is in you

is in you

is in you
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神51
  • 萌×231
  • 萌23
  • 中立10
  • しゅみじゃない10

--

レビュー数
25
得点
458
評価数
125
平均
3.8 / 5
神率
40.8%
著者
 

作家さんの新作発表
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イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
is in you
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784344822047

あらすじ

高校時代、大好きで仕方なかった先輩からの想いを拒んでしまった一束。
十三年後、仕事仲間として香港で再会したふたりは…?
(出版社より)

表題作is in you

弓削圭輔・高校3年生→31才・サラリーマン
鳥羽一束・高校1年生→29才

その他の収録作品

  • is in me
  • あとがき

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レビュー投稿数25

運命とタイミング

飛び飛びで読んだこのシリーズを全部読んでペーパー・バックを読もうと読み返し中です。

なんだか読み手に緊張感を持たせるお話でした。
運命とタイミングがテーマに思いました。

高校でも香港でも描写が詳しくて自分もそこにいるような気になってきました。

高校時代の二人は一束の初恋が実感されるまでが良かったです。日本語と日本に馴染めずグレーな色彩の中で先輩と出会って色づいていく。感情が揺さぶられて嫉妬を覚えて。
先輩の性格もとってもいいですね!
一束と先輩のすれ違いが辛かったです。好きなのに体を見せたくないから必死で、拒絶してしまってそれっきり。もっと早く手術していれば。

そして13年後、香港で働く一束と恋人の妻子持ちの佐伯の元に、佐伯の後任として先輩が現れます。すごい運命の再会!
なのに一束は佐伯と…。
先輩は相変わらず先輩のままで良かった、今度は一束も大人の余裕で対応してます。

佐伯と先輩が一束のことでお互いに嫉妬するのが気の毒でした。佐伯の生い立ちから育った環境や年齢から若くてこれからの先輩だけは許さないと言うのも、本当は自分のものになるはずだったのに三年先を越されて佐伯に取られて、なぜ佐伯なんだ!と悔しがる先輩も。

一束が13年越しに死ぬほど好きだったと伝えられて良かった。

佐伯の退場は男前でしたね。
一束と先輩の甘々があまりなくでもここまででも大変読みごたえがありました。

is in me
先輩が旧正月の帰省に勇気を出して一束を誘います。東京で佐伯と偶然でも会わせたくない気持ちもあって。
こちらの先輩はヘタレさんになっちゃってますね。
仕事が入ってしまいなかなか二人でゆっくり過ごせませんが、一束が態度で気持ちを示そうと頑張ります。こちらのお話ではエッチもじっくりイチャイチャも少しあり平和な気持ちで二人本当にお付き合い出来てるんだなあと感慨深いです。

先輩の何でもどこでも楽しんでやろうという所がいいですね。高校時代から変わらずおおらかで気負いがなくて。
一束も香港に渡ってのびのびやってるようで今度は日本にホームシックにかかったり、帰国子女の人間の複雑さがうかがえます。

さあ、次を読むぞ!

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すれ違いが切ない

学生時代から両想いだったのに大人になって再開してもまだ素直になれず、すれ違う二人が切なかったです。
病気のせいで臆病になってつい拒絶してしまった一束の気持ちを考えたら切なくて泣けます。
大人になってせっかく体も手術して治ったのだから、再開した圭輔に対してもうちょっと素直に接してあげられたら!と悶々します。

圭輔は一束に対してひたすら一途に想い続けていて好印象なんですが、いまいち推しが足りない感じ。
でも佐伯さんに嫉妬全開なシーンは萌えました。

後半、舞台が香港なので見知らぬ地名や言葉がたくさんで若干戸惑いました。
漢字やカタカナが多くてちょっと入り込み辛かったですが、新鮮で勉強になる部分も有り。

佐伯さんが脇では勿体ないくらい存在感があったので、スピンオフも読んでみたいです。

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読めば読むほど、とにかく嫉妬して、嫉妬して、嫉妬しかでてこない!

