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表題作背中合わせのくちづけ2

司法省特別捜査官 ウィリアム
神父 オーブリー

あらすじ

狂おしい憧れで彩られた翅からこぼれる鱗粉は、毒のように心を惑わせる―。
アメリカ禁酒法時代、妻をギャングの抗争の巻き添えで喪ったウィリアムは、司法省特別捜査官となってシカゴへとやってきた。
復讐の手段を選ばぬ彼は、計画のために教区の神父を犯し、その姿を写真に撮るが…。
ジャズエイジの栄光と腐敗の象徴たる街シカゴで繰り広げられる、愛と理想を無くした男と心清き神父のラブ・サクリファイス。

作品情報

作品名
背中合わせのくちづけ2
著者
真瀬もと 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403521010
4.5

(2)

(1)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
9
評価数
2
平均
4.5 / 5
神率
50%

レビュー投稿数1

捜査官×神父のバイオレンス・ラブ

「背中合わせのくちづけ」の2巻で、1巻と主人公は変わりますが、ストーリーは継続中です。
1話完結で主人公の変わるシリーズものは多々ありますが、同じストーリーが継続中のまま、主人公が変わるというのは珍しいかもしれません。

前の主人公・アロンとショーンも出てきますが、今回はショーンの元主人で・アロンを事件に巻き込んだウィリアムと町の神父・オーブリーのお話です。
1巻ではアロンに対する態度からあんまりウィリアムの事を好きになれない…と思っていたのですが、このお話でもやってることは結構酷いと感じます。
妻をギャングの抗争で亡くし、その復讐のため司法捜査官となった彼はギャングを壊滅させるためある程度の手段は選びません。
そのために神父のオーブリーを強姦し、写真を撮って彼を捜査に協力させます。

オーブリーはとても神父らしい神父です。博愛でなにをされても子供を抱くようにウィリアムを抱きしめます。
なんていうかオーブリーの綺麗さがすごくて、写真をばらまくと言ったウィリアムに言った台詞が衝撃的でした。

オーブリーはいい事をする力は世界にちゃんと働くと信じています。
ウィリアムはオーブリーが綺麗すぎて、次第に離れたくなってきます。
この綺麗さに苛立ちながらも、博愛でなく自分だけのものになってほしいと思うようになります。
この2人の関係が愛に変わっていくかどうかは、オーブリーの神父という職業柄むずかしく、慈愛なのか愛なのかわかっていないオーブリーに恋の成就の難しさを感じました。
ここでもいい所というか、ハラハラするところで終わっているので一気読みしたくなる作品だと思いました。

「クリスマスの贈り物」
1巻の主人公・アロンとショーンのその後のお話。
2人きりで暮らすようになってショーンは学校に通うようになり、ショーンの世間知らずさや変わった性格を笑う人もいる分、ショーンの個性を好きになってくれる人も現れます。
もうこのお話がすっごく好みで大好きなので神評価をつけました。

ベタベタな内容なんですが、ショーンの健気さに本気で泣けてしまい、出先で読んでいたので涙を必死で堪えました。
悲しいお話ではなく、何気ない日常にあるすれ違いや、それをぶつけあって、仲直りして、周りの人の気遣いや親切やそんなものが詰まっています。

ショーンを見る目が、BLとしてのキャラを見ているというより、小さな子供が転んでも起き上がって成長していく様子を見ているという感じですね。この2人のお話が読めるのがこの巻までなので非常に残念です。
もともと歳の差のカップルが好きですが、その中でも特に好き!と思える2人でした。

2

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