 No Title
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				原作小説読了しております。
あの世界観を視覚的に読むことが出来るのか!と感激して読んでみましたが、正直原作とは別物です。
原作の挿絵を描かれた方が漫画も描いたそうですが……原作の挿絵としてはとても素晴らしくこれ以上合う挿絵作家さんもいないだろうと思いましたが、漫画となると話は別。
確かに絵は合います。
しかしテンポが独特で、原作からかなり、めちゃくちゃ端折られてます。
足弱がご馳走を受けつけず自分で食べ物を探すシーンもほんの数コマで描かれているので、足弱がいかに文明に戸惑い困っているか、全く伝わってきません。
髪を切られ服を着替えさせられるシーンも数コマ。
原作ではほぼ野人でとても扱いづらい人物である足弱が、漫画だとちょっとおとなしいだけの男性。
その扱いづらさを描かないと、全く別の人物にしか見えません。
ぶっちゃけ、漫画しか読んでいないという読者さんには原作を読んでほしいです。
漫画はあくまで「原作を読んだ人が内容をおさらいするのにいいかも」みたいな感じでした。
原作の素晴らしさは伝わらない……。
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				想像していたより、ちやほやシーンが少ないかなと感じました。
いやたくさんあるっちゃあるんですけど、あらすじに入れるくらい多いかと言われると微妙。
攻・フィンがちやほやしてくれることを、受・ノアが自分で語るシーンがあるんですけど、そこはノアの説明ではなく実際にちやほやしているシーンをたくさん描いて読者に伝えてほしい。
ノアの口調や思考が微妙に幼いのがちょっと苦手でしたが(いい子なんだけどね)、フィンは魅力的な攻でした。
紳士なのに内面は超執着。
初夜のシーンが、ノアが待つ場面、フィンが部屋に向かう場面から描かれていて、読んでいるこっちもドキドキして素敵な描き方だなと思いました。
 読んでてちょっとしんどい。
					読んでてちょっとしんどい。
				うーん……主人公・リンの置かれた境遇があまりにも過酷なため、読んでいてしんどいシーンが多かったです。
ロイに買われてからは、ロイからもロイの部下からも使用人からも溺愛され過保護に世話を焼かれまくっていますが、そんな甘い話じゃない。
リンが異世界で奴隷となってからの六年間、虐げられ人間としての尊厳も奪われて生きてきたので、ものすごく重いトラウマを抱えているし、ちょっとやそっとじゃそれが癒せないのもわかる。
前の主人なんか本当のクズですし。
ただ、ロイの家では奴隷を管理するための首輪こそ着けたままではあるものの、待遇は奴隷ではない。
むしろ丁重に丁重に過保護に生かされている。
しかしリンの心は頑なに凍ったままなので、ずっと考え方がちょっと卑屈……いや、あそこまで虐げられてきたならそれが当たり前なんだろうし、卑屈なんて失礼だと思うのですが……。
でもどれだけ親切にされてもリンはずっとちょっと生意気というか捻くれた物言いを心の中でしていて、それが何かうーん……親切にしているロイ達が不憫になるというか。
終盤でロイと想いを通わせてからはだいぶマシになりますが、根本的に心情がちょっと生意気というか何というか。
逆らう気はないけど根っこが素直じゃない感じ……?説明が難しい。
いやリンの境遇を思えばね、仕方ないんですよ。
重々わかってますが、リンが心を開くまでがあまりに長過ぎて読んでいてしんどい。
ロイがすぐに首輪を外さなかったのだって、逃亡防止と自死防止のためですし。
リンが自死する可能性があると、ロイは見抜いていたから。
夢遊病で夜な夜なや屋敷の中を歩き回り、途中でパニックになって苦しむリン。
ロイは毎晩その後を尾行して見守り、リンが苦しみ始めたらそっと声をかけたり、どうにもならない時は魔法で眠らせたりしてくれてた訳ですよ。
そんな主人、普通いないよ……。
例えば旦那さんとか恋人とか、そういう関係であったとしても、毎晩そんなことをしてくれる人ってどのくらいいるんだろう。
面倒だからと部屋に鍵をかけたりもせず、見守る役目を他者に任せることもなく、毎晩付き合ってくれてたんですよ。
そんなロイの愛情に向き合わず、死のうとするとは……。
リンにも同情して心が痛くなる場面が多々ありましたが、ロイも不憫過ぎる。
あと無理だったのが、リンとの性行為を部下に手伝わせるシーン。
攻と受がお互い以外の第三者とやらしいことをする描写がすごく苦手なので、このシーンもちょっと無理でした。
あのシーン要る……?
