物語の舞台はケモハーフと人間が共存する世界。
無邪気なケモハーフの青年・咲太郎は大好きな町医者の真七柄先生と
番になることを夢見ていますが、とある事情からフラれてしまいます。
真七柄には子供の頃に番になることを約束したケモハーフの男の子がいました。
けれど、彼は幼くして命を失ってしまいます。
そんな苦い記憶が原因で真七柄は不能に…。
だけど、ケモハーフである咲太郎にはいつか発情期がやってくるはずで、
そのとき不能である自分では咲太郎を支えてやれないと
身を引いていたのでした。
それでもめげることなく真七柄の不能が回復するように
一生懸命に尽くす咲太郎が健気で愛おしすぎました。
そして、咲太郎からの番の申し出を断りはしているけれど、
真七柄先生も咲太郎が可愛くて仕方ないのは伝わりまくってくるので
基本的にはイチャ甘しています♪
ラストでは過去の事件の真相が明かされて、
二人の切ない過去が繋がる展開がロマンチックでとてもよかったです!
真七柄の意外な正体にもびっくりでした…!!
少々ご都合展開ではあるし、なんとなく予想もついてはいたけれど、
ハピエン至上過ぎなので全然あり!!
無事真七柄先生の不能も回復し、
ラストは待ちに待った番エッチで多幸感ドバドバでした♡
ふと気づいたのですが、1とナンバリングされているということは…
続きがあるということ?
この1巻でもお話はきれいにまとまっているのですが、
続くのであればぜひ二人の蜜月が見てみたいです♪
「鉱物食」という独創的な設定が面白かった…!
本作で描かれる“鉱物”を主食とする人間を「鉱物食」といいます。
作中で登場する鉱物や鉱物ディナーの美しいこと…。
鉱物が出てくるたびにうっとりと見惚れてしまいました。
藍生はそんな“鉱物食”の青年・一織と中学生の頃に出会います。
美しい容姿ながら、その人間離れした“鉱物食”としての特性が原因で
孤立してしまう一織。
そんな彼に出会った瞬間から惹かれ、手を差し伸べた藍生。
以来、親しい友人となった二人。
大学生になった藍生は鉱物を使って、
一織専用の鉱物ディナーを作るようになっていました。
同時に藍生の中で一織への想いも友情以上になり、
芽生えた性欲が抑え切れられなくなっていました。
だけど、“鉱物食”の人間は発情することはなく、
唾液は触れたものを融かしてしまうなど、
その性質ゆえに他人に恋愛感情や性欲を抱くことはありません。
一織を愛おしくも思うも彼への恋が実ることはない。
一織への性欲をアプリで出会った相手と発散しようとする藍生でしたが、
結局は一織以外には触れられないと思い知らされただけでした。
けれど、一織が見知らぬ男に触れられたことを知った一織に
これまで抱いたことのない感情が芽生えます。
それは寂しさのような、独占欲のような感情で。
一織に全て伝え、彼との友情が終えてしまうと恐れていた藍生でしたが、
一織から「俺じゃ力になれない?」と性欲の発散の手伝いを提案されます。
それはあくまで友人である藍生の役に立ちたいという
純粋な想いでしかなく、それがもどかしくてしんどい…。
鉱物食である一織は自慰すらしたことはなく、
それを目の前の藍生の自慰と言葉で理解しようと
じっと見つめる眼差しにドキリとしてしまいます。
そして、藍生の手の動きを真似て優しく触れる一織。
そこにはまだ恋愛感情や欲はなく、
あるのはただ、藍生の力になりたいという友人としての執着。
この執着がどうやって恋になってゆくのか…。
歪ではあれど、変わり始めた二人の関係の行方が気になります。
会社員の枡永は出産と同時に妻を失い、
現在は愛する息子を一人で子育て中。
ある日、総務の円堂から育児体験をしてみたいと提案され…。
実は円堂は同じマンションに住むお隣さんなのです。
隣人として顔を合わせているにもかかわらず、なぜ気付かなかったか?
