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女性ポッチさん

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王道の良さが生きている

ミナヅキ先生がBLから少し離れる、と仰ったのは何年前でしたかねえ…。
大好きな作家さまでBLを描かれなくなるということに少なからずショックを受けましたが、数年ぶりにBL作品に戻ってきてくださってめっちゃうれしい。

ミナヅキ先生と言うと、若干癖のある絵柄を描かれる作家さまで、ゆえに好みが分かれそうな絵柄ではありましたが(個人的には凄く好きでしたけれども)、すっきりした絵柄になられた気がします。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





主人公は元モデルで現在は新進気鋭のカメラマンである清澄。
人気上昇中のカメラマンである清澄には同居人がいる。DKのひばりだ。
ひばりは、清澄の親友でカメラマンをする清澄のアシスタントをしてくれていた「みさご」の弟。事故で急逝したみさごの代わりにひばりの面倒を見ている。

みさご、そしてひばりの兄弟は親がなく施設育ち。二人寄り添い、助け合い生きてきた。

そんなみさごが事故に遭った。
清澄が頼んだ所用をこなすために雪の中をバイクで運転したのが原因だった。

そう思い込み、贖罪の思いからひばりを引き取り、守ってきた清澄。
ずっと弟のように接してきた清澄だが、けれど彼は知っている。ひばりが自分に惹かれていることを。自分はひばりに愛される資格がない。ひばりの想いに応えられない清澄だが―。

んー。
ストーリーとしてはありきたり、と言って良いと思います。王道というか。よくあるお話ではある。けれど、ミナヅキさんの描く絵柄が独特で、なんとも言えないシリアスな、耽美な空気感が漂う作品でした。

登場人物は多くありません。

清澄と、ひばり。
そして、彼らの回想で登場するみさご。
舞台も、ほぼ彼らが生活するマンションで展開されていきます。

が、この奥行きの深さがミナヅキマジックか。

切なさと、健気さと、そしてそれらを遥かに凌駕する深い愛情。
それらが今作品にはぎっちり詰まっています。

相手を想うからこそ、自分の想いを伝えられない。
けれど、人の命の儚さも、彼らは知っている。
だからこそ「今」を懸命に生きようとする若者たちに萌えが滾りました。

年の離れたひばりを思い、なかなか手を出さない清澄にも萌えた…。
ひばりが高校を卒業するまでは。
そんな分別ある大人の清澄の思いに共感しつつ、そんな清澄にしびれを切らし誘ってしまうひばりの男気も良きでした。

最後、想いが通じ、事を致すときの清澄の男臭さにぐっと来た。
今まで良いお兄ちゃんであろうとした清澄の優しい顔と、ひばりにがっつく男の色香満載の顔。

めっちゃカッコいい…。

評価で迷いましたが、お久しぶりのBLということでちょっとおまけして神で。

素晴らしきコミカライズ版ではありますが

電子でさわりだけ読んでいて、コミックス化されたら買おうと思っていた作品。原作からコミカライズされた作品ですが、原作は未読。

コミカライズ版て、すごく難しいと個人的には思っています。文章で丁寧に説明されている情景や心情を、漫画で表現するってなかなか難しいのではなかろうかと。しかも今作品は1巻完結。

んー。どうかな?と思いつつ手に取りましたが非常にお上手にまとめられていてとても読みやすく理解しやすかった。原作未読の腐姐さまでも問題なく読めると思います。




今作品はモフモフに、+オメガバース要素が加わった作品。

保育士を目指し努力してきたオメガの千晶。
念願の保育士になったものの、オメガである、ということからあらぬ疑いをかけられやめざるを得なくなった。そんな彼が次の仕事に選んだのは家事代行サービス業。

派遣された家の主はアルファで、しかも人狼の要素を多く残した「ハイブリットアルファ」と呼ばれるアルファだった。その家主・大神にそっけない態度を取られつつも、大神の三人の息子は可愛くやりがいをもって仕事を始める。

