umeairさんのマイページ

レビューした作品

マスターレビューアー

女性umeairさん

レビュー数855

ポイント数10517

今年度1位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • 映像
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

的へ向かう矢のようなひたむきさが胸を打つ。生徒×先生、三角関係の行方は…

高永ひなこ先生の、訳20年前(!!)の作品(シリーズ)完全版、
第一弾のこちら。

こちらの「恋に堕ちる」から始まり、全4冊が最近刊行されたということで、
順番に拝読しよう!とお迎えしました。
旧版は未読、こちらがシリーズ初読みです。

ちなみに読む順番(刊行順)は以下のようです↓

1.きみが恋に堕ちる(今作)
2.きみが恋に溺れる(上下巻)
3.きみが恋に乱れる

今作の描き下ろし「お花見」の中に、2と3のキャラ達も出てきていますので、
既にご存知の方は楽しめるかと思います☺︎
私は未読のため、他作も読んだ後にもう一度
こちらの描き下ろしを読みに戻ってこようと思います。楽しみ!

で、こちら。

高校弓道部主将の司×現国教師・春、
高校での4年ぶりの偶然の再会から始まるお話です

春はかつて司の兄・礼一郎に片想いをしており、
そんな春のことを、司はずっと想っていたー

という、受け視点でも攻め視点でも切ない設定...

攻め→→→→受けへの一途で情熱的な思いが
「弓道」の弓にも重なり、胸打たれます。

若さゆえに、時に激情に駆られて
衝動的な行動を取ってしまう司だけど、
自分なら絶対に春を守り抜く、傷つけたくないー
という思いは誰よりも強く、まっすぐなことが伝わってくるんですよね…

こんなに一途にひたむきに向かってこられたら、
そりゃ落ちて…いや、タイトルどおり「堕ちて」しまうよね、
と思わずにはいられないお話でした。

司に心惹かれつつある自分を自覚し、
それは「愛される」ことに安堵し甘えてるだけではないのかー?
と悩む春にも共感。

長いこと拗らせていた礼一郎への思い。
そう簡単には心の系は解けたりしないし、心揺れる自分への罪悪感もある。

悩みながらも、そして誤解が生まれてより拗れたりしながらも
二人の恋が成就してゆく過程、夜明けの物語がじーん...と沁みました。

ひたむき年下攻めの、粘り勝ち!
めげずに(一度諦めかけてはいたけど)よく頑張ったね…!

4年ぶりに春の引いた弓が、まっすぐ的を射るラストが
キラキラ眩しく、希望に溢れていたー…!
春の中で吹っ切れた思いと、見つけた新たな恋へと向き合う気持ちが、
弓に表れていました✨

大好きな春さんと兄・礼一郎が話しているだけで
嫉妬している司には思わずニヤニヤ( ̄∀ ̄)
可愛い年下執着ワンコ攻め、春はうまく宥めてしつけることができるのかな〜

今作に続くシリーズ他作品にもきっと、
この二人も登場すると思うので(旧版未読のためはっきり分からずですが;)、
”その後の二人”の様子がちらっとでも見られるのを楽しみにしています(*´◒`*)


★修正: なし(修正不要な描かれ方です)
電子アニメイトブックストア

断罪ルートを避けるため、義兄と良好な関係を築こうとしたらー

「萌」評価ですが、萌えたー!!という実感はちょっと薄めかな…?
安心感のあるタイトルどおりのストーリーも、
もう一捻り何か驚きやハッとする場面があったら、より嬉しかったかも...

と、初っ端から欲を言ってしまいすみません;

執着を匂わせる義兄の愛にはニヤニヤ(。-∀-)、
けれど何かもうひと押し、受けの魅力や変化・成長を見たかったな…!という
思いが残りました。

こちらタイトルどおり、よく知らないBLゲームの悪役令息として転生した
セレス(受)が、断罪から逃れるため義兄・リアム(攻)と
友好関係を築いていくうち、いつの間にか溺愛・執着されるようになりー

と続くお話です。

ゲームの世界ではリアムの攻略対象だったキャラ達が、
転生世界では皆セレス狙いー

という美味しいお約束付き。❤︎

個人的に萌え…!となったのが、序盤の二人の幼少期エピソードの数々です。
セレス8歳、リアム9歳。

まだ8歳ながら前世の記憶のあるセレスが、なんとか断罪を逃れようと
あれこれ頑張る姿が健気で可愛い・:*+

意地悪していたリアムに素直に謝罪、もっと頑張ってリアムに近づき、
彼の不安を善良で取り除こう…!(←未来の自分の安泰のために)と、
あくまでも目的は「自分のため」ではありつつも
懸命に考え動くセレスがいじらしく、蓮川愛先生のイラストが
萌えを加速させてくれました。

自分のことなど嫌っているのだろう、、と思っていた義弟に懐かれ、
「兄様と一緒に寝たい」
「一緒に、寝る。こわい夢、見た、から」

なんて言われたら!

リアムはこの頃から既にもう、庇護欲を刺激されまくっていたのね…とニヤニヤ、二人の可愛らしい交流にほっこり和み癒されました(*´◒`*)

10年後、長髪美丈夫となったリアムのビジュアル、
また独占欲丸出しの溺愛執着っぷりも予想できていたとはいえ、
そうこなくっちゃ!と嬉しくなるパートですね(*´艸`)

一方で、当て馬たちからの秋波にいつまでも気付かず、
天然鈍感っぷりを見せるセレスには、ややモヤモヤした思いも。。

この世界では珍しいという”闇魔法の使い手”という属性も
特に物語の中で生かされておらず、ちょっともったいないな…と感じました;

受けのピンチに駆けつけてくれる攻めは大好きなので
(贈られたアンクレットが効力発揮、という展開も好き◎)
きゅんとしたものの、セレスの頑張り、活躍、成長も見たかったなー…と
欲が出ました。

序盤の幼少期エピソードが刺さっただけに、
中盤〜後半にかけてももう一山!萌えがあったら嬉しかったな。

タイトルを裏切らぬ、年下ワンコな”狼王子”の溺愛

野原耳子先生の異世会トリップファンタジー、
とてもとても面白く、引き込まれるお話でした…!

