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もはや受けが不憫

他の方も書かれているように
受けである幸也は結構なマイナス思考の持ち主です。
ですが、どちらかというとウジウジオドオドとしたタイプの卑屈さではないので苛つく程ではありませんでした。
聡の重すぎる愛情や幸也の家庭環境などから鑑みると、彼の精神にかかった負担がその後の人格に大きな影響を与えた結果なのだと納得もできます。
そして聡が言われた通りに飛び降りてしまったことは、寧ろそこに追い打ちをかける行為だったのではないかとも思いました。
そんな行動に出た根本的な原因は幸也自身が出した条件なのですけども。

結局最悪の形とはいえ聡と離れ、
劣等感や自己嫌悪に苛まれる日常から表向き解放された幸也でしたが
社会人になり同じ教師として再会したことで
再び訪れた、コンプレックスに悩まされる日々。
なんというか…彼は、家族や周りの人間に恵まれなさ過ぎている気がしました。
特に女性関係(母親等を含め)では女難の相でも出ているのかと思うほど…。
逆に幸也のネガティブな部分が
そういう状況を呼び込んでしまうのでしょうか。
ただ個人的には、そんな幸也のマイナス思考一直線な所や、
聡のヤンデレ一歩手前な執着具合は嫌いではありませんでした。
寧ろ二人とも違うベクトルで一途すぎて清々しいくらいです。
なので、それ程負の感情満載だった幸也が終盤で
聡への劣等感の根底にあったものを自覚し
気持ちを浮上させた展開が少し唐突に感じました。
もうちょっとマイナス方面に沈んで逃げる幸也を見たかったかもしれません。
まあ、あれ以上振り回したら
それこそ聡に命ごと持っていかれそうですがね。

みんな、言葉が足りないような

相手が生粋のゲイじゃないと知り、万の将来の為と、
若干の諦めから、距離を置いてしまった十亀さん。
そんな十亀さんにいつの間にか本気になってしまった万。
結局、煮え切らない十亀さんに万が必死に想いを告げることで纏まるのですが
全体的に無難な感じで終わってしまった気がします。
十亀さんがあれ程頑なに、人や物に執着心を持たないようにしていた事を考えると
いっそ本当に10年待っても良かったんじゃないかなどと思ってしまいました。

そして、2巻で一番気になったのが万の気持ちのやり場です。
十亀さんへの恋愛的な気持ちの事ではなくて、若い頃特有の感情だとか悩みだとか。
まずお母さんの入院に際して、万は年齢的にも経済面的にも力が足りません。
そこはやっぱり嫌でも叔父夫婦に頭を下げて頼るのが正解だと思います。
でも、大人達の心ない言葉の数々に万は意固地になって
差し伸べられた手を突っぱねてしまう。

そこまでは両者とも人間らしさがあって違和感ないです。
けれど叔母が後に「意地を張らずに私達に頼りなさい」と諭してくる場面を読んだ時
あなたがそれを言うのか…ともやもやして。
(現実問題、金銭面では頼らない事にはやっていけないとは思うんですけどね)
その後、口さがない事を言っていた割に最終的には
善良な大人の立場に納まっている点に、釈然としない気分になりました。
それから弟にしてみても、何も聞かされず聞けず何も出来ないと悩んでいますが
もう中学生でしょう?家事の手伝いくらいは申し出たのか?
何か出来ることがあればさせてくれと万に頼んだのか?
となんだかリアルな所でもやもや…。悪い子ではないのですが。
その上ちょっとした諍いから、本人ではなく十亀さんに兄の事を嫌いだと言ってしまう。
万の頑張りや優しさを一番身近で見ていたのは君ではないのだろうか…。
その後の十亀さんのフォローもどこかズレているような気がする。
悟がまだ子供なのと、万が頑なすぎるせいもあるのだと思うのですが
微妙にやりきれない気持ちになってしまいました。

フォローは十亀さんと悟の会話以外にも、悟のちょっとした気遣いが窺える描写や
ホテル修理の際二宮さんに色々と言い含められるシーンなどが入りますが
万の根本的な悩みや苦しみが理解されている様には見えません。
万自身そこら辺の事を口にはしないし
理解されようとも思っていないのかもしれませんが。

あとは物語が進む中で、万の方が自分で気持ちを切り替えていった印象。
結局は叔母や悟との関係も表向き綺麗に収束するんですが
あっさりすぎて、え!そんなんでいいのか!?という感じでした。
万の小さい頃からの苦悩や葛藤はあれで決着したと思っていいのだろうか。
十亀さんにホテル経営を肯定してもらったという事だけで、もう充分なのだろうか。
まあ最終的には幸せそうでしたし、いいんでしょうけど
個人的には始終もやっとしていて読後感は良くなかったです。

雨降って地固まる…?

