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女性ポッチさん

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攻めさんがカッコよすぎて。

犬飼さん×みずかねさんという素晴らしき組み合わせの今作品。ということで、発売日を心待ちにしていました。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。






主人公は孤児院で暮らすトキハ。
親はなく、しかも同じ孤児院の桜からの嫌がらせを受け続けている薄幸少年だ。
孤児院の学園長も桜の味方で、食事を抜かれることもお風呂に入れないことも日常的に行われるという過酷な日々。

それには理由があった。
トキハは、この国で不吉と言われ、忌み嫌われるオッドアイを持ち生まれてきた子どもだった。しかも片方の瞳は、これもまた不吉と言われている紫。己の不運を嘆きつつ、でも粛々と受け入れ日々過ごしている。

そんなトキハの楽しみは、時々篤志家たちから寄付される本を読むこと。
そして、その本を寄付してくれているシュアンと呼ばれる男性とはじめて言葉を交わしたトキハは、シュアンに淡い恋心を抱くようになっていく。シュアンに触発され、勤勉に学び大学に行くことを目標に掲げるが―。

とにかくトキハという男の子が薄幸で泣ける。
どこに行っても彼の拠り所はなく、まだ7歳という年齢で彼は己の不運を受け入れている節がある。そんなトキハは、シュアンに出会い夢を抱くが、それも打ち砕かれ…、と話は続きます。

あまり書いてしまうとネタバレになりすぎてしまうのですが、トキハの味方になり優しい言葉をかけてくれたシュアン。そのシュアンそっくりな男性に、トキハは無理やり抱かれてしまい―。

はたしてシュアンはいい人なのか、それとも…?という謎解きを孕むストーリーです。

とにかくシュアンがカッコいい。
その一言に尽きます。スーパーダーリンなシュアンを、みずかねさんが描いてくださっているという眼福さも相混じり、ヤバいくらいカッコいいです。そんなシュアンは実は悪い人なの?どうなの?とハラハラしつつ読み進めましたが。

あー、なるほど、そうきたか!

という展開でした。
読み進めるごとに少しずつ点が線になっていくストーリー展開はさすが犬飼先生といったところか。

ただ今作品は、少年と言える年齢の子が性的な暴力を受けるという側面を持っているので苦手な方は注意が必要かもしれません。無理やりとか、媚薬とか、卑怯な手が使われているところにもちょっぴり萎え萎え。

とはいえ、シュアンたち(どういう意味かは手に取って確認されてください)のカッコよさに悶絶し、みずかみさんの描かれた美麗イラストに萌え滾り、そしててんこ盛りのシリアスさと甘々な恋の行方の絶妙なバランスに翻弄され続ける、そんな1冊でした。

甘いと辛いのバランスが絶妙

『ボーイフレンド17』の下巻。

感情のすれ違いから、関係すらもすれ違ってしまった朔美と葉。
一人になった葉に近づいてきたのは、朔美を恨んでいる大園で―?

というところから下巻はスタートします。

上巻を読み始めたとき、今作品は失恋し傷心の葉が年下ワンコの朔美に愛され幸せを手に入れるお話。だと思って読んでいたんです。が、そうではなく、朔美が葉に恋をして、そして人として成長していく朔美の恋の成就のお話だったのだと、そう感じました。

下巻に入り、朔美の成長っぷりが眩しいです。
葉に甲斐甲斐しく尽くすさまは、上巻では想像もできませんでした。そして、男として、人としての懐の大きさも。

「普通」であることに執着し、素の自分をさらけ出すことができなかった葉と、枠に入ることを良しとしなかった朔美。正反対の彼らが、いや、正反対だったからこそなのか。心の奥底が、まるでピースがはまるようにぴたりと収まるところに収まった、そんな感じ。

時に傷つけあい、自分の汚いところもまるっと相手にさらけ出したからこそ、本音でぶつかり合うことができた二人にほっと一安心しました。何を喪ってもどんなに無様な姿をさらしても、決して失いたくないものを見つけ、そして手に入れた二人にずっと幸せでいて欲しいと願ってやみません。

上巻に比べて下巻は甘々。
が、この下巻の糖度の甘さは、上巻の辛さがあってこそ引き立つというもの。
反対に言うと、しんど過ぎた上巻で終わらず下巻の甘さがあるからこそ、こういう言い方が正しいかどうかわかりませんが、万人受けする作品になっているのだと思います。

