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BARBARITIES IV コミック

鈴木ツタ 

これから読まれる方が羨ましいです!!!(ネタバレあり)

連休中に全巻読み返したので改めてレビューをば。

宗教や政治がガッツリ絡むお話ですので、普段歴史モノを嗜まれない方にはハードルが高いですよね。
逆にそういうジャンルに抵抗が無い方、ただただBがLするだけでなくしっかりした設定の物語自体も楽しみたいという方にはほんと~におすすめです。
架空の宗教を生み出すところからお話を作るのって難しいと思うのですが、本作はあくまで極小国のお国騒動としているからか、モンタギュー卿を取り巻く事件についてはちょうどよく片が付いたと思います。風呂敷が大きい分畳み切れてない部分もあるけれど、ストーリー自体は程よく難しすぎず、いい塩梅だなと。
黒幕のサイモンが浅慮で幼稚なところも、3巻の時点ではおいおい大丈夫かという気がしないでも無かったですが……騒動の終わり方はむしろ潔くてストレス無く読めました。むしろ歴史の闇に葬られたサイモンとレオネルに最後の最後で萌えさせられるとは……。

ジョエルとアダムについては絶対助かると思っていたので心配していませんでしたが、ジルがどうなったかは不安だったのでルイスと無事に再会できてよかった。でもこの二人はそもそも身分違いであるし、関係性は不毛でちょっと切ないんですよね……そこもまた良いのですが、彼らなりの幸せを実感できる日が来て欲しいな。

そもそも自分の場合、ジョエルのもさっとした外見で「受」というのが好みだったので軽い気持ちで一巻に手を出したのですが、命を狙われていても国と民のために尽力する高潔さや優しさに心打たれ、クソ真面目堅物で色恋には疎い面も大変好みであり、俺がアダムか?というレベルで心底惚れてしまい……
以降ずっと、アダム頼む、ジョエルを幸せにしてくれーーーッ!という一心で追い続けておりました。
待ちに待った結ばれるシーンでは、まさかジョエルの方からはっきりと言葉にして告白して誘うとは……!と事が始まる前からスタンディングオベーション。散々焦らされて「待て」ができるようになってしまったアダムもめちゃくちゃ愛おしく……取り組み中に真面目モード発動するジョエルは大変可愛らしく……意外にも積極的なところはすこぶるえっちで……ウ~~~~本当にありがとうございました……(成仏)いややっぱりラブラブになってからのアダムをジョエルをもっと見たい。お願いします。

読み応えのあるストーリーも美麗な作画もBL的な萌えの面についても大満足!かつ、個人的に性癖に刺さりまくったので神評価で。
いやほんと、まだ読んでない人が羨ましい(くっつくまで6年待たなくていいので)

愛が深い

続編が出ると知ってから待ち望んでたけど、期待以上でした……ありがとう……ありがとう……

1巻の時点からそうだったけど、サクマと苦味にとってお互いがお互いの人生の中心だってことが一層強く描かれた2巻だった。
お互いに相手を守ろうと動いてるのにそれを隠しちゃってるから拗れて……読んでいて「?」となるような二人の行動、その意図が段々明らかになっていく過程と、終盤のシリアス展開はめちゃくちゃ苦しかった。泣いてる二人を見て泣きながら読んでた。そしてラストの静かに寄り添う姿にまた泣かされた。

これは好き嫌い別れるポイントかもしれないですが、6年間でサクマさん、めっちゃ丸くなってる。もちろんかっこよくて強くてドSなところはそのままだけど、可愛さがマシマシすぎでは……?
苦味に甘える姿、苦味に開けさせたピアスを眺める表情、リュウに襲われかける場面、最後の苦味×サクシーン等々、個人的にネコのサクマさんが好きなのですごくギュンギュンしたし、1巻と比べて両想いであることの主張が顕著で、とにかく可愛い。二人とも、可愛い……。
「俺はアイツと離れて生きてくことはできない」とかまさかそんなセリフがサクマさんの口から聞けるとは!苦味に直接言ってあげてくれ。

もちろん魅力的な脇役達も健在。1巻のあとがきにあった「掲示板で有名になってネットアイドルになる斎木くん」の実現は嬉しかったですね。サイパンちゃん本当に可愛いしえっちだし最高すぎる。レニくんは気長で優しくて、この二人も大好きなので斎木くんが素直になれるまでの過程もじっくり見てみたい。
今回もこっぴどく振られちゃったリュウも、愛してくれる人と出会えて本当に良かった。リュウ、凄く良い男になってますね……。1巻の時点ではそこまで好きじゃなかったんだけど、立派になったなぁと。
トリックスター的な役回りの新キャラ、張には、色々やきもきさせられつつも最後は良い仕事してくれました。

とにかく、シリアスな展開と予想以上の甘々さのバランスが絶妙で、読後の多幸感が半端なかった。
また新宿で彼らに会えたらなと思う。