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「かわいいあなた」これだけで充分です

小さな頃から人と話すのが苦手で、コミュ障になってしまった総悟。高校ではクラスメイトに話しかけられないように髪を染めて、ピアスをあけて不良ぶります。

使わなくなった体育館の裏で、野花に話しかける日々。小さな花だけがともだちでした。その秘密の花園に突然現れた先輩の谷。踏まれたたんぽぽを助けるために、彼に話しかけたことで総悟は変わりはじめます。

谷の後押しで花屋でバイトをはじめて、少しずつ谷に思いを募らせていく総悟が知ったのは、谷の視線の先にいる「大事なともだち」瞬の存在でした。

報われない思いを抱えて「ともだち」として瞬の側にいる谷は、総悟のこともかわいいと思うようになります。その総悟に告白されて、まずお互いのことを知っていこうと谷は提案し、2人は距離を縮めていきます。

結局、彼氏に殴られてボロボロに傷ついた瞬が谷を頼ってきて、谷は瞬の側にいることを選び、総悟の初恋は終わります。

10年後、瞬と同じ探偵になった谷と花屋になった総悟は偶然再会します。
10年間誰も好きになれなかった総悟は、また谷を好きになってしまいました。昔の辛い記憶から一度は立ち止まってしまいますが、あの野花たちに背中を押され、勇気を出して谷に気持ちをぶつけます。


最後まで総悟視点で進むので、谷の気持ちがわかりにくいのですが、何度も読み返して一人称の違いに気がつきました。

谷は瞬に対しては「俺」
総悟に対しては最初「オレ」ですが、
砂浜で総悟に告白されてからはずっと「俺」です。
ただし、植物園で「瞬が好きだ」と言った時だけ「オレ」に戻ります。

再会後、総悟には「俺」で川野兄には「オレ」。総悟のことは「変わんねぇな」と言っていたし、10年経ってもやっぱりかわいいと思っていたのでしょうか。

瞬を選んだ時に、小学生の泣いている瞬と手を繋いでいる谷が出てくるので、あの時は傷ついてまた泣いている瞬の手を離せなかっただけかなと思いました。

「谷のおかげだ」と言って笑顔を見せた総悟に、顔を赤くして総悟の頭を撫で回した谷はきっと総悟が好きだったと思いたい!

結局、あの頃と変わっていない総悟を谷もまた好きになっていたのかな。
前作「それでも恋する迷探偵」で、松田と瞬の仲を取り持っているし、安心できる相手に瞬を任せることができてやっと手を離せたんだと思います。
だからこそ、総悟と再会して、今度こそ「好きだ」と言ってくれたはず!

とにかく最後まで総悟がとてもいい子だったので、癒されるお話です。

各話のタイトルが花の名前だったので、花言葉も調べてみました。
一番好きなのはブルーデイジーの「かわいいあなた」
見つけた時はどきどきしました。
ほんとうに総悟にぴったりです!
この花を選んだ谷、やっぱりあの時から好きだったんでしょう。谷の気持ちがこもってますよね。


1.Dandelion
愛の神託 真心の愛
2.Clover
わたしを思って
3.Blue Daisy
純粋 かわいいあなた
4.Pansy
もの思い わたしを思って
5.Re-Dandelion
愛の神託 真心の愛
special.Canola Flower
快活 明るさ 小さな幸せ

ついでに誕生日の花も意味がありそうだったので調べてみました。
総悟の誕生花【朝顔】
はかない恋 愛情 固い絆
最初の恋ははかない恋だったかも
はかない恋よりは愛情の方がしっくりきます

谷の誕生花【アセビ】
犠牲 献身
まさしく谷っぽい!

目次と5話の後に、各話のタイトルの通り花たちが描かれていますが、とまっているてんとう虫がすごく嬉しいです。
てんとう虫は「幸せを呼ぶ虫」らしく、色々なラッキージンクスがあるそうです。
これからは総悟が絶対幸せにしてもらえますように!

