千秋の物語で「転」となる3巻
まさしくその通りでした
2巻の終わりに誕生した晏無師の別人格である
謝陵の一途で健気な恋心が2人の関係を着実に変えていきます
1巻の初登場から怒涛の出世を遂げる陳恭も悪役として2巻に引き続きいい味出してます
陳恭の活躍?により無事に晏無師の魔心の綻びが修復する切っ掛けを手に入れますが、同時に消滅してしまう別人格たち
謝陵との別れはとても寂しかったです
でも、しっかりと恋心を晏無師に残していくところがよかったです
そして、晏無師も沈嶠の心に深く刻むように
追手から沈嶠を救うべく動きます
これに純真無垢な沈嶠は清い涙を流します
いやいや、正気に戻って散々ひどいことしてきた人だよとツッコミを入れたくなりました
紆余曲折を経て晏無師と思いがけない再会を果たすのですが、もう最悪な再会です
晏無師らしいのはらしいのですが。
その身を案じて探していた晏無師が
宿敵だったはずの男と仲睦まじく目の前でイチャついてたら呆然とするでしょう
しかも沈嶠には塩対応だし
傷口抉るようなセリフも言うし
貞淑な妻が夫に裏切られたような構図が辛かったです
でもあっさり晏無師自らネタバレしに行きます
好きな子は苛めたいというところは変わらない流石の晏無師です
自分の気持ちを認めた晏無師は今まで以上に沈嶠に纏わり付きます
そして沈嶠が大切にする人たちに彼なりの優しさも見せるようになります
戸惑いを隠せない沈嶠が本当にかわいい
そしてこの3巻にも番外編が収録されていて、しかも本編から数年後のお話です
お酒の飲めなかった沈嶠がお酒を口にしますし、晏無師とのただならぬ関係を匂わせるお話になっています
4巻がとっても待ち遠しいです
サイコパスな攻め様がその本領を遺憾無く発揮するのがこの2巻です
白いものを黒く染めたいという
破壊衝動はまだ理解できるのですが
えーーそこまでする!?という展開に心のどこかで「そうは言っても助けには来るんでしょ?」と信じていましたが、来ない…。
流石はサイコパス晏無師
結果的には沈嶠を悩まし続けた体内の毒を完全に取り去ることに繋がりはしましたが、あくまでもこれは偶然の産物的なラッキー案件で
晏無師の深読みによる結果ではありません
沈嶠の心をズタズタに傷つけてますしね
そんな敵と思っても当然な仕打ちをしてくる晏無師に振り回されながらも、窮地の晏無師を命懸けで助けに行く沈嶠がスパダリ天使です
重傷の晏無師を連れて逃避行の中、沈嶠はある意味運命の人「謝陵」と出会います
といっても、謝陵は晏無師の中に生まれた幼い少年のような別人格です
沈嶠を「綺麗なお兄ちゃん」と呼び、しおらしく可愛らしい素振りを晏無師の姿と声でやってのけるため、沈嶠も最初は大きく戸惑います
ここから3巻へと続きますが、純粋な謝陵に絆され癒しを感じる程になっていく
この2人のショタおにのような関係が後に萌を存分に供給してくれ、晏無師にも影響を与えていくことになります
謝陵、生まれてきてくれてありがとう!
ずっと気になっていて、一年遅れで読みました!!もっと早くに読むべきでした!
実際の南北朝時代の様子と絡めた時代背景や登場人物の描き方が秀逸な作品です。
そして何より魅力的な登場人物が沢山出てきます。
なかでも存在感が飛び抜けているのがこの作品の「攻め様」です。
なんだこの攻め様は!!というのが第一にくる印象です。
・攻め様→晏無師(魔門の宗主)
超絶美形のイケオジ
チートな戦闘能力
傍若無人
年甲斐もない俺様
ある意味ストーカー
白いものはぐちゃぐちゃにしたい
愛情表現がおかしい完全なるサイコパス
対して受けちゃんは
何て清らかで芯の強い人なんだろうと感激してしまうほどの人格者です。
・受けちゃん→沈嶠(正当派道門の元掌教)
超絶美人で老若男女問わずモテモテ
強いけど怪我で弱くなり目も見えない
清廉潔白を地でいく人
騙され裏切られやすい
恨みは持たず全て許すことができる
困ってる人は必ず助ける
人的な運が悪すぎる
この二人は本当にくっつけるのか!?
