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亡くなった愛しい恋人を想う心を埋めてくれたのは…王弟殿下とのDom/Subファンタジー

初読み作家様です。
表紙のはにかんだセリル(受)の表情と、亡くなった恋人を今も想う中で
出会った新たな恋、という設定に惹かれ拝読してみました。

“白銀の騎士”と謳われる王立騎士団副団長のセリル(受)。
一年半前に事故で亡くした恋人を今でも忘れられず、
孤独を感じながらも忙しく働く日々…

そんなある日、上司である騎士団長から「王弟殿下へのお遣い」を頼まれ
王弟が館長を務める王立図書館へと赴くことに。
そこにいたのは、かつての恋人と瓜二つの顔をしたレオンハルト(攻)でー

と始まる、Dom/Subファンタジーです。

ちょっと肩透かしというか「あれ?」と思ったのは、
セリルが愛し今も忘れられない存在である元恋人・エリオットとの間に
体の関係はなかったー

という部分。

ノーマルであるエリオットとの間には、Subであるセリルが満足できるような
プレイはなかったー

この部分は理解できるのです。
SubとしてDomを求める本能に抗う形で、本気でエリオットのことが
好きだったんだな…と、むしろ萌え要素。

でも、どのぐらいの期間付き合っていたのかは不明だけれど
信頼し心から愛していた相手との間に、性交渉は実は一切ありませんでしたー

というのは、「えっなんで?」と疑問が先に立ってしまい、
不可解だったかな...

またレオンハルト×セリルの恋愛パートでは、
レオンハルトが亡きエリオットの姿形にそっくりー
という設定、必要だったのかな?という疑問も。

あらすじでも惹かれたように設定としてインパクトはあるけれど、
亡き恋人とほぼ同じ見た目の”別人”を愛するー
というのは、ちょっと新たな恋のハードルとしては高い気もしました;

そのハードルも超えられるよね、と納得できるほどの
レオンハルトの”攻めとしての魅力”という点では、やや(自分の中では)
弱かったかな...?と思います。

とはいえ、Dom/Subならではのコマンドを生かした
甘やかで官能的なプレイは読み応えあり!酔いしれました。

エリオットとの関係では得られなかった、本能を満たす深い部分での満足感。
新たな愛に踏み出すことに臆病だったセリルだけれど、
ぐずぐずに甘やかされて安心して蕩け、
“白銀の騎士”とは違うプライベートな一面を見せられる相手に出会えて良かった...

ちょっと色々気になる設定にツッコミを入れてしまいましたが(すみません;)、
楽しく拝読した一冊でした。

凍りついた心も、凝り固まった思考も溶かす攻めの一途愛。王族・貴族ケーキバースファンタジー

村崎樹先生の新刊は、ケーキ×フォークのケーキバースファンタジー。

”放蕩息子で好色家”と噂の第3王子が、実は…?という、
再会×一途愛の物語でもあり、「攻めの片想い」大好きな自分に刺さるお話でした。

グランディバ王国の片田舎で司書を務めるシリル(受)。
彼は周囲から「吸血鬼」と恐れられるケーキー
驚異的な能力(シリルの場合は記憶力)と引き換えに、
味覚を失った美しい青年です。

愛する本に囲まれて静かに暮らしていたシリルですが、
突如王国第3王子・エヴァン(攻)からの結婚話が舞い込みます。
呼び出された早急で待っていたのは、旅する行商人だと思っていた
見知った顔。

フォークの研究に関わる隣国との内通者を炙り出すため、
契約結婚に協力して欲しいー
というエヴァンからの申し出に、シリルは…

と続きます。


政略結婚という体をとりながら、エヴァンのシリルに対する態度は
最初から甘やか。
「あー実はシリルのこと大好きなのね( ̄∀ ̄)」と伝わってくるのが
くすぐったくも心地よく、いつ想いが通じるのかな...とワクワクしながら
読み進めました。

夫夫になったのだから…と自分からプチプチボタンを外して
服を脱ぎ、性交渉の準備をしようとするシリルを慌てて止めたり。
見つめ合って甘やかなキスの後、首元や頬を赤らめていたり。

10年来の片想い相手をようやく手に入れ、普段はスマートなエヴァンが
わたわた、わたわた。

男前でありながら、どうも恋愛ごとに関しては天然なところもある
シリルにいまいち”伝わってない"焦ったさ、もだもだ恋の様子も
微笑ましく、楽しい(*´艸`)

