たゆたう種子

tayutau tane

たゆたう種子
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神48
  • 萌×233
  • 萌13
  • 中立0
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
17
得点
411
評価数
98
平均
4.2 / 5
神率
49%
著者
 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
BL漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
EYE'S COMICS BLink
発売日
価格
ISBN
9784834262735

あらすじ

冴えない生物教師、木庭のファンである葉純は、わざと赤点を取り、二人きりの補習時間を有意義に過ごしていた。しかしある日、見知らぬ生徒、根井も補習を受けることに。
補習中眠り続けていた根井に「勉強を教えてくれ」とせがまれ、渋々教える葉純。

「なんでそんな分かってんのに、補習なんか受けてんの?」

という根井の一言に、葉純は動揺を隠せず――。
新進気鋭の作家【中陸なか】が送る、ドラマチック・ボーイズラブストーリー!

表題作たゆたう種子

根井柊都(高2)
葉純夏芽(高2)

同時収録作品たゆたう種子

小林 高校生
木庭 高校生

その他の収録作品

  • 処暑幕間(描き下ろし 本編その後)

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数17

新しい物語

読み始めてまず思ったのは温かく感じる絵の中にどこか切なさがあり、儚く綺麗な絵だなと思いました。

最初はよくある三角関係でどちらかの生徒が先生とくっつくのだろうなと思っていましたが、まさかの展開で読んでいく毎に一人一人のストーリーが明らかになっていき、苦しく切ない気持ちになりました。しかし、最終的に小林と木庭が付き合い、先生も前を向いて進んでいる姿を見て、安心したと同時にとても嬉しくなりました。

これが中陸なか先生のデビュー作と知り驚きました。まだ読まれていない方は是非^ ^

0

丁寧な展開で好きです

これ、タイトルがいいなぁって思います。
浮遊してどこに着地して芽を出して花開くかわからない状態。まさにこの作品の登場人物の気持ちそのもの。

生物の先生と二人っきりになりたくてテストでわざと悪い点を取って補習を受けている葉純。ところが根井も補習を受けることが決まり、おまけに根井も先生が好きだと言い出して…
先生を巡る三角関係ものとして始まるけど、ドロドロとは無縁です。補習の一環で花壇に植えたチューリップの成長を一緒に見守るようになった葉純と根井は、急速に距離を縮めていきます。

この作品は視線、見ていたものというものがうまく使われているなぁと。
ファミレスでぼんやりと窓の外を眺めていた先生の表情を見てこんな顔をする人だったなんてとそこから先生に興味を抱き始めた根井。
根井が持ち前の観察眼で、先生が葉純の顔を意味深な視線で見つめていたことに見抜いていたこと。
先生は葉純の顔をずっと見ていたけど、本当に見ていたのは葉純自身ではなく喪った元恋人の面影であったこと。
そして葉純もずっと先生を見ていたけど、それはあくまでアイドルを追うようなものだったこと。
根井の自分に対する探るような眼差しと、葉純を目で追い続けていることに気づいていた先生。

そういう眼差しが交差する丁寧なストーリー展開になっているので、読んでいてどの登場人物にも共感できるようになっています。

葉純と根井がキスするシーンが見ていてこっちが照れ臭くなるくらい初々しくてかわいい。影からそっと見守らせていただく…という気持ちになったシーンでした。
そしてチューリップの開花が過去、そして現在と共に絡めて描いてあって、とても良かったです。

1

優しくて繊細

とても優しくて繊細で美しい作品でした。
各話の完成度もさる事ながら隔月刊連載とは思えない一冊を通しての破綻が無く、画力、設定、構成のしっかりした完成度が高いです。
装丁が素敵でジャケ買いだったので、予想外に素晴らしい作品に出会えて嬉しくなりました。
CP同士の絡みはほぼないのですがしっかりボーイズラブが描写されていて、登場人物それぞれの想いに胸がしめつけられます。
この方の描く男の子可愛い!
目が…目がさ…うっるうるよ。ニコラス・ケイジに負けず劣らずの濡れた目ぇよ。
これがデビューコミックスというのが凄いですね。

1

たくさんの想いをのせて

一冊すべて表題作。厚みがあって、読み応え十分でした。

「恋」と一口に言っても、それにはいろいろな形がある。
それをとても繊細に、丁寧に、ゆっくりと描いています。
中陸先生のもう一冊の本(今はかわいいバンビーノ)も読んだ上で、この方は短編以上に長編が物凄く上手いなと感じました。

