アンフォーゲタブル

unforgettable

アンフォーゲタブル
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神53
  • 萌×223
  • 萌11
  • 中立6
  • しゅみじゃない10

--

レビュー数
15
得点
396
評価数
103
平均
4 / 5
神率
51.5%
著者
 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
is in you
発売日
価格
¥552(税抜)  
ISBN
9784344830615

あらすじ

新聞社勤務の冬梧。製薬会社勤務の望と出会いやがて惹かれ始めるが、思いがけなく身体を重ねることになった後、望の電話は繋がらなくなり……

表題作アンフォーゲタブル

和久井冬梧、明光新聞社勤務、25歳~
有村望、真秀製薬勤務、25歳~

その他の収録作品

  • アンスピーカブル
  • アンタッチャブル(とあとがき)

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数15

新聞の存在感が大きかった

一穂さんの新聞社シリーズ4作目。社会の巨悪に立ち向かったために、受けと攻めが長い年月にわたり引き離されてしまうところが、これまでの3作と大きく異なっています。恋よりも人としての正義を選ばなくてはならなかった二人。その葛藤に胸を揺さぶられました。

新聞社勤めの冬梧(攻)と製薬会社の社員・望(受)。
二人が知り合った場所が、証明写真ボックスというのは、ちょっとファンタジー過ぎない?と思いましたが、その後の内部告発に巻き込まれた二人がたどった道が過酷で、ファンタジー感は吹き飛んでしまいました。

新聞の影響力というのは、とてつもなく大きい。そして、会社の犯人探しもまた強烈で、個人の力は本当に小さい。
望が、自死した先輩が遺した内部告発資料を冬梧に託す前に、抱いてほしいと頼んだ気持ちが分かるような気がします。好きだと告げずに抱いてもらうのはずるいけれど、記事が書かれれば、もう会えない。勇気が出るような思い出が欲しかったのでしょう。恋よりも会社の不正を告発する道を選んだ望が切なくて、でもその生き方に感動してしまいました。

覚悟を決めて関係を絶った望よりも、冬梧の方が気持ちの行き場がなくて、辛かっただろうと思います。社会部に復帰して一面記事を書きたいという夢を、望と引き換えにかなえて、心と体は疲れ切って海外に異動。仕事の合間、かりそめの女性関係を重ねますが、望のことを忘れることはできなくて。

17年の後、二人は再会します。望は、毎日、新聞に冬梧の署名記事を探し、消息を追い続けていました。彼等を引き離したのも、細くつなぎ続けたのも、新聞だったことが、とても印象に残りました。

私は新聞が好きで、一面記事だけでなく、読者の投稿欄や家庭欄をよく読みます。市井の人の声に、励ましや慰めをもらうこともあります。新聞社シリーズを読んでいると、社会部が花形で、その中でも一面記事を署名入りで書くのがトップ、と感じられるのが、少し残念でした。社会への影響力から考えれば、仕方ないのかもしれないですが。
この作品を読んで以来、記事の署名に目がいくようになりました。署名は責任と覚悟の証なのですね。
物語はとても面白かったのですが、男同士の恋愛のドキドキより、新聞の存在感の方が大きくて、萌え×1になりました。

0

ある意味メルヘン。

前に読んだ時も「好きだな」と思ったけど、読み返してみたらやっぱり好きだったシリーズ4作目。

起きている事件や出来事はリアリティや緊迫感があるのに、登場人物(メインのカップル)の心持ちや行動がファンタジー…というかある意味メルヘンめいている、ちょっと捉えどころのない手触りの一冊です。

硬派なようでふわふわしていて、評価も分かれるだろうなぁ…とも思うのですが、ロマンスを描いた小説であるわけですから、こんな風に17年越しの想いを成就……なんてことが本当にあると良いよね、という気持ちになります。

この本の場合、硬派な事件の上に甘さのあるラブ成分が切なく乗っている危ういバランスが、独特の読後感につながるのかな…と思います。

1

友情じゃダメなのか

シリーズものの一作だと知らずに読みましたが、その点は別に苦はありませんでした。

このお話って別にBLじゃなくていいんじゃないかなー。いや、受が女性でもいいって意味じゃなく、二人の間にあるのは純粋で特別な男の友情のほうがしっくりくる気がして、キスやセックスがなんだか取って付けたようで最後まで萌えることができませんでした。

