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聖女召喚に巻き込まれたなんの能力も持たない高校生の話の続き

魔王候補が2人も!


幼馴染の澪が聖女として召喚されるのに巻き添え食って異世界転移してしまった悠真(受け)。
めでたく第一王子アルフレッド(攻め)と婚約関係になったまでが前巻。
そして、始まりました乙女ゲーム本編。
とうとう澪と悠真が学園に編入します。
悠真は高位貴族と一緒のクラスになりたくないと我儘を言い、髪と目の色を変えて平民として入園します。

学園で、何故かよく迷子になる(いつもボーっとしてるからと思うんだけどな)悠真は1人になりたいエドワードとよく遭遇します。その度礼儀のなってない令嬢ミカエラがぶつかってくるのです。
向こうからくるのにいつも睨まれ困惑する悠真。
実はこの世界は乙女ゲームの世界だったのです。これを回避するために魔女の勧めで聖女召喚したのでした。
乙女ゲームが始まらなかった話と何故かトラブルが向こうからやってくる悠真の大変だけど魔王候補2人による鉄壁の守りでそれほど大変じゃない話



悠真は自分が興味があるもの以外基本スルー。
だから、平民を慰み者にするクズ貴族令息や、他人の魔道具を出世の道具にしようと平民を殺してでも手に入れようとするクズ教師がどうなろうと自分の周りにいなければそれでおしまい。
関心なさすぎて、逆にこっちが気になってしまいます。
あいつらどうなったの?

よく澪に振り回されているとはいえお気楽すぎる悠真。
悠真に何かあったら魔王にジョブチェンジすると明言してる過保護な婚約者と澪のお陰で危険もなくのんびりと異世界生活を堪能してます。

前巻では最後までできなかった2人も、時間をかけてアルフレッドの魔力に慣れさせて(弟のエドワードがそれで?というくらい濃厚な準備期間を経て)、やっと本懐を遂げます。アルフレッド本当によかったねとしみじみ思いました。

それにしても、本当なら乙女ゲームのヒロインだったミカエラは、諦めておとなしくなったのでしょうか。また忘れた頃に出てきそうで怖いな。まあ、過保護な保護者がいるし大丈夫だと思うけど。
Webでの連載もまだまだ続いてるのでまた続くのでしょうか。

面倒ごとが向こうからやってくる悠真はこれからも色々巻き込まれるのでしょう。


大願成就


何度も生まれ変わり同じように守って死ぬ

銀次(攻め)は大企業の御曹司秋成(受け)の護衛。
実は銀次は前世の記憶があり、国も立場も毎回違うけどいつも上司である秋成を守って死ぬのです。
秋成は気づいていないようですが、今世も出会った瞬間、この人を守って死ぬのだなと悟ります。
が、いつもは出会って長くても一年以内になんらかの騒動で命の危機に瀕する秋成を助けていのちを落とすのですが、今世はなぜか10年以上経っても、まだ生きています。
その上、秋成からは小さい時から好きだと告白され続けています。幼稚園の時から仕えている相手に応えることは出来ず、いつもお断りしています。
秋成のために命を落とすつもりでいるのに、ある日秋成から護衛を解雇され、恋人ができたから家から出て行けと言われてしまいます。
秋成を守って死ぬだけが生きがいだった銀次は戸惑います。


銀次は秋成との思い出だけが夢ではっきりと見れるだけなのでどういう人生を送ってきたかわかりません。が、今世では秋成を守ることは、父親に虐待され母親には捨てられ、生きる意味を見いだせない銀次の生きるよすがになっています。
何度も秋成の危機に駆けつけてはここで死ぬのかと思うのですが、今世ではいつも助かるのです。

秋成は大会社の御曹司で昔のしがらみで何度も事件に巻き込まれるので護衛として銀次がつけられます。
秋成は自分の命を軽んじるような態度をとる銀次をいつも危うく思っていて、いろんなことを経験させてもっと様々なことに興味を持ってもらおうとするのですが、銀次は秋成を守ること以上の執着を持ちません。どうすれば良いのかいつも考えています。