というと眼鏡のオンオフでめちゃくちゃ雰囲気が変わるから。
会社では堅物社員な円堂ですが、
プライベートではセフレとのキス現場を目撃してしまったり、
エロフェロモンが匂い立つイケメンなのです。
円堂=ゲイの隣人男と知ると、
子供に危険が及ばないか警戒する枡永ですが…。
ここの枡永の偏見は決していいものではないのですが、
変に誤魔化したりせずにそれを伝えてくる正直さが
誠実にも思えました。
そして、最初は偏見を抱いていたけれど、
円堂という男と交流するうちに考え方が変わったというのも
彼の素直な人柄を感じられました。
一方の円堂はどうして突然育児体験をしたいなどと言い出したかというと、
実は枡永に報われない片想いをしていたのでした。
それはまだ奥さんがいた頃からの片想いで、
彼が結婚して子供が産まれても想いは変わらず、
だからこそ子育てに苦戦する枡永に手を差し伸べてくれたのでした。
愛らしい息子の律ですが、くそ真面目でぶっきらぼうな円堂との
やりとりが面白くて二人の組み合わせが大好きになっちゃいました♪
最後は枡永に気持ちを伝え、枡永も応えてはくれたものの、
まだお隣さん以上、恋人未満という感じでラブには至っておりません。
ただ、この1冊でパパっと雑にまとめられてしまうより、
じっくりと二人の気持ちが通い合ってゆく方が断然よかったので、
むしろこの終わり方が自然でとてもよかったです。
できれば二人が恋人になるところまで見たいのですが、続くのでしょうか…?
どうか続きが見られますように。
続編待ってました~!
前巻にも劣らず攻めの執着溺愛が炸裂しまくりな恋人編です。
No.1ホスト(兼歩の配信では常連重課金リスナー)の淳と
紆余曲折を経て恋人同士になった歩。
舞台俳優としても順調に活躍し、
ファンと交流できるバスツアーイベントが開催されることに。
もちろん淳はツアーにも参加し、旅行先でもイチャイチャする2人でしたが、
そんな二人の逢瀬の現場を撮影する怪しい人影が…。
ある日、淳の働くホストクラブに歩の兄がやってきます。
そして、淳と歩のキス写真を見せられ、
別れるよう二人の交際を反対されてしまいます。
もちろんそんな脅しに屈するような二人ではありませんが、
淳の職場に二人の関係をバラすことをちらつかせたり、
部下に関しさせたりと精神的にも物理的にも阻まれてしまいます。
なかなか会えない不安からすれ違ってしまったりするものの、
淳の執念と歩の行動力によって最後は兄の方が折れてくれました。
正直的外れてしかない兄の行動でしたがそれも歩のためのことで、
だからこそ、淳が歩を本気で想っていることがわかると
最後はすんなりと手を引いてくれました。
いつもはスマートな淳の必至な顔や怒った顔など、
感情が露わになる一面もあって余裕を失うほどの
歩への想いが伝わってきてキュンとしてしまいました。
離れ離れ期間がしんどかっただけに一件落着後の
ご褒美イチャイチャが沁みわたりました♡
電子特装版の小冊子は歩のバースデーのお話。
バースデーイベント後、ホテルで二人きりでお誕生日を祝う淳と歩。
イチャ甘はもちろん、エロもたっぷり濃厚でした♥
なんだこの可愛い奴らは~!
と読みながら何度ニヤニヤしちゃったことでしょう♪
目つきの悪さや性格が災いしてぼっちな日々を送る大学生の猪田。
ゲイであることを自覚してゲイバーでバイトはしているけれど、
恋愛もセックスも経験はなし。
ある日、ゲイバーのママや客と話しているうちに
誰でもいいからセックスをしたいと思うようになり…。
大学で女子も男子も来るもの拒まずの同級生の萩田に
自分とセックスをしてほしいと頼み込むが断られてしまいます。
けれど、実は萩田は猪田に片想いをしているのでした。
本気の恋すぎるゆえに猪田の申し出を断った萩田でしたが、
猪田が誤解してしまい…。
無愛想さから考えていることがわかりづらい猪田と
ガチ恋すぎて一歩引いてしまう萩田。
互いに好意を抱いているのに、勘違いが交錯して
すれ違ってしまう2人にじれもだしてしまいました!
