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朝だ!!!ねむい・・・

上巻からの小さな物語のピースがどんどん集まった結果とんでもない作品が生まれてしまったなと…下巻読み終わった瞬間はなんだか胸のあたりが気持ち悪くて、ページ閉じても2人のことしか考えられなかったです。しばらく二人の人生を思って泣いてしまいました。

先生の描く物語はとんでもなく面白いので、最高じゃん?!間宮かわいい佐田萌える!!!ってハイな気持ちと(気持ちの良い朝を迎えたような気持ち)作品にずっと流れている、ほの暗い感じとか、やっぱり命の重さとか結末への流れのローな気持ち(あー眠いな、しんどいなという気持ち)
がずっと並走してくるからすごい気持ちが悪くて。唯一無二の作品で、本当に先生の名前を体現したみたいな(?)作品だなと思いました。

「俺も一緒にやるから」
はからずとも高校の頃の約束を今になって果たす形になっているのがエモかったです。
佐田の食事探しは一見悪党殺しなのですが実は間宮の私怨だったという…まあでも本当に許しがたいいじめをしていた人間達なので間宮が選んでしまうことを否定もできないな。
スリーピングデッドって本当に本当に人生BLですよね…人生って自分本位な取捨選択の連続なんですかね。自分にとって善か悪か必要か必要じゃないか好きか嫌いか許せるか許せないか。そういうの取っ払った先に恋とか愛があるんだろうけど。全部のページが好きすぎて重くてとんでも無い気持ちにさせられました。


本当に間宮の最後のシーンが印象的であまりに美しくて美術館とかに飾りたいくらいの気持ちで読むたびに嗚咽が出るくらい泣いてしまう。
こちら側からは無音の世界なんだけど間宮には佐田の声もモン吉の鳴き声も聞こえていたのかなと思った。間宮がみた幻想、、、なのか脳裏に焼きついた景色を思い返してるのかは分からないしその時の間宮の気持ちは間宮だけのものなのだけれど…佐田のいない世界にいられるほど間宮の精神は強くなかったんだろうな…(死んだら自分にウィルス打つって言ってたのに間宮、打たなかったんだね?)
間宮にとっては失ったものが大きすぎたよね。人は『個』と『個』だから生きている限りどこまでも孤独なのだとは思う。
人体をミキサーにかけてまぜたとしてもひとつにはならないし、セックスをしてひとつになったとか表現するけど結局それは『個』でしかない。
一度も手に入れたことのないものを乞うことと、一度手の中にいたものを手放すことでは圧倒的に後者のほうがつらいだろうし。
間宮はあの瞬間に孤独を知ってしまったから、これからの人生に耐えられなくてああいう結末に至ったんじゃないかなと思う。
絶対に帰らない思い出…だからこそたぶん命や思い出は美しい。
命というものはやっぱり不可逆的でないといけないよなと思いました。

このストーリーって本当はないはずの『時間』を共有してるわけじゃないですか(佐田は本当は亡くなっているわけで間宮はきっと佐田に声をかけられる日なんて来なかったはず)こんな最期にふたりが濃密な時間を過ごせているのがなんかもう言葉には言い表せない気持ちにさせられるんですよね。とにかくなんか良かったねって思ってしまうんだよな、しんどいけど。2人の人生にこんな穏やかな会話や時間があったことが私的には救いの時間だったなと思ってしまう。『恋人』も『正しさ』も『セックス』も本当に人によって全く違う定義があるはずで、自由であれという気持ちなのですが。その人それぞれの思う定義が人を苦しめたり雁字搦めにしてしまうようでは本当に生きづらいので、生きにくい人間もその人の苦しいが少しでもやわらぐように生きられたら良いなと思う。「一人で生きてもいい」と佐田が間宮に肯定してもらえたこと凄く意味があったことだよなと思う。その上で、最後に仲良くしなくても良いから人は利用するんだよって言ってあげる佐田、、、ちょっとだけ佐田の方が生き方が上手なだけで2人は似ているのでしょうか。初見は間宮が佐田に救われてるんだなと思っていたけど佐田の方が実は間宮に出会えて良かったのかなと思います。最期の2人の会話シーン本当に嗚咽が出るくらい泣いているのですが、あんな尊いシーンに今後出会えることあるのかな?と思うくらいには好きなシーンです。間宮の告白もあんな熱烈な告白みたことないし、もちろんと答えておきながら、全然大丈夫じゃない間宮がとんでもなく愛しい。間宮は本当に強がりだな。

佐田とモン吉の組み合わせも本当可愛い可愛いだね〜可愛いで気が狂いそうでした。モン吉もよく生きたね。
本当に3人ともゆっくり休んでね、おやすみなさい。大好きだ。

朝田先生の作品を読むたびに新しいものをはじめて摂取するような高揚感にひたることができる。
ジャンル朝田ねむいをこれからも読みたいです。

さよならの先にあるもの

作者買いで本になるのを楽しみに待っていました。
先生があとがきで二面採光のような関係性を描きたくて挑戦してみました、と書いていました。2面採光のような関係性ってなんだろうと思った時に、ひとつの部屋に窓がふたつあるように廣世とはじめの関係性も純愛(正しさ)と未成年と誘拐犯…の恋愛(不道徳)という二面性をもっているなあと改めて思った。
先生はインモラルなのに純愛みたいな関係性を描くのが本当に上手だと思う。
正しさのかたまりみたいな品行方正な高校生のはじめと、会社を告発するために自分の中の正義と普通を天秤にかけて揺れている30代のサラリーマン廣世。
私もどちらかというと廣世に年齢も仕事としての立ち位置が近いのでとても廣世に共感することが多かったなと思う。正しさだけでは生きていけないことは分かっているし自分が今まで築き上げてきたこの立ち位置を自ら進んで崩すようなことなんてよっぽどの覚悟がないとできない。正しさと普通の間でぐらぐらに揺れている廣世にとって、はじめとの出会いはどれだけ救いで後を押してくれたのかなあと思うと毎回泣いてしまう。はじめは本当に廣世にとって光なのだと思う。
さよなら共犯者というタイトルがとても素敵だなあと感じた。最初ははじめからの一方的な気持ちだったと思うけど、廣世も一緒にいるうちにどんどんはじめに惹かれていく。はじめを好きになるなんていけないこと普通ではないことだと思うけど止められない。2人が結ばれることは罪なのかもしれないけど気持ちは止められなくて互いに恋をしたことで気持ちとしても共犯者になる。ふたりの恋を犯した罪ではなく当たり前のことというか正しい気持ちとして認めたことでふたりは共犯者からさよならをして恋人同士になる。なんてエモすぎると本当に頭を抱えました。
番外編が好きだという方が多い印象なのですが本当に本当に番外編が最高なので絶対読んで欲しいです。「はじめ 俺を置いて大人にならないでよ」という廣世の台詞で毎回大号泣です。番外編の全ページは全て推しページなのですが、本当に胸がじんわりと暖かくなってふたりの永遠の幸せを願ってしまいます。廣世の部屋がお互いのお互いへの思いやりと好きという優しい気持ちで溢れていて本当に幸せな気持ちで泣けてきてしまうんです。先生も描きたかったという年下の受けが年上の攻めを膝枕して甘やかしている構図が本当にあまあまで愛しくてなんだかちょっとした切なさみたいなものもあって最強のシチュエーションだなあと思いました。どうかはじめくん永遠におとなにならないでいてね。
あがた先生といえば学生というイメージが強かったですが、先生の描くふたりの関係性のエモさはどんなシチュエーションでも最高だなと思わせてくれた作品でした。素晴らしい作品に出会えて感謝です。