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bara no mori ni itakoro
不思議な雰囲気の表題作。
番いというか、定められた運命の相手同志というか、BLという枠組みを超えて楽しめる純愛ストーリーですよね。
ストーリーそのものは暗い要素が多いのですが、どこか楽観的で穏やかな雰囲気を漂わせています。ラストも不思議な感じのハッピーエンドで終わります。
というか、この物語はある意味終わらないストーリーですが、またいつか二人が人間同士で幸せに暮らせることが信じられる、幸せな読後感でした。
他の短編も合わせて、この作者様はいろいろな世界観でストーリーを描ける方だなあと感心しました。
短編が4本も収録されていますが、一つひとつの作品に温度差がなく全ての短編がしっかりストーリーを練ってあるなぁと思いました。表題作はちょっぴり切なく、『モンテカルロの雨』『Be here to love me』はセクシーな攻め受けにノックアウトされ、『ヨシキとタクミ』はケンカの時と2人きりの時との関係性の変化に萌えました。どの作品もちょうど良い切り方で纏まっていたのですが、これからの話をもっと読んでみたいなぁと思うくらい素敵な作品ばかりでした。最後にまさかという展開を持ってくるのが上手いですね。特に好きな人を手に入れるために着々と外堀を埋めていくタイプの人間が大好きなので、2作品もそういうストーリーがあって最高でした。
文句なしの表題作と、ヤンキー受け好きなので昭和っぽい雰囲気がただようヤンキー二人を描いた「ヨシキとタクミ」が好きです。
ヨシキとタクミはライバル同士のヤンキーなんだけど、タクミの実家である銭湯ではポカポカのんびりいい気分♪てな訳でひとまず休戦状態になっちゃう二人。
リーゼントのタクミがお風呂では下ろした普通の髪型になるところが可愛いし、性格もお風呂の中ではなんだか可愛らしく変化しちゃっていて普段の突っ張った様子はいずこへ?
そして表題作。
歳をとらない吸血鬼の正宗と恋人のお話。恋人は輪廻転成を繰り返して虫になったり、木になったり、花になったり、犬になったりしながらもずっと正宗のそばに居続けている。
数百年ぶりに人間の姿になれて、自分も吸血鬼になりたいと正宗にずっとお願いしているのだけど…。
二人の結末よりもあらすじにある「言葉は交わせぬまま、時は過ぎた」というこれが胸にきます。
ある程度意思疎通のできる犬猫ならいいけど、草や木などになった日には…。でも二人の間には愛があるからずっと永遠に生まれ変わって傍に現れ続けるのだろうと思うんです。
でも木になんか生まれ変わっちゃった日には、どうやって愛情を示すんだろう。愛情なんか示さなくてももういい次元なのかしら。でも示したいよね。でも示さなくても二人の間に愛は存在する訳でそれが一番重要よね。それに言葉を交わすことがそんなに重要なのか、いや、でもやっぱり意思疎通はできたほうがいいよね…と何だかグルグルと考え続けてしまいます。
雲田さん久々のbl短編集。
表題作も良いですが特にお気に入りが
「Be here to Love me」
町田くんの妖艶さにうっとりメロメロです…
町田くん生まれつき染色体の異常とやらで女性らしい体つきで、脚はキレイだし毛も生えない。その美脚ぶりたるやブログで女性になりすましても気付かれない程。
普段女体物とか好んで読まないですけど、雲田さんの絵が上手くて…町田くんの体つき確かにしなやかでキレイなんですけど、このくらいなら男性でもいそうかもと思える程度で抑えいらっしゃいます。
脚フェチの先輩が性別に戸惑うのは一瞬で、好物を目の前に欲望が爆発するのが変態みがあって大変素晴らしい!股に顔挟んでもらったりヒールで踏んでもらったり(SMぽいプレイはこれだけ)幸せそうです(笑)
付き合ってあげますよ的な町田くんも先輩が興奮してるのが嬉しそう、おやおやもしや?うーん、やっぱりね〜なラストも良かったです。益々町田くんが可愛いく思えました。
先輩は「俺はどうすればいいんだ?」とか相手に委ねるズルそうな男だから、町田くんもこの先もっともっと罠を張り巡らせてどう足掻いても逃げられないようにすればいいと思う(笑)
えーっ、この吸血鬼のお話の結末はどうとればいいの? ずーっと昔は正宗の恋人として、その後はいろんな植物、動物、昆虫とか生まれ変わって、やっと人間として巡り合えた陽。 この陽も吸血鬼となってハッピーエンドを予想してたけど、血を吸うとまさかの…?! 正宗と陽の立場が逆になったのはわかるけど、この2人は人の姿のままでは永遠にいられないってこと? 血を吸うと相手は吸血鬼になるけど、吸った本人がああなってしまってはねぇ。 人間として巡り合えても、人間としての寿命の間でしかいられないってことだよね? 幸せになって欲しいのに…
はるこサンの短編集。
言うまでもなくズシっとくる読後でした。
お話し事態はどれも短いお話なのですが
後味がなんとも。
表題「ばらの森に~」
バンパイアと人間の少年。
長い時を生きるバンパイアと何度も生死を繰り返す少年。
運命につながれた二人の数奇な運命の一部を切り取ったお話し。
作中でバラを食べるシーンが印象的でした。
肉厚でみずみずしいバラがこれ、すごく美味しそうと思ったのは私だじゃないはず!