甘いと辛いを、これだけ上手に読者に読ませる吉田さんに圧倒されました。

しいて言うと、朔美の家庭環境(複雑そうな感じに読み取れたのと、彼が他人に興味がないのは家庭環境のせいかな?と思ったので)が最後まで描かれていなかったことが残念だった気がしました。

あと、大園さん。
彼には幸せになって欲しい!
ぜひともスピンオフを描いていただきたいと、絶賛切望中であります。

二転三転するストーリー展開が素晴らしい。

作家買い。
吉田さんの新刊は、人気モデル×雑誌の編集者のお話。上下巻同日発売になった作品ですが、2巻完結の作品なので、2冊まとめて買われることをお勧めします。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





文芸編集部からファッション誌編集部へ移動になったばかりの葉。
彼は仕事で人気モデルだという臼井朔美と出会うが、そこで朔美に「あなたのことを知っている」と告げられる。朔美と会った記憶のない葉は困惑するがー。

というお話。

タイトルの「ボーイフレンド17」の「17」って何のことかな?と思っていたのですが、朔美の年齢が17歳なので、それを表しているものだと推測します。

朔美(17歳)が攻め。
一方の葉は29歳。

年下ワンコ攻めのお話かな?
と思いつつ読み進めましたが、うん。吉田作品ですからね。まあ、そんなさっくりとしたお話ではありませんでした。

視点は途中で切り替わりますが、葉視点の方が多いかな?なので、読んでいてどうしても葉の感情に寄り添い気味になってしまうのですが、朔美という男の子が、なんて言うんですかね。序盤好みが分かれそうな、そんな男の子なのです。

イケメンで人気モデルの朔美。
彼は、性格にやや難アリ。の青年です。人の感情の機微に疎いっていうんですかね。他人がどう思うか興味もないし、気にしない。葉に近づき、なんやかんや言いくるめて身体の関係を持つに至りますが。

序盤、読んでいて、理解はできるけれど共感は全くできずにいまして。

まず、ずっと想っていた元カレがいて、その失恋を引きずっているのにあっさり他の男と身体の関係を持つ葉に対して、んん?と思ってしまい。

そして葉に執着する朔美に対しても、なぜ執着しているのか理由が見えてこない。そして何より、本当に葉のことが好きなのかどうなのかも疑問符が頭の中を駆け巡ってしまう。

が、ですよ。
ここから二転三転するストーリー展開が秀逸すぎて萌え滾りました。

今作品は、メインとなる登場人物はそう多くはありません。
朔美と、葉と、そしてもう二人。
当て馬くんという立ち位置とは若干異なりますが、葉の先輩であり元カレの洋と、そして過去に朔美と因縁のあった大園という男性。この4人が作品の軸を成す登場人物たちですが、彼らの想いや感情の機微が複雑に絡み合い、一気に作品の持つ世界観に引きずり込まれてしまう。

上巻は、すれ違ったまま朔美と葉が決別してしまうところまで。
ここで「続く!」となるので、下巻をまとめて買われることをお勧めします。とんでもない寸止めプレイになること請け合いです。

あ、あとカバー下。
このカバー下の葉のイラストが素敵すぎて悶絶しました。缶入りのコンポタ一つで、葉の感情を端的に読ませるその手腕に脱帽です。

夢のコラボが…!

『10DANCE』は有償特典付きの特装版が刊行されることが多いですが、『10DANCE (7)』も特装版が通常版と同日発売になりました。

7巻の特装版の特典は小冊子とカレンダーの2点。本代とは別に924円(税込み)が必要な有償特典です。

カレンダーは今までの『10DANCE』の表紙などが使われた美麗イラストで綴られていて、それはもう眼福。

が、小冊子の方に、より熱量をもってのレビューを書こうと思います。

「10DANCE」の番外編の漫画が収録されています。
内容はというと。

ごめんなさい、ネタバレがありますのでちょびっと下げます。苦手な方はここでストップされてください。









場所は福岡。
たまたま仕事のスケジュール上タイミングが合い、みんなで息抜きをしようと、その地で有名な身体メンテナンス師がいるという「五樹整体院」へと行くことにするが―。

え、ちょっとまって?
「五樹整体院」?