萩田…怖気づいてないで早く告白して~!
萩田と過ごすうちに少しずつ恋を自覚して
密かに一喜一憂している猪田が初々しくて可愛かったです♪
人付き合いの経験があまりないから感情表現が下手なだけで
実は猪田ってめちゃくちゃ可愛いのかもしれない…!
新米警察官×先輩警察官のピュアな恋。
新米警察官の汐見は先輩警察官の佐野に片想い中。
けれど、佐野には結婚を控えた恋人がいて…。
報われない片想いに胸を痛める汐見が切ない…。
けれど、その後、幸運(佐野にとっては悲運ですが)にも
佐野の婚約は破棄となります。
佐野への想いを諦めることも出来ずにいた汐見は
彼の傍で想いを寄せ続けます。
けれど、佐野はノンケで、警察官としても先輩なわけで。
どれだけ想っていても気持ちを伝えることはできず、
気持ちを抑え込んでいた汐見ですが、
ある日、酒の酔いに任せてキスをしてしまいます。
はじめは酔っ払いのすることと相手にしていなかった佐野ですが、
二度目のキスで汐見を意識し始め…。
はじめは気持ちを伝えることも諦めていた汐見でしたが、
一人の人間として寄り添ってくれ佐野にずっと秘め続けてきた
想いを告げます。
過去の恋愛のトラウマから恋愛に踏み出せずにいたけれど、
汐見の想いの強さを知ると受け容れようと思い直す佐野。
そこに至るまでは決して唐突さはなく、
少しずつ汐見の気持ちに向き合ってゆく誠実さがよかったです。
その後の汐見とのお付き合いに関しても両者共にノンケということもあり、
いきなりセックスに至るなんてこともなく、ゆっくり気持ちを育みつつ、
身体の準備も一緒にしてゆくという流れに二人の愛情が感じられました。
可愛らしい絵に反してシリアスでした。
だけど、この読後、重くてズシンとのしかかってくるような余韻が
案外嫌いではなかったりする。
中学生男子2人が性行為(をこれから致そうとするところ)を
母親に目撃されてしまう、という衝撃的なはじまり。
中学生だった潤とミチルは同級生で互いに惹かれ合っていました。
だけど、まだ幼かった二人は友情と恋情の間で葛藤していて、
ある日、二人きりになった彼らは感情の昂るままにキスをしてしまいます。
そうして、キスからベッドになだれ込んだところで潤母が現れ…。
元々繊細で激しやすいところがあったという潤の母親は
ヒステリック状態に陥り、ミチルの母親を大きな声で罵倒し、
ミチルの性的指向のみならず人格をも否定するような酷い言葉を吐きかけます。
まさに修羅場。
思春期真っ只中のミチルがそんな言葉に傷つかないはずもなく、
後日ミチルとその母親は地元を去ってしまいます。
それから時は経過し、17歳の春。
ミチルがアルバイトをする喫茶店に潤が訪れます。
それは偶然にして望まぬ再会で。
久々の潤を目の前にして胸は高鳴りながらも、
心は彼との再会を喜べないミチルは潤を避けようとします。
けれど、咄嗟に潤から呼び止められた台詞が
偶然にも初体験の時と同じでミチルは足を止めてしまいます。
そして、喫茶店に通ってもいいかという潤を拒むこともできず、
以来二人は再び頻繁に会うように。
中学時代に傷ついた心はまだ癒えていないけれど、
潤に会いたいという気持ちは抑えられないミチル。
そんなちぐはぐな葛藤を抱えながら、
夏休みに入ると喫茶店以外でも逢瀬を重ねるようになっていました。
潤と会えば心はときめき、会えないときも彼を想ってしまうミチル。
もはや誤魔化し切れない初恋の再燃。
もう潤と会うのはやめなければ、と決心した矢先、
潤とデートしているところをバイト先の同僚に目撃されてしまいます。
会ってはいけない潤といるところを誰かに見られてしまった。
それはミチルの中に植え付けられたトラウマを呼び起こすには
十分すぎる出来事でした。
そして、今度こそ順に別れを告げたミチル。
とはいえ、物語がそこで完結するはずはなく、
ミチルを手放したくない潤は行動を起こします。
