かつては美少年、その後はポルノスター。

新宿ラッキーホール

shinjuku lucky hole

新宿ラッキーホール
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神227
  • 萌×284
  • 萌46
  • 中立23
  • しゅみじゃない29

--

レビュー数
67
得点
1632
評価数
409
平均
4.1 / 5
神率
55.5%
著者
雲田はるこ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784396783211

あらすじ

数日もすると苦味は、逃げようともしなくなった。

ゲイビデオに売られるため、
仕込みヤクザ・サクマと同居し同性とのセックスを
覚えさせられた桧山苦味。
やがてポルノスターとなった苦味は
サクマをヤクザ生活から抜け出させたいと思うようになるがーーー?

大人のままならない十数年間を描いた連作ラブストーリー、
後日談「Lucky Boy」を17P描き下ろし!

表題作新宿ラッキーホール

元ポルノスターAV会社社長 桧山苦味・33歳
元シコミヤクザAV会社の副社長 サクマ・40歳

同時収録作品唇は苦い味

元ポルノスターAV会社社長 桧山苦味・33歳
カタギリ(ゲイビにスカウトされた青年)

同時収録作品約束は一度だけ

佐久間 元ヤクザ ゲイビのスカウト
竜(目白組・組長の息子、高校生)

同時収録作品ハートに火をつけて

レニ ゲイビ男優
斎木 ゲイビ製作会社社員

その他の収録作品

  • 陽当たりの悪い部屋 前・後編
  • 描き下ろし Lucky boy
  • あとがき

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数67

まさにラッキーホール

ラッキーホールは、クミとサクマが経営するゲイビ会社の名前。
でもそれだけでなく、本書の構成自体がラッキーホールを連想させます。

※ラッキーホールとは、ベニヤ板を隔て
互いの顔が見えない状態で関係する昭和の風俗サービス。


序盤の現在編。
クミ、サクマがそれぞれ別の相手とセックスします。
借金、報われない片想い等の事情を抱える若者達を抱く二人。
悪人ではなさそうですが、詳しい人物像や、二者間の関係はハッキリしない。
身体は見えても「顔」はよく見えない二人の描き方が
ラッキーホールを連想させるのです。

ガラリと空気が変わる過去編。
現在編ではずっと「攻」だった二人が、ここで「受」に転じます。
生きる意味を与えてくれたサクマを慕い、守ろうとするクミ。
クミに抱かれることで、「男に抱かれたい」本来の願望にやっと正直になれるサクマ。
これがきっと二人の素の、互いにしか見せない「顔」なのでしょう。
リバが、萌えるだけでなく二人の強い絆をも物語っており、とても感動的です。

で、再び現在。
「死にたぁーい」と冗談のように言うクミに、
昔サクマに「俺が生かしてやる」と抱きしめられた姿が重なる。
「お前のそのカオ ダーイスキ」と笑うサクマに、屈折した愛情深さが見える。
両想いなのに、言葉ではそんな関係を茶化している二人が大好きですv

久々に「素」の顔を見せる現在の二人。
このままHシーンへ突入か!?と思いきや
ベニヤ板どころか自動扉に隔たれてしまった――!
幕引きまでとてもキレイな構成なのでしたw
おかげでこの二人のことが頭から離れず何度も読み返し、
その度に新たな発見があります(パーカー着回しに激萌!v)


先日ドラマCDを聞いて久々に原作を再読し、
その緻密な構成、さりげない心理描写の素晴らしさを実感。
やっぱり好きだな~…
これからも読み返すであろう大事な作品です。

18

愛し合うってこんなカタチもあるのね

レビューはたくさんあるので内容については今更?なので私はただの感想などを。
しかし…いや~今更ですよ~。今更なにを書けとw
発売日に買って今頃書いてなかったことに気がつき、自分にびっくり!

とにかくこの作品「ゲイビ男優」のかたのイメージと「ヤクザ」のイメージが自分の中では近かったお話で、そういう違和感を感じずに読めた作品でした。
苦味もサクマも他のキャラクターも全部キャラ立ちが良かったです。

苦味とサクマの出会い、
苦味は嫌なこと(ゲイビ男優)も受け入れなければならない状況だったこと、
でもサクマは苦味の世話役の全てを引き受けることで苦味を守っていたこと、
苦味はそんなサクマを守りたくてヤクザの親分のところに金を持っていったこと、
全部、全部つながってて、一コマたりとも無駄がないです。
よく練られた内容だなぁと思います。

