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表紙に騙されてはいけない

待ってました、緒川先生の新刊‥!!
今回はアラブラブかあ。
読んだ事無いから楽しみだな~、
くらいの軽い気持ちで読んだ私が馬鹿でした‥‥。

どう言葉に表せば良いか
分からないんですけど、この一冊、
緒川千世ワールド炸裂してます!!
まさか、緒川先生のレベル高めな病みBLを
拝む日が来るとは思いませんでした。

そして、表紙がとても綺麗です!
BL漫画の表紙とは思えない様な、
絵本の表紙みたいで
この表紙に惹かれて購入する方も
少なくないのではないでしょうか。



『溺れる魚』

自分を好きな人は嫌いな男と
誰も好きにならない男、
二人の男子高校生のお話です。

水泳部の岸は、何処か全てに冷めていて、
岸とは正反対な宇佐美に
めんどくせぇから俺は恋愛はしないと言う。
そんな岸は、泳いだ後濡れた髪を拭かない為、
校内でも濡れた儘居るのですが
それが無駄にエロい///
水の中で気持ちを沈める瞬間が好きと言う岸、
某アニメの、俺はフリーしか泳がない系男子が
頭の中に浮かんで来たとは
言わないでおきますね、ごほん。
宇佐美の言葉で
宇佐美に恋をした事に気付き、
自分を好んでくれている宇佐美の気持ちが
この儘で居てくれる様に嘘を吐くしかなかった岸。
その、せめてもの気持ちが切なかったです。
「俺を好きな人が嫌い」と言う宇佐美。
その言葉に、岸、そして宇佐美自身も
縛られてるんだろうなと思うと胸が苦しくなりました。
終盤の、宇佐美がプールサイドの網に手を掛けて
「抱かせろよ」と言うシーン、
無駄に色気漂わせてたから
何だこの男子高校生~~~///と
自分の太腿を叩きながら悶えました(勿論一人で)
最後迄二人の色気に翻弄されっぱなしでした。



『ラクダ使いと王子の夜』

キャラバンの孤独な少年と、
壮大な夢を抱いている
優しいハートの持ち主で
王子様みたいな‥、
そんな二人のお話です。

この一冊で唯一の優しいお話では
ないでしょうか(笑)
読んでて心が温かくなる、
とてもほっこりとするお話です。
この表題作のスタートがカラーなのですが、
大変美しいです。

親友のラクダのサディークと共に、
大きな砂漠で生きるキャラバンの少年、
カマルが非常に可愛らしいです。
とても広大な優しい心を持っていて、
それを知っている為か動物達にも好かれるカマル。
何かあったら消えてしまいそうな、
そんな印象を受けるカマルの
一つ一つの表情が物凄く繊細で、
思わずうるっとしてしまいます。
そして、カマルが砂漠で出会ったアルファルドは、
大きな大きな砂漠で孤独なカマルを
包み込んでくれる様な。
壮大な夢を描いている、
崇高な魂の持ち主だからこそ
繊細で可愛らしく、
優しいカマルに惹かれたんでしょうね(*´ω`*)

「行かないでくれ。
私の人生で最初で最後のわがままだ」
このアルファルドの台詞と、
そんなアルファルドの言葉に
綺麗な涙を流すカマルのシーンが
とても印象深いです。
二人の使命は、大きさは違うけれど
自分達にとってはとても大事なもので。
サディークが、カマルをアルファルドの元へ
連れて来たところは何度読んでも泣けます。
サディークは、孤独に光るうみへび座と、
大きな砂漠を照らす月が消えぬ様に、
いつ迄も見守っている事でしょう。



『いびつな欠片』

弟 × 兄の近親相姦ものです。

PINK GOLDに掲載したお話みたいですが、
これまた素晴らしい程歪んでます(笑)
拓海の弟、実咲の顔が
かなり好みです///(そんな事聞いてない)