かつて、母親によって打ち砕かれた初恋。
中学時代の一件後も潤の母親は彼の性的指向や進路など、
あらゆることに干渉してきました。
その度に母にとっての都合のよい息子を演じ、宥めてきた潤。
けれど、ミチルと再会し、もう一度恋に落ちた潤は遂に母と向き合うことに。
離れ離れになったときからミチルへの気持ちは片時も変わることなく、
彼だけを一途に想い続けてきた潤でしたが、その恋がようやく実ったのでした。
ミチルとの再会後触れることのできなかった過去を掘り起こし、
今も昔もミチルのことが「好きだよ」と気持ちを伝えた潤。
本当なら中学生のときに母親にバレたときも、
ミチルのことを守ってあげてほしかった。
だけど、中学生が背負うには重すぎて、
だからこそ、周りの大人が話を聞いて受け容れてあげて欲しかったのに、
よりにもよって味方になるべき母親から拒絶されてしまったのは
2人にとってあまりに不幸な出来事でした。
大人に振り回された二人の初恋が不憫すぎる…。
母の元から巣立ち、自立の道を歩み出した潤。
そんな彼を見て変わろうとし始めたミチル。
まだ完全には母親の手から逃げられたわけではないし、
二人の関係は相変わらず誰にも言えないままで、
付き合い始めたものの潤の進学によって遠距離恋愛だし、
まだまだ多難の予感はあります。
だけど、潤もミチルも少なからず一歩は踏み出せていて、
親には恵まれなかった彼らでしたが、
バイト先の同僚など二人の関係を受け容れてくれる人もいて、
未来はほんのり明るいように思えました。
本作で描かれた二人の季節は夏でしたが、
いつか冬の季節を過ごす二人の後日談も見てみたいなぁ。
これぞ両片想いの醍醐味!
スポーツカメラマンの相澤は高校時代の先輩・武藤に片想い中。
高校卒業後は海外の大学に進学し、以来会えないままでしたが、
社会人になった今でも諦め切れずにいました。
ずっと密かに追いかけてきた武藤のSNSも更新がなくなり、
いよいよ諦めるしかないと思いかけていたある日、
行きつけのゲイバーに武藤が現れて…。
てっきり相澤の一方的な片思いと思いきや、
武藤もまた高校時代から相澤への想いを秘めていました。
そして、友人からたまたま聞いた相澤の目撃情報を元に
ゲイバーに通いつめ、偶然を装い再会を果たしたのでした。
5年前から既に両想いなのだから、あとは想いを告げるだけ。
なのですが、武藤は雄み溢れる見かけによらずヘタレだし、
相澤は拗らせまくっているしで進展しそうで進展しない!
酔いに任せて自宅にお持ち帰りするも怖気づいて丁寧な前戯のみで
次回に持ち越してしまう武藤に良いところでお預け食らわせやがって!と
肩透かし食らってしまったのは相澤だけではなく読者もでした笑
その後も週末デートを重ねるも学生ばりに健全なデートばかりで
ちっとも進展しない関係に相澤も次第に不安を募らせ始めます。
大切だからこそ告白→お付き合い→エッチと正式な手順を踏みたい武藤と、
恋が叶わないならせめて1度でいいから抱かれてみたい相澤の
見事なすれ違いっぷりに悶絶させられっぱなしでした。
ただ、散々じれもださせられはしたものの、
武藤も相澤もお互い以外は眼中になくひたすら一途なので
この2人がくっつかないことなどあり得ないとわかってはいたので、
恋が実る瞬間を待ちわびてページをめくる楽しみがありました。
武藤の友人の発言によって相澤が武藤に他に本命がいるという
斜め上の解釈をしてしまって武藤からの告白を断ってしまうことすら
その後の展開のスパイスでしかなく、一度フラれた後の武藤の
「俺は相澤じゃなきゃだめだから」という一途攻め渾身の告白は
もうときめき不可避でした///
相澤が見ていないところでは割とヘタレっぱなしな武藤ですが、
決めるときにはキリっと決めてくれる格好良さがありました♡
両想い後のエッチでは不慣れな相澤を優しく気遣いつつも
ねちっこい攻めっぷりに長い間我慢してきた相澤へのド執着愛を