え?どこに恋愛になる要素が…と思う晏無師の一方的なやらかし展開の連続ですが、その異常性については1巻はまだマシなほうだと思います
ですが
この難ありケンカップルの腐れ縁的な雰囲気が癖になります。
そして晏無師の理解不能な態度も今までにないスパダリ攻め様像として面白く感じます。
番外編も1つ収録されていますが
ここで何故晏無師が瀕死の沈嶠を助けたのか理由が分かります。
自分の発言したことはちゃんと守る男なんだなぁと思いました。
とにかく読みごたえのある重厚な作品なのでお勧めです。
忠実な年下騎士×ギルマスの運命のカップルがかわいいです!!
1歳くらいの年の差なんて年下×年上じゃない!と、年下×年上好きの皆様はがっかりされませんように!
ここからは完全なネタバレなのでご注意ください。
後半で判明しますが
ギルマスは「夢」を通して過去にタイムスリップしており、いたいけで純真な少年騎士と出会っています。
交流は1~2年に一度程度、騎士が15歳くらいまでですが、この間に騎士はギルマスへの恋心を存分に育んでいます。
綺麗で魅力的なギルマスにドキドキしっぱなしで会える日を心待ちにしている少年騎士がかわいいです。
まさにショタおになのです。
15歳以降夢で会えなくなってからは更に執着度が増していき、世界のどこかにいるギルマスを探して世界を旅する騎士が健気です。
そしてようやく恋する相手に巡り会えたというのがお話の冒頭になります。
冒頭に騎士と出会ったばかりのギルマスはタイムスリップしてないので、子供の頃の騎士と出会っておらず、もちろん交流した記憶もありません。
そんなギルマスの正体は、とある国(騎士の国)の神として崇められる存在「聖竜」なのですが
これがまたすべての人を魅了する存在で、
国に戻ってからは同族(竜族)である不特定多数をその色気で悶絶させます。
もともとギルマスが住んでいたヒト族の国でも男たちを惹き付けていましたが、それは封印によりすべての力が解放されていない状態での現象です。
聖竜は自国以外で生きていくことが困難のようで、ヒト族の国でも生きていけるようにその能力をこれまた無意識のうちに封印して生活をしていました。もしヒト族の国でも力が全解放されていたら貞操の危機を何度も迎えていたかもしれません。
こういう不特定多数を無意識に魅了してしまう無自覚な受け様(しかも自分はおっさんだと自覚している)が大好物なので、とても満足の一冊でした。
絶対に見た方がいいBLドラマです!!
原作はPriest先生の小説「大哥」で、台湾にてドラマ化されました。
中華作品である山河令はお国の事情もあり「ブロマンス」作品になってますが、こちらは完全なるBLです。
ドラマは12話完結ですが本当にもう素晴らしいの一言です!!
兄である魏謙は幼い頃に両親を失くし妹を育てるためにチンピラとしてお金を稼ぎます。そんな中、路上で生活をしていた男の子に食べ物をあげたことを切っ掛けに付きまとわれるようになり、最初は拒絶したものの家族として招き入れ、弟として育てます。
もうそれこそ弟と妹を守りながら懸命に生きる兄の姿に惚れ惚れするほどです。
とある事件をきっかけにチンピラから足を洗い仕事を掛け持ちしながら夜間学校に通い大学も卒業します。
そこからは綺麗系インテリメガネになりますが変わらずボクシングで身体を鍛えているので
素晴らしい引き締まった肉体美をお持ちです。
このボクシングも弟と妹を守るために強くなければという兄の大きな愛です。
弟の魏之遠は初めて手を差し伸べてくれて大きな愛をくれる兄に想いを募らせていきます。身長は兄よりも高くなりますが、筋肉美は兄の方が圧倒的に上です。そして高い頭脳で留学も出来てしまう程に優秀です。兄にボクシングを進められますが、全くケンカはダメダメで、BL恋愛小説をこっそり読んで涙を流すような文系青年に育ちます。
そんな弟ですが立派な攻め様です。
恋人のようになる前から兄に対するスキンシップの距離感が近く、隙あらば一緒のベッドに潜り込もうとします。
ムッツリだけど思いがスキンシップとして駄々漏れなタイプです。
弟の思いが通じて兄とキスするシーンでは
兄の潔さとエロさが爆発します。
お兄様、美しすぎてエロいです。
そして物語の後半で放送可能範囲内でのラブシーンもあります。
弟のムッツリが爆発して待てないと襲いかかりますが、兄もどーんと受け止めてくれます。
流石、男前な美人受け様。
弟は兄の会社に入り浸るのですが、2人のただならぬ関係に前々から気付いていた腐女子と思われる部下が、兄に対してどちらが攻め受けなのかと直接爆弾発言を投下するところも面白いです。そのとき兄は少々見栄をはってしまいますが、でもきっと兄受けなのはバレバレなのだと思います。温かく理解のある職場だなぁと思いました。
切なくなるシーンはたくさんありますが、安心のハッピーエンドなのでまだ見ていない方は是非見てほしいです。
兄の美しさにキュンキュンしてください!!