ひとりひとりのキャラクターがしっかりと生きていて、何故、どうして行動を起こすのかまで、はっきりと理解出来る。
だからこそ、誰かに特別感情移入するというわけではなく、
キャラクター全員の人生を追いかけたくなるような(作中では半年ぐらいしか時間は経過していないのですが)、そんな読み方が出来る作品です。

出て来る人たちがとにかく優しいので、読んでいて全員のことを好きになってしまう。
だからこそ、みんなが幸せになれたであろうラストは、爽やかな涙が溢れました。

出来るだけゆっくりと時間をかけて、あるいは何度も読み返して、
たくさんの発見に胸を躍らせながら読むという側面も持ち合わせています。
2P程度しか出てこないキャラクター、1コマしか出てこないキャラクター、全員が「植物」に関係する名前だったり、
時間経過と共に、ちょっとずつ変わる髪型とか、意外な私服姿とか、
何よりも主人公である葉純の成長ぶりであるとか……。

人間とは愛おしい生き物なんだ、ということを思い出させてくれる、素晴らしい作品でした。

最後に、とても個人的な意見ではありますが、
この作品が「BL」という枠で発表されたことが、何よりも嬉しく思います。
だからBLはやめられない。心からそう思いました。

2

切なくて心が温かくなる良作

高校生独特の世界感が上手に描かれていて、恋と憧れの狭間だったり、色々なものが少しづつ育まれていく様子が丁寧に描かれていました。
表紙のイメージそのままにタイトルや植物の存在が作品の中に良く活きていました。
特に生物教師が変に俗っぽさに走らずに、教師として理性的でいたところが、切ないけれど良かったです。
高校生の2人はとてもキラキラしていて、恋の始まりってこんな感じだよねと等身大の姿にとても好感が持てて応援したくなります。
2人のこれからも見守りたくなります。

2

彼らは物語のなかで生きている

高校の生物教師と、二人の生徒が織りなす恋愛模様。

と、一言で片付けるには奥深すぎる……。
既にたくさんの方がレビューで触れている部分だけれど、
本当に「三角関係」とは言い難い、絶妙な距離感の三人、それぞれが主役になっている。

最初は生物教師の木庭が好きだと思っていた葉純が、自分も木庭を好きかもしれないと言う根井と出会い、その秘密を「共有」する。
けれど、そんなオイシイ展開にもかかわらず、「二人で好きな人の好きなところを言い合う」ということが一切ない。
共有はしても、共感し合うことはないのだ。
はじめはそれにかなり驚いたけど、でもそれって、ものすごく男子高生のリアルなんだと思う。
別に互いに話を合わせるでもなく、各々好きに想って、考えて、時折口にしてみて、共感されなくても全然良い。
それと同時に「自分が知っていることを、あえて相手には伝えない」ということもする。
大人にだってなかなか出来ない。
ましてやこの二人は高校二年生である。進学クラスに通う秀才くんと、普通クラスに通う、感性の鋭いおバカ。

最も顕著なのが、木庭の過去を知った根井が、葉純にはそれを最後まで言わずにいたこと。
それは根井なりの木庭への敬意であって、わざと隠しているわけじゃない。
木庭も、葉純には何も言わず、ここで木庭と根井の秘密が「共有」される。
しかし、木庭と葉純二人のシーンでも根井の話題はあがっていて、
そこで木庭は「葉純が根井を好きになりかけている」ことに気づくし、それを根井に言ったりはしないのだ。
安易に、助け舟を出すことも無ければ、背中を押すこともない。あくまで「教師」として、見守っている。
なんかもう単純にすごい。自分の作品を客観視できすぎてる……。

もちろん、高校生にしては頭が良すぎちゃって、という意見もすごい分かる笑!
けど、根本でとても優しい子達だからこそ、自然とそういう取捨選択が出来るんだろうなと思っている。

読者は神目線なので、なんでも知っている。
それは当然として、キャラクターたちは、まさか自分が誰かと喋っている裏側で何かが起こっている、なんてことは知らない。
結構それって忘れられがちというか、私自身が忘れがちな観点なのだけど、
そこを徹底してくれていたことが、何よりも気持ち良かった。

作者の人は頭が良いんだろうなあと思う。
デビュー作ということで、これからもこうやって、綿密に組み立てられた物語を作っていってほしい。
期待しかない作家さんです。

色々書いたけど単純にすごい好きだ!百点!!!

