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帝國の宦官(2) コミック

日野晶 

これで終わり、だと……!?

私も何だかんだ、商業で出ているのは全部読んでる宦官シリーズ。一通り描かれて、日野先生満足されちゃったんですかね。ひとまずこれで終わりだそうです。残念。

でも、宦官というとっつきにくい題材で、よくここまで描いてくださったなぁ、と思います。ファンタジーだと謙遜されていますが、なかなかどうして、宦官という存在をめぐる様々な葛藤が描き出されており、そういう存在がかつてこの地上に存在したんだよ、という裾野を広げる意味は、十分に持っているのではないかと思うのです。

しかしこの本、収録順にミスがあるのでは?表題作を優先させたい気持ちもわかるんですが、嫁取り話が後半に来ているので、そちらを読んだことないと、「夫夫」前提で話が進んでいることに途中で「???」となる方もいるのではないか……?

今回は一応「帝国の宦官2」ということで、右弦皇子殿下×雀(ビジャン)のカップルがメインですが、そこにビジャンの弟、パールシャーがガッツリ絡んできます。と言っても間男兄弟BL展開ではなく、日野先生ご自身が「ホームドラマになってしまった」とおっしゃっているような意味で。

……うん。確かにホームドラマ。電子版の「嵐を呼ぶ弟編」の表紙(単行本版口絵)からは、エロ展開以外の何を想像すれば良いのかわからないくらいなんですが、本人たちはまさかの番外編までエロなし(笑)。そしてその絵で思いっきりお尻めくられてるの、レギュラーキャラの宦官三人衆筆頭・張春だったのね……。初対面で陥没乳首つつかれるエンカウントからの、まさかのエロなしですよ(二度言う)。皇子殿下と兄貴は、バレたくないとか言いつつ遠慮なくやってるのにねぇ。

しかしこのパールシャーと張春、何というか、思ったよりいいキャラというか、いいカプでした。身内を宦官にされた事実を受け入れ難く感じて苦悩するパールシャーに、自らが宦官であることを納得しつつもどうしようもない歪みを抱える張春が、かつてパールシャーにかけられた言葉を返し、胸を張る。お互いを救える、この組み合わせじゃないといけないんだ、と思わせてくれる二人の物語って、やっぱりいいなと思いました。

ちなみにパールシャーは、デカい、力強い、言葉足りな目、距離近い、素直、狭いところが落ち着く、ときて、初対面の相手は匂いかいで確認するとか、なんか、全般的に挙動が動物的。こー、何というか、(そんなものは実在しないかもしれませんが)バカ犬のセントバーナードか土佐犬?みたいな?イメージです。「付き合ってる」と公言しながらも、やり方わからんから張春に手を出さなかったとか、意外とかわいいやつです。

張春はわりかし美人系の見た目ですが、宦官としての自分の欠落を埋めるため、屈強な男を組み敷いて喘がせるのが好き、という性癖持ち。このへん、妙なリアルさがあるなー、と思います。もちろんパールシャーにもそういう意味で迫ってみたわけですが、結果はお察し。相性いいみたいでよかったね(合掌)。

後半には「皇帝と宦官」の短編も入ってます。この時間軸では右弦と雀はどうしているのかしら。

しかしまあ、何が残念って、右弦泰藍話の登場人物粗方出てきたのに!麗琳いるのに!……文昌様の出番がないなんて。ヤンデレ皇帝一族の中では個人的に一押しだったんですが、最後に一目お姿が拝めず、なんとも無念。

猿と桃 コミック

ハジ 

熱烈希望、ハジ版西遊記。

ほとんどBLとしてじゃない感想です、スミマセン。

いやあの、前々からハジさんの作品は少年漫画的ノリの、漫画としての面白さがあるなぁ、と思っていたんですが。

本編も面白かったけど、本編終了後の天竺取経編(仮)がめっさ面白かったです。主に本編開始前に悟空が天界でやらかした諸々の埋め合わせのために引き受けたバイト=天竺まで経典取りに行く坊さんの護衛、というわけなんですが、その護衛対象が。

顔面刺青入りロック坊主玄奘三蔵。最高。

もう、最初に顔を合わせた時の悟空と桃矢の顔ときたら(笑)。そうよね、高僧が来ると聞いて、普通こんなん想像しないよね。でも実際、相当気合の入った坊主じゃないと、単独で密出国して生きては帰れん言われる砂漠突っ切ってインド行こうとは思わないだろうから、アレで正解だと思います。

道中男女問わない妖怪に食物的&性的に狙われて、何度捕まっても全くめげず(この辺は元ネタも同じだが、この人は悲愴感ゼロなところがマル)、悟空とともに妖怪から「これを私だと思って……」と謹呈されたゴールデンお◯んぽ(笑)をあっけらかんと売り払い、路銀稼げたありがたや〜と合掌しながら満面の笑み。おまけにその金で悟空と桃矢にいい部屋取ってくれるとか(でもその宿がまた妖怪ホテルで本人襲われてるとか・笑)。ブラザー三蔵、あんたサイコーだよ(笑)。