どんな環境にあっても守るべきものを見失なわない苦味とサクマの強さが良かったです。
どうしたって生きていくしかない。
でも人間生きてればなんとかなる。
そして守るべきものがあったらもっと強く生きれると思う。

苦味もサクマも他人との絡みがありますが、白黒つけられない愛情表現が彼ららしくもあり、この世界に生きる人たちらしいケジメの付け方でもあるなと思いました。

そして苦味とサクマさんのリバーーーシボーが素敵です♪
サクマさんが「くっそ後で覚えてろテメエ」とキレてる顔とか、
そのあとの挿入されて「あっ…いい」って言ってるサクマさんがたまらんっ!!
さらにその後の苦味に対してのありがとう&プロポーズ(?)が…
はぁ~萌えたわ~。

13

東京

いよいよ、雑誌onBLUEの雑誌連載分からコミックスが発刊されましたね♪
ここでのくもはるさんの掲載は非常に大人度の高いエロチックな甘苦い作品でした。
(リバも3Pもあるので苦手な方注意してね)
実は、この連載を読んでいる時自分の頭の中には桑田●祐の「東京」のメロディーがずっと流れていたのです。
別に雨降りってわけじゃないんですが、メロディーラインがイメージなんです。
元ゲイポルノスターの苦味と、元仕込みヤクザのサクマ
社長と副社長との関係でもあり、実は恋人同士でもある(しかもかなり大人な)
一件チャラけてる軽い雰囲気を出す苦味に、実はすさまじい執着を示しているのはサクマ。
その苦味もサクマを手玉に取るようにしながらも垣間見える執着。
この単行本の題名は彼等の会社の社名と場所。
人の生きざまと、出会いと愛が、人生縮図のように見えます。

最初の話は、借金を抱えた男がサクマにスカウトされて苦味の元にやってくる。
そこで初めて男性を知って、苦味に恋をしてしまい、しかも救われるという、いちエピソード。
次はサクマの話で、いつものように街でスカウトをした青年が実は以前いた組の息子であり、サクマに焦がれていた。
やんちゃな生活をしている割にヤクザになる度強もなく、サクマの元に逃げ込み、彼に抱いてもらうことで覚悟を決めるという話。
・・・この2本の中では二人はタチです・・・

3本目の話は、会社の従業員・斉木の話。
彼がこの会社に入ったのは、苦味のファンだったから。
ある日、俳優がドタキャンをして代打に苦味が出ることになると、誘われて斉木も出ることになる。
念願が叶う斉木だが、彼の表情を見てサクマは斉木をクビにしてしまう。
・・・ここではっきりと見えてくるサクマと苦味の関係と執着・・・

そして『陽当たりの悪い部屋』において彼等の出会いが綴られるのです。
会社社長の息子の苦味は借金のカタに連れて来られ、ゲイビで稼がせるために、仕込み担当のサクマの元に送り込まれるのです。
そこで二人で生活し、毎日セックスをするうちに、芽生える苦味のサクマへの依存にも似た恋情。またサクマも。
しかし、組長は苦味を殺せとサクマに命じるのです。
彼等が一緒に入る為の建前を苦味はつくったのです。
そして、それにサクマが乗った。
サクマには落とし前を付けた為に小指がありません。

好きだからセックスするという姿勢より、セックスにより生まれる愛情というものが若干優位に立つ全体の傾向だと思われます。

怖い顔、かわいい顔、お茶目な顔、色っぽい顔、誘う顔、泣く顔、色々な表情が感情とともにとても魅せる作品です。
サクマの若い頃、、、実はバナ○マンの設楽に似ていると思ったのは自分だけでしょうかwww
大人なくもはる作品、表紙も素敵です、全部素敵です!!

12

スローにじわじわ味わいを増す人間ドラマ

ポスター風のレトロな表紙に惹かれて購入。
ゲイビデオの男優・苦味(くみ)と、苦味の恋人かつビジネスパートナー(営業担当?)のサクマの関係を、15年という長いスパンで追った短編集です。
片方がもう片方に性風俗の仕事をさせる関係って、いつかは憎しみ合いに堕ちてしまいそうですよね。サクマが苦味とセックスしないのは、そうならないための、愛情ゆえのけじめ?という気がするのですが、作品の中でサクマは言葉では何も説明しない男として描かれてるため、その辺はよく分かりません。
もっとも、どんな事情があろうとサクマが恋人に体を売らせてることには変わりないし、この関係をどんな言葉で説明してもそれは言い訳にしか聞こえないわけですが…
ただ、サクマが何も説明しなくても、そういう矛盾だらけの関係ならではの難しさを二人がどんな風にかわし、どんなふうに15年を乗りきってきたかがちゃんと読者にも感じ取れる仕掛けになってる。そこがこの作品のスゴいところだと思います。