新聞社シリーズ4冊と番外編のペーパー・バック2冊を読みました。レビューというよりは考察に近く、かなりネタバレしていますのでご注意ください。

あらすじは他の方も書かれていますし、長文になりそうなので書いていません。

個人的に、圭輔のような素直ですくすくまっすぐに育ちました的な攻めは好きなので、どうしても圭輔に感情移入してます。

一束視点のis in youを読み終わった後は「とりあえずよかったね」だったんですが、圭輔視点のis in meを読むと、嫉妬でぐるぐるしてるくせにそれを表に出さず、ずっと自分の中だけでぐるぐるしてる圭輔の心情が見えて、そこから色々想像してしまい、気づいたら嫉妬のループから抜け出せなくなりました。

佐伯がいた部屋に圭輔が移った時、無くなっていた家具はベッドだけです。ベッドが置かれていた床に寝ころんで、圭輔は佐伯と一束が何回ここでしたのかなと想像します。
ここが私が嫉妬に苦しむ最初のきっかけでした。

圭輔と一束が再会したのは10月中旬。再会した日と翌日、一束は佐伯と寝ています。1週間後も佐伯の部屋に来ているので、その日も同じでしょう。佐伯と一束の関係が圭輔にバレるのが10/28。圭輔と一束が初めて寝た日は10/29の早朝です。すんなり挿入できたということは、書かれていない日も佐伯と一束は寝たのかなと思ってます。

作中で一束はひんぱんに佐伯のマンションに泊まると書かれていますし、圭輔が想像した倍以上は佐伯と寝たのでしょう。
例えベッドは新しくなっても、座り慣れたソファ、シャワールームや電気のスイッチの場所を一束が既に知っていることを想像すると心がちりちりします。
でも、小さな嫉妬をたぶん圭輔は表に出さない気がしました。

それから、一束の一人称の使い分けに気づいてからもモヤモヤしました。プライベートで佐伯といる時だけ「俺」で、圭輔に対しては高校時代途中から「俺」、再会後はずっと「僕」でした。わざと壁を作っていたのかなと思いますが、圭輔が何度も叩いて叩いて壁を壊した時にやっと「俺」になります。
佐伯に対して結局「僕」に戻ったのかどうかが、いまいちわかりにくいんですよね。

佐伯と一束のセックスの描写がなく、読者も圭輔と同じように想像することしかできません。
一束は圭輔とするときはいつもゴムをしていないし、きっと佐伯ともしてないなとか。
佐伯が一束の傷跡に指と唇でいつも触れていたから、そこも性感帯のひとつになったのかなとか。
そうでないと、傷跡にキスされて下半身ひと擦りで射精しないよねとか。
やっぱりもちろんいろいろと「やってます」よねとか。
ぐるぐる考えるとあの「3年遅かったな」という台詞は、ほんとにむかむかする台詞なんだなぁとか。
個人的には、一束の圭輔と佐伯に対する気持ちの違いをもっと具体的に知りたいと思ったので、佐伯と一束のセックスの描写がもう少し欲しかったです。たぶん一束は佐伯としていた時は、圭輔とするよりもあっさりとしてそうだと思います。同じような感じだったりもっとすごかったら見たくないですけれど。

圭輔がセルドナに行ってあの出来事があったから、一束は自分の気持ちを自覚してやっと認めて、はじめて自分から動きました。
でも、できればもうちょっと早く認めて欲しかった。佐伯に対して「心苦しかった」と思う前に。

圭輔が2度目に一束を抱くことができたのが翌年の2月上旬、3ヶ月以上かかっています。しかも、香港のあのマンションではなく大阪の実家で。
嫉妬でぐるぐるした圭輔が少しだけ吹っ切れて「俺だけのだ」と思ったとしても、そうそう簡単には嫉妬ってなくならないものです。

一束と佐伯がただのセフレだったら良かったんですが、繰り返し読めば読むほど、一束の佐伯への愛情が透けて見えてきます。圭輔のことはもちろん一番好きなんでしょうけど、読後も佐伯の影が全くぬぐえず、すっきりできなかったので、続編の「off you go」ではなく、ペーパー・バックを読みに走りました!

で、やっぱりペーパー・バックでもやっぱり嫉妬することになります。

3

香港の描写がおはなしとして良いです。

新聞社シリーズ読み返し。第1作ですね。主人公たちの高校時代のエピソードと香港が舞台になっているので、比較的「新聞社感」は薄いです。

高校時代の甘酸っぱく苦い経験を経て、少し歪んだ大人になってしまっている一束が痛い。めんどくさいヤツだよなー…などとも思うのですが、そのめんどくささも分からないでもない感じ。20代後半くらいの年齢で、殻を破る出会い(再会)があってホントに良かったよね。

これは、「off you go」とどちらを先に読んでも理解できないことはないのですが、重要な役回りである佐伯の印象が全く違ってくるので、こちら→「off〜」と読む方がベターなのでは?と思います。

