試し読みで気になって購入。
ノンケ側の目つきがどこか不穏で、「もしかしてかなり拗れた話なのか…?」と期待していました。
ただ、実際に読んでみると全体の雰囲気はかなりポップ寄り。
試し読みで引っかかっていた表情も、単純に“男から好意を向けられることへの嫌悪感”だったようで、こちらが深読みしすぎていたみたいです。
そのため、勝手に重めの空気感を想像していた分、少し拍子抜けしました。
また、嫌悪感を抱いていたノンケがゲイと付き合うまでの流れがかなり早く、気持ちの変化に置いていかれる感覚もありました。
特に、ノンケなら普通は知らなさそうなことを自然に理解している描写があって、「その知識どこから…?」と少しズレを感じる場面も。
軽めに楽しめる作品ではあると思うのですが、個人的には、ノンケ側の葛藤や価値観の変化をもう少し丁寧に見たかったです。
えち展開:3回
救いがないのに、なぜか目を離せないタイプの短編集でした。
1作目は、資産家の死を巡る物語。
他殺なのか、自殺なのか――というミステリー要素を軸にしながらも、“真相解明”の爽快感がある作品ではなく、人間の歪みや執着をじわじわ見せつけてくるようなお話でした。
2作目は、父親の死をきっかけに実家へ戻る物語。
温かさや再生よりも、息苦しさや拭えない感情が残っていく印象。支配することに対するお話なのでおそらくDom/Subのカテゴリーかと思います。
どちらの作品も、性行為の描写がかなり多いのですが、甘さや幸福感を伴うものではなく、むしろ犯罪の告白や壊れた人間関係を見せられているような感覚になります。
読みやすい作品ではないし、人を選ぶと思います。
でも、綺麗に救われない話や、人間の暗い部分を容赦なく描いた作品が好きな人には刺さる短編集でした。
ヤクザの男に恋をし、犯罪に手を染めた末に事故死
そして地獄へ、というインパクトの強い始まり。
序盤から一気に物語が動くので、初見だと登場人物の関係性や状況を把握するのに少し時間がかかりました。
生前の罪の罰として地獄の娼館へ送られ、人外に襲われそうになったところを所長に助けられ、そこから別の場所で働きたいと願い出る展開へ。さらに、所長の家でお菓子作りをすることになり、お菓子を与える相手が所長の息子で…と、次々に新しい要素が加わっていきます。
設定や展開が盛りだくさんで、読み応えがある一方で、もう少し細かい説明や補足があると、より物語に入り込みやすかったかもしれません。「あの出来事はどうなったんだろう?」と気になる部分もありました。
えち展開:3回
お試し読みで気になって購入。
大学では陰キャな男子が、夜の街ではSMクラブの“王様”というギャップから始まる物語。
大学の先生がクラブで楽しんでいる写真を見つけた友人が脅しを企て、証拠集めのために主人公もクラブへ同行。
そこで現れた“王様”に、眠っていたMの性が刺激されていくという流れ。
そのままプレイをきっかけに関係が深まり、気づけばお互いに惹かれていく展開。
SMといっても描写は主に拘束中心で、全体的にソフト寄り。ハードな内容を想像していると少し物足りないかも。
冒頭で語られる「ありのままの自分を受け入れてもらえない」「自分らしさを捨てた」というテーマが鍵になりそうだったけど、
それを回収するような印象的なシーンが見当たらず、少し消化不良に感じた。
えち展開:5回
「嫌いでいさせて」のスピンオフ。
バンド活動をしている柳木先生の弟(実際は従兄弟)と、そのマネージャーのお話。
気になっていた響羽がメインということで、読む前から楽しみにしていました。
物語は序盤から、両片思いであること、そしてマネージャーがつぐ兄との関係を勘違いしていることが示されていて、そこからどう展開していくのかを見守る構成になっています。
つぐ兄からの電話で一度は空気が揺れるものの、大きく崩れることはなく、終始どこか穏やかな雰囲気のまま進んでいくのが印象的でした。
その分、両片思いゆえのもどかしさやすれ違いがじわじわと効いてきます。