感じさせました。
拗らせに拗らせた末の両想いということで歓びも一入なだけに
恋が叶ったその後ももう少し見たかったです。
ただ二人がイチャイチャするだけとかでも全然ありがたいので
番外編とかいつか出ないかしら。
恋人編をありがとうございます…!と
お礼を申し上げずにはいられない満足度500%な1冊でした。
イチャイチャもエロも満載でお腹も心も満たされまくりです。
前巻で大学の先輩である慎士と紆余曲折の末に晴れて恋人になった諒。
今作はそんな二人の蜜月を描く後日談となっております。
もう、とにかくあまあまの連続でした…。
特に前巻では寡黙クールな印象だった慎士が
キャラ変かと思うレベルでデレ大放出でご褒美すぎました。
大学構内で諒の顔を見たい一心でわざわざ別学科まで会いに来てくれたり、
誰にも諒をとられたくなくて子供みたいな約束で諒を独占しようとしたり、
それがはじめから終わりまでずっと続いているものだから、
糖分供給過多で幸せフェロモンがずっと出っ放しでした。
諒は諒でこんなにも溺愛されているのに相変わらず控えめで
健気でいじらしくて、愛でたい欲を刺激されっぱなしでした。
今回は諒の憧れの先輩である楓が登場し、当て馬?的役割を演じています。
とは言え、諒の友人である佐原のフォローによって
被害は最小限に抑えられてはいるものの、
慎士はしっかりと嫉妬しちゃってくれています♡
でも、どんなときでも互いに言葉にして気持ちを伝える努力を
惜しまない二人なので、すれ違うこともなく最後まで安心して
読むことができました。
むしろ、楓の存在が二人の蜜月に
さらなるスパイスを追加してくれてよかったのかも?
そして、後半では諒狙いかと思われた楓の想い人が実は…!?と
予想外な展開を迎え、そちらの続きも気になってしまいました。
続編かあるいはスピンオフか?
またまた後日談が読んでみたくなってしまいました。
慎士と諒のお話としては完結しているからスピンオフになるのかな…?
そっと期待を胸にお待ちしております!
いわゆるフェチものでしたが、めちゃくちゃにあまあまでした。
大学生の湊斗は小学生のときの経験がきっかけで
他人から支配されることに快感を覚える自らの性癖を自覚するように。
誰にも言えず、密かにマッチングアプリで恋人探しをする湊斗でしたが、
友人の琉生に知られてしまいます。
引かれてしまうと焦る湊斗でしたが、琉生からプレイを提案されて…。
相手から体の自由を奪われて支配されることに興奮を覚えるという
性癖をもつ湊斗ですが、琉生の攻めっぷりは一般的な痛みを相手に与えて
快感を得るようなSのそれとはかけ離れ、優しく糖分過多な甘Sでした。
体に触れる手も、言葉責めも、とにかく甘くて、
言葉にせずとも湊斗への愛もダダ漏れな溺愛攻めの極致でした。
けれど、一方の湊斗はそんな琉生の気持ちには気付いていないどころか
積極的にプレイに付き合ってくれるのも友情としか捉えておらず。
琉生視点に切り替わると、実は彼が高校時代から湊斗に片想いしており、
湊斗の恋愛対象が異性でどうせ恋人になることができないなら
せめて友人として傍にいたいと想い続けてきたことが判明します。
それだけに健気に尽くすも報われない琉生が不憫に思えてきてしまいました。
いざ告白されても戸惑いの方が大きく琉生の気持ちに応えられなかった
湊斗ですが、琉生から距離を置かれたことで彼への気持ちが友情以上で
あることを自覚し、最終的には通じあえてよかったです。
一度は湊斗に失恋した(と思い込んだ)琉生ですが、
そのときの荒みようが普段の穏やかでスマートな彼とはかけ離れていて
ギャップがあり、逆にぐっとくるものがありました。
テンポよく展開し読みやすかったけれど、全4話ということで少々物足りなさも。
できれば恋人同士になった後に甘やかし・甘やかされ度がさらにパワーアップした
二人のイチャイチャ後日談をもう少し見てみたかったです。