に一晩泊めることに。以来小林と歳の差をこえた交流が始まるが、それは友情というには親密すぎて…。

作品情報

作品名
夢は夜ごとに訪れて
著者
火崎勇 
イラスト
みささぎ楓李 
媒体
小説
出版社
茜新社
レーベル
オヴィスノベルズ
発売日
ISBN
9784871825979
2.3

(3)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
6
評価数
3
平均
2.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

淡々としたピュアラブ

ありふれた日常に恋が少しずつ取り込まれていく感じが何ともいえずよかったです。
意外とこういう淡々とした話って好きかも。
よくある大学生活と「小林さん」が訪れるようになった一人暮らしのアパート。会話や雰囲気にセンスがあるし、奇抜さは感じないけどいい話だなと思えます。物語の中で唯一、傷心の男を拾う形になるところが非日常な部分としてあるわけで・・・。
ありふれてるけれども本人たちにとっては事件といってもいいことが次々に起きて、すれ違ったり、悩んだり、純粋に物語として面白いかな。
話の先が見えないこともないけど読ませ方が巧いのかあまり気になりません。
ただあえて言うならばこの設定、普通に男女の話でも十分いけると思うんだけどな。

0

安定しています

1冊すべて表題作です。環(受け)の視点でストーリーは進みます。

「ヘタレ社会人×しっかり大学生」この一言に尽きます。
表紙では環を抱いてクールそうな小林(攻め)ですが、中身は年下大学生の環に世話をしてもらうことを喜び、環に嫌われるんじゃないかと本当のことを話せないヘタレです。

パチンコ屋で出会った二人ですが、環は月一度の楽しみですし、小林は初パチンコという感じで、あらすじの印象とは異なり二人とも真面目なタイプでそうバクチを好むわけではありません。

私が今まで読んだ限りでは、どんな設定の作品でも読後の後味が悪くないので大のお気に入りの作家さんなのですが、その分、淡々とした語り口で感情の起伏が激しくない印象もあります。

環は年齢の割に自分の考えを持っており、「こう考えられたら良いなぁ」と思うような理想的な青年です。かといってその優等生ぶりが鼻につくわけでもなく、そのバランスが見事だと思います。

主人公に感情移入して騒いだり泣いたりした方には向かないかもしれませんが、私はこういう自分を持っているタイプが好きなので楽しかったです。

ただ、淡々とした日常のストーリーなので退屈に感じる方はおられるかもとは思います。

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