• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作新宿ラッキーホール(2)

サクマ(46・元ヤクザ、ゲイビスカウトマン)
桧山苦味(38・元ポルノスター、ゲイビ制作会社代表)

同時収録作品ベイビー、今夜だけ

レニ(26・ゲイビ男優、萌え系オタク)
斉木(28・ゲイビ制作会社社員)

同時収録作品Good Night Blue

一青(彫師)
リュウ(24・目白組跡取り息子)

その他の収録作品

  • シークレット・ピアス
  • ロング・グッドバイ(前後編)
  • Lucky Guy
  • 電子限定「最終話ネーム公開」

あらすじ

かつてはポルノスター、
今も新宿で生きている。

あれから6年、元ヤクザと元ポルノスターの伝説凱旋!!

桧山苦味は、かつてヤクザ・サクマに
ゲイビ俳優として仕込まれ、ポルノスターとして活躍した。
2人は数年後、ヤクザとは手を切り
ゲイビ制作会社を立ち上げ、ポルノを作る裏方に。
エロくてヤリたがりな苦味と
それをあしらいながらもドSに翻弄するサクマは
公私にわたるアダルティックなパートナー。
しかし最近、断ち切ったはずの
ヤクザ関係者の影がチラつき――?

作品情報

作品名
新宿ラッキーホール(2)
著者
雲田はるこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
シリーズ
新宿ラッキーホール
発売日
ISBN
9784396784638
4.3

(168)

(105)

萌々

(33)

(17)

中立

(5)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
21
得点
713
評価数
168
平均
4.3 / 5
神率
62.5%

レビュー投稿数21

愛が深い

続編が出ると知ってから待ち望んでたけど、期待以上でした……ありがとう……ありがとう……

1巻の時点からそうだったけど、サクマと苦味にとってお互いがお互いの人生の中心だってことが一層強く描かれた2巻だった。
お互いに相手を守ろうと動いてるのにそれを隠しちゃってるから拗れて……読んでいて「?」となるような二人の行動、その意図が段々明らかになっていく過程と、終盤のシリアス展開はめちゃくちゃ苦しかった。泣いてる二人を見て泣きながら読んでた。そしてラストの静かに寄り添う姿にまた泣かされた。

これは好き嫌い別れるポイントかもしれないですが、6年間でサクマさん、めっちゃ丸くなってる。もちろんかっこよくて強くてドSなところはそのままだけど、可愛さがマシマシすぎでは……?
苦味に甘える姿、苦味に開けさせたピアスを眺める表情、リュウに襲われかける場面、最後の苦味×サクシーン等々、個人的にネコのサクマさんが好きなのですごくギュンギュンしたし、1巻と比べて両想いであることの主張が顕著で、とにかく可愛い。二人とも、可愛い……。
「俺はアイツと離れて生きてくことはできない」とかまさかそんなセリフがサクマさんの口から聞けるとは!苦味に直接言ってあげてくれ。

もちろん魅力的な脇役達も健在。1巻のあとがきにあった「掲示板で有名になってネットアイドルになる斎木くん」の実現は嬉しかったですね。サイパンちゃん本当に可愛いしえっちだし最高すぎる。レニくんは気長で優しくて、この二人も大好きなので斎木くんが素直になれるまでの過程もじっくり見てみたい。
今回もこっぴどく振られちゃったリュウも、愛してくれる人と出会えて本当に良かった。リュウ、凄く良い男になってますね……。1巻の時点ではそこまで好きじゃなかったんだけど、立派になったなぁと。
トリックスター的な役回りの新キャラ、張には、色々やきもきさせられつつも最後は良い仕事してくれました。

とにかく、シリアスな展開と予想以上の甘々さのバランスが絶妙で、読後の多幸感が半端なかった。
また新宿で彼らに会えたらなと思う。

14

萌えが滾って止まらない

「新宿ラッキーホール」の続編が出ると知って、楽しみに待っていました。前作から6年後、という時系列で、苦味ちゃんもやっぱり年を取ったな…、というビジュアル。

なんですが、さすが往年のポルノスター。美しいビジュアルでした☆
ビジュアルだけではなくて、前作から6年がたっている、というのがそこかしこから読み取れる。そういった細やかな描写の仕方は、さすが雲はるさんといった感じ。