0

ちょっと辛口

大学柄仕事柄帰国子女や駐在帰りの知人が非常に多いのですが
ほとんどの人は本当の国際人でどの国もいいところわるいところもあり
それでも日本はやっぱり素晴らしい国だと言いますが
たまに外国かぶれをして日本の悪いところをあげつらう人もいますね。
そういう人は本当に苦手だったので読み始める早々一束も苦手にw
病気に関しても某俳優さんが同じ病気ですがテレビで堂々と裸になってらっしゃいますし。
ただ思春期特有のゆらぎや潔癖さ青臭さは愛しくは思いました。

好きな相手がいるのにも関わらず他の男に抱かれるシチュそのものは好物です。
そこに後ろめたさや背徳や退廃的な香りがするからです。
二度と会えないと思っていた時ならいざ知らず、相手に再会してからも一束は
どちらかと言えばノリノリだし、なんなら自分から誘うし、結婚指輪に気を取られて圭輔よりも佐伯の妻を気にしているので、この萌えポイントを微妙に外されてしまいました。

それと一束の苦手なところは、自分が傷つきたくないがために他人を傷つけること、
向き合わずにすぐ逃げ出すところですね。
修羅場の後も嫌いなはずの日本へ逃げようとしますし。
圭輔が自分が再度傷つくことも厭わずにぶつかってくれなければまた高校時代の繰り返しでしたね。
結局一束は全く自分から行動することはなかったなぁと思うのも一束に感情移入できない理由。流されて不倫して、流されて事実上二股に。そりゃあ東京や大阪でまた流されて焼けぼっくいに火がと疑われても仕方ないですよ。
辛うじてセ王国へ行こうとしたところはそれまでの厭世的な一束と違いますが、未遂でしたしね。いや実行されていたら日本人として日本政府に迷惑かけんなよと思ってしまいますがw

佐伯とのセックスシーンの描写がなかったのですが、初心者の圭輔とのセックスでもかなり乱れていたのでそれなりに快楽を得ていたんでしょうし、普通にフェラもしてたようですしね、この辺りで差別化してほしかったかも。
佐伯の部屋をそのまま使えばやっぱり忘れられないでしょうね。圭輔が妄想したよりも多く通っていたでしょうし、セックス後に目が覚めて見える景色が同じならやっぱり思い出しますよ。
それにしても一束は合鍵を渡されていたようですが、会社の借り上げならいちいち鍵の付け替えもしないでしょうから、そのまま持ち続けるんでしょうか。それとも佐伯に返して、佐伯から圭輔に渡って、圭輔から改めて渡されるんでしょうか。そんなどうでもいいことも気になってしまいました。

いずれ圭輔も数年で日本へ戻るでしょうけど、その時一束はどうするんでしょうね。どこへ行ってもココ(香港)で待つと言ってましたが遠恋でしょうか、圭輔のために嫌いな日本に拠点を移すんでしょうか。いずれにしてもこの二人が長続きさせるには多大な努力とコミュが必要だろうなぁと思います。
続編も含めた番外編が同人誌で多数発表されているようですが、どれも入手困難なようなので、完全版を希望します。→出ましたね。読んでます。
決して好きな作品ではないのですが、色々と考察したくなるほどには気になる作品でした。
凪良先生の「きみが好きだった」と同じ感じですね。

5

BL<人生

一穂さんの小説は、雪よ林檎、meet againの二つを読みました。
この二つの作品が心に残っていたので本屋さんでis in youを手にとったのですが……。

私が萌えたのは旧校舎。
こういう古びたものとか、誰も近寄らないところで愛を育むものに弱い。
学生時代の描写、広東語でまくし立てるところと、迫られて突き放してしまうところでは泣きながら読んでました。
大人より学生が好きなので、大人のときのことは他の方のレビューを読んでいただいて。
学生、その部分だけでも充分☆5評価です。

これを期に一穂ミチ作品に積極的に手を出していこうと思います。

0

別れて再会してまた好きになる

明光新聞社シリーズ4冊をまとめて読みました。
話題だったし高評価なのでずっと読みたいと思っていました。
4冊の中でこの作品というかカップルが一番好きです。

高1で香港からの帰国子女の一束(いつか)は、日本にも学校にも馴染めず孤立していました。
3年の先輩圭輔は、使われなくなった旧校舎で授業をさぼっていた時に知りあいたびたびやってきては、何てことない会話をして帰っていくだけの存在でした。
けれど、いつしか大人の事情で翻弄される我が身や好きになれない日本の環境や閉塞感で、彩を失ったように見えていた世界にまた色彩がよみがえったかのように感じられる存在になって行った。
やがて、圭輔が彼女と共に後輩の女子を紹介するために連れてきたとき、それまでよくわからなかった「むかつく」という言葉を身をもって理解し、圭輔に対する感情が仲のいい先輩に対する以上のものであったと知ることになったのです。
圭輔は一束から向けられる気持ちが分からなかったけれど、好きな人から彼女を紹介されたくないという怒りと悲しみを向けられたとき自分が一束のことを好きだったということを自覚することになりました。
けれど一束は告白され体を触られたとき持病からくる体のコンプレックスから突き放してしまうのです。
嫌われたと思った圭輔と秘密を知られることを恐れた一束は、その後お互いすれ違ったまま圭輔の卒業とともに会うこともないまま別れることになりました。