溺愛・あまあま成分をお求めの方、
ラブ面だけでなくストーリー面でも
あっと驚く仕掛けや刺激が欲しいという方に、
特におすすめしたい!と思える物語です。

主人公・アキラが社畜SEとして働いていた元の世界で、
呪いのように上司からかけられていた”あの言葉”。

聖女として望まぬ形で召換された先で、彼が出会いと経験を経て
そんな「呪い」を乗り越えていく成長譚、電子で306P(Kindle)と
そこそこボリュームのある一冊ですが、夢中になって読み耽りました。

ブラック企業で残業中、突然異世界へ「聖女」として召喚されたアキラ(受)。
そこは人の目には見えない「精霊」が存在する世界で、
国の繁栄のため精霊に好かれる「聖女」が必要だー

とのことだったのですが、疲れ切った中年男(に見えるけれど当時まだ27歳)が
召喚されたことに怒り狂った王子は、アキラを城外へ放り出します。

それから5年経ったある日、お金を貯めて
街を出て行こうとしていたアキラは、
虐待された子犬を偶然目にしてー

と続きます。

この子犬ちゃんこそが、今作の溺愛攻め・狼獣人で実は王子のヴィル。
精霊が少ない人間界では身体が弱体化してしまうため
子犬のように見え、人間化も叶わなかったけれど。

アキラを連れて獣人の国・ヴェルーガ王国へと帰還すると
アキラとは身長20センチ差、大きな体の人間姿で
アキラの鼻先や額や唇にもチュッチュ、チュッチュとキスしまくり、
甘い言葉を囁きながら結婚を乞い願う溺愛ワンコに…

裏も表もなく「大好き!」を言葉で、全身で伝えてくる様に
読みながら自然と頬が緩んでしまう〜//

最初はヴィルが子供の姿をしていたこともあり、
浮かぶ罪悪感から「恋仲になる」ことなんて
考えられない、と思っていたアキラですが。

くうん...と悲しげに見つめられ、毎日のように優しく愛を囁かれ、
”必要とされ、求められる喜び”を知ってしまったら。

決してねっとりと絡め取るようなものではないけれど、
絶対離さない!という強い決意を感じるヴィルの執着と溺愛、
たまらないです。ハートを直撃...

社畜時代に「自分なんて何の価値もない」と
無意識に考えるようになってしまっていたアキラが、
ヴィルからの愛と、聖女としての力を喜び尊んでくれる人たちの姿に触れ、
少しずつ自分を肯定できるように変化していくー
その過程がとても印象的でした。

甘やかに育まれる愛の中、あるきっかけからアキラが
人間界の王子の元へと連れ戻され、乱暴にされる展開は
読んでいて辛かった...

見張り係の機転によりヴィルとの再会が叶うも、
その後の王子の仕打ちが残酷で、、( ; ; )

体に何本も矢が刺さり前足を剣で貫かれ、
兵士たちにどんなに痛めつけられ血が吹き出しても
自らの体を盾にしてアキラを守ろうとするヴィル。
痛ましくて、読んでいて涙が溢れたシーンでした。

で!

ここからの展開、明かされる事実に「えっ!!」とびっくり。
や、何かあるな、とは薄々感じていたものの、
鈍い自分ははっきり分かっておらず...

やーーーー、ネタバレになるので詳しくは語れないのですが、
超絶カッコいい推しキャラ爆誕!の瞬間でした(๑•̀ㅂ•́)و✧

スリルあり、バトルあり、健気可愛い年下ワンコの溺愛あり。
わくわく、萌えが止まりません。

読みながら主人公・アキラに自分を重ね、
なんだか自分自身も自己肯定感アップ⤴︎したように感じられた
素敵な溺愛ファンタジーでした・:*+.

待ち受ける”死”を回避するために!死に戻り×変則オメガバファンタジー

楽しみにしていた、葵居ゆゆ先生の新刊!☺︎

「死に戻り」にα×元Ω→現βという変則要素の加わった
オメガバースファンタジーです。

ひどい目に遭い、命を落とすこととなった「結婚」から逃れることも
出来たのに、一度目の人生で出会った人々を悲しい目に遭わせたくない、
できれば救いたいー

と奮闘する受け・リネルの健気さがいじらしく、
また愛おしいと感じる物語でした。

初めは「嫌なやつ!」とし顔萌えなかった脇キャラが、
意外にもどんどん印象を変えていく…いうところも驚きがあって楽しい!
電子で278P(Kindle)というなかなかにボリュームのある一冊、
一気読みでした。

主人公は貧乏没落貴族のΩ・リネル(受)。
名前に箔をつけたい新興貴族・ディークマイアー家の長男で当主、
αのマクシミリアンのもとへ嫁ぎに行くも、大のΩ嫌いの彼に
「弟と結婚しろ」と言われ、言われたとおり彼の弟・ホルガーの妻となります

しかし、残忍な本性を隠していたホルガーから酷い目に遭わされたあげく、
ホルガーと不倫中のマクシミリアンの妻・ジョザンヌに塔から突き落とされ、
命を落とすことに…

そして気付くとなぜか嫁入り前日に時間が巻き戻っており、
Ωだったはずのリネルの体はβに変わっていてー

と続きます。

(※一度目の人生でホルガーに凌辱される描写があります)


死に戻りとバース性変化の謎、
迫りくる死を今度こそリネルは回避できるのか?
というドキドキハラハラ感に加え、
一度目の人生では通い合うことのなかった攻め受け二人の心が
甘やかに交わっていく過程ーというラブ面でのときめきも味わうことができ、
ページをめくる手が止まりませんでした。

シリアス寄りの内容ですが、二度目の人生で
二人の想いが重なってからのマクシミリアンの、
分かりやすい甘さがたまらない…(*´◒`*)
特に二人で出かけた北部でのデート、飴を舐めて「甘い!」と言い合ったり、
手に手を取ってダンスをしたり。

二人の距離がグッと近づき、甘い空気と時間の流れを
五感で感じられるような描写にうっとり、酔いしれました・:*+.