ケーキとフォークが体液交換を行い、
ケーキがフォークの”贄(にえ)”となると
ケーキの目の色が変化し、見た目にも「特別な関係」であることが
分かるようになるー

という設定も、なんとも官能的でロマンティック。

エヴァンの美しい青い瞳が、シリルと交わることで変化する描写が美しくて、
文字を追いながら脳内で想像、身悶えしました。

王立図書館で働く中で、徐々に変わってゆく
シリルの内面、意識の変化も見どころの一つでした。

能力を知っても「フォークだから」と蔑まれることなく、
認められ頼りにされる喜び。
新たな目標を見つけ、向上心を持って生き生きと仕事に取り組むシリルの姿が
頼もしかったです。

お仕事も、結婚から始まった恋の行方も順調に進み…という中で起こる、
図書館の持ち出し禁止書物の持ち出しと、濡れ衣事件。
また、フォーク研究に水を差す隣国との間諜の炙り出しが、
甘やかな物語の中にもピリッと辛く、締まる部分を演出してくれていました。

意外なあの人が犯人で、しかもその裏には悲しい事件が関わっておりー
と、悪役ながら100%憎みきれない犯人だったところが切ない( ; ; )

方向性は間違ってるけれど、そしてシリルを陥れようとしたことは
やはり許せないけれど、彼には彼なりの正義、
譲れない思いがあったことも理解できました。

厄介払いするために、自分は田舎の図書館へ追いやられたのだー
という誤解も見事に解け、不器用ながら父も兄もシリルの身を案じ、
愛していたのだと分かり、家族の和解へと繋がる光が見えたのも良かった。

王立図書館でシリルを囲む同僚たち、
特にツンデレのアドルフのキャラが好きです。
当て馬になるのか!?と当初ドキドキもしたけれど、そんなことはなく(笑)。

ガツンとパンチのあるお話ではないけれど、
甘やかで優しい攻めの一途愛に酔いしれる。
そんな光あるケーキバースファンタジーでした☺︎✨

安心安定の名倉先生節!溺愛年上男×不憫受けの年の差愛

名倉和希先生のラブコメが大好きで、少しずつ集めて拝読しています。

こちらはなんと、攻めが16歳年上!という歳の差恋愛。
受け君への気持ちを自覚するにつれ、ED気味だったのに股間が痛くなり
タクシーの中で勃起し…と様子のおかしくなってゆく攻めを見守るのが
楽しかったですw

主人公は父親と二人、車上で暮らす19歳の青年・拓也(受)。
ある日突然父親が病に倒れ入院してしまい困っていたところ、
助けてくれたのは父の親友で幼馴染・35歳の日比野(攻)でー

と続きます。

客観的に見て、この拓也の境遇がかなり悲惨で不憫なのですが、
変に悲壮感が強くなり過ぎず読み進めることができるのは
名倉先生の腕のなせる技なのかな。

実の父親にも問題はあるとはいえ、
ちゃんと拓也に愛を注いでいるところが安心感があり良かったです。

攻め受けそれぞれの恋心については、正直もう少し堀り下げがあっても
良かったかもしれないけれど...

”絶対受け入れてなんてもらえないよな”と双方が思いながらの両片思い、
特に攻め・日比野視点でのお話はコミカルでツッコミどころも多くて
楽しく、声を出して笑いながら読みました

「いってらっしゃい」と言われては「可愛い」とニヤけ、
お弁当を作ってもらったー!と喜んで夏目さんに自慢し
(この女性キャラ・夏目さんが良きキャラでした◎)、
「攫われたら危ない!」と自分の膝の上に座らせて離さない。

こんなおっさんに想いを寄せられても…とうじうじ悩んでいたかと思いきや、
一度決めたら「でろでろに甘やかしてメロメロにさせれば良い!」と
一直線なところも、面白くて好きでした笑

日比野母に関しては、ちょっと中途半端に思える幕引きに
悶々としちゃったかな...;
拓也も危うく大事なPCを失うところだったのに簡単に許しちゃって甘いし、
それでいいのかな?と思ったところはありました;
(でも二人が良ければ&終わり良ければ全てよし)

ちょっと元気が出ないな、カラッと笑って元気を出したいな、という時に
ちょうど良い、名倉先生のビタミンBL。

今作も楽しませていただきました✨

拓也が「糸」として作った曲の数々、どんな歌なんだろう?
聴いてみたいな...と想像膨らみました☺︎

攻めの懐の広さ、海より深い愛と覚悟に涙。受けの救済物語

下巻...とんでもなく、本当に最高に良かったです。。
赦しと、とんでもなく深い愛による受けの救済物語でした( ; ; )

以下、読後の感動のままに書き散らしますがご容赦ください;


まだ事実を何も知らない忍(攻)と一緒にいるところに、西野先生が現れ…

という上巻ラストに続く下巻。

教授戦絡みの過去の因縁(の第一弾)がバレてしまい、
ああついに、切ないすれ違いが始まるのかー

と思いきや!!!