人間は長い時を生きられない。
だから自分もヴァンパイアにしてほしい。
血を吸って同じにしてほしいと願う少年。
けれどそれを拒むのはなぜか。
答えが切なすぎた(´;ω;`)
まだ幼いからなのだと思ってた。でも。
繰り返す運命で二人がまた同じ形で出会える日が来ることを願わずにはいられない。
ほか短編。
おじさん俳優の話が存外好きでしたw
どれもわかりやすくハッピーエンドという形ではないのだけれど
その後がどれもハッピーエンドにつながると信じてる。
読み応え十二分な一冊
表題作に関してだけ書きます。
あらすじはそれほど書くつもりはないのですが、このお話の核心部分について解っちゃうような書き方をしますので、ネタバレがダメな方は決して読まないでください。よろしくお願いします。
私にとって「ポーの一族」は「何度も読み返す本」です。
何度読んでも物語に浸れるだけではなく、いつまで経っても解らない部分があるから、何度も読み返してしまうんだろうと思っています。
今回「伝道師」としての雲田さんの完璧ぶりに舌を巻きました。
表題作を読んで、「ポーの一族」で私がもやもやしていた1つの疑問が解けたからです。
尊敬の念を持って「聖雲田(聖ペテロ的な)」と呼ばせていただきたい。
お互いに愛し合っているはずなのになぜ寂しいのか、
いつも一緒にいるのにどうして相手のことが解らないのか、
だったら、どうして解り合うためにお互いに話をしないのか、
「ポー」を読んで常に疑問に思って来たことのひとつがそこでした。
正宗先生も話しませんでしたね。
たとえ言葉で話したからといって、そこから来る寂しさは消えないから、
長い長い孤独の時を過ごさねばならないことは変わらないから、
だから話さないんだろうな、
っていうか「話せば解る」なんていうことが、想定外のことなんだろうな、と思ったわけです。
解り合えないまま、全ては消える。
そしてそれが未来永劫繰り返される。
愛し合っていることを2人で感じられる時はほんの一瞬。
けれど、愛は残る。自分と、相手の中に。
うーん、
寂寥感、半端ないっす……
さすが雲田先生!という味のある短編集。
個人的には、オヤジ受けとか女性っぽい受けとかあまり好きではないのですが、先生が描かれるとちょっとお茶目で自然と可愛いく見えてくるから不思議です。
どの作品もどこか古めかしいノスタルジックさを感じさせます。
表題作は切ないですが、ちゃんと続いてくというのが分かって良かったです。
私はヤンキー好きなので、雲田先生らしさのある昔のヤンチャ坊主達のカップルがツボでした!
普段は喧嘩三昧なのに、実家のお風呂やさんで仲良くなって、何故だか受けが可愛く見えて。。って最高じゃないか!!
雲田はるこ先生〜!もうそれだけでうれしい……!
表紙!淡いピンクの薔薇。薔薇を食べる麗し系の男性。
口絵!キリリと睨む、おのこ2人!
「ばらの森にいた頃」
は〜…雲田はるこ先生の人外…!しかも吸血鬼!萌えるしかないです。
吸血鬼ネタって、相手を自分と同じ吸血鬼にするのか、愛ゆえに同族にせず、という2パターンだったけど、最近は自分が有限の命になるとか、バリエーションが出てきた。
本作は、また新しい愛するが故の選択の一つの形。
サアーーーーー………となるページの衝撃。
でも永遠があることを信じられるラストがいい。
「モンテカルロの雨」
ノンケさんへの優しい譲歩?美しい女性の姿を焼き付けて、ハードルが下がったかな?
でも冷静に考えると、ファン心理と性欲は一致する?
「ヨシキとタクミ」
このシチュは正直他の作者さんでも見る。しかしながら、雲田はるこ先生のアドバンテージってのは圧倒的に柔らかげなカラダの線だと思う。あと上目遣い。ここに欲情と恋情の全てがこもってる。
「Be here to Love me」
これは〜!この展開は初モノだわ。インターセックスものなの、もしかして?
