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黒竜の溺愛はとどまるところを知らない

ラルフとシオンの間に子どもが生まれ、親となった2人が子育てを楽しむ姿がありありと描かれている続編です^ ^♪

カルドシア王国の未来、そして次世代の希望の種となったチビ竜くん・アルドが両親含めた家族全員と、王宮や国民みんなを虜にするアイドルっぷりがめちゃんこ可愛ぇぇぇ〜〜〜(//∇//)
なんと言っても笠井あゆみ先生の作画が神ってまして、デカ目くりくりで、シオンの血を引く金色の鱗ボディがやんごとなき存在感をより強調。ちっちゃいながらも王族たるオーラが隠しきれておらず、そりゃ親バカにもなるわと納得のチビ竜ちゃんです。
まだ赤ちゃんなのに既に聡明な気質を持ち合わせていて、ゆくゆくはカルドシアの繁栄の象徴アイコンとなるのは確定値でしょう。

親子3人の和やかな団欒の様子から見てもすっかり我が子にメロメロのラルフとシオンですが、いつまでも恋人のようなラブラブムーブは変わりはありません。
愛しい存在を産み落としてくれた伴侶としての感謝、豊富な知識で助けてくれる頼もしいパートナーとしての尊敬、癒しをくれる心の拠り所としての愛慕、ラルフがシオンを溺愛し倒す理由がてんこ盛りです。
続編も前作に引き続き両視点展開となっており、ラルフ視点から見えてくる親バカ&夫バカの脳内描写にご注目下さいね。我が子と伴侶への愛おしさが伝わってくる屈強な騎士団長のデレを存分に堪能して欲しいです♪( ´▽`)

アルドが生まれ、シオンへの溺愛も相乗効果でますます甘々になってるラルフの煩悩にニヤりつつ、相変わらず食えない態度のラルフのお兄ちゃんとの絡みも同時並行に楽しみました。
カルドシア国王でもあるラルフ兄は、脇役だけど不思議と目を引くキャラクターで、優しさと腹黒さが入り混じる彼の動きは今巻もひとクセあり。でも彼が出てくるとどんなピンチに遭っても大丈夫と思える安心感がすごく、シオンとアルドを誘拐されて冷静な判断が出来ずにいたラルフを落ち着かせてくれたときは本当に頼もしい存在でした。

父として夫として、そして騎士団長としてもカッコいいラルフではありますが、愛する者が2人攫われたとあって弱気になる部分も多く見受けられましたが、そうした心の弱さもラルフの魅力の1つとして見守ってくれたらなと思います。
カルドシアへの奇襲策を目論むルクージャの思惑を打開するにしても、ラルフ1人の力ではどうにもならないこと。そこにはラルフの兄王の同盟国への根回しや、前王であるラルフの父のパワーアクション、ルクージャの王子を説き伏せたシオンに、能力が開花したチビ竜のアルドといったファミリーの結束力あっての見事な収束劇は大きな見どころです。

シオンとアルドの救出の側面と、カルドシアを狙うルクージャからの侵攻を食い止める側面とが入り乱れる王国の危機はハラハラドキドキの連続でした。
シリアスなシーンの読み応えもラストの着地も大満足の読み感。ピンチな状況にあっても凛とした態度で敵と対峙するシオンの王族としての気品も、母が子を守る愛情も胸に響くものがありました。

新しい家族が加わり、前巻にはなかった楽しみ要素がグンと増えてますますこの作品の世界に溺れた続編でした。次に彼らに会えるときがくるとしたら、また家族が1人増えているのかなと期待しています^ ^