通ってる高校が違うというのに、
雨が降って来たからと、
傘を持って来てくれた
実咲を傘で殴る拓海に
心底ムカついたのですが(笑)
自分は傘をささずに
兄の後ろを着いて行く実咲の姿に涙。
何だこの兄弟‥、と思いながら
読み進めたのですが、まさかの‥‥。
拓海の身体を貪る実咲の
表情がエロいったらなんの‥!!
何をされても表情を変えない拓海に
突っ込みをいれながら
実咲の豹変っぷりに萌え転げました///
こんな関係になった道筋も
これまた歪んでまして‥‥、
もう突っ込む時間さえも与えない程
この兄弟、ひたすら歪んでいます(笑)
一つ申し上げるとしたら、
実咲の顔が焼け爛れたところは
とても痛々しく見てられませんでした;;



『くさった螺旋』

父親 × 息子の近親相姦もの。
痛々しい過去があり、
その過去を忘れられずに居て苦しむ
人気俳優・金井秀と、
自らの身体を捧げ父を支える息子の小金井のお話。

このお話も歪みっぷりが凄いです。。
病みBLに慣れてない私は
完全に疲れ果てました(笑)
それにしても、緒川先生は
狂気に満ちた表情が本当にお上手ですよね!
読んでる最中、
背中にぞわりとしたものを感じる程でした。
父・金井の豹変っぷりと
実の父親に犯されている時の小金井の表情も
本当に素晴らしく、
もう何も言う事はありません‥(笑)
正直、只ヤッてるだけで
これと言った萌えが存在しなかった気がします。
終盤部分の、父・金井の「お前、まさか」の
意味が何度読んでも理解出来ず、
未だに頭を抱え込んでる馬鹿に
どうか教えてやって下さい(土下座)



『あやうい饗宴』

『いびつな欠片』の拓海と実咲の兄弟と、
『くさった螺旋』の金井と小金井の
親と息子の四人のお話です。
実咲が、拓海に向ける歪んだ表情で
ご飯三杯はいけますね。



『ラクダ使いが消えた朝』

この一冊の中で一番好きな二人を
最後に拝めて満足です(*´▽`*)
お帰りなさいアルファルド!と
抱き締めてと言うかの様に
両手を広げて言うカマルが兎に角可愛い;;
この二人の、真っ直ぐで純粋な気持ちが
読んでる側をも癒してくれます。



と言う事で、新たな緒川千世先生の
世界観を見れて良かったと思います。
表題作の二人には、
精神的にとても救われました(笑) 
アルファルドとカマル、
何時かまた見れたらと願う程大好きな二人です。

好き、只それだけの事

ヨネダさんのデビュー作となる「どうしても触れたくない」のスピンオフ作品。あとがきに書かれてる通り、トラウマもないし、特別辛いことも吃驚するような事件も起こらない、只、一人の人間を好きになるお話。それだけの事なのですが、登場人物の台詞・心情に胸にぐっとくる事が多々あり、流石ヨネダさんだなと思いました。

今回メインの二人、ノンケの小野田さんとゲイの出口さん。二人共不器用なうえに乙女で兎に角可愛いです。読んでいて、人を好きになることは男女関係無いんだなと改めて思わされました。好きな人が出来たら幸せな事だけじゃなくて、羨ましく思ったり、妬いたり、不安になったり、少しの事で心が痛んだり、逆に嬉しくなったり。一人の人間を好きになった二人の心情がとても丁寧に描かれていて、読んでいて共感する部分も多いかと思われます。

出口さんは此れからも、小野田さんから何度も好きと言われても不安になったり、辛くなる事はあると思います。その度に、小野田さんが優しく包み込んでくれる事でしょう。そして、小野田さんが疲れてる時は、出口さん特有の明るさで癒してくれる事でしょう。心理描写が繊細かつ丁寧に描かれていて、自然と登場人物に感情移入してしまいます。切ないし苦しいけれど、温かい。読了後、ほんのり幸せな気分になる、とても素敵なお話でした。