が、千晶が突然発情期になってしまったことで緊急的に大神に抱かれてしまいー。

というお話。

にかわさんの描き方が非常にお上手なんです。
絵柄も作品の持つイメージとか世界観とリンクしていて素晴らしい。

お子たちは三人とも可愛いし、大神さんも定番の(と言うと語弊があるかな?)完璧なるスパダリさんです。

千晶も健気だし、オメガという理由だけで保育士をやめざるを得なかったという悲しい過去もあって、オメガバースというバックボーンも生かしたストーリー展開なのです。

なのですが。

んー。
大神さん。そして千晶。
この二人が惹かれ合ったのは、結局「運命の番だったから」というところに起因してるんですよね。

二人がくっつくまでの過程、に萌える性質なので、こういったご都合主義的な流れにいまいち萌えきれなかったのが残念。

萌えツボはきっちり抑えたストーリーではあるのです。

モフモフ。
可愛いちびちゃんたち。
スパダリさんに、薄幸健気受け。
すれ違いからの、大団円。

素晴らしい世界観だった故に、この二人が惹かれ合ったその過程をもう少し踏み込んで描いてほしかった。そこの過程があったなら、間違いなく神作品でした。

でもでもすごく良かった。
小説のほうも読んでみようと思います。

堂々、完結。

『式神の名は、鬼』の3巻目にして完結編。
続きものなので前作未読だと理解できません。前2巻が未読の方は、そちらから読まれることをお勧めします。

BL小説はそれだけで順番が分からないタイトルのものも多くありますが、今作品はタイトルは変わらず順番の数字だけついているのでわかりやすい。お洒落なタイトルはもちろん素敵ですが、こういう簡潔なものもわかりやすくて助かります。

ということでレビューを。前2巻含めてのネタバレ含んでいます。ご注意ください。







前作までで、まだまだ解けていない謎や問題は山積みでした。

失踪した伊織の謎。
鬼化してしまった草太。
ラスボスと言える八百比丘尼との対決。
そして、残りわずかとなった櫂の寿命。

それらをあと1巻で回収できるのかなー、なんて危惧しつつ読み始めましたが。はい、さすが夜光さん。素晴らしい完結編でした。

鬼に襲われた(と分かるのは櫂や那都巳といった陰陽師だけではありますが)人の遺体がそこかしこで発見される。

もしかして、人を襲ったのは鬼化してしまった草太ではないのか?
そんな恐怖心に駆られ、櫂は草太の母・雪と共に草太を必死で探し始めるが―。

今巻はそんな描写からスタートします。

「櫂」という青年は快楽に弱く、人と慣れあうことを良しとせず、口も悪く。
けれど、そんな櫂の内面が、羅刹を通して少しずつ見えてくる。

妖怪に付き纏われ、命の危機にさらされ、孤独に生きてきた、櫂。彼の蓮っ葉な態度は、彼の周囲の人たちを守るために彼が纏った鎧だったんですね。
が、羅刹と出会ったことで、櫂は少しずつ素をさらけ出していく。羅刹は強く、櫂が「守るべき存在」ではなかったから。けれどそれよりももっと大きな理由は、二人の間に愛情が育っていったから。だと思うのです。

そして羅刹も。
彼もまた、櫂と出会い、そして「人」だった自分を思い出す。
人としての優しさだったり、思いやりだったり。そういったものを、彼は取り戻していく。

ありのままの、そのままの自分をさらけ出しても、受け止めてくれる。そんな二人の愛情と信頼関係に激萌えしました。

伊織も非常にミステリアスな青年でした。
初恋の相手で、意識が回復しないまま入院していた伊織を献身的に見守り続けた櫂。彼の伊織への感情は、果たして愛情だったのか、それとも。

彼のブラックさが、今作品のキモになってるんです。が、そこがさらりと流されてしまったのが非常に残念でした。もっと読みたかった!

