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表題作ロマンティック上等

次継
β,会社員
Ω,派遣社員,受付業務

同時収録作品ロマンティック上等

千賀 駅人
α,会社取締役CEO
Ω,派遣社員,受付業務

その他の収録作品

  • 楽しい2年後
  • 芽生えの11年後
  • あとがき

あらすじ

王子様の条件は、高収入・高学歴・超美形
夢見るビッチのハッピーライフ計画

派遣社員の計(けい)は、まだ見ぬハイスペックな恋人を求めて
自分磨きに余念がない。
絶対に残業はしないし、仕事もテキトーにこなして、定時過ぎたら料理教室に直行。
運命の人をオトす手管を極めるキラキラタイム☆
しかし、そんな計には、幼なじみでセフレの次継(つぎつぐ)がいる。
たかぶる身体の熱を収めるため、次継の優しさに甘えてセックスに没頭する日々。

ある日、合コンで理想通りの超絶イケメンエリート・駅人(えきひと)と出会う。
ついに念願の相手と出会えたかと思いきや、駅人は複数の恋人を囲ってハーレムを作るような
人を見下した奴だった。

地位か? それとも愛か?
先の読めないトライアングル・ラブ

『オメガバースプロジェクト』の話題作、ついにコミックス化!

作品情報

作品名
ロマンティック上等
著者
森世 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS THE OMEGAVERSE PROJECT COMICS
発売日
ISBN
9784865890839
4.1

(528)

(292)

萌々

(120)

(65)

中立

(26)

趣味じゃない

(25)

レビュー数
61
得点
2161
評価数
528
平均
4.1 / 5
神率
55.3%

レビュー投稿数61

純愛上等!!

森世さん意欲作のオメガバース作品。
コミックス化をとても楽しみにしていました。

素敵なαの番を見つけて幸せになりたいと願うΩの計が、
Ωならではの苦痛や悲しみを乗り越えて
たったひとりの愛する人と幸せを掴むまでのお話です。

仕事はそこそこ、最高のα探しと花嫁修業に余念がない、
したたかに見せかけて実は一途なΩの計は
祖母や母親と同じように、特効薬が効かないΩとして苦労していること、
周りからΩというだけで白い目で見られること等、
明け透けにしていない苦痛を背負っていて。
そんな計が唯一心も体も任せられる相手がβの幼なじみ次継です。

次継は、これまでの森世作品の中でも異例と言えるフツメンの攻め。
序盤こそ、彼の存在感に物足りなさを感じましたが
回想や、ふとした時の計への優しさ、そして切なさを垣間見る度に
好感度はうなぎ上りにup、最終的に次継カッコいい!になりました(笑)

次継が計を誰よりも大切に想っていることは一目瞭然だし、
計の次継への想いも、語られるモノローグや、
次継の優しさに触れた時の表情から読み取れるように
早い段階で確定しています。

普通だったら、想いの通い合った者同士のはずなのだけれど
ここで悲劇性を発揮するのがオメガバースの面白いところ。
Ωの番はαしかなれないこと。
βである次継は、どんなにあがいても計の番にはなれない―

そこで投入されるα・駅人の存在もエッジが効いていてイイ!
駅人は、これぞ森世さん流クズ攻め!と高揚する程のクズっぷりで、
エリートのαとして、自分が人の上に立つことがさも当然、
αとΩは主従関係、βは蚊帳の外、と言い切ってしまう横暴タイプ。
普段はカラッとしているのだけど
発情期の計を前にした駅人の狂気には、すごく見入るものを感じました。

見応えと言う意味での一番のシーンは
αと番になってしまった計と次継の終盤のセックスシーンだと思います。
心は次継のものなのに、体が拒否反応を起こしてしまう描写は
辛い・悲しい・切ないで、目を背けたくなりますが
そんな中で、いつものように優しく次継になでてもらっているときが
”一番しあわせ”だと計が語るシーンは、熱い涙を誘います。
酷く辛いのに、とても愛情に満ちた描写で、
森世さんの力量をまざまざと思い知らされました。

”幸せになりたい”とずっと願ってきた計が
”次継を幸せにする”と笑顔で宣言するラストシーンがとても素敵。
計の笑顔が愛に溢れていて、ふたりがすごく幸せそうで
読み手もこれまでにない多幸感で満たされるはずです。

描き下ろしのふたりのイチャラブは必見♡だし、
ふたりの子供世代の小話、こちらは是非続きを読んでみたいです。
あと、”もしも設定”のカバー下漫画もお見逃しなく♪

どこもかしこも見どころ満載の森世さんのオメガバース作品、
隅から隅までたっぷり堪能させて頂きました。
評価は、ふたりの純愛上等!!の心意気と
駅人のクズエリートっぷりを加味しても余りある”神”評価、です!