もーーーーここでまず、自分の予想が裏切られました。
忍が一歩(も二歩も)大人なんですよね...グッときてしまう

この、頭にカッと血が上っておかしくない状況で
「1分くれ 思考を片付ける」と言える冷静さ、落ち着き。

決して心の底から冷静であるわけではないことが分かるからこそ、
その葛藤と”切り離して考えよう”とする努力がひしひし伝わってきて、
胸打たれます。

東湖が”仕事として”自分の負けた教授戦でライバルに関わったのは、
致し方ないこと。
またそれを自分に伝えずに恋人付き合いを続けていたことも、
事情を聞けば許すことができる。

という、一つ目の壁を乗り越えてしまったからこそ、
次の段階での決定的なすれ違いがより切なさを増して迫ってくる。。( ; ; )

悪夢にまで見て恐れていたとおりの、
冷たい顔と言葉で拒絶されてしまった東湖。
プレゼントしたマフラーに顔を埋めて泣きじゃくる東湖の姿が
悲しくて切なくて、ズキズキと胸が痛みました

既に互いに「特別で大切な相手」になってしまってからの残酷な別れ。
自業自得だとは思っても諦めきれずに「嫌だ」と泣く東湖の
心の叫びが重い。。

合間に語られた幼い時の兄との思い出にも、涙を誘われました
兄が届かなかった「未来」へ命を繋ぎたくてなったMRという仕事、
途中でやり方は間違ってしまったとしても
そこにあるのはただただ”命を救いたい”という純粋な思いなんですよね。

それが分かるからこそ、どうにかして東湖に救いが訪れてほしいー
と願わずにはいられず、ページをめくる手が止まりませんでした。


で!!!
そこからの忍さんの闘志、負けん気、対西野への”ぎゃふん”と言わせ方がもう!

惚れ惚れするほど男前でかっこ良くて、
読みながら噴出するアドレナリンを感じたー...!笑

加藤教授の記念パーティーでの忍のセリフも行動も、
ドラマのワンシーンのようで痺れました。

「なぜ教授戦に出ようと思ったか」を東湖に説明する際の
”その2”と”その5”が被ってるのにちょっと笑いつつ、
自らのプライドと東湖への愛をまっすぐに語る姿に
胸も目頭も熱くなり...

紆余曲折あって、東湖が掴むことのできた本当の愛と幸せ。

枕営業をしてきたこともあり、今まではどんなに褒められても
両親のことをまっすぐ見つめることの出来なかった東湖。
だけど今度忍を連れて実家へ帰った際には、きっとまっすぐ両親の目を見つめて
笑顔で恋人の紹介ができるよね...

後悔を背負った受けの救済と、光ある再出発にグッと胸が熱くなる、
読み応えある上下巻ストーリーでした。
二人の未来に、幸あれ...!✨

★修正:tn白抜き(上巻と同じ)電子シーモア

抑えきれない恋心と罪悪感、大人の純愛

この上巻表紙の攻めの柔らかなお顔に、心撃ち抜かれたー...!

上巻が黒、下巻が白のモノトーン装丁が最高に素敵な、ウノハナ先生の新作。
しっとりとした中にも激しい情熱・想いを感じさせる大人の恋に
酔いしれました。

院内闘争、枕営業なども絡む大人の恋愛、ちょっと読み手を選ぶ作品では
あるかもしれませんが、自分にはとても響き刺さるお話でした。

上下巻一気読みしましたが、こちらには上巻のみの感想を。

攻め受けとも30代(36歳×30歳)、
天才脳外科医×外資系製薬会社のトップMRというカプ。

赴任先のドイツで東湖(とうご・受)が一夜を共にし恋に落ちた相手は、
自分が日本から逃げ出した原因に関わる、因縁の相手だったー

クリスマスマーケットでの二人の最初の出会いの出会い、
一夜の描かれ方がとても美麗で幻想的・:*+.
ページを開いて1コマ目、大聖堂の荘厳な姿に目を奪われました。

そんな中、無愛想クールな攻め・奥村が大きなクマさんぬいぐるみを
抱えているというギャップ。何それ可愛い!!

そして当初の予想とは違い、品よくお行儀よく…ではなく、
猛々しく(でも気遣いながら)東湖を抱く奥村。うんうん、良い...!