斉木-レニのカプや、かつてサクマが仕えてた暴力団組長の息子でゲイのリュウ、世間知らずのポルノ男優志望者・カタギリ等々、脇キャラもそれぞれ魅力的。そんな脇キャラとの人間関係を通して、主役カプ二人の人物像・生きざまが多面的に映し出されてく感じがまたイイ。
単にカプ二人の閉じた関係を描くだけでは出せないキャラの立体感が加わって、サクマも苦味も血の通った人間の生臭さがにおうというか…特にサクマは。

ラストの「オマケマンガ Lucky boy」で、出会って15年を迎えた二人がささやかながらハレの日を過ごす顛末にはうるっと来ました。或る意味ハネムーンにも相当する一夜、15年の紆余曲折を乗り越えた二人だからこその重みがあって…
「幸せな15年後を見せてくれてありがとう」と言いたくなるような、ステキなラストでした。

ここが泣きどころ!っていうキメのシーンで一挙にグッとくるんじゃなく、全部読み終わってからやっと各パーツのつながりが見えてきて、ストーリーに血が通い始める感じ…そのじわじわ感がすごく心地いい。
結構複雑な心理を描きつつ、軽妙なテイストを崩さないあたりもさすがですね。
勿論BLメインなんですが、BLという枠にはめず、人間ドラマとしても楽しめるクオリティーの作品だと思います。普段BLを読まない人にも勧めたいですね。

12

こんな愛のカタチ

雑誌掲載時、『陽当たりの悪い部屋 前篇』を読んで、
コミックスになったら買おう!と決めていました♪

これ(↑)から読んだ為に、
コミックス開いたら「えぇ!?苦味がこんなにスレてんの!?」と
衝撃的でしたw
紆余曲折あったようので、仕方ないんですけども。

雲田さんの他のコミックスも読んでみましたが、
ダントツで『新宿ラッキーホール』が大好きです!!!!

お互いが、「お前でなくちゃダメなんだ!」という
純愛路線しか許せない!という方にはオススメ出来ませんが、
色々あっても、そこには絶対的な愛があるならよし、という
大人の方にはたまらないものがあると思います!
甘いだけじゃない、複雑な感情が入り組んだ素晴らしい作品です。

お金を引き合いに出しても、それはただの口実で
苦味を愛しているのは紛れもない事実で。
一方、サクマの愛を諦めていた苦味は
結局サクマの手のうちで転がされて、
それがまんざらでもない、みたいな。

他人には理解されない間柄でも、
二人が良ければそれでいいんですね。

思いがけず、苦味との男初体験をしてしまった真面目な片桐くん、
サクマが抜けた組の組長の息子(初恋相手はサクマ)・竜、
この二人が一体どうなったのかも気になりました。

ハーフだけど関西弁のレ二くん×苦味オタクの斎木くんも
応援したくなるカプでした!
失恋してしまった斎木くんは可哀想だったけど、
レ二くんがきっとでろでろに愛してくれる事でしょう。

描き下ろしの『オマケマンガ Lucky boy』、
酸いも甘いも噛み分けた二人のH、
ものすごく読みたかったんですがー!!!
もちろん挿れて挿れられちゃって、でしょうね!?
ハイ、妄想で補いたいと思いますが
様々な小ネタがあったようなので
是非漫画で読みたいです…。大好きなんだよー!!

…しかし、どうしても「苦味」を
「くみ」では無く「にがみ」と読んでしまう私でした…。



9

乙女視点のサクマの気持ち

別にアイツ以外とだってセックスくらいできる
性欲はあるんだし、金のため、生きるため、気を引くため
自分の存在意義の確認・・・
そもそもセックスするのに今さら別に理由なんて必要じゃない
俺だけじゃねぇ、アイツもそうだろう