22

さぁ愛は性欲に勝てるのか

正直こういった特殊設定に手を出すのはめんどうだなと思っていたところがあります。"オメガバース・プロジェクト" がどんなものなのか、読んでいない私にもなんとなくわかるぐらいには各所で知識も増えたので、同じような方も多いかもしれませんね。私の場合、あの "α・β・Ω" などというマークが邪魔だなぁと思っていたし、設定を理解しきらないと入れない世界に違いないと思っていたのですが、読んでみたところ案外すっきり、楽しめました。あ、でも今後この設定の本をじゃんじゃん読みたいかと問われれたら、うーん...どうだろう、という感じではあることも確か。お腹が大きくなったりするのがあるとしたら、そういうのはちょっと見たくないかなぁ。

それにしても、ジャケットはさすがFUSION PRODUCT!こちら、実物はネオンサーモンピンクのような色で、タイトルのブルーはメタリック系。靴と瞳はホログラム感漂っています。あと、私が興味津々だったのは参考文献。その中に「ミツバチの特徴的行動」という文献が載っていたのですが、これはどの部分に活かされたのだろうか。気になる気になる!(※追記)始めのオメガバースの説明で、蜂の絵が載っていました。女王蜂が発する階級分化フェロモンによって卵巣の成熟を抑えられた雌蜂たちは、「働き蜂」として女王蜂に仕えるのだそうです。これは聞いたことがあります。すごいなぁ。

この表紙の計くんはまぁビッチではあるけれど、たとえば女子っぽいねとか言われる女性よりもずっと、女の心を持つ子だと感じました。駅人は現実の世界では存在してはならないような権力任せのクズ野郎で、だけどこの世界ではしかたないのだろうなーと、ものすごく客観的にみられます。Hシーンになるとその豹変ぶりにびっくり、この描写が流石で、恐怖感ではなく冬草さんがレビューで書かれているとおりザ・"狂気"なのです。「これこそがオメガバースなのだ!」と見入ってしまうほど。そしてなにより、計くんの幼なじみで唯一信頼し続けるパートナー的存在・次継があの人柄や性格をもたなければ、まったくロマンティックにはならなかったであろうこのストーリー。次継が最後までいい男だったし、この名前もすごくよかった。だって、Hシーンのときに「つぎつぐう…っ」って言うんですよ、この響き◎でした。幼少期のふたりも、とってもかわいかった♡

第三者がいない段階で、心では愛し合ってるのにこんなにももどかしいのは、この世界ならではのものだなぁという感じでした。そこにクズの横暴さをうまく入れての表現力、そして全体的に森世パワーにやられてしまった。それでも、抑えきれない性欲にも、地位にも、どんなに楽な暮らしにも愛は勝つ。一番辛いときにそばにいてくれる人こそパートナー。特殊設定のなかにあってもちゃんと「愛こそすべて」にたどり着くのがとてもよかったです。なにより楽しみながら読めたので、初めて読むオメガバース作品がこの本でよかったと思っています。今作では出産の前後などが省かれているのも、個人的にはフラットに読み切れた要因だと思います。絵も大好きだし!勢いで神評価!作者の次回作が楽しみでしかたありません。

ちなみに、この設定を無視して頭の中で通常の世界に置き換えて読むことができないか試したのですが、そりゃーそうだよね、やっぱりできませんでしたよ(笑)。

20

冬草

詩雪さん
こんばんは:)
こちらの作品の詩雪さんのレビューが読めて、とっても嬉しいです!
(思わずコメントしてしまうくらい笑)

確かに、『今後この設定の本をじゃんじゃん読みたいかと問われたら』、うーん...となってしまいますね。

わたしは、こちらの作品以外でいくつかオメガバース設定のお話を読みましたが、この世界観ならではの切なさがすごく好きだと思う反面、それ以外で強烈に魅かれるところは少な目でした。流行病のように、簡単にありふれてほしくはない世界のような気がします。