1巻は痛い描写も多かったですが、2巻は甘かった…。
もう一度言う。

めっちゃ甘かった。

ヤクザとは手を切り、ゲイビデオ制作会社「ラッキーホール」で働く苦味ちゃんとサクマさん。
けれど、振り切ったはずの「裏の社会」は彼らを逃がしてはくれず―。

ストーリーとしては、「ゲイビデオ」を制作している彼らとヤクザという裏社会、のお話なのでそれなりにブラックな表現もあるしシリアスな展開なのだとは思うのですが、とにかく、苦味ちゃんとサクマさんの相手を想う深さが半端なかった。

自分を犠牲にしても、相手を守りたい。

そんな想いに萌えが滾り、そして落涙します。
初めは理解できない彼らの「行動」の全てに意味がある。それはすべて、苦味ちゃんのためであり、そしてサクマさんのためでもある。

さらに、1巻で登場していた、苦味ちゃんに心底心酔している斎木くん、そして斎木くんに惚れちゃってるレ二、サクマさんに執着している竜、が脇を固めます。

レニ×斎木くん、のCPも良かったし、サクマさんにバッサリ振られた形の竜の新たな恋の予感も良かった。

苦味ちゃんたちがヤクザの世界ときっちり決別できるのか。
そこが、今回のストーリーのキモになっていますが、どういう結末を迎えるのか二転三転する。最後まで気を抜けない展開でめちゃめちゃ面白かった。

苦味ちゃんは基本的に快楽に弱いので、濡れ場はかなりあります。レニ×斎木くん、や、竜と竜に惚れてる彫師さんとの絡みもある。ということでエロ度はかなり高いのですが、これがあんまりエロくない。

エロに振り切っているのではなく、「愛」に、より重い気が置かれているからかな、と。
彼らの間に漂う愛情が、すごく優しく、そして温かかった。雲はるさんが描かれるリバは愛情に満ち溢れていて、最高だと思うのです。

1巻ではザ・俺さま、だったサクマさんですが、2巻は俺さま具合はやや鳴りを潜めています。
俺さまなサクマさんをこよなく愛している腐姐さまには若干物足りないかな…?という展開ですが、それを上回る彼らの愛情に萌え禿げること請け合いです。

またどこかで彼らに会えるといいな。

レニ×斎木くん、そして彫師さん×竜、の「これから」も読みたいので、続編を激しく所望しています。

12

38歳になったクミちゃんと46歳になったサクマさん。

「新宿ラッキーホール」を読んだのは発売からは少し遅ればせながらの2014年で、確か「美術手帖」のボーイズラブ特集で雲はるさんのインタビューを読んだのがきっかけだったと思います。
そのあと「昭和元禄落語心中」を読んで、この作家さんの内面をもう少ししっかり覗いたあともう一度「新宿ラッキーホール」に戻った時が本当の意味での陥落の瞬間でしたね。
今思うと「新宿ラッキーホール」がBLジャンルでしっかり大ヒットした2012年って時代、凄いなって後追いの読者としては思います。
いま桁違いでヒットするものってもっと分かりやすくて誰もが萌えられるように計算され尽くしているような作品だと思うので。

さて、あれから6年が経ちまして。
38歳になったクミちゃんと46歳になったサクマさんをメインに、斎木くん、レニくん、リュウくん、それぞれ少しずつ変わったみんなのお話が前作同様にオムニバス形式で1編ずつ読めます。
少しずつどころか変わりすぎてますけどね、6年ですもの、そりゃ変わるよね!
斎木くんが予告通りにネットアイドルになってるのはいいとして、そっち系?!?!と思わず突っ込んでしまいましたw 28歳でケツとパンツ見せすぎじゃね?!
私はリュウくんが結構好きで、この面々の中では一番子供だなぁと思う反面でいじらしいなぁとも思えて、そして何よりそんなリュウくんに対してのサクマさんがクソカッコいいったらなくって、今回もやっぱりリュウくんのお話が一番ガツンと効きました。
クミちゃんにほんと直接聞かせてあげたいよねぇ。
まぁ直接聞いてなくても通じ合ってるんだろうけどさ〜〜〜
でもさ、実際に耳で聞いて噛みしめるのってやっぱり違うじゃない。
聞かせないのが雲はる作品だよね。サクマさんも八雲さん(「昭和元禄落語心中」)もね。男の生き様っつーかね。