3

芽が出てふくらんで…

先生が気になってる生徒。2人だけの補習授業にもう1人の生徒が…。しかも先生に好意を持っていることを見抜いてる!
はじめは「生徒①x先生+当て馬生徒②」、と思ってたけど、読み進めていくとこの物語は正に王道的な高校生の曇りのない友情からの特別感の芽生え。
高校生同士のたどたどしくも微笑ましい交流。それを端から眺めるしかない過去に囚われた先生。
でも、彼らを見ているうちに、自分の哀しい過去、断ち切られた恋心、将来への投げやりさなど、凍りついた時間が少しづつ動き始める。
若い2人の眩しさが、自分の中断した恋を成就させてくれる…そんな希望。笑いあう2人を見て、自分も優しく笑えることに気づいた時、前に進み始めたことを自覚できた先生。
いなくなるなんて思ってもみなかった。あいつがいたから頑張ってきたのに。そして止まってしまった時計だったけれど、それでも人は何度でも立ち上がれる…!

全編に渡って丁寧に書き込まれた背景や、表紙の植物たち、少年たちの瞳に浮かぶ涙、とっても美しい。

7

技量が凄い

感想まで。
細かい設定に忠実で、矛盾点なくしっかりと描かれ、読んでいてその日常に入り込んだ感覚になります。
目の動きの描写が凄く良くて、それだけで感情がしっかりと伝わってくるので、
言葉なくても絵を追うだけで楽しかったです。

そんな描写が絶品ですが、更に一冊の中に
好奇心、空想上の恋、現実の恋
これがはっきりと区別されている所が本当に凄いと思いました。
想像と違っているから詮索したくなった好奇心。
恋愛感情ではないから、その人の世界に入り込もうと思わないし、入ってきて欲しいとも思わない 空想上の恋。
一緒にいるのが楽しくて、怖いけど相手の世界に入っていきたい 現実の恋。
それまでの描写と台詞がストンとはまる感じです。

ただ、これを高校生が考えたっていう所が。
こんなに冷静に恋心について自己分析できるかな。
高校生ってもっと勢いだけの所とかあるんじゃないかな~。好きは好き!みたいな。私の考えが古いのかな?!
高校生の二人が大人になった時の回想シーンでのモノローグだったら尚良かったな~とか、欲張りなこと考えちゃいました。

自分が恋人と出来なかった事を教え子がやってくれる姿を見て、想いを昇華させようとしている先生。
恋人が亡くなってから、墓参りにも行けなかったくらい受け止められなかったのに。
それでも、恋人との約束の道『教師になって戻ってくる』の呪縛から解けて
大学へ戻るという、自分の道を進み始めた先生に、沢山の幸が注がれますように。

4

きらきら補習物語

頭の良い天然の葉純くんと、てきとー(に見える)根井と、二人を見守る先生のお話です。

葉純くん
木庭先生に憧れるあまり生物(先生の担当教科)だけ赤点をとって補習に来るという天然。
先生の前のきらきら〜と根井の前でのむっとした感じのギャップが最初はすごいんですが、可愛かったです。どこが、っていうと大分詰めが甘いんですね葉純くん。補習に来てるのにプリントさらさら解いたり、感情が表情に出過ぎたり。隙?というか頭は良いのに表情が可愛くて葉純くんがぐるぐるするほど微笑ましい気持ちになりました。
根井とのやりとりで人付き合いの難しさを少しずつクリアして歩み寄っていく姿が素敵です。「大丈夫だよ」のところでなんだかここまで来たかーと感慨深くなってしまった…

根井
ちゃ、ちゃら男だ〜!と思ったのですが、とっても良い子です!
最初はタイプの違う葉純くんと馬が合わず図星をぐさっとついてくるのですが、おすすめされたアニメを徹夜で見たり、花の世話ちゃんとやったり、生物苦手設定を忘れた葉純にツッコミを入れたり、人の感情を汲むのが上手だったり、素直さのなせる魅力がいっぱい詰まった子です。
先生の話を聞いた後から見せる悩んでる時の目線が明るい普段との対比でグッときました。
お菓子の新作をゲテモノと知ってもついつい買っちゃう高校生っぽいところも可愛いです。甘えがちな猫みたいでした。

木庭先生
生物の先生です。もっさりした感じ。
この先生、恋愛として話に絡んでこないところがすごくいいな、と思いました。助言はしますが、あくまで「先生」で「大人」なんです。葉純がわざと赤点をとっていることも、根井の気持ちも察していました。葉純と顔が似ている元恋人を思い出してもずっと一途です。(でも、恋人の好きだったラーメン屋を葉純くんに教えたのはどんな気持ちだったんでしょうか…)
書き下ろしで数年後が描かれていますが、先生にとっては葉純も根井もずっと教え子で子どもなんだなーと思いました。
先生が単なるスパイスではなく、主要人物だ、という感じがとても好きです。