淡々としているようでありながら、東湖を見つめる目には
既に恋心が宿っているのも伝わってきて、何重にも「おっ」と思わされる
奥村のギャップに、すっかり虜になってしまいました。

トップMRの東湖も、ただ野心家だというのでは魅力半減だったと思うのですが
ちゃんと彼なりのバックストーリーがあるのも良かった。
歪んだ方法をとることになったとしても、患者に新薬をなんとしても届けたい、
そう願う気持ちは真摯でリアルなもの。

奥村のことを、「かつて自分が蹴落とした相手」だと気付いてから
懸命に恋心を抑えようとする東湖の足掻きが切ない。
「もうここで止めよう」「やめよう」と思う時点でもう、
どうしようもなく身も心も相手に惹かれ、
ズブズブにハマってしまってるんですよね。

きっとこの幸せはどこかでピリオドが打たれるんだろうな、と
覚悟の上で読み進めましたが、やはりこの上巻ラストで鍵となる人物が現れ...

上下巻2冊合わせての一つのストーリーで、この上巻だけの評価は
ちょっと悩むところですが(「神」か「萌2」か)、
やっぱり「神」で!

意外にも溺愛な攻めのギャップへの萌え、また受けが恋心と罪悪感の中で
揺れ動く気持ちに共感しかなく、下巻への期待をおおいに掻き立ててくれる
上巻でした◎


★修正:tn白抜き(電子シーモア)
きれいな白抜きでした;
男の色香たっぷり、お風呂エッチなどもあり見応えありなので
白短冊等で見てみたかったな;

攻めの燃えたぎる想いが胸を打つ。ピンチも救い方も、何もかもがスケール大!!

ゆりの先生のこちらのシリーズ、大好きです。
今作も、攻めの愛、そして受けのピンチ&救われ方もスケール大、の
英国パブリックスクール物語を存分に楽しませていただきました。

評価は神寄り。もしかしたら後で変更するかもしれません。
(十分満足ですが、萌え度としてはちょっとシリーズ他作よりも
控えめだったため)

こちらはシリーズ5作目。
一応、順番としては「アルファの耽溺」→「アルファの執愛」→
「アルファの寵愛」→「アルファの渇愛」、そして今作「アルファの灼蜜」となります。

シリーズものですが、それぞれ単体でも読めます。
が、それぞれの作品に既刊作のキャラが顔を出したりしていますので
個人的には順番通りに読んでいくのが一番、萌えも読み応えも満足感も得られる気がします☺︎

あと今作に関しては、これが(シリーズ)初めて!という方が
スッと入っていくのにはハードル高いかな?と思いました。
名門パブリックスクールのイベントやらキング制度やらを一から頭に入れ、
次々起こる派手な事件を追っていくのは大変そうかな?と(あくまでも主観です)。


で、やっと御本の感想に入る前に一点だけ。誤植についてです。

P.47「ターミルの顔が...」から3文が2度繰り返されており、
読んでいてあれっと思ったところでした;


ここからは本当に今作の感想を。

まず、、ああーーーー表紙が麗しい!!
と興奮しながら御本を開き、口絵の可愛らしさに悶絶。
二人が初めて出会い、ターミル(攻)が一目で佑真(受)に恋に落ちた日のイラストです。萌え転がってしまう...

今回、受けの佑真が何度かピンチに陥るのですが、
闇オークションに水牢責めに…とやり方が派手だし、
ターミルの救い出し方もヒーローっぽくてハリウッドぽくて
個人的に「いいぞー!もっとやってやって!」と興奮しきりでした◎

同じ寮の同級生であるターミル(α)と佑真(Ω)。
ターミルは初めて出会った時から佑真に恋しているものの、
自分の気持ちは内にとどめてきたー

というのも、佑真はターミルの異母兄であるハムディの学友であるため。
優秀なターミルを目の敵にしているハムディにこの恋心がバレれば、
弱みと受け取られ確実に佑真が危険な目に遭う。

愛しい人を守るため、あえて自らは近づかない道を選んできたターミルですが、
ある事件をきっかけに考えを変えることに。
佑真を手に入れ、守り抜くことを決意しー

と続きます。


まず何より、攻め受け二人のキャラが良い!!

佑真への溢れんばかりの愛が伝わってくるターミル。
自信と才能、実力を全て兼ね備えた彼が、
唯一佑真へは文字どおり跪き傅くのですよね...うっとり。

佑真がどんなピンチに陥ろうと必ず救い出してくれる、
駆けつけてくれる。
目指していた”キング”の座を放棄することになろうとも…

ゆりの先生もあとがきに書かれていた肩書き、
「初めての”キングにならない攻め様”」、
その道を選んだ覚悟が男前すぎて痺れました。

初めは佑真の身を案じ、陰で見守ろうとしてしていたのに
いざ”表に出る!”と決めてからはあっという間に佑真を囲い込んで行く
一流ハンターなところも、大いに心を沸き立たせてくれました。

対する受けの佑真も、結果的にいつも
ターミルに助け出されてはいるのですが(笑)、
決して”助け待ち”の姿勢でいるわけではなく。

どんなピンチでも冷静に頭を働かせ、
自分の頭で考え行動できる精神的な強さが魅力の、麗しい受けでした。

ストーリーの方も、ハムディによって次々と仕掛けられる罠、
国を跨いだスケールの大きな救出劇に身分差のある一途愛が
ハラハラドキドキ感をおおいに高めてくれ、
ページをめくらずにはいられない面白さ。

ラブ面で言えば、ターミルの長年・積年の想い、
恋心の芽生え〜それがどんどん大きくなっていく様子を
個人的にはもっともっと見たかったかな?
個人的に、恋心を拗らせた攻めが大好きなので...

