特典

  • 家族になろうよ「千年恋空―ずっと好きな君へ―」番外編

家族になろうよ「千年恋空―ずっと好きな君へ―」番外編

kazoku ni narouyo

商品説明

文庫発刊記念・コミコミスタジオ購入限定特典かき下ろし小冊子
羊雲のわたげ視点での過去から現在、後日譚となっています。

作品情報

作品名
家族になろうよ「千年恋空―ずっと好きな君へ―」番外編
著者
雨月夜道 
イラスト
榊空也 
媒体
特典
発売日
付いてきた作品(特典の場合)
千年恋空―ずっと好きな君へ―(但コミコミスタジオ購入のみ)
5

(2)

(2)

萌々

(0)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
10
評価数
2
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

彼の千年を支えたものは

本品は『千年恋空―ずっと好きな君へ―』の
コミコミスタジオ限定特典小冊子になります。

天に従う羊雲のわたげ視点で
仙助との関りを描いたお話です。

本作の語り手・わたげは
見た目はただの羊で力も弱いですが
空を飛べて毛が雲の素という羊雲の妖獣です。

わたげには大好きな家族が2人います。
1人は双子の弟のけだまで
もう一人は雷の神様であるご主人様♪

普通の雷の神様は
強くてかっこいいものが大好きなので
羊雲には見向きもしないのですが

ご主人様は初めて会った時に
お前たちとなら世界で一番
きれいな空を作れると思うと
頭を下げた変わった神様。

だけど、
わたげたちの毛で編まれた空は
びっくりするくらい綺麗で

わたげは
羊雲だって立派な妖獣なんだと
胸を張ることが出来るようになります。

ご主人様にお仕え出来て
わたげたちはすごく幸せです♡

だから
優しいご主人様にはわたげたちより
たくさん幸せになって欲しいのです。

紫陽花が綺麗に咲いた6月のある日、

わたげとけだまはご主人様が
お空を編み始めたのを見届けると
いつものようにこっそりと
社を抜け出しました。

空を飛ばず、
姿を消して地面ギリギリを飛びます。

地面を歩いて、
彼を踏みつぶしたら大変だから。

ご主人様が明日のお空を
編んでいる間に彼を探すことが
わたげたちが千年続けている日課です。

わたげたちは人間が、
人間だけに生まれ変わるわけじゃないと
知っていたので

彼…頼久さんがご主人様に
「生まれ変わって逢いにくる」と言った時、
心の底から驚きました。

人間に生まれ変わってくるまで
頼久さんとしての自我や思い出を
ずっと忘れずにいるってこと?

それがどけだけ辛いことか
わたげたちには想像できません。

福禄寿様は
「これが一番、2人のためなのじゃ」と
ご主人様にはこのことを黙っていること、
彼の生まれ変わりを見かけても
見て見ぬふりをするようにと言われます。

でもご主人様に黙っていることはできても
偶然、彼の生まれ変わりである子猫が
良犬に食い殺されそうになるところでは
体が勝手に動いてしまいました。

わたげたちは彼をお家に連れ帰って
ご主人様に手当てをしてもらいました。

ご主人様は彼に気付かず
彼もわたげたちに「はじめまして」と
自然な口調で初対面の挨拶しますが

ご主人様へ向ける視線は
頼久さんの頃のままで彼が
覚えていることを語っていました。

初対面のふりをされたのは
わたげたちは大好きな人のおまけで
信用されていないからだと寂しくても
どこかで納得していました。

子猫はその後、
わたげたちの家族として過ごします。

それ以来、わたげたちは
彼が死んだら彼を探すようになり…

A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)、
といつものコミコミ小冊子より増量して
2段組16頁の小冊子にてわたげ視点で
仙助の千年が描かれています。

しかし、
最初に人間に生まれ変わった時、
喜びで飛びついたご主人様を
彼は思い切り突き飛ばしました。

彼はご主人様の事を思い出さないまま
奥さんをもらって子供を作って
ご主人様と再会したのです。

それでも彼は最後の時にもう一度、
ご主人様とあの約束をします。

辛いことばかりだと分かってなお、
2人はこの道を選び、
わたげたちもまた彼を探し続ける道を
選びます。

彼は犬猫や雀の時も
小さなかたつむりの時もありました。

何も知らないご主人様はぼくたちが
数十年毎に連れてくる彼が誰かを知らず、
わたげたちがつれてくるものの基準が
わからないなと笑っています。

でもここ百年、
敬吾さんが遠い地で死んだからか
彼が見つかりません。

しかし今日、
紫陽花の葉っぱの上に留まった
小さな蛍に声を掛けられます。

わたげ。こだま。
奇遇だな。散歩か?

いつも初対面のふりをする彼が
話しかけてきたことに驚きますが
彼は満身創痍でした。

次に人に生まれ変わったら
天とお前たちを大事に…
幸せにできる男になってみせるから

と言われたわたげは
いつも彼にご主人様のおまけではなく
彼はけだまとわたげとして
大事にされていたのだと思い至ります。

そして、薄闇の中の小さな光は
ふっと消えてしまいます。

わたげはけだまと一緒に
彼に懸命に声をかけますが
彼は起きてくれなくて…

…ふっと目覚めたわたげは
隣で寝ていたけだまもまた
同じ夢を見ていた事に気づきます。

そんな2匹の背後には
1ケ月前に虹色食堂にやってきた彼が
ご主人様と一緒にいました。

いまはまだ記憶のない彼ですが
今世で記憶が戻ったら

これから先もずっと
ご主人様を誰より幸せに
わたげたちを今まで以上に
大事にしれくれると信じられます。

ぼくたちも頑張ると
わたげが決意を新たにし
本編へと続く流れで終幕します。

本編は天視点よりで進むため
仙助の思いが語られる場面は
あまり多くありませんし

なにより天が
彼は人間にしか転生しない
と思っているので
人間に生まれ変わった時が
メインとなっています。

本作は人と人の転生の
隙間に埋もれた彼の転生体と
わたげたちとの交流が描かれており

小冊子なのに
読みながら涙が止まりませんでした。

わたげはご主人様が好きで
ご主人様が好きな彼が大好きです。

でも羊雲の自分は弱くて
いつも馬鹿にされていて
誰からも必要にされなかったから

彼に優しくされるのも
大好きなご主人様のおまけだから
と思っていました。

でも儚くなる寸前なのに
わたげたちのために力を振り絞って
おまえたちが大好きだよ
と言い残した彼は男前すぎだし

彼がどれほどの決意で
転生を繰り返し千年を生きたのか
改めて知らしめてくれるお話でした (☍﹏⁰A)

特典なので
本作だけ読む方はいないと思いますし

長さ的にも内容的にも
本編に収録された短編が補足としては
ちょうどよいとは思いますが

できる事なら本作と併せて
本編を楽しんで欲しいので
今回は「神」評価とさせて頂きます。

私の「神」評価は多分にMYツボ、
MY萌重視ですのでご了解ください(笑)

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