そうです。
井上佐藤作品の『エンドルフィンマシーン』の、「あの」五樹先生との夢のコラボです。

相変わらずフェロモン駄々洩れな五樹先生と戸川くんの二人に、このような形で再会できるとは…!嬉しすぎて変な声が出ましたです、はい。

五樹先生の施術によって、ホテルに戻った二人がその後どうなったのか、ぜひとも手に取って確認していただきたいです。本誌はややシリアスモードですが、糖度をこんな形で補給していただけるとはさすが井上佐藤先生です。最高です。大好きです。

えー、四の五の書いてしまいましたが、言いたいことはただ一つ。

特装版を買ってほしい!
特典小冊子を読んで欲しい!

これに尽きます。
最高過ぎる特典でした。

異世界トリップもの

鈴倉さんの描かれる可愛らしい絵柄が大好きでして。
今作品も、そんな鈴倉さんの描かれた表紙にフラフラと吸い寄せられるようにしてお買い上げしました。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





主人公はプログラマーの末永。32歳。
彼が作成にかかわったゲームの売り上げが芳しくなく中止が決定された。ゲームそのものも、そして作中登場するキャラも、彼にとっては渾身の出来だったが、それ故に中止が決まり傷心中。そしてそんなさなか、彼は事故に遭い死んでしまった。

はずだった。

が、目が覚めた彼は老人と出会い、そして彼の指示に従っていった先は「カーテルモント聖王国」。そこで神子として召喚されたのだった。召喚されたはいいが、けれど末永にはそこで求められていた能力はなかった。がっかりする面々に申し訳ない気持ちになりながら過ごす末永だったが、ただ一人、彼の護衛のためについてくれている騎士団長のリーンハルトだけは優しくて…。

最近、異世界トリップもの多くないですか?

とかなんとか思いつつ読み進めました。

末永くんは(彼は作中、国の人々から「アキ」と呼ばれますが)、プログラマーなのですが、でもゲームオタクでもある。見目麗しいリーンハルトを見かけて思わずSSRだ…、と言ってしまったり、ちょいちょいゲームぽい感じが盛り込まれていて全体的な雰囲気はコミカルな様相を呈しています。

アキは現世では32歳ですが、神子として召喚されたときは少年のようなビジュアルをしていて(表紙のハイソックスがけしからん可愛さです)、それが序盤面白さをアップさせるのですが、終盤に向けて、その「少年のような見た目」という部分がリーンハルトとアキの恋の行方に大きく関わることになっていて、そのストーリー展開の秀逸さに舌を巻きました。

正直に言ってしまうとストーリーとしては既視感ありありというかよくあるお話ではあるのですが、とにかくドツボだったのがリーンハルトという攻めさん。努力家で、優秀で、アキを守るために奮闘する。そして、幾ばくかの執着心がまた良い。

視点はアキとリーンハルトの交互で描かれているので、読んでいて二人の心理面が理解しやすく読みやすいのも高ポイントでした。

そして、最後にこれだけは言いたい。
鈴倉さんの描かれたリーンハルトがカッコよすぎて悶絶しました。

『ぼくは恋をしらない』の続編。

作家買い。
崎谷作品の『ぼくは恋をしらない』の続編。
『ぼくは~』は、崎谷作品の人気シリーズ「慈英×臣シリーズ」のスピンオフに当たる作品ですが、慈英×臣シリーズの作品は未読でも問題なく読めると思います。ただ『ぼくは~』の続きものなので、そちらが未読の方は『ぼくは~』を読まれてからこちらを読まれた方が良いと思います。

あとがきで崎谷先生も書かれているのですが、慈英×臣、のシリーズはスピンオフもたくさんあるので、未読の方はすべて追うのはなかなか難しいかもしれません。順番も分かりづらいですしね。長きにわたって(崎谷先生、今年デビュー25周年を迎えるそうです。おめでとうございます)一線で活躍してきた作家さまゆえ、でしょうね。

と、今作品とはちょびっと関係ない話で申し訳ない。
ということで、レビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。




子役出身で、今や人気俳優の仲間入りをした瓜生には大切な恋人がいる。
もともとガチなファンだった、人気作家の灰汁島だ。不思議な縁で繋がり、そして今ではお互いに深く愛し合う恋人になり、公私ともに順調な日々を過ごしている。

が、そんな彼に不穏な空気が。
それは、高校時代の先輩で、芸能人としても先輩として憧れていた五十公野との再会がきっかけだった。単なる先輩後輩といった関係ではなく、数度身体の関係を持ったこともあった五十公野は、かつての人気アイドルとしての輝きを失っていて、今は黒いうわさもある人物。

そんな五十公野とあまり関わりたくないと思う瓜生ではあったが、なぜか五十公野は執拗に瓜生に絡んできて―?