そして毎回のようにある兄が椅子に座るときの足組みのシーン。驚く程に美しいです。
これも必見だと思います。
美形でワケアリの勇者アストと元ヤリチンでヒモ生活にどっぷり浸っていた雪也の異世界転生のモノです
攻めのアストはピカピカの童貞で、男女問わずにタチ専だった雪也が受けになります(非童貞処女)
この世界では女神信仰の影響でエッチなことはタブー視されています
雪也ことユキは神殿兵に転生(転移)したことで、白魔法という回復系やサポート魔法を使えるようになりますが、エッチなことをすると信仰力が底辺まで下がるので魔法の力が激弱になり役立たずになります
不憫なのは不可抗力によるものも対象で、魔物に襲われエッチなことをされてしまったとしても力が弱まります
冒頭アストと出会うシーンではボスクラスの魔物に催淫効果のある毒を与えられていたユキがアストに対して○ェラをします
その事が住民たちにとってはドン引きする程の異常な行動になってしまいます
それでもアストがユキのことを
「俺の聖女」として軽蔑もせずに大事にしてくれるので優しい気持ちになれます
立場的にも世界観的にも禁欲を行うユキですが
一緒に旅をするなかでアストへの恋心を自覚したり、本物の聖女の存在に悩んだりとピュアな恋愛を繰り広げてくれるので初々しくて可愛いです
ヤリチンでヒモ生活をしていたニートな27歳らしいやさぐれ感も違和感はないです
最後はハッピーエンドなので安心して読んで欲しいと思います
BLの名作といえばアーシアン
影艶とちはやのカップルも素敵だけど
なんといっても複雑に絡み合って完結編でようやくくっついた(?)ラファエルとミカエルのカップルが最高です
とにかくミカエルが可愛いです
ラファエルはクールなポーカーフェイスの下にミカエルに向けたドロドロとした執着というなの激情を隠し持っているので
類友であるガブリエルと手を組みお互いに好きな人と一緒にいるために結婚までします
ラファエルとガブリエルは戦友のような関係性でお互いを理解しあっているので、ある意味素敵なカップルでもあります
完結編でガブリエルの本当の顔を見ることができてよかったです
ルシフェルへの永遠の愛は美しい
ミカエルは地球に追放され
ラファエルに監視されながら暮らしていて
たまにやってくるラファエルに抱かれちゃってます
行為はラブラブな感じではなく
立場的に淡々としているラファエルに
ミカエルは気だるさを感じています
この2人にはこの関係性がいいのかもしれません
これがメリバの先駆けなのかも
アーシアンは本当に心情描写が丁寧で引き込まれる作品だと思います
こちらの作品は同人誌でも有名な作品の商業コミック化です
同人誌2作品をまとめた内容ですが
表紙がピンクとブルーの2つが用意されています
・ピンク 全年齢対象 性描写カット
・ブルー 同人誌同等の性描写あり
※ブルーは電子限定ノーカット版
お値段はブルーの方が少しお高めですが
五梅先生の作品の最大の魅力は
ムチムチ受けちゃんの潔いエロなので
ブルーがおすすめです!