強引ではあるものの、真摯にリンに向き合おうとするロイは割と好きなキャラクターでしたが、とにもかくにも読んでいてしんどかったです。
 可愛過ぎて笑いが止まらない
					可愛過ぎて笑いが止まらない
				上下巻まとめてレビューを書きます。
もう……!!
ほんっっっとうにユーチアが可愛過ぎて可愛過ぎて!!
あまりの可愛さに周りの人間が吹き出すシーンが多々ありますが、読者としてもまさにそれ。
何度笑ったか。
笑い過ぎて涙まで滲んでしまいました。
BLの受が何らかの魔法やら何やらで一時的に幼児化してしまう、みたいな設定はたまにありますが、この作品に関してはその幼児化期間が長いし、ユーチアが底抜けに可愛く面白いので、たまに幼児化が解けてユーシアに戻ってしまうと「またユーチア登場するかな…?」と願ってしまう始末。
いやユーシアもものすごく可愛いんですけどね?
でもあまりにユーチアの破壊力がすご過ぎて。
単に幼く可愛いだけじゃなく、性格と発言がものすごく面白い。
大人の状態のユーシアも、「大人の姿だと、ユーチアの時みたいに心情ダダ漏れではなく、もう少し気弱なおとなしい感じになるのでは…」と心配していましたが、杞憂でした。
あくまでユーシアとユーチアは同一人物。
ダダ漏れです。
攻・レオンハルトがこれまた……とんでもないスパダリ!!
ちょっとあんまり見ないタイプの攻だったかも。
最初は「堅物。財力や地位を目当てに近寄ってくる令嬢が多かったから警戒心が強く、美人だからと靡かない。でも好きな人には不器用ながら愛情を向ける」みたいな人を予想していました。
ところがどっこい。
仕事に対して非常に真摯で、人を見る目があり、なんと言っても妻(ユーシア&ユーチア)への接し方はもうスマート過ぎるイケメン。
砕けた口調で話すし、かといって砕け過ぎてもいない。
スマートな大人。
クールなのに「俺の嫁ちゃん」などとユーシア&ユーチアへの愛情表現はもったいぶらず、内心はメロメロでも表面は適度に飄々と。
Hの時も、とんでもねぇぞ…レオンハルト!!(`⊙ω⊙´)カッ!!
と驚きましたよ←
かなり興奮しているのに、穏やかに「うん……どうしようか?」とユーシアに聞く辺り、ほんのり!本当にほんのりSっ気がありそうで、しかし溺愛するユーシアにSっ気を浴びせることは未来永劫ないだろうなとわかるこの…!!←
いやちょっとこれ……こんなにスパダリでイケメンなのに、めちゃくちゃ強くてめちゃくちゃ足も速くてめちゃくちゃ部下や領民に慕われてて…最強やん。
もう、最強カップルですよ。
あまりに面白くて可愛くて、上下巻とも一気読みしてしまいました。
これは…うん、紙も買おう(電子で読んだ)。
番外編も大変面白かったです!
