ボタンを押すと即立ち読みできます!
設定と構成が素晴らしすぎる。
作中に出てくるキャラと脇役全員きっちり役割を果した。
執着攻めお好きな方にとってはたまらない一作。
「好きになってくれないのが分かったから、別に死んでもいい、一生お前を縛ることができるならーー」
自分を追い詰めて、受けさまを追い詰めて、報われないと分かっていても、この病的なほどの想いを諦められない。
攻めさまは狂おしいほど、祈って、求めて、ただただ、受けさまの愛が欲しい。
その反面、受けさまは攻めさまに感じている負の感情が大きすぎて、自分の本当の思いを見落としてしまった。
作中の中で、一番可哀想なキャラは受けさまではないか?
罪悪感、劣等感、自己不完全感など負の感情を抱えながら、十年間生きてきた。
家庭(母)、学校(仕事)、恋愛問題(彼女と攻めさま)で追い詰められて、よくも飛び降らなかった…
ラスト、受けさまは色々と整理ができて、学校を辞めて、自分の気持ちにけりをつけた。
屋上Hの解放感が素晴らしい。
やっと報われた攻めさまに拍手!
これからは二人でもうすれ違わないように幸せになって欲しい。
お二人の後日談が見たいですよ先生ー!
幼馴染再会モノで、同じ学校の教師同士で執着攻という、かなり好みなシチュ満載。
このシチュで夜花さん作品とくればこれは期待せざる得ない訳ですが、流石というべきかがっつり期待以上の内容で読ませてくれました。
家が近所で幼馴染の幸也〔受〕と聡〔攻〕
友人関係ではあるものの、幸也は実は聡に対してコンプレックスを持っている。
そして聡に好きだと告白された時に、ここから飛び降りたら好きになると反射的な言葉を言ってしまい、そして聡はそれを実行する。
そんな過去を持つ幸也の前に、同僚の新任教師として聡が現れます。
付き合っている女性もいて教師として生徒との関係や部活指導もそれなりに上手く行っていた幸也だけれど、聡という存在が現れてからそれらが少しずつ崩れて行く。
過去の復讐かと思わせておいて、実はずっと執着し続けていたという展開は好みーー!
幸也の聡へのどうしようもないコンプレックスもいいです。
恋愛面だけではなく学校での教師としての仕事面もちゃんと書かれていてるし、そしてやっぱストーリー展開が上手い。
小山田さんの挿絵の教師スーツな2人も良いのだなー。
しかも文庫で500円代(値段の事いうとセコいようだけど、文庫と新書版の値段の違いは大きいと思う!)で大満足。
要約すると、学生の頃に酷い扱いを受けた攻めが、受けと同じ教師となって再会し、復讐していくお話です。
自分の身を捧げてもいいくらい、受けが大好きな攻め…いいですよね。
元隣人で仲の良かった二人。
とある出来事から攻めが異常な執着で受けにベッタリして中学生になる頃には大胆にも告白するまでになります。
それを疎ましく思った受けが距離をとり「ここから飛び降りたら好きになる」と挑発してしまいます。
そこから二人の関係が一気に崩れ、疎遠になり、社会人になった今再会。
受けには彼女が居ますが、そんなのお構いなしなくらい攻められます。
端々に仄暗い執着が現れたり、復讐とはいえ、そこには受けを好きすぎる一途な思いがあるのでドロドロ感はあまり感じられませんでした。
むしろ、受けの恋人の方が面倒なくらい(笑)
攻めと比べられてきて劣等感に苦悩する受けの気持ちも、ひしひしと伝わってきます。
しかし、それを一網打尽にする攻めの怖いくらいの執着を見せる場面は最高!