結局、嫉妬して、嫉妬して最後は泣きたくなった

今回もis in youについて書いています。ネタバレしていますのでご注意下さい。

新聞社シリーズのis in youを読んで嫉妬の嵐が吹き荒れていたので、とてもじゃないですが嫉妬の原因「佐伯密」が主人公の1人となるoff you goなんて読める状態ではなく、番外編が載っているペーパー・バック1を読んで気持ちが落ち着いたはずでした。
しかし、せっかくおさまったはずの嫉妬の嵐が、まさかペーパー・バック2でこんなに蒸し返されるとは思っていませんでした。

主にis in you関連について。

ガツンときたのはOvertureとOvertourです。最初に収録されてるので、思い出した嫉妬を最後まで引きずってしまい、他の話には感情がついていけません。

「Overture」
和訳すると序曲。
is in youで一束が圭輔に語った「ハイヒールの、シャンパン」の続きです。
一束が佐伯を好きになったきっかけ、煙草をやめるきっかけが書かれています。
ここで一気に時間が巻き戻されて、強制的に過去に連れて行かれました。ペーパー・バック1でせっかくコツコツ積み上げたものが全て吹っ飛ぶほどです。
「ハイヒールの、シャンパン」のくだりは圭輔が佐伯と一束の関係を知り、激しい嫉妬の感情をぶつけて、「何で佐伯さんなんだ?」と訊いたことに対する一束の答えでした。続きを読まされることによって、圭輔が一番嫉妬している時に巻き戻され、頭から冷水をかけられたような気持ちになりました。

「Overtour」
Overtureを読んでis in youを読んでいた頃に感情が戻っているので、いくら最後にいちゃいちゃしていたって全然足りない。

2011年11月、is in youから1年経っています。
一束に東京本社への出張を伝えた時、圭輔は笑顔でしたが胸中は全く違う気がします。佐伯に対する羨望と嫉妬、まだこだわってるなんて情けなくて一束には言えない。
そんな時に一束は佐伯とワインを3本空けた夜を思い出しているなんて、ますます煽られました。

そして、出張前日の2人の会話が本当に、本当に、叫び出したくなるくらい切なかった。

「俺にもう特別な興味がないのはあの人だって同じで、」
「『あの人』って呼ばないでくれ」

一束が佐伯と「やってます」と言ってから圭輔がセルドナに行くまでの間で、一束は5回も佐伯をあの人と呼んでいます。
一束が言った5回目のあの人は、「僕は、あの人が好きだ」
この台詞、すごく刺さりました。圭輔にぶつけるのは過去形「好きだった」なのに、佐伯には現在進行形です。

「僕に特別な興味がないのは同じ」
こんなこと言われたって全く嬉しくありません。佐伯と一束が再会しても、何もないのは頭ではわかっているし、一束の気持ちも信じてる。でも、わかっていても嫉妬はします。それはどうしようもない。
圭輔に感情移入しすぎて、本当に辛かった。

その後、東京本社で一束は佐伯と静兄妹と会うんですが、なんだか遠くから眺めているような気分です。
良時と密と十和子のことなんてどうでもよくて、一束が十和子について行くものよくわからないし、一束が「何が何でも会いたい」と思ったことさえ理解できない。佐伯の悪趣味にもイライラしっぱなし。
圭輔に会うためだけに10万円近くかけてドバイに行って、ドバイのいちゃいちゃを読んでもずーっとぐるぐるしていました。

「絶対、誰にもやんない」と言った圭輔に「別に誰も欲しがらないですよ」と、答えた一束。ほんと、「そういう問題じゃないんだ」と言いたい。
誰も欲しがらないから、僕に特別な興味がないからではなく、圭輔のもので、圭輔以外は特別じゃないと言ってあげて欲しい。
圭輔は一束がドバイまで来てくれて、嬉しそうでしたけど、そこまで素直に喜べないまま読み終わりました。