八百比丘尼にしても、伊織にしても、彼らには彼らの正義がある。
傍から見たらとんでもなく恐ろしいけれど、人それぞれ、正義とか愛情とか、そういうものがあるんだなあとしみじみ感じました。

人の心の深淵を、上っ面だけで終わらせない。
そこが夜光作品の大きな魅力の一つだと思います。

さて。
飄々としていて掴みどころのない陰陽師仲間の那都巳。
彼も非常に魅力的なキャラクターでした。ぜひとも彼メインのスピンオフを描いていただきたい。

この作品の放つ世界観が非常に好きで、今巻で完結なのが寂しい限りですが、またどこかで彼らに会えるといいな。

笠井さんは言うに及ばず、素晴らしかった。

文句なく、神評価です。

ドシリアス過ぎない薄幸健気受けさんのお話

作家買い。
タイトルやあらすじから、切ないお話かなと思って読み始めました。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。







主人公はカフェで働く明日真。
彼は人の目を惹く華やかなビジュアルを持っているが、そのビジュアルがコンプレックス。理由は、そのビジュアルが母譲りだから。

一時は芸能界に身を置くほどの美貌を誇る母だったが、妊娠したことにより引退。子の父親にも逃げられ、一人で息子の明日真を育ててきた。ネグレクトこそされなかったものの、彼女の興味は自身の「美貌」のみ。加齢とともに衰えていく美しさを維持することだけに心血を注ぐ、そんな母親だった。

「美しいこと」。
それは人にとってある時は有益になるけれど、明日真にとっては枷でしかない。

そんな明日真にはひそかに想いを寄せている人物がいる。
中学の時の同級生の蒼士だ。
地元の大企業の御曹司で、母子家庭で育ってきた明日真とは真逆の環境にいる青年。

が、同じ高校に通い、そして高校卒業時にともに上京し、現在は一緒に暮らすルームメイト。

いつか蒼士に恋人ができるまで。
あるいは、蒼士が大学を卒業するまで。
期間限定でいい。それまで、一緒に過ごすことができたなら―。

そんな明日真の切ない恋心から物語はスタートします。

月村さんらしい、と言っていいでしょう。
薄幸・健気受けさんのお話です。

なのですが。
この明日真という青年が非常に豪胆なんですね。
綺麗な見た目を裏切って、性格はかなり男前。

それは秘めた恋心を蒼士に知られたくないというカモフラージュでもあり、見た目に対するコンプレックスでもある。

お金持ちの御曹司で偏差値の高い大学に通う蒼士も。
彼の家庭環境は非常に複雑です。
あまり書いてしまうと面白さ半減なので、ぜひとも読んで確認していただきたいのですが、複雑であってなお、彼の母親違いの兄・カズマといい関係を結んでいる。

それはひとえに彼の努力によるものなんですね。
人から与えられるものをそのまま懐に入れるのを良しとしない。そして人の不幸の上に成り立つ幸せも望んでいない。

自分の足で立ち、自分の努力で幸せをつかみ取りたい。

そんなナイスガイなのです。

明日真と蒼士。
二人の家庭環境はややもすると不幸になる要素が満載。
けれど彼らは自分の手で、幸せと愛情を手に入れていきます。

彼ら自身の努力はもちろん、お互いがその踏ん張りの基盤になっている。
明日真は蒼士がいたから。
蒼士は、明日真がいたから。

中学生で出会い、恋に堕ち、そこから相手に負担をかけないよう自分の恋心を育てていった二人に激しく萌えしました。

彼らに横槍を入れる人物も何人か登場しますが、基本的にドシリアスになることなく終始ほのぼのな雰囲気でストーリーが進むので、痛い展開は苦手という腐姐さまでも安心して読める作品かなと思います。

そして、今作品に登場する重要なキーパーソン。
それは蒼士の腹違いの兄のカズマ。

めっちゃカッコいいです。
ぜひとも彼メインのスピンオフを描いてほしいです。

月村さんの描く薄幸健気受けが大好物なので、非常に萌えつつ読破しましたが、薄幸すぎないのがポイント。

「薄幸すぎない」ゆえに若干の物足りなさも感じてしまい、もう一捻り欲しかったなと個人的には思うストーリーではありましたが、反対に言うとシリアスすぎず多くの腐姐さまの萌えも集める良作かと思われます。

甘々、ほのぼの。

作家買い。
『ハローグレイ・ナイトシェード』のスピンオフ作品である『NEON』。

の、続編にあたる作品です。 『ハローグレイ・ナイトシェード』は未読でも問題ありませんが、『NEON』は読んでおかれた方が今作品の理解度はより高まるかなと思います。