とはいえ。

王族でありながら跪いて愛を乞い願うターミル、
それに愛をもって応えた佑真のロマンチックな恋物語、
存分に味わい楽しみました。

悪役がドッカン!と成敗されるの大好きですが、
この作品では悪役にも”愛による救済”が待っていたことに、うるり。
こっちの二人の「これから」も、なんだか無性に気になります。

ターミルが「キングの座を諦めても、佑真を救いに行く」と
決意するのを後押ししたアントニウス寮の面々の熱い言葉・熱い結束がまた、
とても印象強く心に残りました。美しかった...✨

ゆりの先生、今回もまた素敵なオメガバース×パブリックスクールのお話を
ありがとうございました。

第6作、第7作...と、ずっとずっと続いて欲しい大好きなシリーズです☺︎

可愛い可愛い、全部可愛い!!! ぼくの”推し”って、そっちなのー!

園瀬もち先生、大好きです。推してます。
そんな先生の作品の中でも、今まででナンバーワン!!ってぐらいに
このお話が大好きーーーー...!✨

「メロい」の概念がひたひたと身に染みて分かり、
何かに開眼した気がします笑

同じ大学に通う先輩後輩、BLコンカフェで共に働くことになり
そこから徐々に関係性がー
と展開してゆく物語。

まずタイトルが良い!!!
読んだ後タイトルを見返し、「ほーーーっ...」と感嘆のため息。

読む前は普通に、輝(ひかる・受)が紗々原(攻)を推してる
輝→紗々原の図かと思いきや。
1話目のラスト、輝の可愛さに悶える
ヘアピン&メガネの紗々原先輩にやられたーーっっっ!!!

予想を裏切る「紗々原>>>>>>>>>>>>>>>輝」という紗々原の”輝推し”の事実に
ハートを撃ち抜かれました。そっちかあー!!
(でもちゃーんと輝も沼落ちして紗々原にメロっているので、
双方向に「メロすぎる!」になってるところが、最高に良い◎)


表向きは”完璧な王子様”、実は隠れヲタクという紗々原のギャップに
萌え転がってしまう...//
カッコよくて可愛いの、反則です。

”王子系”でいる時は、とにかくルックス言動全てが完璧。
極度のドジっ子・輝のピンチの時にはさっと手助け、
ピンチを脱させ守り抜く姿はスパダリそのもの。

一方で”ひかるん”こと輝が可愛すぎるあまり
キスなど大胆な行動に出てしまった後は、
自宅部屋でキノコのようにじめじめ落ち込む姿もまたきゅーんと可愛くて良し!!!(*´∀`*)

王子の時の姿や言動が、愛しの輝のために
練りに練られた”努力の成果、塊”なのがまた、刺さって仕方ないのです。

健気で溺愛で一途で一生懸命でカッコよくて、たまに可愛くて。
こんな先輩、好きにならずにいられないよー

特にキュンが爆発したのは、二人の初デートin遊園地。
下調べしすぎて寝不足なのが分かる紗々原の目の下のクマと、
バッグから飛び出た付箋だらけのガイドブック…

スマホでささっと調べられちゃうご時世に、
紙の本を!まるで付箋本のようにしながら!

前日夜の紗々原の様子は本編に描かれていないけれど、
せっせ、せっせと一生懸命下調べする紗々原先輩の絵が
脳内を駆け巡り、きゅんとトキメキとが爆発しそうでした。

と、ここまでつい推しすぎる&メロすぎる紗々原先輩について
語ってしまいましたが、もちろん受け・輝も最高に可愛い。

天然ドジっ子だけど、そこにはちゃんとそうなってしまった理由、
”過去の経験”があるのですよね。
懸命に努力してる姿は見てるだけで応援したくなり、
また”ドジっ子危ないシーン”も全部が全部可愛くて
読んでる私が”メロ”メロになりました(*´◒`*)

紗々原が一番最初に好きになった”レッド”が実はー
と明かされる事実にも、グッときてじーん..としたなあ。。

輝にとってのトラウマの種、苦い記憶の象徴である”レッド”が
(↑小学生時代の紗々原にとっても、辛い記憶になったけれど)
二人を結びつける運命的な繋がりになったなんて、なんてロマンチック・:*+

受け視点でも、攻め視点でも味わえる「恋のときめき、ドキドキ」。
一冊で二度(いやそれ以上!)美味しい、最高&最強のラブコメでした୨୧


★修正:ライトセーバー&ライトセーバーに+白短冊(電子シーモア)
    tnトーン+白短冊7本〜(紙本)←電子より甘く嬉しい修正❤︎

濡れ場は一回、描写自体は割とあっさり目ですが
二人のドキドキと可愛さとラブ(♡)が十分に伝わってくる!!