過去を上書きするのではなく、過去とも共存する愛のカタチ

このお話、面白いなと思ったのが過去の恋と現在の恋が同じだけ重要視されていることです。

真白が過去に愛した恋人の恋物語に想いを馳せる一方で、セフレ関係にある年下後輩・町田にどんどん惹かれていくという恋愛の二重構造になっています。
こういう場合、過去の恋愛を引きずる真白に対して町田が過去の愛なんか俺が上書きしてやるぜ〜!ってなりそうなもんですが、このお話は好きな人の過去の愛もまるっと受け入れましょうという町田のスタンスが男前。昔の恋人を忘れられなくてもそれでいい、むしろ忘れないでいてとサラッと言ってのける町田の真白への愛が沁みまくって堪らんでした( ´∀`)

真白にずっと恋心を抱いていた町田の執着心を感じるストーリーではあるものの、真白の生活空間や恋愛観をとても大事にしている寄り添い型の健気さがグッときます。
町田も真白も真白の元恋人・東江も建築に関わる同じ業界人。東江は業界内では有名なエース建築士で、町田にとっても真白にとっても憧れの対象の人物です。
真白と東江の間に町田が間男として入ったとかではなく、ましてやこのストーリーは三角関係でもありません。物理的には三角関係でなくても、東江が真白の心にいつまでも忘れられない存在として居続けている意味では、精神的な三角関係といえるかもですが。

真白が東江を失い、真白と再会したのち真白に近づくためならセフレでもなんでも利用する町田の想いがどこまで献身的で、こんなにも素敵な攻めキャラを生み出してくれた安西リカ先生にありがとうととにかく言いたいです。
真白を軸として過去と現在の恋愛が構築されているように見えますが、このストーリーを動かしているのは町田だと思っています。真白が東江と交際に至るその時点においても実は町田の真白への執着と恋心が裏では既に稼働しており、真白と東江の交際ストーリーにも町田の感情が少なからず絡んでいるからです。

真白と東江への憧れと羨望の感情や、2人の親密な仲を感じて失恋、そして新たに始まる真白との関係への期待が複雑に交錯していることにより、真白の過去と現在の恋愛が町田の存在により一層の深みを増していくことに注目いただきたいなと思います。そして、後腐れない関係のセフレから好きな人へと気持ちが変化していく真白の町田に対する想いからも目を離さないようお見届け下さいね^ ^

真白と元恋人との別れがあんな風な終わり方だっただけに切なめなストーリーになるのは否めませんが、いつまでも過去に留まるのではなく新しい恋愛に前を向いていこうとする未来の動きは明るい読後感に繋がります。
過去を上書きするのではなく、過去とも共存しながら愛を構築していく姿が風通しの良い爽やかな恋愛の空気を感じさせ、最後の最後まで彼らの愛に酔いしれることができました。

気持ちを整えたいときに読みたい

色んな書店さんの特典がギュッとまとめられた嬉しい楽しい特典再録集♪

なんとなんと肌色シーン多量です!!!

イチャイチャシーンてんこ盛りのエッチでエッチなショートストーリーは、ジーノとダンテの仲の良さが垣間見える場面が目白押しとなっていて、コミカルな2人のやりとりに思わずニヤッと笑顔になること間違いないでしょう。
エッチ中ダンテに翻弄されるジーノをメインとしながらも、見てるだけでホッコリと癒される2人の日常のワンシーンもあり。色んな2人の素顔が覗き見できるホクホクの満足感でした^ ^

本編が不穏な感じのときは、この再録集を読み返して気持ちを整えたいなと思います!

なんかすごい展開きたぁ〜〜〜

3巻で何かあるような終わり方だったので警戒してましたが、新章……なるほどそうきましたか。

平和な日常がやってきたかと思ったのに、これは新章もかなり重ためのストーリーになりそうですね。何せ、"ジーノ"の存在に大きく関わる核心の元凶がやってきたのですから、これは荒れるぞ〜〜〜((((;゚Д゚)))))))

今巻の台風の目は、"ジーノ"です。
ダンテが愛して止まないファミリーのボス・ジーノではありませんよ。そう、あの"ジーノ"です。
今はウィリアムと名乗る"ジーノ"は思いもよらないカタチで一大勢力の組織のボスになっており、ジーノと再会するやいなやあり得ない提案をブッこむ強気の姿勢。イケメンのマスクの甘さとは裏腹に、底知れぬ腹黒さが垣間見えるウィリアムですが、ジーノの弱みを握ることができる唯一の相手だからこそ彼の無茶なお願いがジーノをとことん苦しめます。