読モの世界を舞台にしたお話。
久松さんにしては、と言っていいかな?『NEON』、そして『ランウェイの行方を知りたいか』はシリアス度は皆無でキラッキラかつ甘々なシリーズです。

『NEON』の表紙はブラックを基調にしたカッコいい絵柄でしたが、今作品は白がメインになった絵柄。二人の着ている衣装が正装に見えましたが(もっとはっきり言っちゃうと結婚式の衣装)、うん。中身も甘々でほのぼのな優しいお話でした。

ということでレビューを。






主人公は大学生の傍ら読モをしている波野。
彼が所属している雑誌は人気も知名度も高く、そこで活躍している読モたちもみんな人気がある。
波野は紆余曲折を経て同じ読モ仲間の明良と恋人になってー。

というのが前作『NEON』のお話。

今作品は恋人同士になった二人、からスタートします。

今日も今日とて美人で麗しい明良。その明良と恋人になれて嬉しく思う波野だが、実は二人はまだ清い仲。明良に拒まれているわけではない。が、まっさらさんで何も知らない明良が、その気になるのを波野はじっと待っている。

そんなある日、MVに出演する俳優として波野が抜擢された。
演技なんかしたことがない、とそのオファーに対して消極的な波野だが、明良に背中を押される形で出演したMVで人気に火がついてしまう。

イメージを大切に。

そう言われ、明良との関係も口外するなと言われる波野だが、明良に対して誠実でいたいと願う波野がとった行動は…?

というお話。

んー。
好みはあれど、久松さんの絵柄ってちょっと癖があるんですよね。でも、いい意味で絵柄が変化しました。凄く綺麗になったと思います。

とにかく明良が美しい!

艶っぽいというのか中性的な美しさに満ちています。
で、この明良という青年が天然ちゃん。無自覚に波野を煽りまくる、その美しさと無垢さのバランスがたまらんのです。

明良は、見た目は麗しいですが、中身は豪胆なのも良き。
芯がしっかりある、というか、自分というものをきちんと持ってる子なんですね。なので美しく、天然ちゃんでありながらしっかり男っぽいのもまた良き。

恋人同士の2人のお話なので、くっつくまでのモダモダな展開はありません。
この二人が「セックスできるの?」というところを軸に進むストーリーで、明良の意にそわない行為はしたくないと、番犬さながら良い子で「待て」ができる波野が可愛いのです。

けれど、恋愛にだけ焦点を当てていないのも良かった。

若く、未来のある青年たちが、自分たちの「これから」をしっかり見据え、模索し、そしてその道を見つける。そこに愛する人がいるから頑張れる。王道と言えるストーリーですが、その王道さが非常に生きている内容でした。

表紙の2人の衣装は、まさに花婿さん。
これからずっとともに有り続ける。
そんな二人の気持ちを表してるのかな、なんて思いました。

ただしいて言うと、先の先まで見通せるストーリー展開でそれ故に想定内の結末を迎える展開だったのが残念と言えば残念でした。もう一捻り欲しかったな、というのが正直な感想です。

が、それ故に終始ほのぼのな展開で、読後は温かい気持ちになりました。

初回限定版に限り、特典ペーパーが封入されています。
彼らの「お初」の裏話が描かれていて、これがめっちゃ可愛かったので、これから買われる方にはぜひともこの特典ペーパーをゲットして欲しいなと思います。

濡れ場なし、でありながら、恋愛要素はガッツリ

作家買い。
志村さん初となるon BLUE作品。on BLUEは個人的にハズレがないレーベルで、かつ志村さん作品ということで発売を心待ちにしていました。

志村さんの新刊のテーマはタイトルからもわかるようにズバリ「兄弟」。
うんうん、志村さんと言えば兄弟もの、っていうイメージは強いよね、と思いつつ手に取りました。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





case1~5までの5話ありますが、CPとしては3つ。

case.1は結婚する兄の元カレに会いに行く弟のお話。
case.2と3はお兄ちゃんに恋した弟くんのお話。
case.4は男の好みが似ている兄弟のお話(この二人の間での恋愛要素はないのでCPとしてはカウントしていません)。
case.5はcase.2と3に登場したお兄ちゃんの恋のお話。