今回も最後にじっくり読める前後編のお話。
「ロング・グッドバイ」
前段のお話たちが全てここに帰結していくのです。
「陽当たりの悪い部屋」から始まった2人の20年。
切っても切れないヤクザの世界と今度こそ「永遠にさよなら」するために。
あぁ、リュウくんはしっかり男前になってたね。
そしてサクマさんの涙。もらい泣きするでしょうこれは。

全てが終わった後のエッチシーンがもうねー甘すぎました!!!(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
ちるちるには攻めと受けを登録しなきゃいけないから、攻=サクマ、受=苦味になってるけど、私はこの2人はそういうことじゃないって思ってるから、この攻め受け情報はハッキリ言ってすっごい邪魔だなーって思ってます。
そういうことじゃないんだよこの2人は。


さらなる続編があるかないかは神のみぞ知る、だそうです。
読者としてはやっぱり読みたいですよね、彼らの生きる場所「新宿」に帰って、リスタートを切る2人のお話をまだもう少し。

【電子】ebj版:修正○、カバー下なし、裏表紙なし、最終話「ロング・グッドバイ<後篇>」のネーム(41p)を電子版限定収録

10

そして人生は続く

新宿ラッキーホールの続編が読めるとは思いませんでした。
雲田さん、ありがとう!

出版社あらすじに『断ち切ったはずのヤクザ関係者の影がチラつき――?』とあるのですが「どんな過去でも断ち切れるものじゃないよなぁ」というのが、読み終わって思ったこと。
良い関係とか、まずい相手とか、一方通行の想いとか、生きていれば色々あるけど、結局は今まで作ってきた関係性の中で生きていくしかないのよね、と。

そして、もうひとつ思ったのは「絶体絶命の局面を乗り切るのは根性(?)」。
『スポ根』とかの『根性』ではなく、ヤクザとかヤンキーもののお話でよくあるじゃないですか。「オラ、根性みせろやっ!」っていう、あの根性です。
苦味ちゃんやサクマさんの、いざっていう時の『根性』は凄かった。
コミカルでドタバタしているくせに、漢だねぇ。

この二人の間にあるのは『恋』というよりは『情』という方がピッタリの様な気がします、私には。
雲田さんの絵の影響も大きいんじゃないかな、と思うんですが。
アジア圏の男性の体なんですもの。
ガッツリムキムキじゃなくて、長距離ランナー型の筋肉の付き方。
皮膚の下のほどよい脂肪。きめ細かい、てろんとした肌質。
この絵がねぇ、とてつもなく日本的情感を漂わせるんですよ。
それがね、めっちゃくちゃエロい!
なんか、観ているだけでソワソワしちゃうんですよね。
行為は『エロ度標準的』でも、絵のエロティックさはとんでもないです。

そしてこのアジア的な絵柄は(エロいだけじゃなく)愛や正義や、そういった『ものさし的なもの』で割り切れるほど人生は単純なものではないってことも、見事に感じさせてくれるのです。

色々あって、それなりに落ち着いて、どこに行っても構わないことになっても、2人は新宿に戻ります。
悪いことも良い事もあった場所に、これまでの関係性の中に、帰って行く。
ここに、雲田さんの人生観(大げさか?)が現れている様に思いました。

また2人に、そしてその周りの人達に会えたらいいな。

10

2人でひとつ♡

雑誌もずっと追いかけてました。
好き過ぎて、1コマ読んだら休憩が必要なぐらい
愛と萌えをもらいました。

2人して死にかけた後のえっちが最高でした。
リバだけど、苦味ちゃんが攻めの時は
なんか執着攻めな感じがたまらなかったです。

リュウくんもイイ女に仕上がってます。
多分彼は一生サクマさんのことが好きなんでしょうね。
一青頑張れ笑!

そこにいる時は社会の底辺だとうんざりするけど
離れるとやっぱり帰りたいなって思う場所。
2人にそんな場所が出来て嬉しいです。
レニと斉木くんも一緒にいつまでも楽しくやってほしいな。
新宿ラッキーホールよ永遠に!

9

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP