台詞がとにかく良い。キャラクターが生きてる。
真っ直ぐで無垢な藤次が身近な人を残酷に傷付けてしまうのも、その惨さごと愛してしまう八千代も、全部が見えてしまう聖人も、みんな自分の愛を持ってるのに、形にするとすれ違ってしまうのが切なくてキツくて最高。聖人が潮流に例えていたのも、詩的なのにストレートで凄く良かった。
藤次と八千代の愛だけが本物って訳じゃなくて、聖人との愛、元奥さんとの愛、いろんな愛があって
藤次が八千代との間に男同士で恋愛する選択肢があるなんて知らなかったっていうのもリアルだった。
会いたくない程、会いたい人がいる。
選んだからこそ離れる人がいる。
愛してるから渡さなかった。
愛や〜
ずっと気になってたのに自分で買えなかったパン
聖人はそれを買ってきて、美味しさを教えてくれた。
これは同性との恋愛についてって意味もかかってるのかな。いやほんまにデビュー作なんこれ?全てに技光りすぎてて恐ろしいレベル。
過去と現在をいったりきたりする構成だけど、回想に入るシーンも静かでドラマティックで、映画を見ているようだった。
絵、セリフ、ストーリー、魅せ方全部が素晴らしくて、漫画を描く才能を見せつけられた。ゲレンデマジック101号も読みましたが、めちゃめちゃ良い作家さんです。続編も読みます。