でも
これも知ってる
好きな人とのキスがいいもんだって
俺はアイツとしかもう本気になれないって

ただ、素直にそう言えるぼど若くねぇし
まぁ、柄じゃねぇ
チラつく拭えない過去もあるし
ここで生きていくしか道がねぇ

でもまあ、もっとちょっと年をくったら
アイツとこんな会話をするかもしれない

「 そういえば俺 最近 お前以外とやってないわ 」
「 オレもー ポルノスターのコカンに関るねー 」

その時 俺はどんな気持ちになるんだろう



乙女視点で再読してみましたら、サクマがこんな風に思っているような気がしました。

過去と自分の置かれた環境により、本心や弱味を晒したくないサクマと
半分あきらめつつも結局はそのサクマに愛れたい苦味との恋のはなし。

そんな単純じゃないかなぁという思いと
結局は単純な気持ちなんじゃないかなぁという思いが、わたしの中で交錯してます。

※こちらは乙女(外身はオバサンだが)の妄想がはいっております。
正確な内容をお知りになりたい方は、ぜひ他のレビューを御覧ください。

9

小指をなめて愛して

たまに、何だかすぐにレビューが出来ないなぁ、と思う時がある。
何度読んでも心に引っかからない作品で、ストーリーもすぐうろ覚えになる。
又は、何度も読む位大好きなのに、うまく言葉を繋げられない作品に巡り合う。
私にとってのこちらは、後者に該当する作品になりました。
買ってすぐに読んで、何度も読み返しては雲田さんの魅力に嵌っていくのに、言葉を綴ろうとするとうーん、となるのです。


『小さい頃、少し古い歯医者さんや小児病院で読んだ事があるような漫画』のタッチだなぁ、と思ったのが第一印象でした。
懐かしい雰囲気が漂い、なのに今っぽい。
特に尖った唇は私の大好物です。可愛過ぎます。

私にとっての、初・雲田はるこさん。
BL漫画を読み始めて割とすぐ位にこちらが発売されて、気になるけど表紙にテレが生じて先延ばしに。
ええい!という気持ちで購入し、読んで良かったーと思って本棚にしまおうとすると、背表紙もエライ事になってるじゃありませんか、クミちゃんっ。
(自作ブックカバーで誤魔化しです)
ある意味抜け目ナイです…さすが。


元々サクマは、男に抱かれたい男なのだ。
それを、元は愛した組長に自身の気持ちを簡単に利用されたとは言え、ゲイビデオに出演させる為に、持ってこられた男を開発する。
その為には自分が突っ込まなくちゃならない。
歪んだ感情から、徐々にそれへの苦痛が無くなっていったのではないだろうか。
金の為だ、俺を悪く思うな、そもそもお前が悪いんだ、可哀相にお前もな、なんて。
ヤクザの道から足は洗えない、けど組長には愛されない。
自分を拒否した男はトップな訳で、どうしても抗えない現実。
そしてそこから、サクマの感情は屈折していく。

クミは、親のせいで人生が滅茶苦茶になった。
出来損ないの親父のせいで会社が傾いたから、自分が立て直そうと決めていた。
高校卒業したらすぐ跡を継ぐんだ、そして親父を楽にさせてやろう。
親思いの美少年は、美少年であるが故、親父の死後に人生を狂わされた。
元々ゲイだった訳じゃない子供が「自分は売られるのだ」と知る。
無理矢理突っ込まれた筈が徐々に開発され、目の前の男へ向ける感情が愛なのかと錯覚する。


先に堕ちたのはサクマ。
純粋な気持ちで縋ったのはクミ。
鬱憤を晴らすかのような態度のクミ、そして請うサクマ。
形勢逆転。
恋人なんて甘い響きは似合わない男同士。
サクマには死ぬまで頭が上がらないクミだけれど、最初から守ってくれてるのはサクマの方。
誰が何て言おうと、他の人には一生分からない、2人だけの愛情がそこにあると思います。


そしてレニくんと斎木くん!
この2人は天使、クミが天使なんて嘘嘘、この2人が天使です(笑)
レニくんはハーフの男前だし、斎木くんはあの泣き顔が本当激モエ。
「辛すぎてしにそう、レニ、どうしよう俺」なんて可愛過ぎて!辛すぎるサマが全く頭に入って来ない(笑)


又このシリーズで、クミがポルノスター全盛期だった頃のお話とか、近場でくっついたレニと斎木くんのモエモエ話とか、サクマさんが(色んな意味で)受けまくってる話とか読んでみたいです。

9

魔性の男

雲田はるこさんは「愛しの猫っ毛」から入ったのですが、これはまたぜんぜん違う作風ですね。えろいしえぐい。貞操観念薄いかんじします。

構成がまたいいですね。苦味が引退して社長になってる時点のオムニバスが数本、そのなかにサクマと苦味の関係がにおわされていて、え、なんなのこのふたりどういう関係!?ってワクワクしてるところで、最後にサクマと苦味の出会いのお話「陽当たりの悪い部屋」がきてます。
わたしは立ち読み小冊子で「陽当たりの悪い部屋」の冒頭読んじゃったし、あらすじもそこが取り上げられてるんですが、サクマと苦味についてまったく前情報なしで読んだらまたちがった印象だったでしょうね。もし人に勧めるならまっさらな状態で読めって言うと思います。