やり直しの人生で初めてマクシミリアンに会った際、
「結婚後しばらくしたら、離婚すればいいのです」なんて
堂々と言い切っていたリネル。

そんな彼の心が「別れたくない」「ずっと一緒にいたい」と思うほどに変化し、
叶わぬ想いだと諦めようとする姿が切なかった…

意地っ張りなところもあるけれど、健気で頑張り屋なリネルを
応援せずにはいられませんでした。
(ただ、自分を凌辱したホルガーのことを、
説得すれば兄弟仲直りできるはず…!と根拠もなく信じて
行動しようとする天然?なところにはヒヤヒヤ、
おいおいっ!とツッコミ入れたくなるところもあり;)

一方の攻め・マクシミリアンは当初こそ
ツンツン冷たい態度で感じ悪いこと極まりなかったものの笑、
その態度の理由と心の内が徐々に明らかになってゆくうち、
好感度がグン!とアップし、萌え転がってしまいました。

Ω嫌いと言われるほどΩとの触れ合いを避けていた理由、
彼の心に残り続ける”弟殺し”の悔恨…

リネルから注がれる愛と、リネルを愛おしく想う気持ちが、
トラウマを抱えるマクシミリアンを優しく包み、
その心を溶かして癒したのだな…と、胸がきゅーっとなる思いでした。

で!

リネルの死の元凶となったホルガー!!
”悪役ざまぁ”とはちょっと違う展開です。

ここ、彼の改心までの流れは、ちょっと急ぎ足に感じる部分も
あったかな…?

ホルガーの目を覚まさせるあの「ジョザンヌの一発」は強烈で爽快だったものの、
闇深く根深い彼の嫉妬心や歪んだ思いは、その一発や周囲の言葉だけでは
なかなか消え去らないのではないかな、、と思ったりもしました。

それにしてもジョザンヌ、自らも殺されそうになっておきながら、
それでもホルガーを愛し支えようとするなんて、私には絶対に真似できない。。

誰からも愛を得られない苦しみは、経験した者でないと
わかり得ない、理解し得ないものがあるのかもしれません。

幕引きの仕方には、ちょっと思うところもあったものの…

α×元Ωで現β、という変則オメガバファンタジー、
真相解明と待ち受ける”死”の回避、徐々に甘やかさを増すラブ面…と
多方面から萌えやワクワクを感じることのできる物語、
夢中で読み切った一冊でした(*´˘`*)♡

電子限定SSは、温泉大浴場に行きたがるリネルと、
絶対だめだ!と言い張るマクシミリアンとの楽しい攻防のお話です。

愛しのリネルの裸を大勢に見られるなんて許さない!と
憤慨するマクシミリアン、独占欲丸出しなのが可愛い〜!//
萌え転がってしまう小話でした❤︎

涙なしには聴けない名作

原作既読、大好きな作品のドラマCD化です。
Xで情報を知った時から、楽しみに待っていました。

ポケドラ配信にて、紙コミックス片手に
時間を忘れてじっくり聴き入りました。

途中何度も何度も涙が溢れて、ティッシュが手放せなかった、、

原作の骨太なストーリーに声優さん達の胸に迫る演技が合わさって、
没入感と聴き応えを感じる、素晴らしい作品になっていたと思います。

BLCDまだまだ初心者で聴いた数も少なく、
また声優さんにも詳しくないのですが
私が今年聴いた数少ないCDの中でも最高に沁みて、
印象深い音声化作品でした。

物語一番最初の、晴人の事故の場面。
トラックと原付がぶつかる音、重なる晴人のモノローグ…
音から伝わってくる臨場感にハッとし、一気に物語世界へと引き込まれます。

あっ、ここで言及するのも中途半端なのですが、ちなみに。。
アニメイト特典の「ベタなことをしてみたい」は
本日25日にぴったり!な、”クリスマス”のあまーーいお話。

これ、今晩何度も聴き返します(๑•̀ㅂ•́)و✧
貴重な貴重な、晴人から晃への…と、「◯◯◯」の一言が聴けて
心、昇天。(ほぼネタバレしてますが;一応、ぼかします...!)


大学時代に知り合い、恋人同士となった晃(攻)と晴人(受)。

不慮の事故によりへそから下の感覚がなくなり、
車椅子生活を余儀なくされることとなった小説家・晴人。

そんな晴人とリーマン・晃との同棲生活の中で生まれる
切ないすれ違い、そして共に歩むと決意したその先までが、
丁寧に表現されています。


◆KENNさん(晃・攻め)
恥ずかしながら初めてお名前を知った声優さんだったのですが(すみません...!)、もう、もう、素晴らしい演技でした。
献身的で、一途で、裏表など全くない大型わんこ、
原作のイメージ通りの晃が、そこにいた…

元気にわんわんしている時も(笑)、必死に晴人に縋る時も、
声からダイレクトに喜怒哀楽の感情が伝わってきて、
自然と微笑んでしまったり、涙を流したり…

特に印象的だったのが、4話で晴人とすれ違ってしまう際の
「だからお願い そんな風に言わないで」という台詞と、
その後の「お願い」「お願い…」という呟き。
声の強弱や大きさ、そういった細かなテクニックのことは
はっきり分からないけれど、聴いていて切なさに胸が押し潰されそうに…