血の繋がりのあるガチ兄弟、を軸に、彼らが紡ぐ恋のお話が描かれています。ガチ兄弟ではありますが兄弟間の恋のお話、というよりは、兄弟を軸に進む恋のお話、といった方が正解かもです。

さらに全部のお話において共通しているのは、

濡れ場なし。

という点。
ということで、

BLには濡れ場は必須でしょ!という腐姐さまにはお勧めしづらい1冊です。
けれど、「ガチ兄弟は地雷」という腐姐さまには手に取りやすい作品。
反対に言うと、「兄弟もの」っていう割には兄弟の絡みはないんかーい!という方には肩透かしをくう作品。

かと思われます。

なのですが。

まー、めっちゃ萌えた…。

「恋をする」という想いの、純愛さも、腹黒さも、狡さも、ギュギュ―っとこの1冊に詰まってます。

ざっくりと内容を書きますと。

case.1
主人公は大学生の晴臣。
晴臣の兄・正臣の結婚が決まり、婚約者が家に訪れる。が、晴臣はかつての正臣の恋人が男だったことを知っている。

趣旨替えしたのか?と疑問に思う晴臣だが、正臣の婚約者は、正臣に男の恋人がいることを知っていた。正臣と別れたくないその婚約者に頼まれ、晴臣は正臣の恋人の健人に会いに行くが…。

男の恋人がいながら、その恋人をあっさり捨てた兄、を介し始まる健人と晴臣の恋。

に見えるのです。
実際、正臣の外道っぷりは健人を通して見えてくる。

でも。
正臣も、健人を愛していたのだと、最後に描かれているcase.1のタイトルから読み取れる。

切ない…。

ゲイであることの葛藤。
世間体。
それを捨てることのできなかった正臣の苦しみが、めっちゃ切なかった。

健人は晴臣に幸せにしてもらえよ!

case.2~3
親の離婚で離れ離れになった兄弟のお話。
弟・陸が、兄の廉に恋をしているお話で、今作品のあらすじに書かれているのはこの2人のお話です。

父に引き取られた兄。
母に引き取られた弟。
両親の離婚により離れ離れに暮らしていた兄弟が、父の死により再び一緒に暮らすことになった。

弟の熱い視線を日々感じる廉だが、廉には好きな人がいて…。

case.5は、この廉と、廉の片想いの相手である友人の畑野のお話。

ということで、今作品のメインになるのはこの3人のお話なのかな。
個人的には陸がドツボにハマるキャラだったので廉と幸せになってほしかったのですが、このグルグル感っていうのかなあ…。一筋縄ではいかない志村さんらしいストーリー展開に激しく萌えました。

case.4は、兄弟そろってゲイ。仲良く便利屋を営む兄弟のお話。
で、男の好みも一緒ときた。
が、非常にコミカルなお話でした。ほのぼの、という形容詞がぴったり。

「兄弟」という枠がある中で、ここまでバラエティー豊かに様々なお話が描けるってすごいなあ、としみじみ。さらに言うと短編でもあるので割と短いお話ではあるのですが、その短さを感じさせない内容の濃さも素晴らしい。

タイトルに「1」とついているので、続編もあるってことですよね。

続きが今から楽しみです。

『クズの教育』の裏側が読めます

『クズの教育』の圧倒的な濡れ場で強烈なデビューを飾った藤村先生の商業コミックスの2作目。

今作品は全作『クズの教育』の裏側っていうのかな。
前日譚と言ってもいいかも。

『クズの教育』は郁哉視点で描かれることが多かったですが、今作品はその時の葛城先生や恭介の想いが彼ら視点で描かれています。『クズの教育』は、今作品を読んで初めて完結する。そんな造りの1冊でした。

前作『クズの教育』のネタバレも含んでのレビューになります。ご注意ください。





葛城は高校で教鞭をとる教師。
彼には気になる生徒がいる。それは川崎郁哉。
優秀だが、勉学に励むあまり友人はおらずいつも一人きり。成績が落ちると親から虐待を受けている様子もある。
が、何より郁哉は葛城の好みのビジュアルをしているのだ。

