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避けるほど重くはない

久我さんもともと好きでしたが、レビューを見ると重いとかそんなのばっかりだったので手が出ず寝かし続けていたところ、Kindle Unlimitedで見つけたのでソッコーでダウンロードして読みました。

個人的には別にそこまでズーンとなるほど重いとも思わなかったです。
確かに攻めは重たすぎる荷物を背負って人生を生きていかなければいけないけれど、お話の最後はちゃんとハッピーエンドですし。

何を抱えているのかとかは読んでいただくとして、話のテーマが大きいにも関わらずちゃんとBLしてるところがすごくよかった。
というかエッチシーンが良すぎた。
表情が顔に出にくいクールな年下攻めと元気でおしゃべりな明るい年上受けって感じですが、この組み合わせ最高です…。

受けがマジックミラーのバスルーム(受けはマジックミラーだと知らない)でああでもないこうでもないとエッチの準備をせっせとしてるのを攻めがずっと見てたっていうのかわいすぎて笑いました。

そのあともテクニックを持ち合わせた年下攻めにとってもかわいく抱かれちゃってますし。

経験が豊富なのか、とにかく年下の攻めが受けを翻弄しまくり絶対的な自信で受けのことをめちゃくちゃ気持ちよくしてくれます。
この受け、ほんとにいままで女抱いてたんか?って感じです。

最近はエッチシーンを読み飛ばしてしまうことも多々ありますが、これは読み飛ばせないエッチでした。

年下くんが慣れてきて年上のことを「あんた」って呼ぶのがたまらない属性なのでそれも非常にありがたかったです~。

あと個人的には絵津鼓先生の挿絵も合ってると思います。
特に受けの元気でかわいらしいキャラにはピッタリではないかと。

ベッドの上で力を発揮するクールな年下攻めが好みの方、おすすめです。

「愛してる」という言葉がとても似合うふたり

たったいま読み終わり、脳内の荒れ狂う感情をなんとか言葉にしようとしています。
これはひとりでも多くの人に読んでもらいたい。

今まで何百冊かよんだBL小説のなかで、トップ3に入るのでは?というくらいの神作品でした。

受け攻めの細かい設定やストーリーはあらすじなどを読んでいただきたいのですが、受けがイギリスの王子で金髪碧眼ってことです。
そもそも受けが最強すぎます既に。この時点でピンときたら買うべきです。期待通りです。

まだ電子化もされておらず、値段もけっこうお高めなので躊躇される方も多いかと思いますが、わたしは翻訳ものということとこの受けの設定をみただけで何も手につかなくなり本屋さんに走りました。
わたしが行った本屋さんではハーレクインの棚にひっそりとあったのでけっこう探しました。

もともと翻訳ものが好きでモノクロームロマンス文庫も読んでいますが、翻訳ものに抵抗がある人にもまぁひとまず読んでみて、と言いたいです。
確かに特有のノリや日本人にはよく分からない文化も容赦なく出てきますがそれを敬遠して読まないのはもったいないです。

この作品はBLレーベルではないということで、露骨な描写やはっきりとした表現はありません。
なので物足りないのかな、と思いきや全くそんなことはありませんでした。むしろそれが想像力をフル稼働させてくれます。
「ヘンリーはドアに両手をついた」とか、たったそれだけの文章でガッツポーズを決めてしまいます。(心の中で)
なので普段BLを読む人でも読まない人でも抵抗なく楽しめると思いました。

この作品の何より素晴らしいと感じた部分が、この分厚い1冊の中でお互いのことがどれだけ大きな存在で、どれだけ大切に思っているのかということがとてもじっくりと丁寧にかかれているところです。
それぞれ今の自分がどうやって作られてきて何に支えられてきたかとか、内面のすごく深いところにあるものを教え合って理解し合って、その全てを丸ごと愛し合っているんです。
ほんとに相手の存在が自分の体の一部になってしまっているような。
それが読んでてよく分かるため、ふたりの間に何かが起こる度に胸が苦しくなりました。

ヘンリーは王室に生まれた王子であるが故に苦しい思いをしていて、明るみに出た時の追い詰められる様子もほんとにしんどくて、もし現実にこんなことが起きたら世界の反応ってどうなんだろう?なんて考えてしまいます。

あと、攻めのアレックスより受けのヘンリーのほうが背が高くて、これがすごくいい。
攻めより受けのほうが体格がいいのは個人的にはNGだったのですが、むしろそれが最高!!って感じです。
受けが攻めに「チビ」とか言っちゃうのがこんなにかわいいなんて知らなかった。

映画化するらしいのでとても待ち遠しいです。
目で見たいシーンが多すぎる。
無事に完成して日本で公開されることを祈っています。