晃の献身と一途な気持ちが、逆に晴人を追い詰め、
「解放してやらなきゃ」「僕も解放されたい」と思わせてしまう皮肉が
痛くて辛くて、涙を堪えきれないシーンでした。


◆岡本信彦さん(晴人・受け)
どこかちょっと猫っぽくて、外出が嫌いで、晃とは正反対のタイプの晴人。
晴人も原作のイメージそのまま、よりキャラの深みと解像度が上がるような
演技に圧倒されました。
キャストトークを聴いて納得。

晴人のことを、「晃よりもより俯瞰で客観的に物事を見るタイプ」と
評されていて、ああ、なるほどそうだなあ…と深く頷いてしまいました。

晃の振り幅大きな感情表現と違い、淡々と紡がれるモノローグや
台詞の中に、彼の悲しみや苦しみ、辛さが滲み出ていて。
ボリュームを抑えた声量の演技の中に、いろんな感情の揺れが
ぎゅっと込められているように感じました。

◆立花慎之介さん(芝先輩)
芝先輩〜〜!!なんって良い人なんだろう…
晃を叱咤激励し、時に優しく寄り添い。。
気持ちのよい距離感で二人を支えてくれる、ナイスなキャラの演技、
ぴったりハマっていて素晴らしかったです。

”あの場面”で「寝ろ!」って言える芝先輩が大好き。
原作を読んだ時にも思ったけれど、今回音声を聴いてより
「好き!!」と思える好きキャラでした◎

===

ストーリーの中で印象的だったのは、
物語の中で鍵となる”あの紙”のことを
晴人が「お守り」だと言うこと。

死を目標にするのではなく、「生きる」ことを目指すために。
タイトルの「もう少しだけ」に込められた意味にも思いを馳せ、
考えさせられるポイントでした。

あと!

やっぱり、なんといってもエピローグ。

数十年後の「彼ら」の姿、認知症になった晴人の、
年齢を重ねたことが分かる声とその台詞・モノローグに
涙と嗚咽が止まらなくなりました( ; ; )

素晴らしいストーリーに、魂のこもった声の演技。
原作を読んだ際の感動が何倍にも大きくなって感じられる、
最高のドラマCDでした。

slip コミック

epaule 

攻め・拓也が大好きすぎて…!!スタイリッシュなイケオジ同士の甘美な恋

ああああ…あまーーーーーーい!!!!

齢40同士、結婚式での再会と一夜。
そしてそこから始まる両片思いの大人の駆け引き、
焦れもだ恋模様がハートにズドンと直撃しました…

クリスマスの描写はありませんが、クリスマス当日に読むのにぴったりの、
スイートな”大人の恋”の物語です

電子特典も入れて全246P、ボリューム・読み応えたっぷりの一冊。

まず表紙からしてドキドキ、期待感に胸高鳴る…!
ネクタイぐいっ!!としながら/されながら絡み合う挑戦的な視線に、目が釘付け。

主人公はデザイン事務所社長の実令(みのり・受)。
眼鏡美人だけれど、ほどよく筋肉のついた逞しい体を持つイケオジ。

友人の結婚式で、かつてのビジネスパートナーであり
実は恋心を抱いていた相手・拓也(攻)と再会し、
酔った末にその夜、自ら誘う形で一夜を共にしてしまいー

と始まる、かつての同級生との再会ラブストーリーです。
(※攻めの拓也はバツイチです。前の妻もちらっと出てきます)

もーーーーこの二人の再会後、始まりの一夜の描写から痺れました。
実令がするっと絡ませた手指、そこに一瞬視線をやった拓也が
実令に視線を戻し、壁際にドンッ!!(つ、、伝われー…!)

表情とパーツの動きだけで、こんなにもドキリとさせられるものなのですね…

その後の「俺 こう見えて 送りオオカミしたことないよ?」の一言がニクい!!

こう見えて、ってことは、自分がイケててちょっと遊び人風に見えること、
分かってるんですよね。
そして「したことないよ?」は「したことない(けど、今からするよ)」って意味に他ならず。//

後ろから挿入してからの、耳元での「実令…?」の囁きに、
心臓大爆発するかと思いました…

前半〜中盤にかけての、実令視点での学生時代からの
切なく健気な恋心…の描写から一転、中盤以降、
視点が攻め・拓也に切り替わってからの彼の心の内にも、
萌えに萌え、悶えに悶えました。

拗らせ両片思いで、思っていたよりもずっとずっと重い拓也の気持ちに
萌えツボをぎゅぎゅっと押されまくりです…

両視点の良さ、構成の巧みさが光り、物語にぐいぐい引き込まれました。

一夜限りのはずだったのに、ビジネスパートナーとして
まさかの再会と南の島での水上バンガロー(二人同じ部屋!!)♡

互いの会社の部下たちや、受け攻め両方に色仕掛けしてくる
キャラ強コーディネーター・アイ達とのワイワイガヤガヤ、
拓也・実令双方の嫉妬イベント(?)などなど、この島でぐぐーーっと
二人の距離も近づき、読んでいる自分もバカンス気分で楽しみました(*´艸`)

ヒヤヒヤモードのすれ違い…からの、アイによる力技仲直り!!
笑っちゃったなあw
海へドボンして文字どおり頭も冷え、やっとやっと素直に自分の気持ちを
吐き出せた実令。終わりよければ全て良し!

拓也にも指摘されてましたが、「好き」ではなく、
あの言葉が口から出るところ、意地っ張りな実令の健気な部分が出ていて
きゅん...とします

想いが重なり合った後の、薔薇の花びらが散るベッドの上でのエッチが
エロスで甘くてたまらなかったー…!
「俺たち いま時間が戻ったな」という実令の言葉に、
学生時代の二人の顔が重なるーという描き方も素敵・:*+.

20年の長い時を経て、しっかりと繋がった二人の絆。

そして嬉しいのは、”その後”の二人の様子までたっぷり読めること!