前作『ぼくは恋をしらない』は攻めの灰汁島視点で描かれていましたが、今作品は受けの瓜生くん視点で紡がれていきます。仕事も、大切な恋人である灰汁島との時間も、少しずつ五十公野に脅かされる日々が瓜生くん視点で描かれているので、いったいどうなっていくのかハラハラしつつ読み進めました。

ストーリーとしては王道といった感じか。
が、前作『ぼくは恋をしらない』の時に比べて灰汁島さんがカッコよくなっていて悶絶しました。人見知りでコミュ障の灰汁島さんが、瓜生のために心を配る。スパダリ感が半端なくって、恋は人を変えるなあ、なんて思ったりしました。

終盤に慈英×臣のSSと、照映×未紘のSSも収録されていますが、こういったSSが、他の既刊誌のお話と絶妙にリンクしているのがさすがという感じ。崎谷先生っていったいどこまで見通してお話を描いているのかな、といっそ感心します。

崎谷作品と言えばこってり濃厚なエロ、って代名詞だと思うのですが、今作品はエロ控えめ。でも、エロなどなくとも甘い空気感はたっぷり満喫できる、そんな1冊でした。

最高過ぎて。

『10DANCE』の7巻目。
6巻が刊行されたのが2021年の3月なので、実に2年越しの新刊だったわけですが、その素晴らしさは色あせることなく胸に迫ってきました。

6巻で袂を分かった二人。
それから会うこともなくなり、それぞれが師事する師について日々レッスンをこなす二人だったが―。

『10DANCE』は、2巻までは腐女子ご用達の竹書房さん刊行でしたが、3巻から講談社さんへと版元を移動して発売されています。もしかした非BLになるのでは?とヤキモキした時期もありましたが、今作品は紛れもなくBLです。

7巻に至る今巻まで、Wしんやの二人の間に身体の関係はありません。エロエロで甘々な作品を読みたい方には若干不向きな作品と言えるかと。

が、圧倒的な質量で相手を想う愛情に満ちている作品なのです。会えなくなって、会わなくなって、そして二人が求めたものは―。最後のシーンには思わず涙腺が緩みました。まさに半身。魂の片割れ。身体の繋がりなどなくても、二人の間にはしっかりした絆と愛情が育っている。

そしてその二人を繋ぐものが、「ダンス」。井上佐藤先生の描く美麗で麗しい、非常に高い画力で紡がれるダンスシーンも必見で、1冊で何度も美味しい。ラテンの杉木。そしてスタンダードの鈴木。二人のビジュアルもさることながら(ご尊顔だけではなくて、スーツも肉体美も最高)、ダンスの勝負において大切なのは技術だけではない。その駆け引きにゾクゾクしました。

さて。
今巻で二人はお互いの存在の重みを思い知ることになりますが、その経緯の一つとしてシンヤ(あえてどちらのとは書きません。ぜひとも手に取って確認されてください)が他の男性と絡むシーンがあります。他の男性と…、なんてイヤッ!という腐姐さまは注意が必要かもしれません。

が、この時のシンヤの感情がねえ…、なんとも切ないのです。
心にぽっかりと空いた穴は、他の何物にも埋められないというのに。それでも人のぬくもりを求めてしまうのは業なのか、必然なのか。

ダンスというバックボーン、すれ違っていく想い、葛藤。
井上佐藤先生らしいコミカルさも上手にミックスされてはいますが、ベースにあるのはどこまでも相手を想う深い愛情。

やっと相手の手を取った二人、の、その後を正座してお待ちしております。

あ、あともう一点。
「10DANCE」は特装版つきのものが多いですが、今巻も必見です。
素晴らしいコラボが楽しめる、最高過ぎる小冊子付きです。
これから買われる方には、ぜひとも特装版の方をお勧めしたいです。お久しぶりのあの方の相変わらずの姿に、笑いと萌えがこらえられませんでした。

シリアスと笑いと萌えのバランスが絶妙過ぎて。

上巻と同日発売になった「ばらとたんぽぽ」の下巻。
トモちゃんの過去のトラウマを乗り越えて、少しずつ身体の接触ができるようになった二人は、それと同時に精神的な面でも結びつきを深めていく。

