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城島世には「彼」しかいない

丹地陽子さんの表紙がとても魅力的で、Twitterで見かけてからずっと気になっていました。
ほぼジャケ買い状態です。
ある意味「世くんに一目惚れ」ですね!

あらすじ以上の内容はほぼ知らないまま読み出したので「ミステリーとBLって相性悪くないかな…」と思ってましたが、ほぼ謎解きはありません。
わりと早い段階で「犯人」は分かるし、そもそも君以外いないのでは?!という状況。

登場人物がみんなサッパリとしていて、大人で、他人への慮りがあって優しいので、好感度が高くストレスがありません。
他人への距離感が絶妙な小説でした。
一線越えるだけなら多分簡単にできちゃう世くんは、この3人の中で誰と恋人の距離でいたいのか。
大切な人だった上司、かわいい後輩、優しい隣人……恋人以外の関係を大切にするのか、一歩踏み込むのか。
4人とも真摯に他人と向き合っているのがとても素敵でした。

そしてリズミカルな言葉のラリーが心地良い。
印象的な台詞が多く、特に真人くんとのやりとりは年下の彼がタメ口で返事をすることでテンポが良くなってて、漫才のような雰囲気で読んでいて楽しい。


しかし「彼」が攻めで良かったー!!!
読者からすれば世くんは彼のことがあからさまに好きなのにどうして本人はそこから目を背けているのか?が、この本のミステリー要素かも知れません。
少しずつ時間をかけて、世くんには彼じゃないといけないこと、彼には世くんじゃないといけないこと、を丁寧に描写してくれています。
とにかく会話に品と優しさとユーモアがあって楽しく、変なすれ違いをしないので一気に読めました。

攻めの彼があまりにも愛情深い健気な男なので、最終的には彼のことが登場人物で一番好きでした。
たった1人の大切な人と付き合えて好きっていってもらえて、どうやら添い遂げられそうで…!本当に良かったね!!

挿絵も優しく可愛らしくて、手に取って大正解でした……。
読書中何回も表紙の世くんを見てしまいます。

とても素敵な作品に出会えて良かったです。

三冠!!!!

まい先生の描かれる世界は、優しい。
いや口はそんなによろしくない。
柿ゆうは、躊躇いなく恋人としてくっつき、友人たちから祝福され、兄と母親公認。
「恋人」は「好き合い大切にし合う、ふたり」のこと。
その関係には、他者からの悪意も本人たちからの無自覚の悪意もない。
そういうところがやっぱり好きです。

田中母はわずかな出番でも「だから隼人と優也はこういう兄弟なんだな」と思わせてくれる。
彼女の愛は、さりげなく思慮深く優しい。
「長男の友達で次男の彼氏」の柿本にも隔てなく注がれる。この安心感たるや。

柿本が今元気でいるのは、
心の支えになってくれた恩師がいて、
田中兄が親友としてそばにいて、
学校に行けば友達や先輩がいて、
田中母が受け入れてくれて、
優也が屈託なく懐いて愛してくれるから。

知らないことだらけで不安で暗闇を右往左往していた柿本健は、色んな人に道を教えてもらって優也という光を得て、やっと「柿本健」を見つけ、向き合えたのだなーと思います。

あー、柿本健に田中優也がいて良かったなー!!

続編でも
「何年付き合ってんのそろそろ落ち着けよこのバカップルめ、君たちが優勝!!!!!」
と思わせて欲しい。
田中兄に一生白い目で見られて欲しい。

もう絶対別れないでしょ、こんなふたり。
これからも見守っていきたいです!!!!!!
お幸せに!!!!
三冠!!!!!!
大好きなので長くてごめんなさい!!


そして田中隼人……きみも幸せになってくれな……。

二冠

2回目の大優勝!!!
なので二冠!!!

なんだか読み触りが変わったような気がしてたけど、セリフの名前表記が「ゆうや」から「優也」に変わってたんですね。
ひらがな可愛かったのになー。
けど「田中優也」個人が尊重されている気がしてきました。アリ。

相変わらず口はあんまりよろしくないというか軽口が行き交うんですけど、やっぱり下地に優しさがあります。
新キャラ先輩も好感度高い…光属性の陽キャだ…!