まず帰りの飛行機内での拓也の同棲提案、
タイミング悪くフライトアテンダントさんにばっちり聞かれていたー
というのが微笑ましくて萌えた〜

いざ始まった同棲生活。
家政婦・極子(きわこ)さん視点で見る二人の様子が、
萌えの宝庫でしたね…!(*´∀`*)

お揃いの指輪をつけて一つのベッドで眠る二人、眼福すぎる✨

この指輪のエピソードもまた、二人のラブラブっぷり
相思相愛っぷりが伝わってくるもので、ときめき止まらず…でした。

ちょこちょこと入る拓也の秘書(正体にびっくり)や極子さん視点により、
自分も物語の一部になって入り込んで楽しめるのが、とても良かったなあ。

40代の拗れたじれじれ恋模様、最初から最後まで
とことん堪能させていただきました。

epaule先生、こちらがなんとデビュー作なのですね…!
ものすごいクオリティに衝撃・圧倒されました(語彙力、、)
また次回作も、絶対にチェックさせていただきたい!
楽しみにしています☺︎


★修正:tn白抜き(電子シーモア)
濃厚な絡み、せめて短冊でちらっと一部でも見たかったなあ…と残念です;

タイトル回収と本編ラストに、涙でページが滲む

ああ…!涙が溢れてきて感動止まらず、何からレビューを書けばいいのか…

レビュータイトルのとおり、ラストエピソードのタイトル回収に
涙が溢れて嗚咽が止まらなくなり、読み終えた今も呆然としています。

まっすぐ、一途な愛と献身を貫いた二人の物語。
特に主人公である「阿部ちん」の魅力がこれでもか!と
いろんな場面にぎゅぎゅっと詰まっていて、愛おしくてたまらなかった…

旧版は未読、こちらの新装版で初めて拝読しました。
『ショートケーキの苺にはさわらないで』のスピンオフ作であるこちら、
「ショートケーキ〜」で強烈な印象を残した脇キャラ・阿部ちんが
主人公となっています。

「ショートケーキ〜」の南里×シンの話が随所に出てきますし、
「ショートケーキ〜」を読んでいるか否かで本作の解像度にかなり違いが
出てくるかと思いますので、個人的には順番通り読むことをおすすめします。

まず!

阿部ちん!「ショートケーキ〜」でイメージしていたのと、
ずいぶんお顔のイメージが違うよ!?
と、表紙を見てびっくりしたのですが、ページを開いて読んで納得。

「このままだと死ぬ」と診断されて、阿部ちん、
本気でダイエット頑張ったんですね…!
料理屋の息子にとって、なかなか厳しい道のりだったと思う。えらい。

そして本編中では「眼鏡をとったら美少女に…」とはならなかったー的な
喩えが書かれていましたが、私から見た阿部ちんは誰よりも輝いていて格好良くて、男前でした。
阿部ちんは、というよりも、阿部ちんの「愛し方」なのかな…

最初から最後まで一貫して変わりなく、揺るぎなく、
優しさに溢れた愛をくれた人。

ダイエットのエピソード一つにも、何事にも真面目に取り組み、
決めたことは貫き通す”阿部ちんの阿部ちんらしさ”が
滲み出ているような気がします。


幼少期から始まり、美優という”運命のドール”との14歳での出会い、
そして38歳になる今、既に「一生童貞」の覚悟を決めているー

「〜である」という独特な口調が読んでいてなんだか癖になる、
愛すべきキャラ・阿部ちん。

序盤はそんな彼のキャラクターが十二分に伝わるエピソード満載、
どこかコミカルな雰囲気で進んでゆきます。
時折ふふっと小さな声を漏らしながら楽しんで読み…

店の常連客でありヤクザの組員でもある芝が、
突然高嶺を連れてきて彼を「預かって欲しい」と頼んできたことから、
阿部ちんとツンツン裏ドールとの奇妙な?同居生活が始まります。

これ!読み終えて全てを知った状態で振り返ると、
この時芝が言っていた「外せない用」とはどんなことだったのか、
どんな気持ち・考えで高嶺を阿部ちんに託そうとしたのかー

そんなことが頭をよぎってピンときたり、
人知れず苦労を重ねてきただろう芝のこれまでに思いを馳せて
胸がツキンと傷んだり。。
構成のうまさに舌を巻いてしまいます。

”いまいち信用ならない感”を匂わせておいての、
後半、ここぞ!という時の登場と大きな手助け。
興奮して思わず「芝さん…!」と小さく声が漏れました。

今までの何人もの”マスター”からの酷い扱いと戦場でのトラウマ、
また高嶺に素晴らしい思い出をくれた、彼にとっての唯一の「マスター」を
恋しく思う気持ち。

高嶺のこれまでの生き様が徐々に明らかになってゆくにつれ、
重苦しい痛みと人間の所業へのやるせなさが募り、辛い気持ちに。。

特に、阿部ちんと高嶺が二人で藤森(高嶺にとっての最上のマスター)に
会いに行く場面に、心が痛みました。

彼が家庭を持っていたーということよりもむしろ
ずっと辛かったのは、高嶺がきっと「愛」だと感じ信じていた
藤森の行動が全て、藤森にとっては大した意味を持たないものだった、
ということ。

藤森のもとを去る際、阿部ちんが問いかけた
「自分の娘に同じこと(肌にタトゥーを彫ること)ができるか」
という問いに対する彼の答えが、ナイフのように心に刺さり
心抉られました。

そんな藤森のところにいた時が、今までのマスターとの最上の時間で
最大の幸せだったなんて...( ; ; )

スピン元の「ショートケーキ〜」を読んだ際にも感じた
人間の身勝手さに対する怒りをここでも強く感じることとなり、
変えられない「搾取する側・される側」の関係性にやるせなさを覚えます。

そんな人間とドールの残酷で一方的な関係性が描かれる中、
阿部ちんと高嶺の間で育まれる愛は、キラキラ輝いていました。

ドールである高嶺の”心”をゆっくりと甘く溶かしてゆく、
阿部ちんの言葉と行動。

やがて心通わせ、このままいつまでも二人でー
と思った矢先に訪れたピンチには震えましたが、
まさかの「あの人」が…!という展開への驚きと感動、
ガツンときたよー。。

美優の言葉、行動にも泣けて泣けて仕方なかったし、
高嶺を守ろうと顔も体もぼこぼこに殴られ蹴られる阿部ちんに
自分も高嶺の気持ちになって「なんとかしなきゃ!」と焦燥感に駆られた、
忘れられない場面でした。

そして...