会えるかどうかも分からない同性(たった数ヶ月間しか知り合いじゃなかった相手)を恋人として17年も待つ、というところに感動できるかどうかで評価が分かれると思います。私はできなかった。だって17年て…17年て、さ。

友情に恋愛をプラスして妄想することで萌えが生まれるのは重々分かっているのですが、友情で事足りる関係性が無理やり肉体関係で上書きされたようで、なーんか唐突感が拭えませんでした。友人として再会する、じゃダメだったのかな。

変な評価ですが、二人の恋愛感情を抜きにすると読み応えがありました。特に手紙のくだりは胸にグッときました。

うーむ…一穂ミチ作品を新しく読むたびに「一穂ミチさん…好きなはずなのに…おかしいな」と思うのが辛くなってきました。ちょっと認識を改めます。

4

切なさを拾い上げる

一穂先生の作品の中でも特に好きなお話です。
運命的な出会いと別れが二人の人生を変え、再び巡り逢わせる原動力にもなっている。一穂先生の綴られる物語が、BL小説の枠にとらわれない、切なさと苦さを含んでいるのだと再確認できた作品でした。

とにかく切ない描写が多いです。和久井(攻め)視点で進む物語だからこそ、結末を知っていくにつれて、あの時の有村さん(受け)の気持ちって……と馳せる苦さがあります。主役二人は長い間離れ離れになるのですが、再会を見届けることができて本当に良かったです。

お互いが想い合っていた分だけ、相手を優しさで包み込める関係って素敵ですよね。どうしてもこの人でなくてはならなかったのだと、読む度にじんわりきてしまいます。
切なさを拾い上げて、それが痛みであってもあたたかさであっても、パートナーと共有していける姿に感動しました。「好きだ」と伝えられるきっかけとして、再会した二人には思い返せることがたくさんあるのでしょうね。ぜひ続きが読みたいです。

3

大好きな攻め視点なのに、攻めが苦手でどうにも…

一穂さんの新聞社シリーズ四作目(is in you、off you go、ステノグラフィカ)。
ゲイだらけの新聞社…(苦笑
時間軸はまだ20世紀(多分'97年くらい?)ということで、携帯もまだまだ普及しておりません。
シリーズの他の作品より前ですね。
視点は攻めです。

**********************
攻めは新聞社整理記者の冬梧、25歳。
思ったことをすぐに口に出す直球な性格で、社会部からは問題を起こし左遷されました。

受けの望は製薬会社勤務の25歳。
尊敬し好意を持っていた先輩を追いかけて今の会社へ就職したものの、彼は亡くなってしまいます。
**********************

二人の最初の出会いで冬梧が望を慰めながらも、この偶然がもしかしたら何か記事に繋がるかもと打算を働かせたわけですが、職業柄あるのでしょうがなんとも嫌な気持ちになりました。
このシリーズでは何人か記者がメインになっていますから、キャラが被らないようにという配慮もあるのかもしれませんが。
やー、25歳の社会人てこんなに子供だっけ?と思ってしまうシーンもかなりあって、申し訳ないのですが一穂さんの書かれた攻めで一番苦手でした。
自分の言葉に頷いたり笑ったりしてくれるだけで落ち着くって…
望の立ち位置、完全に女性(または奥さんや母親)になってますから!

時が流れて、二人が40代になってはじめてシリーズの他の作品と時間軸が重なります。
西口(ステノグラフィカ)も静(off you go)も離婚してますし。←この二人の登場はかなり嬉しかった!です。
二人の関係が始まったのかと思った瞬間に終わったという辺りはすごく良かったのですが、なにせ冬梧がやたら子供過ぎるのに扱った事件が大き過ぎてすごく空々しくて…
子供の登場や演出はじーんとして、なぜ彼女が顔だけ知っていたのかなんて辺りは『おお!』となったのに、その後の再会の海があまりに出来過ぎで。
望が冬梧を『情が深い』と評しますが、それもこちらには伝わってきませんでしたし。