あーーーーーー、ハジ版西遊記、読みたい!これ絶対面白い!元々性欲過多気味の猪八戒とか、BL的にも美味しいキャラいるし!「西◯妖猿伝」とは言いませんが(笑)、もうちょっと長い尺で是非とも読みたいっす。

……これだけじゃあまりにあまりなんで、BLとしての感想も書いておきますが。

まさか天下の暴れん坊孫悟空がスパダリ攻めになるとは誰も考えなかったと思うんですが……、なってた・笑。上には逆らいまくるけど舎弟には優しいヤンキーと言うか、なんか、そんな感じです。さらりと王様というか俺様というかなんですが、板につき過ぎていて逆に嫌味がないかんじですね。

そして、受けの桃矢は、見た目は完全女の子ですが、中身は桃太郎。この子いいです。見た目で簡単にコマせると判断して迂闊に手を出してくるセクハラ野郎はキッチリのして、財布をカツアゲてくる強者です。でも恋する乙女でもあります(怪力だけど)。

こんな二人が終始いちゃいちゃしてます。物語的な山場は、恋愛よりもむしろバトル系でしたが、まあライバル出てきてどうこう、すれ違いでどうこう、というタイプの話でもないので、これで良かったのかな、と。

あー、ダメだ。天竺取経編(仮)に全部持っていかれてます……。

コールコール コミック

こん炉 

名言いただきました(笑)。

野田彩子さんの「ダブル」にハマり、「……劇団員モノください!」な気分の時に見つけたのがこれ。コントラストの強い表紙が印象的で、思わずポチりました。こん炉さん作品、初読みです。

とある(喜劇系?)小劇団の新入団員(未来のホープ)鰐淵×退団間近の古株団員、八敷の組み合わせ。クール系イケメンに見せかけた純愛ワンコ×真意の見えにくい飄々系です。

レビューを読まずに突撃しましたが、結果的に正解。皆さんおっしゃってるように、たいそうギャグ寄りでしたね。試し読みの段階では、もうちょっとしっとりした作品なのかと思い、実際、1話の終盤までは割とそんな雰囲気で行くんですが……。1話の最終コマが全てを吹き飛ばしましたね。そのままなだれ込む2話の飛ばしっぷりがすごかったです。以下、派手にネタバレしてます。


両片思いの2人が酒の勢いでヤってしまうというパターンは、それなりの数BLを読んでると飽きるほど見てきた展開なんですが、この作品はそこからが違います。まず、目撃者がいる(しかも3人も)。さらに受けの酒乱っぷりを知っている目撃者たちが、攻めの鰐淵を逆レ◯プ被害者と勘違いし、受けの八敷をぶん殴って引き剥がす。「さ、パンツはこうな」といたわられる攻め(大事なことなので二度言います。攻め、です)、初めて見ましたよ(笑)。更に彼らは暴走して、鰐淵の(未来の?)ために、事実の隠蔽に走る(大爆笑)。

しかし、隠蔽されて納得行かないのが、ぶん殴られて気絶した八敷。酒のせいで明確な記憶はないが薄っすらした記憶はある。そして、明らかに後ろから何か流れ出てる=事後だよ……、という状況でも何とか誤魔化そうとする目撃者たちとそれに巻き込まれた鰐淵に対し、これを悪ノリで済ませられるかとキレた八敷が言い放った一言。

「全員、ち◯こを出しなさい」(原文伏せ字なし)

敬語。しかも、無駄にキリッとしてる。…………腹筋震えましたとも。ひさびさにめっちゃ笑った。いやー、名言いただきました。そしてその後、全員キッチリパンツを剥ぎ取られて、阿鼻叫喚が繰り広げられます。ウィンナーであることが暴露され、泣き伏す某劇団員に謝りながら優しく毛布をかける八敷。いや、百パーお前のせいだから(笑)。

なんかもう、面白かったからあとはいいや、と言いたくもなりますが、ちゃんと恋愛的キュンもあります。裏名ゼリフが八敷の、「いやだ…鰐淵じゃないなんて…」。ヤッたのは俺だ、と鰐淵以外の劇団員から言われて思わず漏れた一言ですが、受け攻め双方がちゃんと思いを自覚するセリフで、これいいなぁ、と思いました。表裏逆だろ、という異論は受け付けませんので悪しからずご了承くださいませ。

無事くっついた後はラブエロ街道まっしぐらですが、ワンコ鰐淵、八敷が好きすぎて無駄に振り回されてから回っています。がんばれ、鰐淵くん(笑)。でも、そんな彼の苦悩も、立派な芸の肥やしになったので、決して無駄ではなかったのでしょう。意外とヤンデレな八敷さんと、末永くお幸せに。