『人渣反派自系統』は墨香銅臭先生の作品ですが、他作品の『魔道祖師』『天官賜福』とは異なるレーベル、翻訳者によって日本語版が作られています。
残念ながら『人渣反派自系統』は、非公式カプ二次創作同人をやっていた方がイラストレーターになり、中国語版の原作を有料公開箇所まで無断転載、無断翻訳を行なっていた素人が監修者になって作られているため、原作を軽視した身内ノリのファンブックのようなものになっています。墨香銅臭先生の他作品と同じように、真っ当な商業出版として日本語版が作られていることを期待していただけにとても残念です。
本文は、誤字脱字、意訳やなろうのような独自ノリ、原作にないオタクネタの追加が目立ちます。「瞠る(つむる)」「魔導祖師」「昭和寺」「妙薬(よく効く薬)」、語尾に原作にないハートがついている、等あげればキリがありません。
また、人渣反派自救系統は各国版で様々な独自デザインが作られていますが、日本語版のキャラクターデザインはタイ版に酷似していてただの二次創作にしか見えません。
その上、公式イラストレーターのさくらもちは、公式関係者アカウントで非公式カプだという注意書きやタグ付けをせずに非公式カプの冰九の同人作品を公開し続けています。番外編の公開に合わせて、非公式カプ同人作品であることを伏せて当該同人作品の宣伝を行い、公式邦訳を非公式カプへの撒き餌に利用しています。邦訳版『人渣反派自救系統』が非公式カプイラストレーターのために作られた同人誌のような扱いをされていることは、原作カプが好きで、作品を応援し邦訳を楽しみに待っていたファンからすると悪夢以外の何者でもなかったです。
公式イラストレーターのアカウントが、邦訳連載に合わせて非公式カプに誘導する感想を公開したり、「実質書いてあるようなだと思う」など、墨香銅臭先生の意図を誤解させるようなポストをして日本語版読者を故意に誤解させている振る舞いは、公式関係者としては一線を超えていると思います。原作を軽視し、ありもしない非公式カプ解釈を刷り込もうとするのは二次創作者としてモラルに反する行為ですし、これを放置している出版社も信頼に値しないと思いました。
人渣反派自救系統の公式カプはあくまで洛氷河と沈清秋(沈垣)です。墨香銅臭先生は、過去のインタビューで「公式カプ以外にカプになる関係はない。非公式カプ妄想に入れ込みすぎると原作の物語の意図が歪むから程々にしてほしい」という旨の発言をしています。非公式カプ同人活動を行うのは禁止していなくても、非公式カプが原作にあると故意に誤解を招く形で公式関係者が情報発信することまでは許可していないのではないでしょうか。墨香銅臭先生がSNSをやっておらず、日本語と中国語で言語の壁があること。中国からは政府によるネットワークブロックがあって日本のSNSにアクセスすることができないのをいいことに、公式邦訳が非公式カプ二次創作者のためのおもちゃに成り下がっているように見えます。
公式関係者決定当初から住み分けの問題やイラストレーターの対応については疑問や問題視が寄せられ、さくらもちは批判的だった古参ファンを中傷加害者扱いして炎上し、イラスト一切抜きのデザインカバー版が発売されましたが、出版社はイラストレーターについては何の対応もせず放置して風化待ち。他国の版権を預かる翻訳出版会社がここまで不誠実な対応をするのだとは驚きました。
邦訳から今作を知った方は、イラストレーターがファンアートを描いている冰九が原作には存在しないこと。さくらもちが公式関係者の感想という形で、墨香銅臭先生の意図していないカップリングへの誘導を行っていることに注意してください。『人渣反派自救系統』という作品が誤解され、原作にないものの先入観を持って作品を読む読者が邦訳のせいで増えてしまうと思うと本当に残念です。