内容としては同人誌とほぼ同じですが
書き下ろしを加えて物語が補完されているので
同人誌既読組にとっても2度美味しいものになっていると思います
受けちゃんは社畜でボロボロになり疲れきっている黒髪サラリーマンの田丸さんです
対して攻めは2人(株?匹?)いて
1人(株?匹?)は宇宙植物で有害種のハニちゃん、二葉の植物です
宿主である田丸さんを強制発情させて体液を搾取するなんとも可愛い触手です
しかも意思があり、田丸さんのことを心から愛しており常に一緒にいたい(襲いたい)という行動派で嫉妬深い性格をしています
もう1人は後半で判明しますが
研究員の綾川さんです
掴みどころのない変人ですが優しさもちゃんと合わせ持っています
実は人間ではなくハニちゃんと同一個体の人造宇宙植物の有害種で、研究が打ちきりになった後に美山さんたちに救出され日本に渡り人間として暮らしていました
ハニちゃんとは番を見つけやすくするために別行動をとっていましたが
再会時にはお互いに気付くことができず
田丸さんとの性交渉によってお互いを認知しあいます
ハニちゃんと同化したことをきっかけに
綾川さんにも田丸さんに対する愛情が芽生えて
番として大切に思う(襲いたい)ようになります
変人研究員(攻め)+触手を伸ばす植物(攻め)
×
年上黒髪元社畜サラリーマン(受け)
という少し変わったカップルですが
ラブラブでエロエロでとっても癒される作品なのでお勧めしたい作品です
病院のベッドの上で息も絶え絶えだった14歳の少年カイトが、ある日突然聖女召喚に巻き込まれて異世界にやって来ます
お決まりかもしれませんが、カイトこそが本物の世界を救うことが出来る聖人様で魔法も全属性が使えますが、その場にいたみんなが一緒に召喚された女の子を聖女だと勘違いするので、カイトは自分は召喚に巻き込まれたオマケだと思ってその場をこっそり逃げ出します
逃げ出すなかで身体が軽く苦しくないことに気付いて嬉しくなり、無邪気に走り回るカイトは、第一騎士団に所属する綺麗なお兄さんであるケビンと運命の出会いを果たすのです
ケビンは伯爵家の嫡男ではありますが、父親と継母に疎んじられて育ち、廃嫡され平民に落とされる不幸体質で、他の異世界転生モノ(庇護者がスパダリ)とは違う新しい庇護者だと思います。
平民になったケビンとカイトは冒険者として旅に出るなかで様々なクエストをクリアし、ケビンもカイトに任せっきりにならないように腕前を上げたいと努力します
カイトがチート能力持ちであることと、勉強熱心で野草や魔獣に詳しくなるのでケビンも焦っていたのだと思います
あまりにもカイトがぐいぐい前に出るのと
ケビンが元上司の貴族に腕を捕まれて連れていかれそうになるシーン(カイトの魔法で助けられる)もあり、男に邪な目で見られる綺麗なお兄さん表現が多々あったので
あれ、ショタおに?
少年聖人×平民落ちした元騎士冒険者?
ケビンが受けなの!?
とも思いましたが
結果ケビン×カイトでした
当初は中くらいのケビンの強さも、カイトとの冒険の旅などで経験値を積み最終的にはS級になります
ちゃんとケビンの親に対するざまぁ展開もあり、転落からのサクセスストーリーになっているので楽しめます
恋愛描写が少なめ(最後まではちゃんとあります)で冒険要素の強い作品なので、エロチックな過激さを求めたりスレ違いなどで心をジレジレ・ヒリヒリさせたいという人には物足りなさを感じるかもしれません
物語として面白いので、ケビンの成長過程とカイトのチート全開ライフを楽しんで欲しい作品です
墨香銅臭先生の小説は全てが秀逸で面白いのですが、「さはん」は異世界転生BLとして確固たる地位に君臨する最上級の作品だと思います
冷静で残酷な峰主である沈清秋の中に憑依するような形で現代からハーレムファンタジー小説の世界に転生した沈垣が心の中でドタバタしているコメディタッチの物語です
弟子で未来の魔王である洛冰河を虐待して恨みを買ってしまうというルートを回避するために、良い師匠であろうと努力した結果、ヤンデレ執着ワンコという怪物を作り上げることになります
健気な白蓮華の少年が、こわーい黒蓮華美青年へと成長して一途に師尊を想い続ける設定は完璧だと思います
しかも師尊に対してのみ涙うるうるのワンコな姿をわざと見せるところがあざとかわいい
世界的に人気な作品であると納得の逸品だと思います