あと本格的な濡れ場の前に、攻めフェされて
輝がたまらず◯射してしまう描写があります(ここも可愛すぎて悶えた)

海野幸先生、TVドラマ化おめでとうございます

BL小説雑誌唯一の生き残り、キャラさん。
応援する気持ちで買っています。

今号のテーマはどうやら「特殊能力」。
自分だったらどんな能力が欲しいかなあ…なんて、
お話を読みながら考えるのが楽しかったです。

海野幸先生の作品ドラマ化記念で、先生のロングインタビューや
三人の漫画家先生による3作品の一部抜粋漫画、
「あなたにおすすめの海野作品」チャートなどもあり
ファンとして嬉しい限りでした✨(海野先生の小説、2編あります!)

以下、読んだもの・印象に残ったものについての感想を☺︎


◆担当編集にテレパシーが通じない!(千地イチ先生)

年下編集×テレパス能力持ちの崖っぷち少女漫画家。

ゲラゲラ笑い、そして途中思いがけず涙してしまった…
テレパスで相手の心の声、が聞こえたとしても、
聞こえたものだけが全てじゃないんだな、と。
主人公・陽尊(ひだか・受)の気付きに大きく納得、
うんうん頷きながら読みました

遊び人だった攻めが心を入れ替え、一途になるの、やっぱりいいわー…
現実にはあまり見たことも聞いたこともない気がするけど(遠い目)、
くううっと唸って浸れるファンタジーの良さ。

いつか能力のこと、篠崎(攻)に話せるのかな。
その時のリアクション、二人の会話も壁になってこっそり聞きたいな。
———
◆知らぬは本人たちばかり(海野幸先生)
※「ifの世界で恋がはじまる」番外編

実写ドラマ化おめでとうございます☺︎・:*+.
なんと初回放送、見逃してしまった〜〜;追っかけで見ようと思います!

こちらは「ifの世界〜」の番外編。
彰人(受)視点のお話に、後半2P、二人の後輩・富岡視点が入っています。

彰人が以前納期遅延を起こし大目玉を喰らった芦屋電機。
その芦屋電機がサーバー増築検討中とのことで、
担当の富岡から「一緒に商談に入ってもらえないか」と声をかけられー

というもの。

いつぞやの並行世界のように常に後方に回され守られるのではなく、
大狼(攻)と対等でありたい、と頑張る受け、やっぱり応援したくなる。

一方の大狼の言動から伝わってくる恋人を心配する気持ち、
優しさにもまたグッとくる。
緊張や不安が過ぎると、極度に手指が冷たくなってしまう彰人のため、
そっとデスクにチョコを置いていってくれるところ。そこに書かれた言葉。
読んでいてじんわり、胸が温かくなる…

ややチャラついた(笑)富岡だけど、
二人の間の信頼や特別感をちゃんとキャッチしてるところ、さすがです。

また本編を読み直したくなる、じんと来る番外編でした。
———
◆恋愛対象への好感度操作は禁止です!(海野幸先生)

とても胸熱で、泣けるお話でした。

”魅了”という異能力を持つ広告代理店営業・律樹(受)。
彼が絶対に力を使いたくない相手は、仕事のパートナーでもある幼馴染・祐大(攻)でー

異能を持つ受けの、幼馴染への長い(10年以上!)片想い。
代理店とイベント企画会社、バディを組む二人のお仕事っぷりも読み応えたっぷり、
異能があるからこその自分の”本当の能力”への疑い、
恋する相手を見つめることができない寂しさ。

そんなものがぎゅっと詰まったお話、さすが海野先生!と感嘆のため息が出ました。
一途な片想いかと思いきや…?胸キュン止まらぬお話、
多分これからも何度も繰り返し読み返すと思います。
———
◆五つ星ホテルの舞台裏には天敵がいる(野宮まち先生)デビュー新作第2弾

老舗名店の板前×叩き上げホテルマン。
ちょいケンカップル?だけど、最後の京都の夜の戸張(攻)が甘くてキュン…
伊佐木(受)の負けん気の強さに、自分も一緒になって
「やってやろう!」と前向きなガッツが出てきた気が(๑•̀ㅂ•́)و✧