このボコボコ事件がなんとか収拾ついた後、
ラストに静かな悲しみと感動が待っていたなんて。

繰り返される「………うん、俺もだ」
この台詞、今もレビューを書いていて思い出すたび涙が出てきてしまう...

「ただ、そばにいたい」という願いを叶えるために、
信じられないほどの困難を乗り越え、不自由・不便さに耐え、
優しい愛を与えあって過ごした二人の物語。

涙で目元がぐしゃぐしゃになり、辛い気持ち、受け止めきれない気持ちも
正直まだあるけれど。。

ラストの「Taste of love」、鈍ちん阿部ちん(笑)と高嶺の嫉妬、
健気100%成分の魚介ラーメンのお話に救われました。
涙涙、だけでなく、笑って読み終えることができた幸せ。噛み締めたい...

読後の感情のままに書き散らしたレビューになりましたが;

スピン元作品と共に、何度も何度も大切に読み返したい…と思える一冊。
何一つ文句なし!の「神」作品でした。

この恋をもう、後悔はしない

下巻、とてもとても良かった…!
じん…と沁み入る、夜明けの喪失→再会→”やり直し”の物語でした。

まず、この下巻の表紙。
上巻と並べてみると分かるのですが、背景色が仄暗いブルーから
ピンクになってる…!夜明けだー...

そしてなんといっても一番の変化は、二人の距離感・ポーズと表情です。

上巻では目線を外し、憂いを見せていた旭が
この下巻では(目は閉じているけど)こんなに幸せそうに微笑んでる…
下巻を読む前から、ドキドキと期待に胸が高鳴りました。

律の表情も絶妙だな、と。
上巻、記憶を失った状態でただただ無邪気に
大好きな旭にじゃれついていた律。
この下巻の恥ずかしそうな笑顔には、全てを思い出し葛藤し、
許し、受け入れた後の感情が詰まってる。。
上下巻読み終えてからあらためて見直して、素晴らしさにため息が出ました。


学生時代、互いに同じ”大好き”という気持ちを持って
付き合っていた二人。
しかしモデルの世界に入った攻め・旭が浮気を繰り返したことで
関係は破綻、二人は別々の道へ。

ところが旭が偶然入った喫茶店で律と思いがけない再会を果たし、
律が事故で記憶を失くしていることを知るー

再び惹かれ合う二人だけれど、花火大会の帰り、
律に変化がー!?

という上巻終わりからの、続きのお話です。


旭と律、両視点で丁寧に描かれる二人の心情変化、
同じ”恐れ”を抱える気持ちがダイレクトに伝わってきて、
切ない気持ちでいっぱいに...

旭にとって一番最悪な形で律の記憶が戻り、
二人は距離を置くことに。
そして旭の知らぬ間に律は店を辞め、引っ越したーと
マスターから知らされて…

また裏切られることが怖い。
大好きな旭の気持ちが離れていくことはもっと怖い、
と苦しむ律。

一方の旭も、どんなに覚悟を決めているつもりでも
「また裏切ってしまうんじゃないか」
「そうしたら今度こそ 律は目の前からいなくなってしまうんじゃないか」
と悩み苦しむー

”好きだ”という気持ちは同じはずなのに、
旭の過去の過ちによるトラウマが、
二人の心に同じような恐怖を植え付けている。辛いなあ( ; ; )

一体ここから、二人はどう動いてゆくのか…と、
ハラハラしながら見守りました。

で!
旭の決断も格好いいし納得いくものなのだけれど、
個人的に深く刺さったのが、律の気持ちの変化と覚悟です。

最終的に「もう一度信じてみよう」と覚悟を決めるまでの
心の揺れ、共感度100%...

再会してからの旭の言動を思い出し、そこから彼の深い後悔と
やり直しを望む気持ち、未練を汲み取る律。
「もう一度信じてみたい」と決意を固める彼の潔さに、グッとくる。

と、ここで物語が一気にクライマックスへ向かうかと思いきや。

旭が海外へ行くことを決断したことで、
二人の間に今度は物理的な距離が…

ここで個人定にすごく良いな、と思ったのが、
空港まで追いかけてきた律に対し、旭が
「今は律の話は聞けない」と一旦保留にしたこと。

読みながら二人を応援している身としては
歯痒いし焦ったいし、せめて「いついつまで」と
期間ぐらいは区切ってあげてー…!
とも思うのですが;

ああ、旭は変わったんだな、律を愛し抜く気持ちを
ちゃんと形にして見せる、そんな覚悟があるのだなー
と感じられる一幕、切ないけれど確かに光の見える”別れ”のシーンが印象的でした

そして半年後(長い半年だったよね…!待ち続けた律の健気さに涙)、
戻ってきた旭からの待ちに待った告白。感涙。。
もうそこには、「クズ攻め」だった頃の旭の姿はなく。

律も、旭も、もう決してこの恋を後悔なんてしない。

二人で帰ってきた家のドアを開け、満面の笑顔で「ただいま!」と言って
見つめ合うラスト1ページが、輝いていました・:*+.