また、バンドメンバーたちのキャラクターも魅力的で、作品全体の空気感をより楽しいものにしてくれていました。
いい意味で「もっと続きが読みたい」という欲はなく、この一冊で綺麗にまとまっていると感じられる、満足度の高いスピンオフでした。
えち展開:2回
スピンオフ元の『αの花嫁 共鳴恋情』4巻に関わる内容が少し出てくるので、気になる人は先にそちらを読んでおくとより楽しめると思います。
2巻は、運命の番との再会。
幼少期に噛まれたうなじ。
あの時は成立していなかったはずの関係が、しっかり“番”として繋がっていたと分かる展開は、王道ではあるけどやっぱり惹きつけられました。
ただそれ以上に印象に残ったのは、“ブレないΩ”だったはずの李里耶が崩れていくところ。
これまでのクールで芯の強い姿を知っているからこそ、本能に引きずられていく様子にちょっと戸惑いもあって、正直「そんな簡単に崩れるんだ」と思ってしまったのも本音です。
でもその揺らぎがあることで、完璧だった存在が一気に人間くさくなる感じもあって、そこは面白かった。
かっこよさだけじゃない、不安定さも含めての魅力が見えてきた2巻。
この先、どうバランスを取っていくのかが気になります。
えち展開:2回
就活でなかなか会えない2人の話。
会えない時間に募る想いが丁寧に描かれていて、優しい作品だと思います。
ただ正直に言うと、展開自体はそこまで珍しいものではなくて、読み終わったあとに強く残るものは少し薄かったかもしれません。
進路に悩みながらも、お互いの選択に影響を受けていく流れや、一緒に暮らし始めて少しずつ生活を作っていく姿は微笑ましく、穏やかな未来を感じさせてくれました。
大きく心を揺さぶられるというよりは、静かに寄り添ってくるタイプの一冊。
刺さる人にはちゃんと刺さるけど、強いフックを求めると少し物足りなさも残るかもしれません。
えち展開:3回
いや表紙と帯よ……。いろんなことを想像してしまって、読むのを躊躇う3巻でした。
ロイが街の人々を守ったことで手傷を負い、命の危機に陥るシーンで表紙の絵が重なったときは、白黒のはずなのに鮮やかに色がついて見えるほど印象的でした。
大ネタバレにはなりますが、バートのおかげでロイが復活したときは本当に安心しました。
そしてその後に始まる甘々えちえち展開。待ち望んでいました!!
お互いの気持ちを確かめ合う2人の姿が最高で、見ていて幸せな気持ちになれます。
4巻では魔女の森が燃やされる……?!
第一王子に命を狙われるバートの行方は――?!
気になる要素が盛りだくさんで、続きがとても楽しみです。
えち展開:4回
王族であることが判明したロイが、ブリッツ国へ連れ戻されてからの物語。
シリアスな展開が多いものの、同じくらいコメディ要素も盛り込まれていて、重くなりすぎず読みやすい作品でした。
“魔女”と呼ばれるΩ・バートの逞しさと、時折見せる天然な一面が相変わらず魅力的で、思わずクスッとさせられます。
2巻目は甘々要素はほぼなく、「ブリッツ国へ行く→ロイに会う→やけ酒」という流れ(笑)。そのため、甘くてえちえちな2人を求めている人には、ややシリアス寄りで物足りなく感じるかもしれません。
やけ酒後のバートに幸せは訪れるのか、そしてロイの運命は――。次巻が楽しみです。
えち展開:なし
α×βのオメガバース作品かと思って読み始めました。
ハイスペックな久我先生と、そんな久我先生を胡散臭く感じる鬼瓦先生。
2人の関係の変化が見どころだと思います。
実は、2人は幼い頃に番になっていたα×Ωという関係性でした。
久我先生の匂いに当てられて発情してしまう場面では、Ωとしての本能と理性のせめぎ合いが丁寧に描かれていて印象的でした。
その後、今度は久我先生の方が発情してしまい、鬼瓦先生が“お情けで処理する”形になるのですが、彼の不器用な優しさのようなものも感じられて、複雑な気持ちになりました。
生徒たちが恋愛について話しているのを耳にして、鬼瓦先生が思わず、「行為は告白して手を繋いでから!」という真っ直ぐなセリフが可愛くて、思わず微笑んでしまいました。
えち展開:3回