なぜ彼はジーノの前に現れたのか。2人の"ジーノ"は何を思い何を語るのか。新章で巻き起こっていく展開は、またも血や争いを見る結果となるのかどうか非常に気になるところでしょう。
波乱の幕開けのゴングが鳴らされた今、ガルディノファミリーはどう動くのか?ジーノとダンテの関係は?この街の平和は?未来は???ジーノはダンテと共にこの街の平和な日常を守ることができるのでしょうか。
これから大きな局面を迎えていくであろうウィリアムとの駆け引きから目が離せません。

ウィリアムがジーノやガルディノファミリーに目をつける理由が他にもありそうで、まだ新章の全貌が読めないうちはモヤッとしちゃうかも。ジーノがピンチに立たされるなか、やはり恋人ダンテの存在感は頼もしいですね。ファミリーの仲間たちの心意気にもグッときました^ ^
不穏な描画もありますが、ダンテとの甘い時間もちゃんとあるので、嫌な読後感にならずに読み終えることができると思います。苦味を極上の甘さでリフレッシュしつつ、今後の展開をしっかりと見届けていきたいです。

彼らの愛が向かう終着点の景色とは

この2人の間に流れるゆったりとした恋愛の空気感が好きです。
急がず焦らず、時に不安を感じることもあるけど、それでも共に手を取り合いながらお互いの懐にそっと入り込んでいく寄り添い方にジンワリ。丁寧な恋愛に身を置く彼らの想いが響く続編です(*´∀`*)

恋人同士になって、恋人の知らなかった一面を見て、どんどん自分の恋人を好きになっていく2人の恋愛の尊さに、果てのない萌えゴコロの終わりを見出すのが大変でした。
ひょんなことから同じ会社で働く同僚となり、秘密の恋人同士の背徳感に加え、営業とSEとで業務内容が違うお互いの仕事風景が横目に見えるようになった環境の変化をベースとして新たな恋愛の波風が立とうかというのが今巻の見どころです。

波風といってもそんな嵐のような暴風じゃないのでご安心を。
御木の人たらしなキャラクターに、夏目の中でモヤモヤっとした感情が湧き上がるレベルのもので、それがすれ違いを生むとか嫉妬で不穏な感情をぶつけるとかそんなことはございません。
読めば分かりますが、御木は夏目に超ゾッコンで、相手に思わせぶりな態度をとるのは…まぁあまりよろしくないにしても(笑)、御木は夏目以外眼中にナシ。モテる御木の姿を俯瞰で見て、夏目は御木がもし自分以外と付き合っていたら〜…とか色々と考えを巡らせてしまうことはありますが、御木の隣を譲るまいと宣言する意気込みは、最高に頼もしい!!
夏目が心を明け渡さない強い男子で本当に良かったです。

プライベートとは違う仕事姿勢にオンモードの真剣な表情、恋人の別の顔に刺激を受けつつもますます惚れ直していく御木と夏目の恋愛のステージは、プライベートでは見ることができない2人の仕事人としての魅力もいっぱいでした。
仕事を選んだ理由や仕事への向き合い方にも触れ、2人のバックボーンが露わになったことで御木と夏目のキャラクター像がより深くなった旨みを存分に味わえるのではないでしょうか^ ^

決して派手なストーリーじゃないけど、現代日常もののストーリーの良さをしっとりと、そして爽やかに感じられる作品だと思います。
絵柄の美しさや清流を流れるような恋愛の調べに心ゆくまで浸ることが出来て大満足の読後感でした。

"かわいい"の概念が大きく変わる刺激的な一冊

なんだなんだ、このかわいい生き物は……!!