ラグジュアリーホテルの裏側も知ることができ
(もちろんフィクションもさるだろうけれど)、
一流の仕事の厳しさ、覚悟、やりがいを主人公と一緒になって追えるお話でした。
———

いまいち萌えきれず、乗り切れず

「萌」ですが、萌えたわけではなく、、
でも「面白くない」というわけではなく、、
評価、どうしよう?と悩んだ末の、「星3つ」です。

仁茂田もに先生の作品を読むのは、
『あなたの糧になりたい』に続いて2作目。

「あなたの〜」がとても好みだったため、下巻が出たら
上下巻揃えて読もう!と決意・購入、上巻を拝読しました。

…が、なんだろう、「あなたの〜」ほど大きな萌えは感じず、
最後まで淡々と読み終えてしまいました;
330Pが、ちょっと長いと感じました。

BLゲームの主人公に転生したアルト(受)は、
なぜかシナリオにはない流れで断罪・流刑に処され辺境の地へ。
魔素の濃いその地域では誰しもが死に近づいてゆき、
やがて命を落とします。

そんな場所で自らの管理官であるフェリクス(攻)と出会い、
任務をこなしていく中、やがて絆と特別な感情が生まれ、
断罪ルートの真相も少しずつ見えてくることに−

と続く転生ファンタジー。


まずもちゃろ先生の表紙やイラスト、とても美麗で雰囲気があり、
素敵だと思う。

なのですが、攻め受けのキャラクターもそんなに
(あくまでも自分の受け止め方では)インパクトがなく、
また物語の展開にも自分の予想を大きく裏切り、
心動くような驚きや仕掛けはなかった。。かな、、?と思います。

途中のフロストドラゴン親子のお話が
シリアスながら感動的かつ印象的で、
この先またどこかで関わってくるのかな!?くるよね!?と
ドキドキしていたのですが
上巻での再登場はありませんでした;

流れるようにサラサラと絆されてゆくフェリクスにも、
強気な態度や言動を見せながら、
フェリクスが自分に向ける好意は「ゲームの強制力」なのではないか、
と怯えるアルトにもいまいちグッとくることができず、、

萌えを見つける、つかむ!つもりで
途中からより気合を入れて読んだのですが、
やっぱり萌えきれず、乗り切れずでした、、

途中、蔓系植物の媚薬効果でフェリクスがアルトを慰める描写あり。
(anlに指を入れてます)
そこからまた二人の関係が変わり始めてーというのも
”あるある”展開ではあるので、ときめきや萌えは控えめだったかな、、

お話としては、フェリクス&アルト大ピンチ!というところで終わっているため、
物語世界に没入できる方にはたまらないワクワク展開だと思います。

下巻...続けて読むか?少し時間を空けて読んだ方が良いか、迷います。

ちょっと今作は自分の萌えの方向性とは違ったようなのですが、
萌えは先生の『あなたの糧になりたい』の方で存分に吸収したいと思います…!
「萌」評価なのに辛口ばかりで、すみません;

安西リカ先生のお話が胸に刺さる...6遍の短編小説アンソロジー

暮田マキネ先生による表紙絵が眩しい…!まさに「アオハル」。
どのお話も、その年代ならではの瑞々しさに溢れていました。
読めて良かったー…

特に胸に響いたのは、安西リカ先生のお話。
攻めの一途な片想いに泣きました( ; ; )

以下、それぞれのお話の感想です。
全部書きたかったんですが、大きく文字数オーバーしてしまったので、
後半2編のレビューはコメント欄に残そうと思います;

全てネタバレレビューですが、特に川琴ゆい華先生のお話しは
ネタバレなしで読んだ方が良いだろうと思いますので、
未読の方、ご注意下さい。


●月村 奎先生「アオハル スパイラル」 

五反田佑都×浜野辺柚

成績も性格も人との付き合い方も、まるで正反対の同級生同士のお話。

意地っ張り受けが「シャーっ!」と威嚇する猫みたい。可愛い(*´艸`)
お弁当自分で作る子に悪い子はいない。(と思う!)
そんな柚(受)の背景を知ると切なくて…
今問題になっている”ヤングケアラー”の問題も少し、関係しています。
(柚自身は否定しているけど、実際はそうだったところがあると思う)

両親の離婚時、どちらが柚を引き取るか、で揉めたことが心の傷になっている柚。
その時からずっと、常に誰かとつるんでいないと不安で、一人になりたくなくて…
小5の時に転校してきた五反田が”ぼっち”だったことからサッカーに誘うも、
すげなく断られたことが恥ずかしく惨めで、その時からずっと五反田のことを
”敵”と認識していたー