二人のことをそっと優しく見守り続けた喫茶店のマスター、
素敵だったなあ。
マスターの涙と呟きに、私もうるっとなりました。

描き下ろし、そんな大変お世話になったマスターに
二人がお礼を贈りたくてー

というお話がまた、じんわり沁みて泣けちゃうんです。 
マスター…!

旭と律が二人仲良く並んでお店に立ち、
訪れるお客様を迎え入れる。

そんな未来が頭に浮かび、幸福感で満たされるエンディングでした。

カバー下漫画、ヘタレな攻めの「気にしい」なところが
垣間見えるベッドエピソードも良かったです(*´艸`)

意外と(?)肝が据わってるのは律の方、っていうのが良い✨

失ってから気付いた大切な人と時間を、元・クズ攻めが
足掻いて足掻いて取り戻すお話。

静かに沁みる、夜明けの物語でした。


★修正:なし(電子シーモア)
濡れ場はありますが、修正のいらない描写です。

失ってから気付いた大切な人と時間を、取り戻せるかー

でん蔵先生、お名前は存じ上げていましたが、初読みの先生です。

一度「萌2」としたのですが、下巻を読んで感激し
もう一度この上巻に戻って読んで深く沁みたため、
評価を「神」に変更しました。

幸せそうな笑顔を見せる受けに対し、どこか寂しげに微笑む攻め、
そして全体的に暗めの配色が目を引くデザインの表紙のこちら。

上下巻のお話は裏切らないー
と個人的に思っているため手に取り、読んでみて
攻めのクズっぷり甘えっぷりに怒りが湧いたのですが、
それ以上に切なくてやるせなくて、心震えました。。

クズ攻め、記憶喪失などの設定はちょっと好みの分かれるところかなと
思いますが、自分にはとても刺さる物語でした。
(※攻めが浮気を繰り返し、女性を抱く描写あり。苦手な方、ご注意ください)

以下、上巻のみ拝読した時点での感想です


主人公は、モデルとして活動する旭(攻)。
業界では有名な”遊び人”な彼ですが、実は過去にたった一人だけ、
本気で愛した人がいた。

大学時代、サークルの飲み会で知り合った彼・律(受)と
恋人になり、幸せを感じる日々が続いていたけれど、
旭がモデルにスカウトされ、しばらく経った頃から状況が一変。

二人の関係は、旭が浮気を繰り返すようになったことで
終わりを迎えます。

それから5年、何気なく入った喫茶店で律と思わぬ再会を果たすも、
律は交通事故の影響で付き合っていた頃の記憶を失っていてー

と続く、別れからの再会×記憶喪失×やり直しの物語。


律が記憶を失っていることにホッとしつつ、
「昔の友人」と嘘をつき、これからも会おう…などと
約束を取り付ける攻めの人間的な弱さと狡さに怒りを覚えるものの、
しかしそれでも伝わってくる彼の後悔の念には理解できる部分もあり、
グッと切ない思いに胸が締め付けられます。

別れを告げられた時も反省することなく、勝手に律に理解を求め、
逆に自分が裏切られたような気持ちになっていたー
というほどのクズ攻め・旭。

果たして彼は律の記憶を取り戻す手伝いをし、
見事記憶が戻った暁にはきちんと謝罪することができるのか、
そしてそれが受け入れられるのかー?

という部分が最大の見どころ、
ハラハラドキドキしながら読み進めました。

同情の余地などなし!と思える攻めに対し、
受けの律がどこまでも素直で一途なところに胸を突かれる…

再会後もまた旭に恋する様子、一緒に帰れるだけで
ささやかな幸せを感じている描写がとんでもなくいじらしくて、愛おしくて。

律からの告白により、再び付き合うことになった二人。
けれど律には過去の記憶はなく…

旭ももちろん律と同じ(いやそれ以上の)気持ちなんだけれど、
自分がやらかした過去を思うと踏み出すことができず、
律をどんどん不安にさせていってしまうところに
「ああああもう!!」と焦ったさと苛立ちMAX...!

特に律の気持ちになり「痛い」と感じたのが、
以前の律と今の律との”違い”を旭に指摘されるシーン。

旭の知る自分とは変わってしまったことに対し、
「ごめんなさい」と俯きうなだれる姿が見ていてたまらなかった、、( ; ; )

自分の中で評価が一気に地に落ちた旭ですが、
その後の謝罪と力強い言葉は確かに律を勇気づけていて、ほっ。。

言えないことが多すぎて、前にも後ろにも進むことができず
苦しむ旭ですが、昔律をあれだけ苦しませたことを思えば
罰を受けても当然とも思うけれど、読んでいて彼と共に息苦しさを覚え、
これからどうなるのーと、ページをめくる手が止まりませんでした。

そして上巻ラスト、二人を繋ぐあの「鍵」からついに、
律が記憶をー

と、ものすごく気になり過ぎるところで下巻へと続きます。

一旦一呼吸置いて、気持ちを鎮めてから、続く下巻を読みたいと思います。
どうか夜明けの光が見られますように...!


★修正:なし(電子シーモア)
→学生時代の彼らの濡れ場はちらっとだけありますが、
修正の必要がある描写はありません。

→攻めと女性との絡み描写があります

表紙が全てを物語る。二人の歩んできた道、歩む道。愛と信頼と希望が詰まってます

この幸せ溢れる表紙と、”結婚”の2文字の入ったタイトルを見ただけで
幸福感に包まれます…!

番外編集、第3弾。
全部で15編のお話が収録されています。(書き下ろしは2編)

甘さと微笑ましさ(時々切なさ)たっぷりのそれぞれのお話、
どのお話も最後まで楽しむことができました。

書き下ろしの一編は、切ない余韻の残るお話だったのもとても良かった。。

そしてついに、待ちに待った結婚式・:*+
もーーー、感無量。
その前の、新月の夜のプロポーズも完璧すぎてロマンティックすぎて、もう…

シリーズファンにとって本当にたまらない、心沸き立つ番外編集✨
もっともっと、この二人、この家族、森脇×蛟のお話が読みたいな…!
と、熱望しております!!

