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エキスパートレビューアー2023

女性Sakura0904さん

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前の彼に本気だったと言える千葉、いい男

 自動車学校が舞台となる作品って珍しくて新鮮ですね。確かに密室に2人きりというシチュエーションは恋が芽生えてもおかしくない。自分が通っていた時は穏やかな教官は少なくて、いてもおじさんでしたし、イケメンもいましたが一癖ある人だったので、まったくそんな気は起こらず……。車校に良い思い出がない人、結構いると思うんですがいかがでしょうか(笑)。生徒の態度に問題があるならともかく、真面目で一生懸命な生徒には皆千葉のように爽やかな指導をして欲しいですね。

 教官と生徒となるとどうしても前者の立場が強くなりがちですが、この作品では千葉の方が過去の恋愛によるトラウマを抱えていたり、受けだったりするところがミソだと思います。八乙女は初めての実技ですごく怯えたりと、常に気弱に描かれていますが、芯は強い人なんだろうなというのがなんとなく感じられます。後半に進むにつれて、八乙女のぶれない人柄が少しずつ千葉の心を溶かしていく過程が自然でした。1巻ということなので、これから恋人らしい日常を楽しむ2人を追いかけたいですね。

とにかく眼福だった

 完結巻としては少し物足りなかったかなというのが、正直な感想です。ベニーの体に異変が起き、人間の身では祈ることしかできずもどかしく思うターナー。唯一救う方法を知っているルシファーに託すことで、事なきを得て良かったのですが。良くも悪くも肝心な所をぼかすような描き方なので、絵もキャラの性格も落ち着いていて、さらにストーリーもとなると、3巻という長編にしては山場が少なかったかなと。日常系のほのぼの漫画ならそれで構いませんが、せっかく天使や悪魔という美味しいファンタジー要素を含んでいるので。ただ、ベニーが人間になったのは彼がそう望んだから、という理由は素敵でしたし、メイン2人の常に温かいやりとりは大好きです。ミカエルの忘れ方は切なかったですね。ルシファーやミカエルにも焦点を当てた続編が読めたら嬉しいなと思います。

登場人物皆可愛げがある

 ターナーのもとに無事帰ってきたベニーですが、新しく現役天使であるミカエルと、悪魔であるルシファーが現れ、2人きりで落ち着いた日常を過ごすというわけにはいかなくなります。2人の甘い生活を読みたかった方には少し物足りないかもしれませんが、このミカエルとルシファーがまたいい男なのでなかなか眼福でした。特に悪魔のトップとは思えない佇まいのルシファーが気になります。彼のベニーに対する感情、そして、ミカエルとの関係性は? 天界事情が想像以上に複雑で、面白そうですね。中盤までは話が込み入っていましたが、後半はターナーとベニーの絡みも増え濡れ場もあり、2人がお互いを大好きで慈しみ合っているのがよく分かるやりとりに萌えました。

あなたの靴で世界を見て回る

 タイトルは何かの比喩だろうと思っていたのですが、本当に文字通りの意味だったのが良い意味で驚きでした。表紙の受けっぽい子はふわふわした天然系のキャラなんだろうなというイメージもあながち間違いではありませんでしたが、真顔でいることが多く想像する声もなんとなく低そうなアンニュイな印象で、こちらも良い意味でイメージを裏切られました。ファンタジー要素を含んでいるけれど、メイン2人の終始落ち着いた態度、平穏な性格のおかげか、距離の縮め方ややりとりにはリアリティを感じてこの雰囲気好きだなぁと思いました。2巻以降の進展に期待です。

ポケットからあわあわ出てくるの可愛すぎる

 小鉄子先生作品なのでもっとじれじれなのかと予想していましたが、2巻では結構進んだんじゃないかと思います。距離感はあまり変わらないけれど、東が火事に遭ったことで西園寺家に居候したり、逆に西園寺が東の部屋に家出させてもらったり(実家公認の家出って可愛いですね笑)、最後はとうとう西園寺が想いを伝えたりと2人を取り巻く環境が大きく変化した印象でした。

 2人とも常識人なので相手の家では気を遣いっぱなしで疲れるんじゃないかとちょっと心配でしたが、好意があればこそ楽しい、心地良いと思える瞬間も多々あり、ああお互いに恋してるんだなぁと微笑ましく読めました。焦っている西園寺は人間の時も人形の時も可愛いですね。最後の東の台詞はきっと遠慮ですよね。特殊な家の事情がある西園寺だけど、東の器ならきっと受け止められると思うので、今後積極的になってくれたら嬉しいです。