幼少期の誤解から勝手に五反田を敵対視していた柚だけれど、
つるんでるグループからハブられ”ぼっち”になりかけたところ、
思わぬきっかけから五反田との交流が始まります。

五反田がまーー、また面白い真面目君キャラで笑っちゃいました。
二人で一緒にお弁当食べてる姿、目では文字を拾いながら
脳内にその光景が広がりました。

お堅い真面目系なのに、仕掛けるキスはなんともえっち..だなんて
ギャップが最高に良すぎる。

五反田との交流が始まったことで、恋も進路も大きく動き出した柚。
いままで辛く寂しい思いをしてきた分、
これからは五反田に甘えに甘えて満たされて欲しいな。


●安西リカ先生「ブレイクライン」

新名鷹之×市川晴翔

これ、激しく萌えたし、読んでいて胸のときめき止まらず
涙も溢れて夜中に泣きながら読みました。
生徒会広報と陸上部、高2〜卒業を経て、再会を果たすまで。

恋のお話でもあるのだけれど、自分はこのお話を読んで
「陸上」という競技への見方がまるっと変わった気がする。
文字で綴られるレース、その臨場感が半端なく、
気付けば自分も手に汗握って市川のことを応援していました

で、もう一番にグッとくるのが、攻めの一途な超絶片想いです。
試合のたびに応援と写真を撮りに来て、交通費も馬鹿にならないのに
県大会や南関東ブロックにまで訪れ、重いカメラを抱えて炎天下…

で、同じ陸上部のどのメンバーのこともきちんと写真を撮ってる新名なのに、
市川が巻き込まれ事故の形で転倒し、失格した時のレースだけは撮れていないんですよ。。
なぜならその時、泣いていたから。
好きな人が無念の終わりを迎え、冷静でなんていられなかったんだよね。

苦しんで、悩みに悩んだ末の卒業式の日の告白。
その後一方的にブロックして逃げてしまうのは確かに卑怯なんだけど、
一ミリも希望なんか持てない状況でそうせざるを得なかった新名の気持ち、
分かる気がします

そして最高に”いいな”と思ったのが、完全な”両思い”にはなり切らずに
終わるところ。
それでも「好きだ」とまっすぐ伝えることを許された新名が心底嬉しそうで、
思わずほろり。

作中にも出てくるワード「ブレイクライン」のタイトル回収まで見事で、
文句なし!の極上の神アオハルでした。感服…


●海野 幸先生「君と世界の中心で」 

高村巌×宮内悠太

元柔道部でわけあって美術部に入部した主役級男子と、
小柄な健気美術部員、同級生同士のお話。

ドラえもんを四足歩行の獣に描いてしまう高村の画力、恐るべし…!w
けれどそんな彼が、宮内に教えられた「90秒トレーニング」を一日3時間、
毎日続け…

運動部で培った反復トレーニングと、それを続けることのできる継続力、
精神力がさすが!

安西先生のお話とは逆に、こちらは自分の中の恋心に気付いた受けが、
その気持ちを押し殺して攻めとの日常を過ごす、健気受けのストーリーでした。
お互い頭を上げたら頬に唇がかすって、真っ赤になる二人…ただただ、可愛い…

「自分なんて所詮脇役」と自らを卑下する悠太に、
しっかりと言葉で「そうじゃない」と伝えてくれる高村、
その告白も男気溢れる堂々たるもの。

自分より一回り以上も大きい先輩相手に立ち向かった悠太は、
決して”ただのモブ”なんかではなく、主役そのものでした。

不器用同士の恋物語、甘酸っぱくて胸熱でした・:*+

●川琴ゆい華先生「21時に教室で会おうよ」 

井川広輝×吉住那生

タイトルの「21時」に一瞬”はて?”と首を傾げたのですが、
読んでみて納得。
定時制に通う男子×同じ高校の全日制に通う男子、
秘密の”交換ノート”を通じた甘やかな交流が、やがて恋に変わり…
(以下大きなネタバレ含みます)



顔に青黒い太田母斑を二つ持ち、それがコンプレックスの受け。
自分も中高時代、かなり酷いニキビがコンプレックスで(友人に「ひどいね」と言われるほど酷かった)
不登校なりかけだった時期があったので、身につまされるお話でした。
さらにそれに加え、映画「君の◯は。」的お話の展開が切なかった…

が!最後はちゃんと、光が見えます。
でも、欲を言えば「再会後」から3年後のシーンに飛んだその「間」を
じっくり追いたかったかな;

アザのことを「ダンゴムシ」と呼ぶクラスメイトには
読みながら殺意に似たものを感じてしまいましたね。。
ギャフンと言わせてくれたクラスメイト女子、カッコ良かった。

夢を叶えた那生の姿に目頭熱くなる、夜明けのお話でした。