もう圭輔は別の国に赴任して、違う人と一緒になった方がいいんじゃないか、記憶喪失になって一束を忘れてもいいんじゃないかと考えたほどでした。
出来ないでしょうけど。

この後、is in you関連が3作収録されていますが省略します。

最後にペーパー・バック2を読むのはダメだとわかりました。
個人的には時系列順に読むことをお勧めします。
「新しい陣地」を最後にして欲しかったです。

【時系列】
2007/秋 Overture
2010/10/上 before you
2010/10/中〜11/4 is in you
2010/10/下 knockin on you
2010/10/28 the other side of 「off you go」
2010/11/中 Anywhere is
2011/2/上 is in me
2011/2/上 is in love
2011/2/上 うれしくってだきあうよ
2011/春? after you
2011/夏 brother sun, sister moon
2011/夏〜10/16 夏のロビンソン
2011/10〜11 Overtour
2011/10〜11 Overtake
数年後の12月 あたらしい陣地

以下2作は何年なのか不明。

夏 おはようからおはようまで
12月 green eyed little monster


収録作品は以下のとおりです。

【Overtour】
Overture
Overtour
Starting over
Overtake

【Ninna Nanna】
Ninna Nanna
キスをしなくてよかった
とりのゆめ

【Tiny Boat】
ハイファイ・ローファイ
大切をきずくもの
Tiny Boat

【キャノンボール】
星を抱く(70'S)
永遠を知らないか(80'S)
羊の血(90'S)
僕と不良と校庭で(二千なん年)

【その他掌編】
is in love
おはようからおはようまで
green eyed little monster
the other side of 「off you go」
アナザグラフィカ
The cloud of unknowing
たたかいすんでひがくれて

【書き下ろし】
ハネムーン
プレムーン(あとがきにかえて)

嫉妬して、もっと嫉妬したけど、きっともうしない

新聞社シリーズ4冊の内、is in youが最も感情を揺さぶられたので、このレビューはis in youに比重を置いています。
かなりネタバレしていますので、ご注意下さい。

is in youを読んで、ざわざわと嫉妬の嵐が吹き荒れる中、終着点を探してペーパー・バック1を読みました。

以下、is in youの番外編を掲載順に。

「うれしくってだきあうよ」
大阪から香港に戻り、空港に着いたところから始まります。
一束視点で進むため、一束が誰とも違う特別な恋愛感情を圭輔に抱いているのがわかります。
圭輔の部屋に誘われた(ここは一束に頑張って欲しかった)一束が「ふしぎなほど前にも来た感じがしなかった」と思っていますが、圭輔はどうだったんでしょうか。
このあとはいちゃいちゃ描写しかないので、圭輔がどのような態度や気持ちだったのかまではわかりません。たぶん嫉妬はしてそうだけど、自分の中で上手く蓋をして、顔には出していないと思います。

「brother sun, sister moon」
圭輔の妹たちが香港に遊びにきます。いつもと違って家族にだけ見せている圭輔の顔も見られるのですが、圭輔の部屋に一束の着替えや歯ブラシが置かれていることが書かれているので、佐伯との比較ですね。

「Anywhere is」
佐伯が香港から旅立つ日。みんなに嘘の予定を伝えていた佐伯の見送りに来たのは美蘭だけ。一束も圭輔もいません。
is in youの空気を漂わせるこの話は、佐伯と一束がお互いに思ったより好きだったことを再確認させられるので、少し落ち着いた嫉妬心がぐるぐるします。
一束が佐伯に贈ったただ一つの物、10万円程度の麻雀牌のセットを持って帰ることも出来ず、捨てることも出来ず、置いてくることも出来ない佐伯は美蘭に譲ります。
佐伯にとって良時と十和子は特別な存在です。ただ、一束も今までの遊び相手とはきっと違う存在だったんでしょう。
そして、一束の一人称が美蘭に対しても「僕」なんだと気付いたのもこの話でした。あとで確認するとis in youでも使ってましたが、最初は気付いていませんでした。
佐伯に対しては「本気」だったんだなと改めて突きつけられた気がしました。