一穂ミチさんの描くこの年頃の青少年の悩みや迷いをとても細かく写実的に表現している文章が好きです。
大人になったら大したことなかったり、どうでもいい事を真剣に思い煩う様子や負けて尻尾を巻いて逃げるとか、読んでいて気恥ずかしくなったりそんなこともあったなと遠い目になるようなそんな書き方です。

13年後、香港で活動したい日本企業相手のコーディネーターをしている一束の前に、新聞社の香港社支局長として赴任してきた圭輔が現れます。
そしてお互い、あの日の幼い恋心を引きずったまま忘れられずにいて、仕事で付き合いが再開したとともに止まっていた二人の想いも再始動することになります。
一方、一束には3年前に赴任した現支局長で妻帯者の佐伯とセフレ関係にあり帰国と共に別れることになるとはわかっていても執着も悲哀も感じていませんでした。
嫌いで別れた相手ではなかった圭輔のことをずっと思いつづけていたからきっと彼以外誰でも同じだったのでしょう、ただひと時寂しさを埋め合わせる相手だったのでいつ別れてもいいし、妻がいても関係なかったんだと思います。
でもなぜかこのつかみどころのない佐伯は、最後の最後になってこれから登っていく若い男にとられるのが我慢できないと心情を吐くことになります。
お互いきれいに別れて二度と会うことはないと思っていたのに。
この、病身の妻を愛していながら赴任先で不倫を繰り返すというしょうもない男の事情が次作の『off you go』となります。

大人になった今なら大したことにない理由だったにもかかわらず、13年前に幼かった二人が守ろうとしたものや乗り越えられなかった事が、これからは二人でやり直すことができると思えてよかったと思います。

後日談『is in me』は里帰り編。
一束を連れて大阪の実家に帰る圭輔。
大家族に歓迎されながらも二人の関係を隠していることに罪悪感を覚える一束。
大阪本社の新社屋に顔を出したところ、事件取材に駆り出されたり、一束を離れさせるような異動を命じるかもと嫌がらせで憂さを晴らす元上司の佐伯と再会したりと忙しい正月を過ごすことになるけれど、なんだかんだで一層きずなが深まる二人でした。

表題作の『is in you』は数学の記号 a∈A(aは集合体Aに属す)からなのですが、意味を考えると僕は君の一部とでもいうのでしょうか。
『is in me』は圭輔視点なので、一束は僕の一部で、これからもずっと一緒に居るんだと実感しているように思いました。

2

ココナッツ

麗音さま

麗音さま初めまして、ココナッツと申します。

わたしも新聞社シリーズの中では、こちらのふたりが飛び抜けて好きです。
一穂さんは麗音さまのおっしゃるように、本当この年頃の若者をキラキラ眩しく書いてくださいますね。
過ぎ去った時代だからこそ、懐かしく眩く感じます。
嬉しくてコメントしてしまいました(*^^*)

うーん。。。

高校時代の話はとっても萌えました。
しかし、13年後の話が何とも言えません。
佐伯との関係をいきなり放り投げて圭輔のところへ行ってしまう一束。
私的には納得をするのが難しかったです。
もう少しゆっくり話を進めればいいのになと思ってしまいました。涙
それと、文章がくどいなぁと思ってしまうところがありました。
話はおもしろかったです。
でも、その二つのことが私的には気になってしまいました。
場所が台湾という設定はいいなと思いました。
景色などの説明はとても難しいことだと思いましたがすごくわかりやすい説明ですごいなと思いました。
ただ、景色の説明よりも話のほうにもうちょっと力を入れてほしかったです。

2

必要な時間

『ステノグラフィカ』『off you go 』と世界観が同じ作品。
時系列にいっても、最初の作品です。
攻め、受けの両方の視点が楽しめます。

受けの一束は香港からの帰国子女。
高校時代はクラスに馴染めず、旧校舎の空き教室が唯一息抜き出来る場所でした。
現在は29歳。
堪能な中国語を使い、香港で仕事をしている。