一例を挙げると、離れていてもまた会えると信じて攻めは陸上を続けたところなど…。
これ以上はせっかくの執着の見せ場で楽しさが半減してしまいそうなので、気になる方はぜひ読んでみてください。
それぞれのキャラクターに共感する部分がありました。
特に主人公の幸也(受け)の屈折した気持ちは、苦しくなる程、伝わってきます。
昔は助けてやる位に思っていた泣き虫?な聡(攻め)が、勉強でも体力的にも自分を抜き、周囲から比べられる度、劣等感が重なって、聡に対して優しく接することが出来ない。
離れたくても「幸也が好きだ・・・」と付いてきたり、尊敬していた父親の口からは「聡くんは良く出来た子だね」そして最後には、父は聡の母親と不倫。こんなことになったら、誰だって感情が崩壊すると思います。
その矛先が全て、彼を慕う聡へ行ってしまい。「飛び降りたら・・」と言ってしまったのだと思います。幸也は、真っ暗な世界は一人では辛すぎて、自分の様に傷ついた彼も一緒に落ちて来て欲しかったのかな。とか・・・思ったり。
父に選ばれなかった自分と母。そして大人になっても親(母)に認めて貰いたい気持ちで教師を選んだ自分。無意味だと思っても、それでも手を伸ばさずには、誰かに受け入れて欲しいという気持ちは、止まらないのだと思います。ずっと主人公の手を繋ごうとした子が近くにいたのにも気づかずに・・・いや、気づいていて、でも受け入れることは出来なかったかもしれませんが。切ない。
親が「無理しなくてもいいんだよ。一番大切だよ。ありのままでいいんだ。」って一言、言ってあげれば、彼はこんなに苦しまなくてすんだと思います。(当たり前かもですが親も教師も人間ですから、完璧ではなく・・・)
それは、不登校の谷口くんも同じで、母親が怖いながらも、期待に応えらない自分が辛かったのかな・・とか。
攻めの聡も谷口くんの母親も、女子生徒も幸也の彼女もそれぞれ誰かを思いすぎて、周りが見えなくなって傷つけて、それで後悔して、でも手放せない。そんな登場人物みなの気持ちが、共通しているように思えました。
そんな中、聡の執着っぷりは、断トツで半端なかったですが・・・!!主人公は復讐だと思ってるけど、こちら側からしてみれば、攻めが必死過ぎて、好き好きオーラ溢れてますよ!と何度ツッコミたくなったか。。どんだけ好きで余裕がないんだこの人は・・・と思ってしまうほど(笑)無理やり抱いて「どうしたら俺のこと好きになってくれるんだよ・・!」とかドツボでした。ごちそうさまでした。
最後のシーン、受けの気持ちを考えると時間が必要かなと思えるので、すごく綺麗に幕がとじたように感じました。
いっそ付き合おうとか言わずに、友達として最初からやり直したい位言ってもいいんじゃ・・とか思いましたが、攻めの長年の思いが悲しすぎるかな?というのと、あの聡さんのことだと、監禁くらいやりかねない・・と思うので(笑)む・・報われて良かったね!
お話も勿論のこと、小山田あみ先生の綺麗なイラストと挿絵が色っぽくて、大変美味しかったです。
同級生で、ある出来事から二人は互いに離れることに。。。
受けの幸也はイケメンで若い教師なので学校でもモテモテ。同僚の女性教師ともうまく行っており、女子サッカー部の顧問をしていることもあって、生徒からも慕われる存在だったが、そこへ中学で離れた攻めの聡が新任教師としてやってきた。
幸也は聡に対して過去の負い目があり、さらに色々なことで負けてしまう自分にコンプレックスがあり、聡を敵対視してしまっていた。
聡の方は、昔から幸也のことが好きで、再会後は彼女がいても体の関係だけで良いからと無理矢理に幸也を開かせる。
もうね、幸也がダメダメなやつなんです。
なんでそこまで?って思うくらい。多分、何もかも聡に敵わなかったと言うけど、普通に世間一般的には悪くない感じなのに、変な劣等感が邪魔をして深みにハマっていってる感じ。
聡に対する感情からそうなってたんだね、ってのが最後にはわかるんですが、そこの部分が少々駆け足に思いました。
対して聡はある意味怖いくらいに幸也を好きで、就職してたのにわざわざ教師に転職してまで追いかけて来ちゃう、ある意味ストーカ。幸也の弱い部分をついて、体の関係を強要しちゃいますが、やはり気持ちがあるからか本当にひどいことはしてないんですね。執着モノを読みすぎてるからか、そこまで酷い執着には思えなかったな。
幸也が覚悟を決めたことで、二人は付き合うことになりましたが、この先を見たかった!!
SSとかあったらな。