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				序盤は受・ルアンの可愛さにひたすら心を掴まれながら読んでいました。
本当に可愛い。
健気で心優しく、きちんと芯のある子。
攻・ノアが良い男だというのはわかります。
ルアンのこれまでの婚約者とは全く違う、出来た人間。
でも発情期の他のオメガに割とあっさり惹かれてしまうのが、どうしても受け入れられませんでした。
もちろんそれはオメガのフェロモンのせいで我を忘れているからなのですが、ルアン以外のオメガに腰を押しつける……みたいな場面がもう無理でした。
その場面を見てしまったルアンの心を思うともう……。
もちろん毎回ノアはそれに抗いはしているのですが、もっと強く抗ってほしい。
我を忘れる前に抗ってほしい。
他のBL作品だと、そういう時アルファは自分の体を傷つけて理性を保ったり、そもそも他のオメガに近寄らなかったりするのに、ノアはちょっと脇が甘い。
なぜ近づく。
発情期のオメガに襲いかかる不埒な輩を一般人が倒すと罰せられるから王弟であるノアが、という事情があるにせよ、もう少し考えれば方法があるだろうに。
自分を傷つけることで理性を保ったことは過去にはあるノアですが、ならより一層ルアンの前ではそうすることで理性を保ってほしかった。
それと、ルアンが大人の姿になってから、ルアンのためと言いながらルアンに見聞を広めさせ「本当に好きな人と番になるべきだ」みたいなやつ。
ノアのこういう、優しさゆえの優柔不断さと、優しさゆえの人を傷つける鈍感さに、イライラしてしまいました。
個人的にBL作品の攻にはスパダリさを求めてしまうので(特に小説は)、受を不安にさせたり傷つけるノアをあまり好きになれず。
BL作品として萌えたというより、ルアンの可愛さで星3つにした感じです。
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				BLというより、BLを取り入れたかなり本格敵な中華風ファンタジーといった感じでした。
神様や獣人についての説明がかなり多く複雑で、ちゃんと読んでいかないとストーリーを理解出来ない。
ちょっと読むのに疲れてしまう感じでした……。
とにかく重厚な本格ファンタジーを求める読者さんには刺さると思います。
個人的に受け・青蓮の兄である銀狐が、登場人物の中で一番好きでした。
最初は「何だこの面倒くさそうなお兄ちゃんは……!」と思ったのですが、その人となりを知れば知るほど面白いキャラクターでした。
何なら渾沌×青蓮より、渾沌×銀狐だった方が萌えたかもしれない……笑
とても魅力的なキャラクターだったので、銀狐が主役のスピンオフなど読んでみたいなぁと思いました。
出来れば銀狐が受で。
銀狐はアルファですが、めちゃくちゃ強いのに性格は不器用で周りに振り回されるし振り回すし、受っぽいと思うんですよねぇ。
 挿絵が気になってしまう。
					挿絵が気になってしまう。
				雷の力を持つ皇帝・ゼイランが、その力の強さゆえに誰にも触れることが出来ず、相手を死なせないために妃や妾を娶るつもりもなく生きていた。
という独創的な設定は切なくも惹かれ、ストーリーは面白かったです。
ただ、受・アシェルがとても健気で良い子だというのは重々わかっているのですが、おとなしくてちょっと受け身姿勢が強く、「BLの受」としてはあまり好みではありませんでした……。
操られているゼイランを助けに向かう場面だけは、雄々しさがありましたが。
あと読んでいて一番気になってしまい、作品の評価にも反映させてしまったのは、挿絵です。
本当に失礼極まりないとは思いますが、挿絵があまり上手な絵ではない……。
物語は重厚な雰囲気なのに、挿絵はサラッとシンプルなテイストで、合っていないと感じてしまいました。
せっかく物語を読んで世界観に浸っていても、挿絵のページがある度にその挿絵の技量に目が行ってしまい、現実に引き戻される。
物語の中で描かれているゼイランやアシェルと、挿絵のゼイランやアシェルが結びつかない。
小説にとって挿絵はあくまで装飾だとしても、もう少しきちんとした絵を見たい。
ここまで挿絵が気になってしまう作品も珍しい。
改めて、たとえ小説が主役であっても、挿絵って大事なんだな……と思ってしまう作品でした。