攻めの圭輔は高校時代は水泳部。
世話好きで気さくな性格。
旧校舎で偶然出会った一束を気遣い、学年の垣根を越えて親交を深めた。
現在は31歳。
一束が働いている香港の支局に転勤でやってきた。

13年間ぶりに香港で、後任の支局長として赴任してきた圭輔と再会した一束。
高校時代、唯一自分を理解しようとしてくれ、大好きだった先輩の突然の出現。
ふたりの世界を特別視しているのは自分だけと感じ、さらに身体のコンプレックスによりその世界を自ら壊した一束でしたが、未だ圭輔への想いを捨て切れてはいませんでした。
一束は高校時代、本当の意味では圭輔へ殻を破って飛び出すことは出来なかったわけですが、圭輔はあの頃でも一束のコンプレックスを受けとめることが出来たのではないかと思います。
ふたりが心から想いを通わせるには、一束が大人になるための時間が必要だったのかな。
一束が圭輔へ気持ちを吐露するセリフがとてもキュンです。

そして、『off you go 』で主人公のひとりとして登場する佐伯が、あまりに濃く生々しく描かれているのも印象的。
賢く、先読みにも長けているにもかかわらず、圭輔へ嫉妬しなければならない現実。
佐伯については『off you go 』でくわしく描かれていますので、そちらを読まれると一層この時の彼の心情がわかると思います。
一穂さんの作品ではおなじみになりました、素敵系女性キャラも健在です。

青石さんイラストもとても素敵ですね。

5

高校時代の描写は間違いなく神

さすが一穂さん、青々しい高校生の描写が秀逸でした。
何がどうしてか、とにかくこの方の文章は脳にスッと入ってくる。
そういう意味で私にとっては相性の良い作家さんです。

一穂さんは高校生の自意識過剰加減とか、ちょっとしたことで世界の終わりや運命を感じてしまうような、繊細な、そんな心の機微を文章にあらわすのがお上手な方だと思うのです。

この作品も一束や圭輔の細かな人となりの描写が良かったです。
一束は思春期の女子のような繊細な男の子という印象でした。
世間ずれしている感じも、内向的な子にありがちな雰囲気。
ぶっちゃけるとそんな男は趣味じゃないけど(笑)
でもその描写がとてもお上手で、彼の心理状態はとてもよく分かりました。

反対に圭輔は全然そういう繊細さを持っていないけれど、素直で正直な態度の青年なので、一束の少しヒネくれた心にすんなりと入り込んで行きます。
この二人のやり取りもなるほど、こういう性格同士だから惹かれたのかなと思いました。

けれど大人になってからの一束は、妻帯者との割り切った関係ができることが大人だと、勘違いした大人になっていたのが痛かったです。
相手も割り切っていて、自分も割り切っているから大丈夫、と言いながら揉めてもつれて、人に指摘されると逆ギレ。
大人になってからの一束というキャラに対しての魅力は正直感じませんでした。どうにも29歳の成人男性が取る行動に思えないような行動の数々に引きました。
所詮大人といっても精神年齢は16歳のままの人も結構いるけど、仕事でそういうの出ちゃうのはちょっとなぁ・・・。
佐伯が一束との関係を美蘭にオープンにするのも常識で考えて社会人として上司として有り得ないですよね。相手が黙っていようと黙ってなかろうと、佐伯の軽はずみな行動は世の中的にアウトですね。会社でそんなことがまかり通っていたら会社が傾きそう。

あと、佐伯さんがいい感じに実は発破かける役割になっていたのは良かったです。
この人ダメっぽい人だったけど、二人がくっつくのに実は貢献しているんですよね(笑)
圭輔の写真記事見せたり、わざとか何だか知らないけど、イラついて割り切った関係を壊そうとしたり。佐伯さんは案外計算してたりして。さすがワケあり妻帯者です。

一束はツンツンし過ぎて感じ悪いキャラでしたけど、圭輔が死ぬかもしれないと言う時に、焦って我を忘れていたのは良かったです。これぞギャップ萌。
あとは圭輔のお宅訪問したときの何気に可愛い一束にキュン。

ラブラブもいいけど、私的には一束が慌てちゃうシーンが一番お気に入りでした。
彼の本音がよく表れているシーンでもあったので。

高校生時代の描写はとても気に入っているので神です。圭輔ががっつき過ぎて展開はやっ!とも思いましたが、そこまでの描写は好きです。
大人になってからの描写は大人として有り得ない面が非現実的で引いた展開もあったりしたので中立~萌ぐらいです。
全体的には読みやすくて良い作品だったと思います。

5

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