トモちゃんとスケベなことができるようになるのも、もう少しかも。

そんな邪な想いを抱きつつ、けれどトモちゃんを大切にしている征士郎。
という、甘々な2人の前に現れたのは、トモちゃんの高校時代の先輩であり、恩人でもある佐智。トモちゃんを「ブラザー」と呼ぶ佐智とトモちゃんとの近い距離を(物理的にも心理的にも)ヤキモキしながら、征士郎は見守るが―。

今までトモちゃんは自分に自信がなく(それも過去のトラウマ故)、舞台に立っている時だけが至福の時。それ以外には興味がない。良くも悪くも、人にも物にも執着がない。そんなトモちゃんが可愛がっているポンちゃんの存在がめっちゃ良い。ポンちゃんがトモちゃんの精神安定剤になっているからか?ポンちゃんへの扱いが、そのままトモちゃんの心理面を表しているかのように見えます。

征士郎にとっては佐智先輩もポンちゃんも、良きライバルといったところか。

征士郎はトモちゃんを愛していますが、その先にあるのは「スケベなことがしたい」という欲望。セフレも5人もいたし、性に対する執着心が凄いところがもう爆笑必至です。トモちゃんの過去を筆頭にシリアス展開になりつつ、けれどシリアス一辺倒にならないコミカルさが良いスパイスになっていて、腹筋が崩壊しました。上巻のあとがきで遠浅先生が描かれている「先生がしたかったこと」、の部分にはひたすら笑いました。やっと本懐を果たした征士郎、ということでエロいはずがなぜこんなに笑えるんでしょうか…。

あと忘れちゃいけないのが、征士郎の漫画のアシスタントの二人。
彼らとの掛け合いがコミカルで、二人のツッコミが素晴らしいです。

過去に植え付けられた恥辱の思い、傷つけられた人としての尊厳、すべてを壊されたトモちゃんが、征士郎にまっすぐに愛され、今まで舞台で演じることがそのすべてだったトモちゃんが、少しずつ人として育ち始めました。もうムネアツです。

pixivではもう少し先まで話が進んでいますが、新たな登場人物も登場してきて、彼がまた良い!続きもぜひ商業化していただきたいと切望しています。

「どちゃくそ」な1冊。

pixivでずっと追いかけてきた「ばらとたんぽぽ」が商業化されると聞いて、それはもうテンション高く発売日を心待ちにしていました。

コミカルで、シリアスで、そして深い愛情をこんなにも上手にミックスさせた作品はそうそうないなあ、といつも思っていまして、ただ「セフレ」という存在がごく当たり前のように登場していたり、性暴力の描写もあるので苦手な方は注意が必要かもしれません。

内容をざっくりと。ネタバレ含んでいます。





人気少女漫画家・征士郎には恋人がいる。
彼が「トモちゃん」と呼ぶ、夏目朝春、32歳の舞台俳優だ。

イケメンで、何をやらせてもパーフェクトにこなす完璧男子(何しろ現職は人気漫画家だ)の征士郎はトモちゃんを心から愛しているが、けれど二人の間には身体の関係はなく―。

家事全般が得意で仕事も家事もそつなくこなす征士郎。
が、一方のトモちゃんはズボラ男子で放っておけば食事もろくに取らないような男性。尽くす男・征士郎と、征士郎から受ける愛情を当たり前のように享受しているトモちゃん、という図式があります。そして二人が未だ身体の関係を持てずにいるのは、トモちゃんが行為を拒否をしているからで…。

と、こう書くとトモちゃんがやや難アリの男性のように思えます。
が、トモちゃんがセックスができない理由がきちんと存在していて、それがまあ胸糞で腹が立って仕方がない。そんな不憫なトモちゃんに、読んでいて少しずつ傾倒していきますが、トモちゃんを応援したくなる理由が、他にも存在しています。

それはハイスペック男子・征士郎の性癖。
トモちゃんとセックスができない征士郎は、トモちゃんの公認を受け、数人の…、と話が続きます。

遠浅さんのデビュー作『潮騒のふたり』を読んだときにも思ったのですが、遠浅作品は商業BLらしからぬ、というと語弊を招くでしょうか。昨今のBL作品では、恋人が何かしらの理由でセックスができなかったとしても、だからと言って外で発散する、という展開のものはあまりお見掛けしない気がします。

そんな「王道」からはあえて外れたストーリー展開が遠浅作品の醍醐味かもしれません。「性」と「愛」をすべからくイコールで繋いでいない。恋人ではない男たちと関係を持つ攻めさん、という展開でありながら、ベースにあるのは征士郎とトモちゃんの深い愛情。素晴らしいです。