最早Hに挿入はいらない。カラダの線がエロくてたまんない!
「アトガキ」
雲田先生自らの解説。作品理解がより深まります!
随分と久々のBL短編集。
短編がコミックスのまとまるのも久しぶりだし、まとまるとなってから実際に本が出るまでもちょっと待たされたけど、待っただけのかいがあった充実感。
表題作のばらと吸血鬼のお話の結末の切なさや、「モンテカルロの雨」の売れなくなった中年俳優と新進俳優の恋のお話のロマンティックさ。
「ヨシキとタクミ」の昭和ヤンキー感ただよう微笑ましさに、blogをキーワードにした「Be here to love me」の笑えるようで恐ろしい恋の駆け引き。
どの世界も、懐かしくて安心して浸っていられる、秘密にしたいような大人のお楽しみ感。
ふっくらとした描線の柔らかさも、懐かしいようで今の線。
エロ目的だけのお子様に読ますのは勿体無いけど、だからこそ、若い方に読んでほしいな。
表題作は神です。完全に涙腺崩壊。まさか先生が人外モノを描くとは思わなかった…小学校のときにたような設定の小説を読んで(縄文時代から現代まで何百回の転生でずっとお互い探し合う話)、大号泣した記憶があります。昔からこういう話に弱い…
恋人が何百回何千回の転生でやっと人間になって、バンパネルになってずっと一緒にいたいとねだられ…正宗はどんな気持ちで口実をつけて断ったんだろう。恋人をバンパネルにして自分の命を失うか、恋人が年をとっていくのを見送って今度の転生を待つか…しかも今度お互い人間の姿で会えるのは何百年かかるかもわからない。まさに究極な選択。
もう思い出すたび涙が出るくらいです。雲田先生は天才かよ…と毎回思います。終わりは幸い…ハッピーエンドという形になっています。これからも末長く、お幸せに…m(_ _)m
ちなみにカバーを剥がしてまた素晴らしいお絵が載ってます。裏カバー(?)の裏も薄いピンクでめちゃくちゃかわいらしい。アニメイト特典のアクキーは綺麗すぎて保存用としてもう一冊買うか悩んでます(笑)。
「モンテカルロの雨」。これは…先生は意図的に攻めのオジサンをカッコ悪く描いてるのかな…受けちゃんが健気でかわいい!しかし2人の未来は明るいとは言い難いが…いつか続きも出してくださるといいですね。
「ヨシキとタクミ」はヤンキー同士の話ですが、やっぱりギャップ萌えはいいなとしみじみ思います(笑)。それに毎回思うけど雲田先生が描いた潤んだ目で上目遣いする受けちゃん、本当にエロ可愛くてたまらない!!続き、めちゃくちゃ楽しみです。
「be here to love me」。とうとう雲田先生もフェチものを…(笑)。リーマン設定で、本当にどこかの会社にいそうな普通な会社員2人。なぜか…罠を仕掛けるシーンは既視感を覚えるんですが…(ここをもっと掘り下げて
るか、もっと暗く描いたらはらだ先生が描けそうな話になってしまうかもw)
今朝早めに起きて素敵な短編集を堪能しました。しかも朝から号泣(苦笑い)。一日ずっと話のことを考えて、しばらく抜けないかもです。時間あったらまた読み直したいと思います。次の短編集も楽しみにしています!