ただ今作に関しては、森世さん圧巻の表現力に完全にノックアウトされてしまいました。森世さん、本当に凄いです!
この作品を越えるオメガバース作品が現れるのか、ちょっと楽しみに(遠巻きに)見守りたいと思います。

作品は良かった!オメガバースが面白いかは微妙。

デビューコミックスの「みっともない恋」がハマったので、この方の作品ならオメガバースの世界を初体験するのにいいかもと思って買ってみました。
で、読み終わった感想を率直に言うと…タイトルの通りですかねー。
そもそもこの設定自体、男尊女卑や格差社会などの差別意識を社会風刺的に反映しているので、そういうものに対して敏感だと容赦なく描かれる差別の世界に苛立ちの方が先立つんですよね。
ですが、その特殊設定を存分に活かしたうえでいかんなく発揮された森世節は素晴らしかった!
クソったれな世の中に反旗を翻すかの如く貫かれる純愛はまさに「ロマンティック上等!」です。
2冊目にしてすっかり森世ワールドの虜になりました。

冒頭のみっちり書かれた説明ページを読みたくない人のためにさらっと書き出すと、
─────
・性別ではなく、α、β、Ωで身体的に分類される世界で、適齢期の個体なら誰もが妊娠可能

〈身体的な設定〉
・Ωには毎月必ず発情期(約1週間)があり、発情中はαを惹き付けるフェロモンが出る
・αには発情期中のΩに近付くことで起こる突発的な発情期があり、発情したαは理性が飛び暴力的になってしまう傾向がある
・αとΩは、発情中にαがΩの首筋に噛みつくことで“番(つがい)”になれる
・一度成立した番は解消出来ない
・番の出来たΩは、発情期に番以外とセックスしようとすると目眩や嘔吐等を引き起こす(αにはそういったことは起こらない)
・βには発情期もなければ番システムもない、Ωのフェロモンに対しても理性で制御可能

〈社会的な設定〉
・αはβ、Ωよりも優れた存在と考えられており、社会的成功を手にしやすい
・βは努力次第でαと並ぶことも出来るが、基本的にはαに雇用される側
・Ωはα、βよりも劣る存在と考えられており、就職も難しい。故にハイスペックなαを掴まえることで一発逆転を狙うΩも多い。
─────

要するに“番”っていうのは、αが勝ち組の世界で、負け組Ωに与えられた敗者復活制度みたいなもんなんですけど、Ωが番を一人しか持てないのに対してαは何人も持てる時点で、結局それすらも諸刃の剣なんですよね。
この辺まで含めてなんとも風刺が効いています。

では、Ωが幸せを掴むためにはどんな生き方があるのか──

Ωの〔計〕を主役に、α〔駅人〕、β〔次継〕のトライアングルラブを通して描かれる森世流アンサーは皮肉もしっかり効いた展開と結末で、スカッとする読後感でした。
生まれながらに強者である駅人のクズ的思考もさることながら、発情期のΩを前に理性を失ったαの鬼畜っぷりはまさに鬼畜でしたし、発情期のΩとのセックスでのみ得られる特別な快感に溺れるその目はまるでジャンキーのよう。
駅人の清々しいクズキャラっぷりは引きますけど、人間の愚かさを絵に描いたようなヤツなんで、私は嫌いじゃないですね~
自分がαだったらこうなる可能性が絶対にないとは言い切れませんし。
その一方で、快楽の伴わないセックスで必死に愛し合おうとする計と次継の相思相愛なさまはズドンと胸にくるものがあります。
愛する人との生殖行為に不快感しかなくても、子をもうけるためになら我慢出来るか?というところまで問い掛けられた気がしました。
ラストの計ちゃんの台詞がバカみたいにカッコ良かった!!!