1作目『ひそやかな情熱』では互いに想いを遂げたかに見えた彼らですが
それ以降これといった進展もなく、蜜月と呼ぶにはどこかぎこちない同棲生活を続けていました。
内心で佳人を大切に思いながらも、気恥ずかしさと口下手という性質から愛の言葉一つ口に出来ない遥。
そんな遥の胸の内を汲み取れない不安で、あと一歩積極的に踏み込めずにいる佳人。
そこに、今回の遥行方不明事件です。
五体満足で帰還できるかも怪しい危険な状況下で、遥は今まで言葉が足りていなかった己の行動を改めようと考え始めます。
そして再会した佳人に、出来得る限り自分の素直な気持ちを吐露するのです。


その後の佳人の真摯な言動によって、様々な不安をある程度吹っ切る事が出来た遥は
なんというか、とても甘い…!
他のBL作品と比べると普通じゃない?という程の変化ではありますが…
前作までの彼を思うと、劇的な変貌です。
これでようやくちゃんとした恋人同士として関係が進んでいく、といった所でしょうか。

また今作には、前回遥の親友として登場した東原と、
新キャラクタ―である執行という男が深く関わってきます。
番外編は、そんな二人の過去と現在のお話。
本編で素晴らしく活躍してくれた執行さんの、全く別の顔が見られるエピソードです。
一途な想いに悩む彼とは対照的に、飄々としている東原にも何か含みがあるように感じられ…
どちらかと言うと本編二人よりもじれったい関係かもしれません。
個人的に、東原の容姿が想像していたより厳つくて意外でした(笑)

そして今回は新装版ということで、旧作にはなかったメイン二人の描き下ろしが収録されていますが
旧作既読者としてはやっぱりこれが一番嬉しい特典でした。
旧版では本編締めの部分であっさり他のキャラクターに焦点を移してしまって
少しだけ不完全燃焼な気がしていたので…。
やっと本当の意味で近づく事が出来た二人のラストとしては、物足りなく思っていました。
それがこの書き下ろしで払拭された感じです。
時系列的には無人島から帰還した直後。
少しのぎこちなさを残しつつ以前よりは格段に打ち解けた甘々な二人を
ちょっとだけ覗くことが出来ます。

全体を通して見るとそれなりに王道な展開ではありますが
だからこそ無理のない話運びで読みやすかったです。

「二人だけ」をもう少し

もの凄く簡単にまとめると、酔った勢いで肉体関係を持ってしまった二人が周りの人々にせっつかれながら、紆余曲折の末結ばれるというお話です。
メインCPは、どこかお人好しで下僕気質なドラマー・リュウ(攻)と我儘で女王様気質なヴォーカル・セイジ(受)。

『クールが熱い』という作品の番外編のようなのですが、本編のCPが苦手な部類だった事と、俺様受けやバンドものという設定に惹かれたのでこちらのみの購入でした。
ですが、そこでまず失敗したかなと思います。
物語の序盤からクールが熱い本編のキャラクター達が結構頻繁に絡んでくるうえ
詳細な説明描写はあまりないので、その人間関係や人柄を理解していないとなかなか読みづらいです。
そしてリュウとセイジの絡みについても本編の流れを加味して進められる為、展開が唐突に感じられる箇所があります。
番外編という括りなので当然と言えば当然なのですが、こちらの作品だけ読まれる事を想定した構成ではないようです。
同シリーズであってもCPによっては個別に楽しめる、という作品にばかり触れてきたため
それを期待して読んでしまったのが悪いのだと思います。

ただそれと関係なく気になったのは、脇役達(特にバンド関係者や本編主人公でありリュウの弟でもある雑賀操)が高頻度で出張ってくるせいで、メイン二人の絡みに物足りなさを感じた事。
せっかく番外編としてこの二人を題材にしたのなら、もう少し彼らだけのストーリーを展開して欲しいと思いました。
設定やCPは好きなのですが、いまいち乗りきれなくて残念です。