ぬいをこんなに可愛いと思えるとは

 山本小鉄子先生ワールドを堪能させていただきました。今まで推しキャラのぬいを欲しいと思ったことは特にないけれど、西園寺のぬいは可愛くて本当に萌えました(笑)。焦っていても困っていてもずっと同じ笑顔のままなのが愛おしく思えてきます。嫌味のない性格だし、ネガティヴになる度人形になるといってもそこまでうじうじしているとは感じず、謙虚ですぐ申し訳なさを感じるよくある日本人気質という印象。ネガティブ思考に陥る時のモノローグも自然な流れで、人形シーンを描くため唐突に後ろ向きに考えさせている印象も受けませんでした。

 そして、西園寺に何度手間をかけさせられても嫌な顔ひとつしない東。もちろん彼自身出来た人だからでもあるし、普段の西園寺に人徳があるからこそでもあるのでしょう。髪を下ろして言葉遣いも砕けた素の東にもときめきました。2人とも恋を応援したくなるキャラでした。

種はすべて自分の胎に吐き出させる。ある意味すごい独占欲

 久々にこの2人に会えて嬉しいです。あとがきにも書かれている通り、元々は1話読み切りの予定で、同人誌感覚で描かれたということで、本編のような緊張感はほぼありません。交渉のシーンなどもありますがあっさり解決し、あくまで誠と相の関係性の描写がメイン。濡れ場ではすっかり赤ちゃん返りした誠が相に尻で抱かれる様子が楽しめます。乳首を吸ってもいやらしさを感じさせないどころか、ただ赤ん坊の母親恋しさにしか見えない、こんなセックスはBL界広しといえどこの作品でしか拝めないでしょう。相も誠を子として受け入れることを厭わないようですし、これからも周りに心配されながらなんだかんだ図太く生き残っていけそうな2人です。

天然同士の毒気のないオメガバース

 バンドものでオメガバースとは珍しいなと思いましたが、バンドとしての活動や音楽の絡むシーンは少なめでした。攻めのシキは今までβとして生きてきて、αであることが発覚するのが遅かったということもあってか、いわゆるαらしい性格がまったく見られず、天然で甘えた、生活能力の低そうなところはヒモが似合うくらいで、αとしてはかなり斬新なキャラクター。

 Ωのレンは惚れっぽい恋愛体質で、シキを好きになったことを早い段階で仲間や本人に素直に打ち明けるところはすごく可愛いなと思ったのですが、メンブレしやすいのが玉に瑕。相手がシキでは誰でもレンのようになってしまいそうですが。ただ、段々シキのレンへの本気度がちゃんと見えてくるので、少しずつ安心できました。2人だけだといろいろ心配ですが、お互い良い仲間に恵まれているので、彼らの力も借りながらであれば案外長く続いてくれそうだなと思います。

罪は罪として受け入れて生きる。赦さなくてもいい

 アウティングの罪深さを題材にした作品。した方もされた方もまさか20年もの間罪悪感や恨み、後悔に悩まされることになるなんて、当時は思わないでしょうね。何度邪険にされてもめげずに贖罪をなそうとする天花寺が段々可哀想にも思えてくるけれど、あの時天花寺の一言がなかったら20年の間五映は今とまったく異なる人生を歩んでいたかもしれないと思うと、たとえ悪気もなく犯罪でもなくても、1人の人生をここまで変えてしまう言葉って本当に恐ろしいなと思いました。具体的な贖罪の方法にはあまりリアリティはなかったけれど、そこはARUKU先生節。一度別れた後、天花寺が穏やかさを放り投げて乱暴な口調で五映に言葉をかけたシーンはとても良かったです。鍵原も嫌な当て馬でなく、2人に対して誠実でいいキャラでした。言葉の重みを考えさせられる作品でもありました。

寒い日にほっこりできる漫画

■お父さんをボクにくださいっ(表題作)
 保育士と子供を迎えにくる父親サラリーマンの恋って、導入だけでもう惹かれてしまいますね。高校まではスポーツマンでモテたであろう山田。イケメンで体格も良い彼が辿り着いた職業は保育士。志もなく選んだ仕事だったけれど、今では子供たちにちゃんと慕われて板についている。それは彼が心底子供が好きだからなんだろうなぁと。疲れて帰宅した部屋にこんな柔らかくて明るい、子供と楽しく遊んでくれる人が待っていたら、それが男性でも女性でも癒されますね。熱意はあるけど自信は控えめで、この顔なのに経験が少ないというギャップも萌えポイント。好意を冗談だとしか思っていなかった弓原が徐々に絆されていく過程が自然で、微笑ましい気持ちで読めました。

■愛ってなんだ?
 短い作品でしたが最初に予想した攻め受けと逆だったのが良かったのと、こちらも攻めの見た目や言動が素敵で、2人の出会いから丁寧に辿らせてほしい!と思わずにはいられませんでした。不安から突飛な行動に出る受けのことを口に出さなくてもちゃんと分かっていて、実はいつでも温かく見守っている。恋人に対する態度に惚れました。