カバー下のもしも漫画も良いです。
もしも計がαだったら?もしも駅人がΩだったら?って話なんですけど、どっちも違和感なくて笑っちゃう。
優劣なんて気にせず前向きに生きたもん勝ちって感じですね。

1作品としてはとても面白かったので、評価は迷いなく「神」。
でもオメガバースに対する興味は特に沸き上がらなかったかな…
そこから生まれる悲劇性の白々しさが自分的には萎えでした。
ただ、ふゅーじょんぷろだくととは対極にいるようなレーベル(ディアプラスとか)だったらどんなオメガバース作品を生み出すのか、ちょっと見てみたい気もします。

20

初めてのオメガバース

本を開くと最初にこの世界観についての説明書きがズラッと絵つきで説明されています。
オメガバースって何?な自分にとっては助かりますが、何分……字が小さく多い……のでザクッと見て飛ばしてしまいました!(すみません‼)

森世さんの絵が好きなので購入した本でしたが前回とはまたガラッと雰囲気の違う作品で中盤から最後までグズグズと泣いてしまいました。

正直、男性の妊娠や結婚に萌える属性もないのですがオメガの計とベータの次継の障害に萌えました!!
アルファだったらいいのに、と変えられることのない運命に嘆きながら次継とは違う自分だけのアルファを求める計が切なくて感涙しました。

噛みつかれた番のアルファ、駅人は理解しょうもない人でしたがそれを乗り越えて繋がる二人にはずっとこれからも幸せでいて欲しいと思えました。


書き下ろしでは、その後がありますが幸せそうな日常ですがやばり発情期は次継では無理なんですね……それが切ない。でもお互いにお互いを必要とし慈しむ姿が素敵でした。


読み終えてもオメガバース自体にやはり萌えはないなぁ、と思いましたがその設定をうまくいかした今作品は大好きです。男同士が好きなのは障害があって、それをどう乗り越えるか…なので今回は他作品と違った障害が新鮮でした。

最初の説明をきちんと読んでないのですが…きっとこの設定はBLなんかよりも障害が様々あり複雑かつ奥が深そうだなぁと思ったのでまた色んなパターンのものがあれば読みたいと思いました。

14

見落としあった旨を教えてもらったので修正

初オメガバース本。
β×Ω←α…って感じかな?
前からオメガバースって気にはなっていたんですが、特殊設定覚えるのも調べるのも面倒くさくて…←
なのですがやっぱり気になったので!

本編入る前にオメガバースについてのイラスト付き説明があったのでとても助かりました。
でもまー初心者なので何度か説明ページに戻ってみたりもしてましたが。

受けであるΩ・計は帯にあるようなビッチな印象は受けなかったです。
どちらかというと婚活を頑張っているあざとい女子。
男の前では良い顔してみせる!みたいな。
でも可愛さだけじゃなく、料理とかそういう家庭的なこともしっかり勉強して…好みの男を捕まえるために自分を磨く努力を欠かさない子。
もう…女子力ハンパない。
そして実はすっごい一途なんですよね…(´;ω;`)ブワッ

β・次継は普通に良い人です。
計のことを本当に大切に想ってる…。
土下座も辞さない覚悟です。

α・駅人はαらしく清々しいほどの傲慢さ。
正直、次継に土下座させたところは引いた…うっわ…的に。
でも逆に計の会社の常務のプライドへし折った時はスカッとしましたΣd(´∀`*)
番集めしてるとか何このクズ男(ノシ^ω^)ノシ☆バンバン!!って感じなんですが、本当にクズな男はやるだけやって自分が満足したら(・x・ノ)ノ⌒ポイッして後は知らんって感じのやつだと思うのです。
駅人は番全員の金銭的な面倒はしっかりと見るタイプ。
まープライドが許せないってのもあるんだろうけど。
それでもある意味責任感はあるよなーって思うのです。
…ただ発情期な計に半ば無理矢理番にした時の雰囲気怖かったけど。
一応それまでは計の意思を尊重しようとしてたし、多分Ω発情期フェロモンで理性ぶっ飛んでたんでしょうね。

同じく初めて発情期中にαと行為をした計も理性ぶっ飛んでました。
したくない、でもやめて欲しくない、違うやめて…ってわけわかんなくなっちゃって泣きながらの状態がもう…目を奪われました。

そんなこんなで駅人と番になってしまった後、大本命の次継との行為が痛々しかった。
心では次継のことが好きで好きで堪らないのに、解消不可能な番というシステムのせいで体が勝手に拒否反応を起こして嘔吐してしまったり…それでも尚、次継を求めるのが切なかった…。

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