で、特筆すべきはやっぱり苦味の魔性の男っぷりですよ!まず顔が美しい。淫乱であけすけで、裏社会に染まっていて、だけどどっかお人好し。シリアスな場面の憂い顔と、コメディタッチな場面のオヤジっぷりのギャップがたまらない。とかこんな言葉でいい尽くせないほどふしぎな魅力のある人物です。
そんな苦味をサクマは「アレは人間を狂わせる」と評していますが、実際狂わされちゃったのはほかでもない自分なんでしょう。サクマの苦味に対する思いの変遷はさりげなくって、だけど心に迫ります。

サクマも苦味も不特定多数の男と関係を持つ貞操観念のうっすい人間ですが、結局狂おしいくらいに思ってるのはお互いなんだなってことが言外に説明されていて、それがもうくっそ萌えます。書き方は決して甘甘と呼ばれる類のものではないんだけど、なぜか甘美です。

ああもうすごく好きです。

8

今風なのにレトロ。重たいのにふわん。

この表紙の感じ…なぜか「ガロ」や「ビックリハウス」を思い出して懐かしくて泣きそうに。「さぶ」や「薔薇族」を意識なさっているのかなきっと。いずれにしても80年代風味です。
雲田さんの作品の不思議な魅力は、すごく今風なのにどうしてこうも昭和の香りが漂うんだろうかってとこなのです。

一話目は、人の良い世間知らずのサラリーマンが、ひとつ曲がる路地を間違えて、来てはいけない世界に迷い込んだ的なお話だったもんで、てっきり裏社会で暮らす人達の短編集かなと思ったのですが、一冊まるごとゲイビデオ制作会社のお話でした。

主人公は苦い味と書いてクミさん。
ラッキーホールというゲイビデオ制作会社の社長でもあり、とうがたったゲイビデオの俳優でもあり。
若く美しかった当時、なぜそんな仕事をする羽目になったのか。
仕込んだサクマがどんなヤクザだったのか。
チャラそうで薄っぺらい感じを醸し出してるクミが、ふとしたときに見せる陰り。
クミを平然とビデオに出演させるくせに、クミがほかの誰かとするセックスに愛が絡むのは許さない。
かといって二人は恋人同士ってわけでもなさそうなんだけど、と読み進むうちに、出会ってからの15年の間になにがあったかをじわじわと教えてもらうことで、二人の精神的な繋がりが見えてきます。
セックスを生業としてるこの人達が、それを仕事と割りきってしまうドライなところと、そうではない感情の部分もあるところを見せたり、15年一緒に暮らしててもクミを恋人として扱わないサクマという男の複雑さがたまんなかったッス!

登場人物は、先のリーマン、ラッキーホールスタッフの斉木くんとレニくん(この二人すっごく可愛かった)、副社長のサクマ、組長と組長の息子…そんなもんです。少ない。なのに深みがあって面白い。
現在33歳のクミと40歳のサクマ、15年前まだ高校生だったクミと25歳でヤクザだったサクマ、10年前23歳と30歳の二人。
時系列順にして読み返すのもまた楽しかったです。

7

結構好きでしてよ

いとしの猫っ毛や窓辺の君よりもこっちのが好きです。
絵柄が昭和なので、こういう絵を見慣れた世代の人は逆にダメかもしれないパターンですね、古臭く感じて。
好きな人は好きなんだけど、駄目な人は駄目って感じで別れそうですね。
実際初期作品から絵で評価が別れてますもんね。
内容っていうより絵で評価が別れるというのも面白いですね。

ちなみに内容に関しては、
私みたいに薄汚れた大人はこのくらいリアリティがあるほうが納得するという感じでした。
リアルゲイの人ってこんな感じですよね。ウリやってる人たちとか。割と現実に近い雰囲気出てます。ポルノスターとか言わないけど(笑)
ダーリンの前で他の男とやっちゃうのとか、よくゲイビでありますよね。
この作品もそういうノリがありましたけど、これは一途好きの人にはキッツいので、あまりお勧めできないかも・・・。

そしてリバもありますので、これも要注意。私は全然大丈夫でした。
あれー自分がリバいけるの初めて知ったーwww
昔は苦手だったんですけど、なんでしょうか。こちらの作品のリバは全く問題なく感じました。

しかし夢見る少女にはキツイ作品であります。
夢見る少女じゃいられない子は是非読んで下さい。

7

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