「after you」
ひたすらいちゃエロい話です。

「before you」
再会前の圭輔と一束。圭輔は彼女と別れ話、一束は佐伯に帰還命令が届いた話。
異動先が香港だと知った圭輔が、純粋に恋をしていたこと、夢や希望、未来をまっすぐ追いかけていたこと、そんな自分を思い出して、息を吹き返すように、生まれ変わるように、下を向いていた顔をまっすぐ上げて、どんどんキラキラしていきます。
その部分がすごーく好きです。

「夏のロビンソン」
実際に2011/10/16に33年ぶりに再会された新世界維港泳。圭輔がその大会に参加するためにジムに通い始めます。
大学2年の時に肩を故障した圭輔。初めて経験した大きな挫折だったと思います。思うように泳げなくなったことは圭輔の中でずっと燻っていたようで、大会に出たことでやっと「すっきり」していました。
オレンジ色の夕陽が空と海を染めるビーチで、足首までを海水につけて、手を繋いで歩く2人のシーンが印象的です。
要は色々あったけど再会して「一緒にいられる。それってすごく嬉しい」ってことですね。

「knockin on you」
is in youでの圭輔視点。
再会して1週間、佐伯との電話の後、部屋を出て行った一束。悶々としていたところにかかってきた美蘭との電話で、自分が知っている一束と今の一束がずいぶん違っていることを知ります。

「やってます」と言った一束の言葉で、2人の関係を思い知らされた圭輔が、ぐるぐると嫉妬の渦を回し続け、自分の中で湧き上がる気持ちをまっすぐにぶつけるため、明け方帰ってきた一束の部屋のドアを叩くまで。

「新しい陣地」
香港に雪が降ったのは1975年以来らしく「40年ぐらい前」と作中で圭輔が言っているので、37〜39年ぐらい経っていると想定します。そうすると2012〜2014年の年末、圭輔が赴任してきて2〜4年ぐらいでしょうか。
現実では2016年1月に41年ぶりに香港で雪が降っています。出版年の2015年かなとも思ったのですが「ぐらい」なので。個人的には佐伯と付き合った3年を越えた辺りかなと思っています。
この書き下ろしを読んで、きっと圭輔はもう過去を気にせずにただまっすぐ前を向いて階段を駆け上がっているんだろうなと思いました。

「一服して待っていた一束が煙草を消した。」
ここを読んだ時に、一束が佐伯のためにやめた煙草を、特別な圭輔と一緒にいることによって、また自然と吸うようになったんだなと思えて、気持ちの上でも佐伯が過去の男になりました。
確実に離れ離れになる2人ですが、それでもずっと待っていますと一束が言葉で伝えてくれてよかったです。10年後、楽しいことも辛いことも経験して、佐伯や静、西口たちと同じ40代の2人に会ってみたいなと思いました。

終着点が見つかったと思ったら、このあとペーパー・バック2を読んでまた嫉妬!


収録作品は以下のとおりです。

【a scenery like you】
うれしくってだきあうよ
brother sun, sister moon
Anywhere is

【HAVING YOU】
after you
before you

【ワンダーフォーゲル】
ワンダーフォーゲル
雛の心臓
study of silence
never let you go
ぬくめどり

【you belong to me】
風味絶佳
セシルのブルース
夏のロビンソン
spleen
you belong to me
オールディーズ(OLD DAYS)

【その他掌編】
knockin on you
37.5℃ BULLET
come on you
ハートグラフィカ
ライブがはねたら
ベイビーリップス
あの時代を忘れない

【書き下ろし】
あたらしい陣地
キャロル(あとがきにかえて)

読めば読むほど、とにかく嫉妬して、嫉妬して、嫉妬しかでてこない!