全体的に画面が細かく美しく、場の空気感(友達と過ごす夜や先生の車に乗るちょっとした非日常感とか)が伝わってくるようでした。
主人公達にとっては人生でそこそこ印象的な出来事なんだろうけど、それが全てじゃなくて、色々あった中の1つ、みたいな感じもツボでした。
目の描写も印象的で、お話も静かなのに染み渡るような構成でこれからも応援したい作者さんです。

…先生と小林はどっちがどっち…もにょもにょ…

10

久々の名作。

別所のレビューにて『中村明日美子先生の「同級生」を読んだ時のような気持ちになった』という一文を見て、それならば……と正直なところ半信半疑で読んでみた作品。

結論から言うと、疑ってすみませんでした。という感じで。
同級生とはまた違った読後感。
でも、読み終わった後の胸に広がる充足感は確かに似てる。
あー、これ。本当に久々です……。

帯に「教師と、生徒と、生徒。」とあるように、
ちょっと得体の知れない感じの先生と、真面目で初心な生徒と、正反対にちょっと不真面目で根明(のようで実は繊細)な生徒の三人が繰り広げるお話し。
でも、これって本当は三人というより、もう一人、先生の相手の人が居て。
だから二組のカップルのお話しでもあるんですよね。
とは言っても、そこを前に出さなかったの、正解だなーと思いました。
二つのカップリングがあるって感じだったら、なんだー総ホモか~って手を出さなかった可能性あるし。
でも総ホモかと言われれば実際のところ、全然そんなことはないし。メインは間違いなく三人の交友なので。

最近のBLでよくある「一目惚れ」とか「気付いたら好きだった」とか、好きなんですけど、でも、やっぱりどこか興ざめすることもあって。
なので、この作品のように、「好き」とは何か?
この想いはどこからやってきて、どこへ帰結していくのか?
そもそもこれは本当に「愛」なのか。それとも「憧れ」なのか?
という根本的なことが、5話かけてじっくりじっくり描かれているのは、本当に珍しいことだなと。
男子高校生が同い年の子のことを好きになっちゃうのって、本当にこういう過程を経てるのかも……とか本気で考えだしたりして(笑)。
例えば、主人公の葉純くんはアニメが好きなんですが、もう一人の生徒である根井くんに「あ、アニメ~…」って感じでちょっと引かれてしまうことがあって。
で、葉純くんは拗ねちゃうんですけど。根井くんは焦って「見るよ!」とか言って、葉純くんは「絶対見ないよ…」みたいなやり取りをする(笑)。
その時点で「あるあるだ~分かる~~」って共感してたのに、なんと根井くん、本当に睡眠時間削ってアニメを見てくれる。めっちゃ眠そうに、でも凄く面白かったって言ってくれる。
そんなの、葉純くんじゃなくても、ちょっと好きになるわ!!
本当に、そういうことの積み重ねって、バカにならないよなーって。思いました。

勿論、この二人だけじゃなくて、木庭先生も物凄くいいキャラをしてる。
教師含んだ三角関係もので、しかも教師と生徒がくっついちゃうとなると結構苦手かも……な感じだったんですが、前述したとおり木庭先生には小林という「コバ」仲間であった元恋人が居てですね。
その人と葉純くんが凄く似ていて、どうしても、嫌というほど気になってしまう。という……。
あんまり書きすぎてもアレなので伏せますが、本当にこのあたりは泣けました。
どうにもならないことを、どうにかすることすら出来ない。
人間って無力で、だから愛しい生き物なんだよな…とそんなことまで考える始末でした。
変に教師生徒モノじゃなくて、先生はあくまで見守るポジションだったの、ほんっっとうに良かった~~~。大好きですそういうの。

ちょっと感動しすぎて本気で書きすぎなのでこの辺で。
神評価をつけると、作品の規模感的にはちょっと大げさに感じちゃうんですが(神とかより萌って言葉の方が似合う感じ)、でも萌2じゃ足りなかったので神で。
久々に、ちゃんと文字にして感想を残したい!!と思える強い作品でした。
もっともっと評価されて、色んな人に読まれるといいなーと、昨日知ったぐらいの超にわかファンが思うのでした。

11

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