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表題作疾走する月の眩暈

平瀬威 27歳 便利屋
別宮千明 18歳 高校三年生

あらすじ

今度は俺が、あなたに返す番だよ。 大学受験を迎え、将来の道を模索する千明。実は大きな目標があるのだが、まだ平瀬には告げられずにいた。一方平瀬はそんな千明の旅立ちを見守ろうと決めていたが…。熱くせつないボーイズ・ラブ!

作品情報

作品名
疾走する月の眩暈
著者
麻生玲子 
イラスト
立野真琴 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
コバルト文庫【非BL】
発売日
ISBN
9784086004480
4

(1)

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萌々

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中立

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趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
4
評価数
1
平均
4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

最初から最後まで…そしてこれから先も、ずっと極甘な2人の愛は続きます!

シリーズ第4段!最終巻!
『眩暈』というタイトルの通り、色んな意味でめまぐるしい展開の最終巻でした!

前作で、過去と向き合う事が出来た千明。
今回は、将来進むべき道を模索し始めます。
自分に出来る事…辛い経験をした自分だからこそ出来る事!
怪我をした時に支えてくれた人達の心強さや感謝の気持ちから、今度は自分が返していきたい、助けていきたいという気持ちが膨らんでいきます。
そして、大きな目標に向かって進んでいく千明。
平瀬も千明の“旅立ち”を嬉しく思い、そっと見守ろうと胸に決めます。
そして、卒業式を迎え、再び黒田君から衝撃の告白!
平瀬の過去が明らかに⁉︎
余りの驚きに、偶然とは言え、昔憧れていた『平瀬』と同一人物とは信じられない千明。
黒田君も千明が知らなかったことに驚きに…運命という言葉を使います。
そこに現れたスーツ姿の平瀬…色んな溢れる想いを胸に駆け寄る千明は、思わず逆ギレ状態(笑)
そして周囲も驚かせる、2人のどっちもどっちな行動に卒業式は大騒ぎ(笑)

無事に大学に合格し、1人暮しを始め、アルバイトも再開。
目標を決めた千明に、夢の実現の為にもアルバイトを辞めるように促す平瀬。
千明の為に、出来る限りのアドバイスと、手助けを惜しまない平瀬の想いを嬉しく思いつつも、会える時間が減ることにちょっぴり寂しい千明。
千明は目標の為に新しいバイトを始め、自分自身も磨き、今出来ることは何でも吸収しようと頑張り始めます。
そして、大学生活も1年を経とうとした時、将来の目標実現のため留学を視野に入れ始めます。
大学を休学し、半年間の留学が決まった千明は…⁉︎
平瀬はそんな留学する千明の為に、最大級の隠しカードをプレゼントしてくれ…⁉︎
熱く、甘く…せつなく走り出す2人のゴールは⁉︎

よくBLでお目見えする、天才的な才能のある主人公ではなく、ちょっと影のある男の子が、過去を振り切って前向きに生きて行こうとする姿に重点が置かれている作品でした。
なので恋愛に関しては、多少は悩むものの、背徳的な感じはありません。
男同士なら普通悩むよな〜とその辺は現実感がないので、物足らなさは残ります。
でもそんなことを吹き飛ばす位、最後までお互いラブラブ状態で突き進んでいってくれる明い恋愛模様に、逆に新鮮でいいな〜と(笑)
おおらかな平瀬の人柄の影響が強いとは思うんですけど、卒業式後に至っては、千明までもがそんな行動に⁉︎な展開に、
平瀬に毒され過ぎなのでは!と突っ込みながらも…なんかいい雰囲気なんですよね。
私も読みながらギャラリーの一員になった感じで、とっても好きなラブなシーンでした。

平瀬の過去の秘密も最後明らかにされています。
ただ予想以上に凄い人&運命的な展開にビックリ!
ラスト千明の留学が決まってからの、平瀬の隠し球の数々に私自身も『眩暈』状態でした(笑)

たった半年の留学なのに、2人にとっては今生の別れのような飛行場のシーンは、たったの半年だよ!と思いながらも思わずジーンとしてしまいます。

そして、半年後『今度は俺が返す番だと』意気込んで、自信をつけて帰ってきた千明の成長に関しては、コバルトらしい爽快さあるラストではあるものの…駆け足状態で終わった感が残念でした。

麻生先生もあとがきに、千明半年で何を学んできたのか、平瀬は結局最後まで謎だったし、脇役の黒田君の彼氏さんは…
突っ込みたい所が多いと思いますけど、皆さん想像を膨らませて頂くということで書き逃げさせてもらいますと(笑)
先生分かっていらっしゃるなら、書いて欲しかったです。
もっとしっかり読みたかった気持ちが残るのは、面白い作品だったんだろうなあと思います。

キャラが個性もあって、楽しませてくれて、愛情溢れた人達ばかりなのが本当に魅力的でした。
その中でピカイチなのは、やっぱり平瀬ですね♡
千明より9つも年上の大人なのに、大人気なかったり、強引なようでいて、千明の心根をしっかり考えてくれていて、待つこと、辞めることもちゃんとしてくれて…
人前でも、堂々と千明は大切な奴だと披露したり、
最終巻では、卒業後の千明をお持ち帰りしたいが為に、スーツ姿だから丁度いい位に、両親に挨拶に言ってしまう様な突飛な行動力や、半年ぶりの再会では、周囲も忘れてラブシーンを鎌して呆れられてるし(笑)
無神経なようでいて、実際は平瀬のおおらかな人柄の賜物な所がいいんです。
安心できる包み込むような優しさが魅力たっぷりの年上大人攻様でした。
でも、そんなカッコいい男なのに、意外にもいじられキャラな、純情ヘタレタイプな所がまたまたツボでした。

千明も平瀬が怪我おったのを目の辺りにして、『もう半分は俺のものなんだから』と心配の余り泣いてしまうシーンは、愛らしくて仕方なく、あ〜本当にこの2人はどこまで愛し合っていくんだろうな、本当に極甘カプ過ぎてごちそうさまです(笑)
最初から最後まで、どんどんお互いを好きになって、お互いの存在が自分達を強くもしてくれて、それがこれからも続いていく所が、ありえないとは思いながらも、理想だな、いいなと思わしてくれるカプでした。

どうしてもいってしまいますけど、コバルト色の強いBLだな〜と!
やりたいことをみつけ、それに向かって努力する姿や、自分の限界を見極めて、その範囲内で頑張っていこうとする潔さであったり、今を楽しみながらも人生を長く見据えていく生き方だったりを伝えてくれる様な作品でもありました。

最初若かりし学生時代に読んだ時は、自分も目標を探して人生を頑張ろうと思ったんだすけど…
久しぶりに大人になって再読して、自分の理想はどこまで叶えられているかな〜と感慨深くもなりました。

極甘な年の差カプのお話を読みたい方、青春を感じたい方、自分を見つめ直したい方?とかにはいいのかなあと思います。

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