新聞社シリーズ4冊と番外編のペーパー・バック2冊を読みました。レビューというよりは考察に近く、かなりネタバレしていますのでご注意ください。

あらすじは他の方も書かれていますし、長文になりそうなので書いていません。

個人的に、圭輔のような素直ですくすくまっすぐに育ちました的な攻めは好きなので、どうしても圭輔に感情移入してます。

一束視点のis in youを読み終わった後は「とりあえずよかったね」だったんですが、圭輔視点のis in meを読むと、嫉妬でぐるぐるしてるくせにそれを表に出さず、ずっと自分の中だけでぐるぐるしてる圭輔の心情が見えて、そこから色々想像してしまい、気づいたら嫉妬のループから抜け出せなくなりました。

佐伯がいた部屋に圭輔が移った時、無くなっていた家具はベッドだけです。ベッドが置かれていた床に寝ころんで、圭輔は佐伯と一束が何回ここでしたのかなと想像します。
ここが私が嫉妬に苦しむ最初のきっかけでした。

圭輔と一束が再会したのは10月中旬。再会した日と翌日、一束は佐伯と寝ています。1週間後も佐伯の部屋に来ているので、その日も同じでしょう。佐伯と一束の関係が圭輔にバレるのが10/28。圭輔と一束が初めて寝た日は10/29の早朝です。すんなり挿入できたということは、書かれていない日も佐伯と一束は寝たのかなと思ってます。

作中で一束はひんぱんに佐伯のマンションに泊まると書かれていますし、圭輔が想像した倍以上は佐伯と寝たのでしょう。
例えベッドは新しくなっても、座り慣れたソファ、シャワールームや電気のスイッチの場所を一束が既に知っていることを想像すると心がちりちりします。
でも、小さな嫉妬をたぶん圭輔は表に出さない気がしました。

それから、一束の一人称の使い分けに気づいてからもモヤモヤしました。プライベートで佐伯といる時だけ「俺」で、圭輔に対しては高校時代途中から「俺」、再会後はずっと「僕」でした。わざと壁を作っていたのかなと思いますが、圭輔が何度も叩いて叩いて壁を壊した時にやっと「俺」になります。
佐伯に対して結局「僕」に戻ったのかどうかが、いまいちわかりにくいんですよね。

佐伯と一束のセックスの描写がなく、読者も圭輔と同じように想像することしかできません。
一束は圭輔とするときはいつもゴムをしていないし、きっと佐伯ともしてないなとか。
佐伯が一束の傷跡に指と唇でいつも触れていたから、そこも性感帯のひとつになったのかなとか。
そうでないと、傷跡にキスされて下半身ひと擦りで射精しないよねとか。
やっぱりもちろんいろいろと「やってます」よねとか。
ぐるぐる考えるとあの「3年遅かったな」という台詞は、ほんとにむかむかする台詞なんだなぁとか。
個人的には、一束の圭輔と佐伯に対する気持ちの違いをもっと具体的に知りたいと思ったので、佐伯と一束のセックスの描写がもう少し欲しかったです。たぶん一束は佐伯としていた時は、圭輔とするよりもあっさりとしてそうだと思います。同じような感じだったりもっとすごかったら見たくないですけれど。

圭輔がセルドナに行ってあの出来事があったから、一束は自分の気持ちを自覚してやっと認めて、はじめて自分から動きました。
でも、できればもうちょっと早く認めて欲しかった。佐伯に対して「心苦しかった」と思う前に。

圭輔が2度目に一束を抱くことができたのが翌年の2月上旬、3ヶ月以上かかっています。しかも、香港のあのマンションではなく大阪の実家で。
嫉妬でぐるぐるした圭輔が少しだけ吹っ切れて「俺だけのだ」と思ったとしても、そうそう簡単には嫉妬ってなくならないものです。

一束と佐伯がただのセフレだったら良かったんですが、繰り返し読めば読むほど、一束の佐伯への愛情が透けて見えてきます。圭輔のことはもちろん一番好きなんでしょうけど、読後も佐伯の影が全くぬぐえず、すっきりできなかったので、続編の「off you go」ではなく、ペーパー・バックを読みに走りました!

で、やっぱりペーパー・バックでもやっぱり嫉妬することになります。