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雪と松(1) コミック

高橋秀武 

絶対的な漫画力とBL力!

ずっとずっと単行本化を待っていた作品。やっと紙媒体で読める喜び!
あらすじは割愛させていただくとして、とにかく強烈とも言える画力の前にひれ伏してしまう。
必要最低限のトーン表現にとどまり、あとは全てスミで表現された世界が
「時代物」としてあまりにもマッチしていて、眺めているだけでも惚れ惚れ。

いや、しかし、とにかく、本当に松庵先生と雪さんが超かわいい。
「血みどろほのぼの」なんてパンチの効いたワードで宣伝されているにも関わらず、
(確かに人斬りの話しなので人はバンバン斬られるんだけど、グロくない…後腐れないと言ったらいいのか)
主役の二人が普通に恋愛していて、普通に愛し合っている。
最初こそ悪いヤツ?と思わせるような態度の松庵先生と、クールすぎて何を考えているか分からない雪さんだったけど、
それが時を経るごとにどんどんと愛を深めあっていって、どんどんラブラブになっていく。
きっと表紙を見て「暗いかも」「残酷かも」と思う方もいるかもしれないけれど、
予想をいい方向に裏切りまくる作品なので、騙されたと思って。ぜひ!
もう今年のNo.1BL決まっちゃったんじゃないの……というぐらい、自分の中で大きな作品です。
「1」とついていることにどれだけ心救われたか。
10巻でも100巻でも続いてほしい。BLに新しい神話を作って欲しい……。
そう思っても仕方ないよね、と思えるぐらい素晴らしい作品でした。
文句なし、間違いなしの神評価で!

たくさんの想いをのせて

一冊すべて表題作。厚みがあって、読み応え十分でした。

「恋」と一口に言っても、それにはいろいろな形がある。
それをとても繊細に、丁寧に、ゆっくりと描いています。
中陸先生のもう一冊の本(今はかわいいバンビーノ)も読んだ上で、この方は短編以上に長編が物凄く上手いなと感じました。

ひとりひとりのキャラクターがしっかりと生きていて、何故、どうして行動を起こすのかまで、はっきりと理解出来る。
だからこそ、誰かに特別感情移入するというわけではなく、
キャラクター全員の人生を追いかけたくなるような(作中では半年ぐらいしか時間は経過していないのですが)、そんな読み方が出来る作品です。

出て来る人たちがとにかく優しいので、読んでいて全員のことを好きになってしまう。
だからこそ、みんなが幸せになれたであろうラストは、爽やかな涙が溢れました。

出来るだけゆっくりと時間をかけて、あるいは何度も読み返して、
たくさんの発見に胸を躍らせながら読むという側面も持ち合わせています。
2P程度しか出てこないキャラクター、1コマしか出てこないキャラクター、全員が「植物」に関係する名前だったり、
時間経過と共に、ちょっとずつ変わる髪型とか、意外な私服姿とか、
何よりも主人公である葉純の成長ぶりであるとか……。

人間とは愛おしい生き物なんだ、ということを思い出させてくれる、素晴らしい作品でした。

最後に、とても個人的な意見ではありますが、
この作品が「BL」という枠で発表されたことが、何よりも嬉しく思います。
だからBLはやめられない。心からそう思いました。

恋と粗相 コミック

大森小鳩 

キャッチコピーを乗り越えて

「おもらし」と聞くと、倦厭されがちですが、そこを超えて是非手にとって頂きたい一冊です。言っても、そんなにです。綺麗なものです。
そういう、フェチズム的な部分も見えながら、それでもちゃんと「漫画」に求めている方程式が詰まっている。
胸がぎゅっと締め付けられたり、この子たちいいな…と純粋に思えたり、ちょっとしたセリフ回しに著者のウィットを感じニヤリとしたり。
久々に「いい漫画を読んだな」という気持ちをしっかりと与えてくれる良作でした。
それなのにちゃんとBLしてるから嬉しくなっちゃいます。有り難や。

どっちが攻めなんだろう?と思ったら

不憫BLの公式ページ(http://www.b-boy.jp/magazine/fubin_bl/)に『リア充高校生義弟×引きこもりのバリゲイ義兄』とありました。
レビューでは兄×弟で書かれてる方が多いようですが、逆のようです。
私はそこを含めても、この作品の独特の空気、抜群のネーム力、全てにひたすら感服するばかりでした。
志村さんは、本当に漫画家さんなんだ、と改めて当たり前のことを当たり前でなく思いました。
大好きな作品のひとつです。

一筋縄ではいかない

新人さんとのことですが、ものすごく推されてるので気になって購入。
私自身基本なんでもござれで、暴力も女装も好きなテーマだったので、この本、かなり、凄く、良かったです。
バッドエンド、とひとくくりに言うことは出来ない、多種多様な作品群が詰まっていました。

それぞれの話が、ショートフィルムを見ているような感じ。
一貫した「静けさ」が作品の中にあって、ものすごく盛り上がるわけではないけど、その静けさが「燃え上がる」瞬間が確実にある。

表題の『アンノウン』
とにかくジェイの美しさに説得力がある。しっとりと濡れたように光る深緑の瞳に、厚く層を重ねるようなまつ毛の密度、薄い唇。何より傷だらけで、プレイの問題もあって痣が消えない身体というのがたまらない。
創作活動の一貫としての、暴力を伴うセックス。そうカメラマンであるフランツは納得しようとするけど「愛している」という気持ちに相反する行為でもある。どうしても逃したくない、という執着心も相まってか、この時のフランツの表情がたまらなかった。
なんとも言えない表情を描くのが、この作者さんはうまい。なんとも言えないのに、ドラマティックなんです。
ラストの展開も、個人的にはものすごく落ち込むとか、本当に悪い意味での「バッド・エンド」とは思わなかった。
むしろ、胸が梳くような、爽快感すら感じる終わりでした。

その他の作品も(特にラストの「Make haste slowly.」は涙が出た。今があるから過去があり、過去があるから今がある。セリフのひとつひとつがひびきます)、ただひたすら恐ろしいとか、苦しいとか、辛いとか、そういう話は一本もない。
「こんなバッドエンドが見たかった」というのは、多分、そういうことなんだろうなあ。
読み終わってやっと本当の言葉の意味が分かるというか、かなりいいキャッチコピーだと思います。最初の一歩は躊躇するかもしれないけれど。

まだ色んな描き方を試行錯誤している段階というのが見え、作品によって若干タッチが違っていたりもするのですが、これから絶対伸びる作家さんだと思っています。
次にコミックスが出るならまた買おうと思うし、あと明るい話も描いて欲しい。コミックス描き下ろしでかなり救われて、こういうノリもイケるんだ!と思ったので。
これからに期待しています!