彼を堕とすべく、葛城は時間をかけ、信頼を勝ち取り、そして郁哉と身体の関係を持つことに成功する。

郁哉が高校を卒業するまでの、ひと時の関係。

そんな想いで郁哉に手を出した葛城だが、葛城の言うことを素直に聞いていた郁哉に少しずつ変化が現れる。次第に自己主張を始めた郁哉との関係を疎ましく思い始め、綺麗に切り離すために葛城が思いついたのは、郁哉に恋をしている馬場という生徒を利用することで―。


まっさらで、葛城を一途に慕う郁哉が、どんどん快楽を覚えていく様。
無垢な生徒を自分の欲望のはけ口にしようとした葛城。
郁哉にずっと想いを寄せていた恭介。

ストーリー自体は前作と変わらない内容なのに、前作のストーリーを葛城、そして恭介視点で描いたことで、より深く彼らの内面まで描き切っていると思います。ありそうでなかった手腕ではないでしょうかね。スピンオフでもなく、後日談でもなく、前日譚の様でもあり、続編の様でもあり。

葛城=ザ・くず。
恭介は健気なヤンキーワンコ攻め。

と見せかけて、実は二人の男を虜にする郁哉の麻薬のような魅力もしっかり描かれていました。

前作も、クズ男に見えて、実は郁哉に取り込まれてしまった葛城に非常に心惹かれましたが、今作も同じ感想を持ちました。自分に心酔しまくる郁哉を疎ましく思ったのは、それは、彼を大切に想う自分自身への不安だったんですよね。今まで人との軽薄な関わりしか持ってこなかった彼が、郁哉を愛したからこそ戸惑い、恐慌をきたした。

郁哉を愛してしまったから、愛したことを自身で認めたからこそ、彼のために手放した。

そんな不器用な葛城が、めっちゃツボ!
できれば、三人でラブ、な結末を見たかった。

で。

藤村さんと言えばエロ。
突き抜けたエロ。
エロの絵力の強さよ。

というイメージが個人的に強いのですが、今作品も良いエロでした。
エロも良いが、修正がね!素晴らしいよ!
何しろR18だからして。年齢が達していない腐姐さんは手に取ることができずに残念ですが、大人な腐姐さまは心して読んでください。

前作では見ることのできなかった3Pも堪能できます。

実はタイトルと表紙に腰が引けて電子で買おうかと思ったのですが、修正が紙媒体の方がよろしいと聞いて、紙媒体のコミックスを買いに朝から本屋さんまで走りました☆

あとがきで藤村さんが、

紙媒体のコミックスは修正が真っ白ではありません!!

と書かれているので、電子は白抜きなのかな?
ということで、紙媒体の方がお勧めかなと思います。

今巻も気合の入った汁気たっぷりの、トーン張りまくりのtnkだったり濡れ場がてんこ盛りで、大変美味しく読ませていただきました。

個人的には『クズの教育』よりも軍配が上がる萌え作品でした。

エロ×魔女、=最高。

作家買い。
西野作品の『魔女の血族 オリジナルウィッチ』の続編です。前作未読でも読めないことはないと思いますが、でも前作ありきの作品なので前作未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。

ということでレビューを。
前作『魔女の血族 オリジナルウィッチ』も含めてのネタバレ表現があります。苦手な方はご注意ください。






大学生の司は碧い瞳がコンプレックスで、それ故に人づきあいが苦手。そんな司は、彼の通う大学の西洋史の准教授で、特に魔女の研究に造詣の深い浅葱に恋をする。

が、実は司は魔女。
魔女の力を持つことを見抜いた浅葱は、司を半ば無理やり抱き、魔女の力を解き放ち―。

というのが前作『魔女の血族 オリジナルウィッチ』で描かれていたお話。

今巻は無事恋人同士になった二人のその後のお話が描かれています。

司の魔女としての能力を安定させさらにコントロールできるように訓練する。

という趣旨のもと、司は浅葱に抱かれる。
司は浅葱を愛しているが、だからこそ、浅葱が自分に固執するのは「魔女」の自分を欲しているだけではないのか。そんな不安を抱え続けている。けれど浅葱のもとを離れることもできない。