以下、印象に残ったお話いくつかについて感想を☺︎

=======
★暴君竜と最強のキメラ(書き下ろし)

うわーーー!可畏対キメラ恐竜の本格バトル!!
突然来訪したクリスチャンの誘いに乗り、ハワイの”あの島”で
繰り広げられることになったバトルです。
なんと、頭が三つ!!
あの双子、双竜王を嫌でも思い出すよー…

が、実はバトルはこのお話のメインではないのですね。

クリスチャンの元からこの3人の”子供たち”を引き離し、
それぞれの個性を引き出そうと頑張る潤だけれど…

それを見ながら、まだ6歳の慈雨が思っていたこと。
慈雨と潤のぶつかり合いには胸が痛みました( ; ; )

切なくも、納得の結末にホロリとするお話でした。
——
★暴君竜と誓いのキス(書き下ろし)

まず、潤の妹・澪ちゃんが25歳になり、セレブと結婚という衝撃!
リアムと博士(クリスチャン)の間には誇り高き女の子竜人が生まれていて(ノヴァ)、
それにも「おおお!」と声が出ました。

でもメインはやっぱり、可畏と潤との結婚式。
潤の母の涙に、なぜか私も泣けてきちゃって仕方なく…

この先たとえどんなことがあっても、可畏と潤の二人でなら、
手に手をとって乗り越えていける。
潤の想いに100%完全同意です◎
——
★恐竜ベビーと悩める男子高生

初めての子連れお出かけ!目的地は可畏の実家。
可畏がいない間に、ひとりで慈雨をチャイルドシートに乗せようとして
苦戦する潤〜!がんばれ…!
卵から生まれて1ヶ月で「ちっか(実家)」とか「パーパ」なんて言葉を口にし、
大人の会話もある程度分かってるような様子の双子ちゃん、恐るべし。
パパっ子の倖にベタ惚れな様子の可畏も可愛いw

二人の夫夫喧嘩の描写もあり、秘書・五十村のものの言い方には
読んでいて反発も覚えたのですが、その内容は納得できるものでした。
適材適所、潤が潤らしくいられる場で、子供たちを見守りながら
力を発揮できたらいいな。

いつか「お父さん」と呼ばれることを夢見て(残念ながら叶わないけど...笑)、
がんばれ潤ー!
——
★潤の小さな同窓会

大学1年生となった潤が、高校時代の友人・森脇や田村、芝に会うー
という高校同窓会のお話。

芝が零したコーヒーを咄嗟に「おしりふき」で拭き拭き、
指1本1本まで丁寧に拭いて「きれいきれいしたねー」って言っちゃう潤に吹いた!
もうすっかりしっかり、”立派なママ”だ〜!!
まだ彼らには秘密の話だけれど、きっといつか話せるよね…
そんな希望の持てるエンディングにほっこりのお話でした☺︎
——
★暴君竜の甘辛いキス

タイトルからして期待してしまう、 可畏視点のお話。

「だいふく3きょうだい」を、パート分けして振り付きで見事に歌い上げる慈雨・倖・ミハイロ3人の図、きゃわいい。。

で、3兄弟と潤とで作ったみたらし団子を、潤にキスしながら
”ちゅぽん”…と吸い上げ、あまーーい言葉をかける可畏。
ああ…ごちそうさまですっ!!!!
——
★暴君竜と新月の夜

なんっってロマンティックなの…(*´◒`*)
新月の夜の、痺れるプロポーズでした。

普段なら黙って手を繋いでくる可畏が「手を繋がないか?」って言うなんて。
私も潤と同様、不意を突かれて蕩けました。

照れ隠しでふっと笑ったり、キスで口を封じる可畏、愛おしいなあ…
——
★恐竜王のつぶやき

森脇と蛟(みずち)の恋愛事情♡
蛟大好きなので、幸せそうにしてくれてるのが嬉しい!
さらっと「会えばセックスは必ずしてる」なんて照れずに言っちゃう蛟が好き笑

雨の日にしかデートできないことを申し訳なく思っているー
と語る蛟の健気さにときめきました。

倖が蛟に懐きまくりなことに嫉妬する可畏、可愛かったw
——
★翼竜王の憂鬱

クリスチャンがなかなか手を出してくれない…と悩んでいたリアムが、ついに!!
ずっと年上のクリスチャンも、タイミングを図ってなかなかうまく踏み出せなかったのね…
やっとキスをされ、嬉しくて勝手にふわっと浮きあがっちゃったリアムーー!!
良かったねー…!・:*+
——
★暴君竜と入園式

幼稚園入園おめでとう〜☺︎
と、楽しいエピソードかと思いきや。
いじめっ子への慈雨の平手打ち、青ざめて平謝りの、相手の母親…
これぞまさに”阿鼻叫喚”…

育児の道はなんと困難で険しいのか。

お説教後に落ち込んで泣いている潤に、あえて”パフェ”の話題を振って
なごませる可畏、できた男だー…
——
★暴君竜と三番目の愛息

いよいよ、潤の母&妹に、美路くんの存在を明かす時が!

こちら、小説Chara vol.51で一度拝読したお話でしたが
今回も”初顔合わせ”にドキドキしました。

で、、やっぱり、最後の潤の涙に、自分も思い切り泣いてしまいました。
可愛い孫の成長過程を母親や妹に見せてあげたくても
偽造写真を見せるしかなくて、美路くんの存在を隠すしかなかったことが悔しくて、歯痒くて。辛いなあ…
これからいっぱいいっぱい、美路くんが来日する度に
実家に連れて行けるといいね、そうなりますように…と願わずにはいられない、切ないお話でした。
======