この本は発売日に買ったわりに、ずっとしまいこんでおりました。
原因は眼鏡。
望の眼鏡です。
青石さんの描かれた眼鏡のフレームがひじょうに太くて、しかもカラーはともかく挿絵ですと真っ黒に塗られた眼鏡は、望の顔の中でやたらに主張していて挿絵が出るとそこで急に現実に引き戻されるんですよ。
評価も高くお好きな方も多いと思いますので心苦しいですが、趣味じゃないよりの中立で。

4

思い続ければいつか夢はかなうと信じたくなる作品

明光新聞社シリーズ4冊をまとめて読みました。
話題だったし高評価なのでずっと読みたいと思っていました。
シリーズ4冊目は、新聞記者と製薬会社社員の恋物語です。

このシリーズは3冊目以外は出会いから成就までが長いです。
今回は別れから再会まで17年目かかります。
生まれた子が高校生になるくらいの時間です。
インターネットも携帯も誰もが当たり前に使えるわけではない時代の恋ですね。

事件記者だった和久井は問題をおこし、整理部(2作目の静の居る部署)に異動されらたばかりのころ、製薬勤務の有村に出会います。
これが、証明写真撮影用ボックスで撮影中に酔った有村が乱入してくるという考えられないような出会い方。
喪服を着て泣く有村に何か役に立てるかもしれないと名刺を渡し別れても何故か気になるのです。
数日後、電話で謝罪されお詫びに食事でも、ということから二人の付き合いが始まります。
気の合う二人がたまに会って食事や話をするいい関係を続けるうち友情以上の感情が生まれてくるのですが、別れは唐突にやってきます。
出逢いは偶然だったのですが、有村は勤務先の薬事問題の情報を記者である和久井に託し姿を消すことになります。
消える前日に最後と決めて想いを告げ1度だけの身体の関係を持ち、忘れないと告げて会えなくなります。
このときの有村の心情を思うと泣けてきます。

製薬会社の社員の家族に逆恨みされた和久井が殴られて軽傷を負った時、新聞社宛に送られてきたお見舞いの手紙に交じっていた差出人のない封筒の中は、いつか有村と一緒に見た思い出のある銀杏の葉でした。
心身ともに疲れ傷つきもう記者はやめたいと弱音を吐いた時、それが有村からの励ましの手紙であることが分かり持って来てくれた先輩(静)の前にもかかわらず大泣きしてしまうのです。
心からの悲痛な叫びのようで読んでいて一番辛いシーンでした。

その直後、外報部に異動になった和久井は海外支局を転々とし、社会部デスクとして帰国するのはそれから17年の年月を必要としました。

有村が幼い少女に和久井と映った小さな証明写真を見せて大切な宝物だから誰にも秘密で預かっていてほしいと渡すのです。それを見た少女がやがて成長し自分も恋する年頃になったとき、その写真の知らない男性が有村の大切に思う相手なのではないかとわかるというエピソードが好きです。

前作では速記者が消えゆく職業と紹介されていましたが、この作品では霧笛が消えゆくものとして描かれていました。
とてもロマンチックで情緒的な背景を演出していました。

再会してすぐのエッチシーンは思いのたけをぶつけるようでとても情熱的でした。

再会を約束して別れたわけではなく「忘れない」という気持ちだけで17年もの間想い続け恋が成就するという物語に萌えました。

3

単独で大丈夫

一応、新聞社シリーズの中の1作ですが、他の本もそうであったように、単独で読んでも全く問題ありません。
っていうか、他の作品のメインキャラが、脇に登場したりはしていますが、その彼がどんな物語を持っているのかなんて、同じ会社で普通の同僚や先輩後輩として付き合っている分には、実際には見えなくて当たり前のことですものね。

この作品では出会って別れて、再会するまでに17年。
17年という年月は、インターネットや携帯電話の登場と普及を重要な要素として盛り込むために逆算された年月なのか、
そうでなければ、あまりにも長い。

4

これから読みました(;´Д`)

シリーズということですが、
しょっぱなにこちらの作品から読みました(;´Д`)
なにも情報を得ないまま読み始めたのですが
単品でも読めちゃうような感じでした
この中で誰が前作品に出てるのか気になりましたが、そこはそこで……

携帯の普及前の頃を思い出して懐かしくなる感じがありました
受け様はおとなしそうですが、結構頑固で言いだしたら聞かないタイプ
攻め様はこれといって特徴がないという感じで平凡ですが普通な感じがいいんです!