今作品はすでに恋人同士になった浅葱×司のお話で、彼らの恋の成就を描いた作品ではありませんが、浅葱を愛するが故の司の内に秘めた想いがなんとも切ないです。

そして司は、最近同じ夢をよく見る。

一人の男性が登場する夢。
その男性が誰なのかわからずにいるが、かつて協会の暴走した関係者に襲われた過去(前作『魔女の血族 オリジナルウィッチ』参照)から、すべてを浅葱に伝え相談することに。

すると、浅葱から、その人物はアメリカから英語教師として大学に派遣されてきたジェームズだという男性ではないかと指摘される。ジェームズとの関わりが、新たな波乱を呼び―?

前作では司の魔女としての能力を開花させるため。
そして今巻は、魔女の力をコントロールできるようになる特訓として。

司は浅葱に激しく抱かれるシーンがてんこ盛りです。セックスが魔女としての力を引き出し、さらにパワーアップさせる、というストーリー展開なのですが、そこは西野さんならでは、と言って良いでしょう。

何とも言えない淫美で美しいストーリーに仕上がっています。この世界観が、今作品の大きな魅力の一つです。

前作でも登場した三角木馬がバージョンアップ(←ここポイント)して今作でも登場してますが、んー、さすが西野作品。安定のエロです。

三角木馬あり、tkb責めあり、剃毛あり、お風呂エッチあり。
これでもかと描かれるバリエーション豊かな濡れ場には、いっそ感心するほどです。

この行為を、浅葱は「特訓」と称して司に施すわけですが、浅葱先生、アンタ絶対楽しんでるよね?という甘々ぶりです。

傍から見ると浅葱は司にメロメロなわけですが、当の司は浅葱の愛情をすんなり信じられない。

それは司が「魔女」だから。

浅葱は魔女に心酔しているから。
魔女の力をもつ司を探していたから。
もし自分が魔女でなかったら、浅葱は自分を欲してくれただろうか―?

司のそんな葛藤と、かつて信じていた隣人に裏切られ、あるいは拷問され、惨殺されてきた魔女たちの記憶がオーバーラップし、物語に奥行きを与えています。

今巻で重要なキーパーソンになる人物が二人登場しますが、うん。
彼らの目的とか、そういったものは早々にわかってしまいます。わかってしまいますが、彼らの過去が非常に気になりました。ぜひとも続編あるいはスピンオフを描いていただきたい。そんな魅力あふれるキャラでした。

で。

今巻も笠井さんの挿絵はすんごいです。
まず表紙。
お尻鷲掴みとか…。いやいや、浅葱先生の手と司のおチリの大きさの違いにまず萌え。

で、中身の挿絵も非常によろしいです。
美しく、そこはかとなくほの暗く、そして淫靡で。

最高か。

表紙も、裏表紙も、帯の煽り文句も、表紙捲ってすぐのカラーの口絵も。待ったなしのエロスにまみれてますので、リアル書店で買われる腐姐さまは心してレジまで行かれてください☆

安定の西野作品のエロが突き抜けた作品ではありますが、このシリーズの持つ世界観が非常にツボなので、大変美味しく読ませていただきました。

腹筋崩壊しました

電子でさわりを拝見して、ツボにドはまりし、速攻で2巻まとめて購入しました。1~2巻まとめてのレビューです。


絵柄が非常にざっくりしているというか。
繊細な絵柄ではないし、背景の描き込みも甘い。
登場人物も「イケメン」とか「美少年」という設定でありながら、そこまでイケメンでもないし、美少年でもない。

好みはあるにせよ、凄く綺麗な絵柄を描かれるとか、そういった作家さんではないように思います。

のに、ですよ。

表情のちょっとした描き分けとか、しぐさとか、そういったもので端的に彼らの内面を魅せる。その表現力が素晴らしいです。

内容はすでに皆さまがレビューで書かれているように完全にコミカルに振り切った作品です。

ヤンキー(に見えるだけ)で、ビッチ(さんのようなビジュアルをしてるだけ)のDKがバイト先のコンビニで出会ったリーマンに恋をした。ノンケさんであろうリーマンに淡い恋心を抱く、DK・真矢くんの恋のお話。

