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個人的に一番好きなBL。

婚約者との結婚式から逃げ出し、沖縄の離島でのんびり暮らす小説家でゲイの駿と、親を亡くし物憂げに日々を過ごす実央。
同性が好きで、そのせいで親ともぎくしゃくしているために恋愛に消極的になっている駿の方が年下でノンケの実央に押されぎみなのがとってもかわいいです。

レビュータイトルの通り、エトランゼシリーズは私の一番大好きなBL。
シリアスな展開も多いにも関わらず、紀伊カンナ先生の素敵な絵柄も相まって本当にかわいい作品です。そしてなんと言っても先生のギャグセンスが最高オブ最高。思わず声に出して笑ってしまいそうになるような登場人物たちの言葉の応酬が大好きなのです。表情のレパートリーにも注目。

また、彼らを含む個性的なキャラクターたちも大好きなポイントです。駿の元婚約者が出てきた時は当て馬的な立ち位置かなと思っていたのですが……確かに当て馬は当て馬だけど彼女の強気なキャラクターもいい味出してて面白すぎる。それに彼女、この後の巻でもずっと出てくるんですよね。可哀想な立場なのに彼女と駿や彼女と実央のやり取りでは笑みがこぼれがちです。

少し変な話ではあるのですが、この本の最大の魅力は、何度読んでも『なんか違うな』という所が無く、むしろ読む度に彼らのことをもっと好きになっていく点だと思っています。
読者それぞれが持っている受け攻めの趣味(もっというと性癖)は、きっと色んな作品を読む時に「ここはこうだったらいいのに」みたいな違和感に似た気持ちをもたらします。
でもこの作品はそういう個々の趣味を乗り越える……というか包み込んでしまうような良さがあります。あらすじを読んで自分の好みじゃないなと思った方にもぜひ手に取って欲しい。

読み始めれば紀伊カンナ先生の世界に引きずり込まれ、いつの間にか2人を、そして2人を取り巻く沢山の人々を好きになっていることでしょう。

輪廻を信じ、静かな『終わり』を迎える


残酷な運命を抱えた2人の輪廻転生、そのいくつもの物語のひとつを覗いている。

妻を持つ瑛人を好きな凛、そしてそこに突然現れた瑛人の弟、暁天。
初めは暁天の意味不明な発言と行動にもやもやとした疑問を抱えながら読み進めることになると思いますが、その言動の意味が物語の途中で明かされた時、きっともう一度彼の発言を読み返したくなります。
ページ数が多く手に取るのを躊躇する気持ち、私自身そうだったのでよく分かるのですが、実際読んでみると本当にあっという間です。あっという間ですが、心に残る余韻が半端ではない。

読み終えた時、誰もが彼らの幸せを願わずにはいられないでしょう。

(以下ネタバレ注意……というか読了済でないと分からないかも)
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今回メインとして語られた“暁天と凛”の話でも、いつか凛に『終わり』が来ることが分かっていて、それぞれが抱える運命がある限りそれは変わらない。けれど、2人がその運命を持って生まれてくるからこそ、次の輪廻を、再会を信じて、光のある『終わり』を迎えることができるのですね。

小冊子の最後、次の2人は高校の同級生。前世よりずっと早い出会いで、しかも前世ではあんなに離れていた歳の差が無い。2人で過ごす時間はきっと初めよりぐっと増え、輪廻を重ねる度に2人を取り巻く環境が良くなって行っているのが分かります。
きっとこの世界でも凛の『終わり』が訪れる日は来るのでしょうが、この先この世界の2人が積み重ねる沢山の幸せな思い出たちも、きっと次の輪廻へと繋がっていくのだろうと思いました。

いつかの凛が言っていたように、輪廻を重ねた先で彼の病気を完治させられる技術が生み出され、2人が病気によるものでない幸せな『終わり』を迎えられる日が来ることを祈らずにはいられません。