17年越しで、お互いどうなってるか不安になる年月ですが
これがよかったんでしょうね。

2

レビュー書きたい!

新聞社シリーズ4作目?!おお~!!総て買ってるはず。通して読んでからレビューしようと…が、一穗先生のボックスが掘り起こせない!蔵書整理を…腐海をなんとかしなくては!!一穗ミチ先生も作者買いのお方です(*⌒▽⌒*)
人の心の襞をサラサラと、さわさわと揺すり、擽られる様なお話しを追いかけて。今作、深く潔い。…こんなに、再会まで年数かかったカプいたかたな~?(SF、伝奇、ファンタジー以外)…また、マンボウの脳内検索に有りません。ここまで思い合ってたなら、これから先も幸せに過ごしているに違いない二人の行く末に幸あれです♪

4

葬られた関係と消せない想い

明光新聞社シリーズ四作目。

本シリーズでは、今までも社会問題に対する報道の在り方についてさりげなく問題提起がなされてきました。
(個人的には『is in you』のセルドナ王国の話が特に印象深い)

そうした、過去作ではサイドストーリー的に
語られることの多かったテーマが
本書ではメイン二人の恋愛に、人生に大きく絡んでおり
問答無用の迫力で読者にも迫ってきます。

17年前、まだ携帯も普及していなかった時代。
証明写真ボックスという辺鄙な場所で出会った冬悟と望。
冬悟はスクープを夢見る記者だったが
ある問題を起こして社会部から整理部に飛ばされる。
製薬会社勤務の望は、好きだった先輩を亡くしていた。
二人の過去の詳細は明かされぬまま
仲良くなっていく二人の日常が淡々と写され
中盤、望のある行動により物語は一気に加速を見せます。

望が冬悟に先輩を重ねた理由は顔だけではない。
報道の名の下に一般人を晒し者にしたくない、
青い理想を捨てきれない姿に、自分の計画(内部告発)を託せる、このネタで再び社会部へ戻って欲しいと願ったためでした。
自殺に追い込まれた先輩の意志を継ぎ、情報を渡した後、冬悟の前から消えた望。
冬悟は薬害問題を記事にするも、製薬会社の身内から殴られたことで外報部に回される。
自分達の行動は正しかったのか、答えは出ぬまま時は流れ…。

過去編は最高に盛り上がったところで唐突に終わり、
17年後の穏やかな冬悟の文章で現在編へ移行する。
たえず流動し、古い情報はどんどん淘汰されてしまう
社会の常を象徴しているようで侘しいです。
それでも互いに忘れられない二人は
望の娘(先輩の忘れ形見)が結びつけた縁で再会し…。

ツッコミたい点もいくつかあります。
17年間も好きでいられたことや再会できたこと、
ノンケの冬悟の順応性の高さ等はやはりファンタジーに感じる。
過去作の主役は、葛藤もあれど仕事に何らかの誇りやポリシーを確立していたが、冬悟や望は17年後もそうした変化が見えにくいのが惜しい。
若き日の望のイラストが幼すぎるのも気になりました。

それでも、上記のような点を越えて
伝わってくるものがあり、評価は「神」以外にないと思いました。

最も印象的なのは、望の原動力が正義感より何より
大切な人の意志を継ぎ、それをもう一人の大事な人に託すという
シンプルかつ真摯な想いであったこと。
17年後も、ただ身近な人のため頑張っていること。

社会派ドラマを描くでもなく、メッセージ性をもたせるでもない。
ただ答えのない問題の前で足掻き支え合う人間の姿が
ありありと描かれ、小説という枠を越えて
人生とは何か、読者に考えさせる示唆に富んだ一冊でした。


キャラとしては個性に欠けるかもしれませんが
誠実で懸命に生きている姿を応援したくなる二人です。
脇には、西口や静が冬悟の良き先輩として登場していました。
佐伯さんは名前こそ出てきませんが
素通りするだけで流石の個性と存在感を見せていますv

6

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