が、そのリーマン・春もまた、真矢くんに恋してて…。

と、王道の両片想いのお話なのですが、ここに切なさは皆無。

真矢くん→春、というベクトルに見えて、実は真矢くん→←←←←春、という春の真矢くんラブ度がかなり高いから。
そして、春がとんでもなくヘンタイさんだから、なのです。

この二人を取り巻くサブキャラも大変魅力的です。

春の同僚で友人の友紀(彼の突っ込みが最高。)。
真矢くんの友達の大吾(彼は真正のヤンキーくん)とビッチ姉妹(こちらも真正のビッチちゃん)。

登場人物はさほど多くなく、BLというよりもコメディ色の強い作品ではあります。

でも、ちゃんとBLでもある。
そこに春と真矢くんの、相手を想う愛情があるからなんですね。

二人の恋がきちんと成就してほしいと思う一方、恋人になっちゃったらこのお話は完結してしまうわけでそれもまだ寂しい。

完全にコミカルに振り切った作品なので、もしかしたら好みが分かれるかもしれません。
エロはもちろん一切なし。
が、心の底から爆笑してしまう。
二人の恋を、全力で応援してしまう。

切ない作品も、エロもりもりの作品も、ほっこり心が温まる作品も、それぞれ好きですが、こういう爆笑必至のお話も大好物なのです。

続刊が、今から楽しみです。

アダルト、かつ純愛。

作家買い。

タイトルからすごくエロエロしいお話をイメージしていました。
が、いい意味で裏切られましたねえ…。タイトルから推測できるように、今作品はオメガバースもの。オメガバースものならではのヒートだったり、フェロモンだったり、といった描写も多いのでエロ度はやや高め。

が、ですよ。
男のプライドをかけた闘いと、深い愛情のストーリーでもある。

「オメガバース」という設定をフルに生かしつつ、恋愛、そして仕事にかける男たちの情熱もきちんと描かれていて、そのバランスが素晴らしかった。高月作品は受けが男前(ビジュアルという意味ではなく性格が)、というイメージが個人的に強いのですが、今作品の受けさんもめっちゃ男前。カッコよかった。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます、ご注意ください。






主人公はオメガのトウマ。
彼は自身のバース性を利用しつつ、対象者から情報を引き出す工作員。
今回の彼のターゲットは若くして頭角を現してきた不動産会社社長のリカルド。彼がマフィアの一員であるという確証を得るために、リカルドに近づくが―。

んー。
ストーリーは非常に王道です。

圧倒的なオーラを放つ、イケメンで、有能なアルファであるリカルド。
麗しいビジュアルとコントロールされたフェロモンを武器にハニートラップを仕掛けるトウマ(しかもトウマは今まで対象者と寝たことがないというまっさらさん)。

そんな二人が、仕事上で駆け引きをはじめ、騙し、騙されつつ、それがいつしか恋に堕ちてしまって―。

という、バッサリ言っちゃうとよくあるお話なんです。

が、そこに華を添えるのが彼ら自身の魅力。
仕事に対して、そして自分自身に対して誇りとプライドを持っている。確固たる信念を持ち仕事にかける男たちのなんとカッコいいことよ。

正直に言ってしまうと、ストーリー自体先の先までスーッと見通せてしまう。ラスボスの正体とか、リカルドの内に秘めたものとか。想定通りの結末でしかないのですが、無いのに、と言っていいでしょう。ここまで読者を惹きつけるストーリーを描き出せる高月先生の手腕に圧倒されます。

前半半分くらいまでは二人の駆け引きに多くのページが割かれていて、もうお腹いっぱいだなー、と思ったところに一気に怒涛の展開が始まる。このストーリー展開が高月先生の大きな魅力の一つではなかろうか。

トウマ、そしてリカルド。
オメガバース性を生かした仕事上の、そして恋愛という側面からも行われる駆け引き。
ヒートを起こし理性を失いかけたトウマとリカルドの閨の描写。

非常にアダルトな作品で、ほのぼのな、甘々なお話を求める方には若干不向きな面もありますが、ダークすぎず、痛い展開もほぼなく非常にバランスのいい作品だったように思います。