「ばらたん」は1、2巻が同日発売になりましたが(ちなみに2巻完結の作品ではありません)、1巻は過去のトラウマでセックスができないトモちゃんが少しずつ征士郎に歩み寄り何とかEDを克服しようとするところまで。その過程が甘々なだけではなく、時にコミカルに、そして時にシリアスに紡がれていきますが、根っこにあるのは二人の相手への愛情なので読んでいて萌えしかない。

そして1巻の終盤で、トモちゃんが信頼してやまない「先輩」が登場するところまでが描かれています。そして2巻へ続く!となります。

トモちゃんが征士郎の好きなところ、として、征士郎のどちゃくそなところが好き、と告げるシーンがありますが、さながらそれは今作品を一言で言い表しているワードだなあ、と読んでいて思いました。

甘いだけでもなく、エロ重視でもなく、時にコミカルに、時にシリアスに進む、いわばごった煮の内容。でも、それが良い。

それらを上手にミックスさせ描いていく遠浅先生の手腕にKOされたところで、続巻へと続きます。

最高過ぎて。

作家買い。
小中さんはコミカルなものからシリアスなものまで幅広く書かれる引き出しの多い作家さまですが、小中さんの新刊はシリアスベース。そのシリアスベースなお話に奈良さんが挿絵を描かれているという、もう最高過ぎる1冊でした。

小中さんらしいファンタジーものをベースに、様々な因子が加わり怒涛の展開をみせるストーリー。もうさすがの一言です。普段ネタバレ上等でレビューを書いていますが、こんなにもネタバレしたらアカン作品はない、と思うので、あまりネタバレしないようにレビューを書こうと思います。




聖騎士のガブリエーレは、清廉でまじめで融通が利かない性格の青年。
だがその性格が災いし、濡れ衣を着させられ、処刑されることになった。が、何よりガブリエールを苦しめたのは、彼の窮地は、心から信じていた恋人のアレッシオの裏切りによってもたらされたもので―。

という出だしで始まるストーリー。
もうこの時点で面白い予感しかしないのですが、この部分が序盤に過ぎない、ということ。

処刑されたはずのガブリエーレ。
自分は死んだ。
そう思ったガブリエーレが目にしたものは、3年前の「自分の部屋」で…?

Rebirth、なんです。まさに。
生まれ変わったガブリエーレが、恋人に復讐することを決意して。

ガブリエーレという人物はまじめで、でもその分視野が狭い。
自分の思い込みで突っ走ってしまうところがある。
そんな彼が愛したのは、優しく周囲の人たちから愛されるアレッシオという青年。
そんな生まれ変わる前のガブリエーレの姿を、そしてアレッシオという男性像を、そう多くはないページ数できっちり描き切っている小中先生の手腕に脱帽しました。

そして生まれ変わってからのガブリエーレがまたクソほどカッコいい。
根っこは変わっていないのに、彼はがらりと生まれ変わっていく。

処刑される前、そして生まれ変わった後。
この2パターンのガブリエーレの姿を拝見できて2度おいしい。

今作品の素晴らしいところはガブリエーレがアレッシオへの復讐を完遂できるか、というところに終始していないところかと思われる。二転三転しつつ進むストーリーに一気に引き込まれていく。まさに沼。一度読み始めたら手が止められなくなります。マジで。時間のある時に、ゆっくり腰を据えて読んで欲しいです。

そして、アレッシオとガブリエーレ。
この二人の恋の行方ですが、ああ、まあそうだよね、そうなるよね、という。
が、その恋の成就までのストーリーが面白すぎる。BL作品なので、もちろん二人の恋の話は外せない。でも、それだけじゃない。濃厚なストーリー展開が秀逸です。

可愛い受けさんはもちろん大好物。
でも、カッコいい受けさんはもっと好き。
そんな個人的な癖にぶっ刺さる受けさんでした。アレッシオもカッコいい!

で。
そんな素敵男子を奈良さんの挿絵が飾るという眼福さよ。
いやー、最高。
最高という言葉しか出てこない。

買おっかな、どうしようかな、とお悩みの腐姐さまがいたら背中をドーンと押してあげたいです。

買ってください!

とにかく面白かった。
読後余韻に浸ってしまう、そんな読みごたえのある1冊でした。
神、どころじゃ足りない。神×10くらい付けたい神作品でした。