同級生に「柿本健」と書いて「チンピラ」と読まれ、とびきりの笑顔でも不穏な空気を醸す柿本健は相変わらずデレ甘の重ため攻めで最高です。優也も重いからちょうどいい。
まい先生の世界観では男女の区別なく「ふたり」が付き合っていることが受け入れられているんですよね。
穏やかな気持ちで読めてとても好きです。

1巻から引き続き、田中兄弟の距離感が絶妙に好きです。
自分の持つスキルをそれなりに伝授したり、別に従うわけじゃないけど、弟が言ったことをほんの記憶の片隅には残ってる兄とか。
弟の個人的な感情なんて知らんわ、で済まさない誠実さが微かに残ってるのが良い。
単純に自分と違う兄を嫌って遠ざけるだけじゃなくて、「兄貴はそういう人」と捉えているのが優也くんの賢さだし、「兄弟」だなーと。

でも優也、なんだかんだで陽キャの才能あるよね?

ちなみに一番好きなのは田中高良柿本で険悪になるとこです。
優也にそれぞれのネガキャンするのバカワイイ。

未完成故の魅力

確か、広告で気になった「ビター・シガー」を先に買い、幸せを分け与えてくれるような作風とセンスの塊みたいな画面に惚れ、豊橋高槻も出てくると知ってこちらを追加で買い求めました。

吾妻椿めちゃくちゃ好き……!!

吾妻さんは爽やかでも飄々として今ひとつ何を考えてるか分かりにくい人なんですが、話す相手のことを大切にしてるのが伝わってきます。
豊橋高槻椿が割とキャラ濃いめなので、彼が出てくると程よく力が抜けます。
「寂しい」なんて目の前で言って、誰から見てもイケメンな成人男性なのになんだか初心で素直で思わせぶりな椿くん。そんなのかわいいに決まっている……。
ケーキのロウソクが吹き消された瞬間の見開き、ドキドキしました。騒がしい居酒屋で、なんて静かなキス。映画みたいな画角で最高です。

私が吾妻椿をこんなに好きなのは多分、まだ完成していないからかなーと思います。
豊橋高槻は「ビター・シガー」と本作で関係性として完成したところを見せてくれています。喧嘩しても仲直りする、安心感がある。
けど吾妻椿はまだまだこれから始まったばかりで未完成。想像の余地が無限大で、そこが良い。描かれなくとも、豊橋高槻と方法や進行は違えど、同じように穏やかに丁寧に相手を大切にする二人は当たり前に存在するはずです。
一生手繋いでて……。

……でも恋人してる吾妻椿ももっと見たいな〜!!!吾妻視点の椿くんが見たいよ!!!
未だにこの街舞台の続編待ってます!!!

【ネタバレ気味】かわいいから仕方ない

かきゆう大優勝!!!!
pixivからずっと拝見してますが書籍にまとまって嬉しい。表紙がもうかわいい。優勝。

最初は振り回されるゆうやがかわいいんですが、読み終わってから初対面(仮)に戻るとむしろ振り回されててかわいいのは柿本の方。
立ち姿だけでも優しげな笑顔と裏腹に「なんとなく怖い」柿本のキャラデザは絶妙にリアルで秀逸です。
でもゆうやにメロメロだし、ゆうやにはめちゃくちゃ照れ顔晒すのが凄く良い。仕方ない。記憶からすっぽ抜けてても何度でも懐いてくるゆうやは読者から見てもかわいい。

登場人物の距離感が本当にいいです。
パイセンらのウザ絡みと案外それに慣れてるゆうや、高良がたまに指摘する「タメ口」、それと地味に好きなのは田中兄弟の距離感。
口では「きしょい」「ぶさいく」と言いつつも泣き出したゆうやの涙を拭う(あれ拭ってるよね?)田中兄がとても「兄」で、なんだかんだでゆうやが兄を名前で呼び捨てたりせず「兄貴」と呼ぶのも納得です。
(もう既に呼び捨てにしたことがあって「誰に向かってその態度だ」とか蹴られて直した、とかもあり得そうですが)
仲良くはないけど良い兄弟なんだなーと。

口悪かったりガラ悪かったりする本作ですが、兄弟、先輩後輩、ゆうやと友達、かきゆうと、ゆうや周りの関係性は優しいです。
生意気だったり気が強かったりでも、ゆうやがいい子だからなんだろうなあ。

また高良が高天では見せない部分をお出ししています。
懐いてくる友達の弟は構いたくなっちゃう面倒見も良いタイプなの……かきゆうの流れ弾に当たる高良パイセンも好き……。