作品それぞれのモチーフはバラバラだけど、(※薔薇薔薇というダジャレではありません…)みんなすごく好き。雲田はるこさんのこの独特の空気感、今の漫画界で貴重な漫画家さんですよね…。
どれが一番好きかと問われると、非常に甲乙つけがたいのですが、表題作のとてつもないロマンチシズムとその中に潜む日常性など「好き」の言葉しか出ません。あとがきにもあるように、萩尾望都先生のポーが下敷きにあるのは間違いないのですが、模倣の耽美ワールドだけではく、独特のヌケ感のある雲はるワールドに落とし込んでいるバランス感覚が最高です。愛しいなぁ、そして切ないなぁ。
どのカップルも、どのエピソードもかわいくて(オッサンもね)、ギュッと抱きしめたくなります。
普段、電子書籍化を待ってDLすることが多いのですが、紙版で早々と買って正解でした。大好きです。
※巻末に"アレ"の続きが読めるかも!? ってちょっと書いてあったのも嬉しいニュースでした♡
雲田さんの久々のBLという事で発売を楽しみに待っていました。
表紙が麗しいです。雲田作品はどちらかというと可愛らしい表紙のものが多い気がしますが、この作品の表紙はちょっとアダルティな感じ。タイトル、そして表紙の「薔薇」。雲田さん作品の表紙は薔薇をモチーフにしたものが多いな、お好きなのかな、と思いつつ。
という事で内容を。ネタバレ含んでいます。ご注意を。
表題作含む4つのお話が収録された短編集。
表題作『ばらの森にいた頃』
主人公は陽。16歳の少年。
彼は食用ばら農家を営む政宗と暮らしています。
政宗は、実は吸血鬼(作中では「バンパネラ」という表現で描かれています)。
子どもの頃に政宗に引き取られて、以来一緒に暮らす二人。
実は陽は数百年前の、政宗の恋人の生まれ変わり。
今までも何回も生まれ変わっていますが、その時々で虫に生まれ変わったり、動物だったり、木だったりするらしいのですが、今は人間の形をしている陽。
陽は、大人になったら政宗と同じバンパネラにしてほしいと昔から頼んでいるのですが…。
というお話。
どんな姿に生まれ変わっても必ず陽を見つけ出す政宗。
そして、どんな姿であろうと変わらぬ愛をささげる政宗。
そんな政宗が陽に秘密にしていたのは…。
陽も、政宗も、どちらも相手を想うばかりにおこした行動が切なかった。
さほど長い話ではないのですが、この短さでこれだけの作品を作り上げられるのは、さすがといった感じの神作品でした。
『モンテカルロの雨』
主人公は鳴かず飛ばずの売れない俳優・レン。
もういい年のおっさんの彼ですが、人気俳優のジャンの相手役として抜擢されて。
親を探しに地中海まで赴く、という設定で役を受けたはずなのに、それが男の恋人を探しに来た、という設定に代わっていて…。
という、ん?なんかリアルでそんな映画あったなあ、とちょびっと思ったりもしましたが、そこから紡ぎ出されるジャンとレンの二人の気持ちの変遷が素晴らしかった。
ジャンがなぜオッサンのレンを抜擢したのか、とか、舞台がモンテカルロ、という設定が細やかに生かされていました。最後のオチも非常に心憎い。
『ヨシキとタクミ』
対立する二つのヤンキーグループで、それぞれ最凶と言われるヨシキとタクミの二人。
顔を合わせれば喧嘩ばかりの二人ですが、実はヨシキはタクミの実家が経営する銭湯の常連さんで…。
というお話。
裸の付き合いから、少しずつ距離を近づけ恋していく彼らが可愛いです。
いつも思うんですが、雲田さんておいくつなんでしょうね。
設定がさ…、ちょっと昭和のかほりがするというか…。
いや、それも雲田さんの味ではあるんですけどね。
『Be here to love me』
これ、アンソロ『ダメBLアンソロジー』に収録されていたお話でした。既読作品ですが、このお話すっごく好きなんです。
主人公はリーマンの「先輩」。作中では名前は出てきません。
彼視点で話は進みます。
先輩は彼女に振られ、職場の人との飲み会で飲みすぎ終電を逃してしまったことで、同僚で仕事仲間でもある町田くんの家に泊まらせてもらう事に。
そこで彼が見たのは、彼がこよなく愛する「うらえり」という人物が時々アップしているブログで見かけるバスルームに、ハイヒール。実は町田くんが「うらえり」で…。
というお話。
男なのにやわらかい肌質に無毛な体質を持つ町田くん。
脚フェチで、うらえりたん=町田くんの足をこよなく愛している先輩。
彼らの行く末は…?
町田くんのそうとは見えない腹黒さがとってもツボな作品でした。
雲田さんの書かれたあとがきによると2011年から2016年にかけて書き溜めた短編だそうな。
どの作品も短編とは思えない充実した内容の作品ばかりで読みごたえがありました。
雲田さんの描く男同士の濡れ場って久々に見た気がしましたが、なんかエロいんだよなあ…。
体つき?表情?う~ん、なんだろ。雲田さん独特の空気感があってとっても好きです。
とっても満足な、神作品でした。
maruchanさま
こんにちは。
そうですね、私も雲田先生ってすごくお若い先生なんじゃないかと思っているのです。
あの昭和感というかレトロ感。雲田先生の独特な絵柄と世界観と相まって、とっても素敵な空気を感じる作品が多くてとても好きなんです。
>取り入れたモノの消化・昇華の仕方がいつも素晴らしいですよね。
そうですね、まったく同感です☆
コメント、ありがとうございました!
雲田さんの年齢、気になりますよね。個人的には30代前半、だけど70年代のコミックや文化が大好きで読み込んでいる方ではないかと想像しています。ま、公表なさっていませんので、勝手に想像するだけですけど。
取り入れたモノの消化・昇華の仕方がいつも素晴らしいですよね。