身体がデッカイのにかわいい。
たまに見せるふわっとした笑顔がかわいい。
控えめで純情な性格がかわいい。
イケメン顔なのにかわいいい。
佐伯を見つめる眼差しがかわいい、仕草がかわいい、エッチなことが好きなのもかわいい……とにかく全てがかわいい結城のキャラクターに終始メロメロでした♪

受けのコは攻めよりも身体が小さくて、しかも中性的で…っていうのがBL受け界のセオリーですが、結城はその逆。女子よりも女子的な容姿を持つキャラが多数所属している受け界において、タッパのある体格とムッチリとした筋肉、整ったイケメン顔の結城は、まさに受け界のニュースター!こんな"かわいい"があったんだ、を気付かせてくれるキュートな彼の恋心に萌えゴコロが疼きました。
見た目は優しいクマさんのような風貌で、容姿だけを見れば完璧に攻め側ですが、シャイでおっとりとした柔和な雰囲気は庇護欲がムズムズと掻き立てられ、思わず守ってしまいたくなるような彼の自然体の魅力にどっぷり。洗練されていないからこそ引き立つ素朴な可愛さが愛おしさで埋め尽くされました♪( ´▽`)

ラッキースケベのような展開から愛が育まれていくストーリーにしても、エロが主軸のようでストーリーがキチッとしているのもこの作品の見どころだと思います。
ユキハル先生のエロ描画は官能的で目を引きますが、それ以上に結城のキャラがインパクトが大きいんですよね。自己肯定感の低い彼の劣等感の裏には、こんなにも魅力的な一面が隠れているんだよと佐伯の目線から教えてくれる視点展開が素敵だなと思いました。
佐伯も佐伯で、結城の恋心につけ込んでおイタするような男じゃなくてホッとしましたし、好みのタイプじゃなかった結城にどんどんハマっては振り回されていく佐伯の恋愛観の変化も楽しい恋模様でした。

身体もデカけりゃ、想いもデカい。ピュアで純真な恋のメロさから目が離せない、ドキドキいっぱいのストーリーでした^ ^
1つ気になったのは、結城は何で生計を立ててるんだ?ということ。彼にはまだ謎多き部分があるので、いつか続編などでまた2人の恋愛の延長戦を拝むことができたらなと思っています。

シャイで、控えめで、自信なさげで、ネガティブだけど、でもとっっっってもエロい痴態を惜しげもなく見せつけてくれる、とびきり刺激的な受けのコとの出会いを求めている方にオススメの一冊です♪

読みたかったものがこの番外編にギュギュッと濃縮

R18版の電子で購入しました。

はぁ〜〜〜〜……サイッッッッコウに良かったです!\(//∇//)\

本編読み終わりのときに、恋人期のあまあまが少し物足りないなって思っていたので、本編を読み終わった瞬間すぐに飛びつきました。
1ページから甘い雰囲気がふわぁ〜っと漂っていて、そこから濃厚セックスへと繋がる場面展開は最高オブ最高の極みです…!!

諒太のフェラ、69、背面座位、エロが過ぎて困りました。
R18の描画の精度も相まって、官能のエッセンスにどっぷりと浸かりました(//∇//)
「おれの、なか…きもちい…?」
そんな可愛いこと言ったら、集の暴発が止まらんぜよ。諒太のトロい表情に煽られる集の「うんっ…♡」に私の萌えゴコロが止まりませんでした。
弥生れい先生の描くキャラの表情もセリフも、私のBLゴコロにグサグサと刺激しまくって、あーもうホントに最高の読後感です( ´∀`)

この番外編をもって「フォーカス・オン・ユー」の作品は一区切りとなるそうで非常に寂しいですが、何かの機会でまた集と諒太の2人に出会うことが出来たら嬉しいなと思います♪

耐えどころが多いけど、乗り越えた先は最高の景色でした

BLアワードノミネート作品キッカケで気になって購入してみたのですが、これは確かにノミネートされるだけある……!!親友に片想いするストーリーの王道ではありますが、キャラがとても良くて、表情とか心理描写とか物語全体の見せ方がうまい作家さんだなと思いました。

片想いをする側の攻めと、片想いされている側の受けとで抱える想いが真反対にあるのが少々焦ったかったですが、最初は擬似恋人として、恋人ができたときの練習名目であれやこれやと距離の近いことをたくさんスるというコミカルラブな側面にニヤニヤ。でもそれが核心に迫るやいなや、一気に切なめジクジクのストーリーへと展開……これが本当に辛くて堪んないのですが、でもこれを超えなきゃ2人の関係に動きはないので、この作品一番の耐えどころでした。

片想いをずっとしていた攻め側の気持ちが受け視点でも強く見えちゃうのがこれ系の作品の見せ場かなと思います。親友の諒太に片想いをする集の秘めた恋心に心臓がギューっと締め付けられっぱなしでした。
それというのも、諒太の無自覚な発言がすごくズキズキくる。いつか彼女が〜…とか。彼女ができたら〜とか…。彼女彼女彼女…って、諒太うるせーー!これ以上集の心を抉らんといてって何度思ったことか分かりません。諒太のことが中盤ちょっと嫌になりそうでした。゚(゚´Д`゚)゚。

親友に気持ちを乱されていく諒太の気持ちも分からんでもないけど、集との関係が親友のままで良いのか…その真を問う意味で、擬似恋人だった期間は価値があったと思います。
諒太が動かなければこの恋人ゲームは動かない。選択権は諒太に委ねられている状況が本当にもどかしかったです。
それ故に集の気持ちが報われた瞬間は最高に最高の瞬間でした!

集の嬉しさが手に取るように分かる鼻血の表情とか、ああいうのグッときちゃいますね。どれほどこの時を待ち焦がれていたのかが分かるシーン描写に完全に気持ちを持ってかれました。
親友の顔も恋人の顔も持つ2人の恋愛は、そのままの自然体の姿でゆっくりと愛を育んで欲しいと思うし、彼らならそれができると思います。

個人的にはもっと恋人期のラブラブプリーズでしたが、番外編があると聞いて早速購入しました。しかもR18版……今から読むのが楽しみです♪^ ^

時代背景の重みは苦しいけど、その先にある光をぜひ最後まで見届けて欲しい

時代背景はおそらく明治後期か大正あたりかと。
遊郭で働く下男を見初めた貿易商の若旦那との、苦しくて切ない…涙・涙の恋のお話でございます。

いやーーーーー……この時代のリアルがめちゃしんどい…
BLどうこうより、時代背景がまずキッッッッッツイです((((;゚Д゚)))))))
最後は見事にハッピーエンドではありますが、そこに至るあれやこれや…また、下男の志津夫の生きてきた背景がグサグサ刺さります。貧しい家の子は器量良しだと遊郭にスカウトされちゃうのは知識としてありましたが、遊郭内のブラックな事情がこと細やかに描写されている物語の重さがズッシリと響きました。

野原耳子先生の物語のアプローチがすんごくて、つい最近西洋系のお話を読んだなと思っていたら、その次は異世界転生もので、その次は西アジア系のお話、そしてこの日本と…多岐に渡るストーリーの幅の広さがえげつない。そしてどのお話も深いから尚更すごい。
この作品も人物描写や背景描写が見どころとなっていて、物語に深入りさせてしまう引き込み方は一級品です。志津夫と姉が、ここ遊郭にきた理由も涙だけど、遊郭で過ごす日々にもまた涙……。明日の食べるものにも困る生活を強いられていた田舎での暮らしから遊郭へと2人でやってきた姉と弟の絆の深さにもまた涙でした。

そう。このお話はですね、BLがもちろん一番の見どころではありますが、遊郭に身を置く姐さんたちとの人情話とか志津夫と姉の姉弟愛とか、そういう部分でもストーリーを魅せてくれるんです。時代背景は苦しいけど、遊郭で共に働く者たちのと関わりは温かかったりするので、嫌なことばかりじゃないことが読み進める上での拠り所でした。
最も最悪で嫌な奴は遊郭を仕切る親父殿で、コイツは志津夫の目に深い傷を作った張本人。この狸親父は志津夫に異常な執着を見せます。とはいっても恋愛的にはではなく、過去の自分と志津夫を重ねて見ていて、志津夫が幸せになるのを許せない…といった意味での執着です。
この親父の志津夫への執着がこの物語のキーとなっており、志津夫が自由を手に入れるかどうか、糸夜との愛を貫けるかどうかにかに注目しながら、志津夫が最愛の人と結ばれてゆく激動の恋愛模様をぜひ最後まで見届けて欲しいと思います。

志津夫と姉が幸せになりゆく最後の最後は、感激で何も言えない素晴らしいエンディングでした。なので、途中しんどくても諦めずに読み切って欲しいです!!!
糸夜がこれまた素敵な男で、この男になら志津夫を任せられると誰もが思うはず。最高の余韻に浸って下さいね♪

かの有名なおとぎ話を西洋BL風にアレンジしてみると

おそらくこのお話を読んでみた方ならば、すぐにあの有名なおとぎ話がモチーフだと分かるはず!
そう、あれですあのお話です。竹から生まれたお姫様のあのお話です。
作中にも数多の求婚を断る策として「ルナ・カグーヤ大作戦」なる単語が登場し、おいおいそのまんまじゃねえか……と思わず笑ってしまいました( ´∀`)

というわけで、傾国の美貌を誇る王子様と、求婚者英雄騎士様との結婚を巡るバトルのゴングが鳴らされたこの作品。結婚をしたくない王子様が無理難題の条件を出し、騎士の求婚を突っぱねていくというストーリーとなるのですが、竹から生まれたお姫様のお話と違うのは、騎士がかなりの猛者だったということです。
腕っぷしの強さに加え、強運にも好かれた英雄騎士・ケネスは、人喰い魔物の生首、大サソリの毒針、人魚の涙など、調達困難なシロモノをあっさりと獲得し、その都度求婚の手土産として持参する始末。あまりにもサクッと難題を次々とクリアするもんだから、アンデルの目論みは大きくハズレてしまいます。

アンデルの結婚逃れの悪あがきは正直言い訳がましくて情けない限りですが、それよりなによりもアンデルのめちゃくちゃな要求を黙らせるケネスの超人的スキルが恐ろしい……。それ、どうやって調達するの?っていう場合でも、対象アイテムの方から自ら転がり込んでくるほど、運に愛された男でもあります。
淡々と課題をクリアするケネスの目的はアンデルとの結婚でしかなく、盲目的な愛は非常に頼もしい。ケネスのめげない一途さは、いつしかアンデルの心を動かしていきます。

もーーーーホンッッッッットに、アンデルが意地っ張りでツンデレで、いい加減にしなさーいって感じなんですが、このワガママ王子様の振り回しもケネスへの想いが強くなっていくにつれて、少しずつですが変化が生まれていくことにご注目です。アンデルは結婚が嫌なんじゃなく、美しい容姿を持つ自分と結婚をしたい男との結婚が嫌なんだなということが分かってくると思います。
あの無理難題な課題の突き付けも、顔じゃなくて、中身をちゃんと見ない男たちへの怒りの現れだったのかもしれません。

もちろんケネスはアンデルを顔だけで判断するような男じゃなく、アンデルに執着する理由はちゃんとあります^ ^ じゃなきゃあんな危険を冒してまで結婚を申し込むわけがない。
英雄の求婚の熱量を楽しむ一方、結婚に頑なな態度をとる王子さまの心に恋心が宿っていく変化を楽しんで欲しいなと思います。
本家のおとぎ話のお姫様の方は成就とはいきませんでしたが、こちらはちゃんとハッピーエンド。アンデルが幸せの温もりを手に入れることができたことが嬉しい読後感に繋がりました♪