秋成はずっと知らないままなのかとと思ったけど、もしかしてと思う時があり、それ以来おかしくなっていくのが、何を考えているかわからないので、ドキドキしました。



秋成は、今までは高位の立場で守らなければならないものが多く、銀次のために生きることはできませんでした。銀次を犠牲にしてでも生き残らねばならなかったのです。
何度も生まれ変わり、やっと今世は守るものが何もなく、銀次を犠牲にする必要がなくなり銀次と共に生きられるようになったことが本当に良かった。


銀次は、相手を生かすためにどう死ぬかみたいな感じだったのが、今世では自分が犠牲になっても喜ばない(今までも喜んでないが)ということがわかったので、ちゃんと生きようと思えるようになったことがすごく嬉しいです。

何故何度も何度も生まれ変わり
出会い死んでいくのかの謎が解けた時の衝撃はちょっと感動しました。
神様に見守られていたんですね。
やっと2人の願いが叶ってこれから2人でゆったりと生きて欲しいと思いました。

秋成の一途さにも脱帽です。
叶うかどうかわからないのに一年以上準備したという事実が明かされた時は泣きそうになりました。


意地っ張り同士


一度は欠陥品と言われたΩが太いパトロンで花開く



α一族に生まれたΩの悠(受け)は欠陥品と言われ、αを産むための孕み胎にされそうになるも、母が離婚して連れて逃げてくれます。
苦労して育ててくれた母にもいい人ができ、早く自立しなければと俳優を目指してお金を貯める日々。
二十歳を迎えてもまだ発情期がこない悠は欠陥品という言葉が頭をよぎります。
そんな時バイト先からの帰り道、突然の発情期に襲われ、助けられたバイト先の常連の透夜(攻め)にプロデュースされることになります。

α一族からの逃亡から始まるので境遇は不憫です。ただ、母親からの愛情はたっぷり与えられたので絶望的ではなかったのが救いです。
母親もΩを産んだというだけで不貞を疑われるわ、息子を一族の産み胎にされそうになるわ、先が不安だろうに、速攻離婚して、よくぞ連れて逃げてくれたと思います。

透夜に出会ってからは大手プロダクションに移籍し、時間をかけて磨かれ、仕事を与えられ、それに懸命に答えた結果、一躍有名になります。
いわゆるシンデレラストーリー。

事件もちょっとあるけど全部透夜によって排除されます。
透夜視点も時々あるので、透夜にとっても悠は特別な運命の番のようなのですが、大人の余裕で我慢強いので、悠が透夜に夢中になって掌で泳がされてる感が凄い。
芸能界で花開く悠の様子より、社長と所属事務所のタレントとしての距離を取ろうとする透夜に相手してほしくてイライラする悠の様子の方が多く描かれていて、私的には思ってたのと違う感があります。
頑張ってるところはほぼひとことで終わらされていて、すぐに売れっ子になってる。
もっと頑張ってる悠の姿を見たかった。

悠もやりたい舞台ができるようになったし、透夜も、一度諦めたカメラマンという夢を叶えつつあるという、ハッピーエンドで終わるのですが、何と無くヤマなしオチなしの感じがしました。


読み終えて思ったのが、この話はオメガバースにする必要あったんだろうか。最初の一族を出るきっかけや透夜と出会い惹かれ合うという要素には使われてあったけどそれ以外は全くオメガバース仕事してない。
番と言っても、ほかのオメガバースの話と違い、お互いしかフェロモンが反応しないというわけでもないし、普通のBLでも成り立つ話に感じました。
オメガバースにするなら運命の番とか発情期とかならではの設定がもう少し仕事しても良かったのでは。


ままならない人生をどう生きるか  



元剣奴の従者と伯爵令息の人生ままならない話


αだと思って生きてきた。
Ωだと判定された伯爵令息フィディ(受け)は即学校を退学させられ、辺境へ従者のフレッド(攻め)と共に送られます。
さぞかし家族に落胆され憎まれているだろうと落ち込むフィディでしたが、何もない辺境でこれからどうやって生きていくか考える時間はいくらでもありました。
本だけはたくさんある上、忠実な従者がフィディの興味のありそうな本をいくらでも用意してくれるのです。

中編2篇と短編1篇の3篇になります。
前編では2人が番になるのを決め、フィディがこれからの目標を決めるまで。
後編は何故か辺境に送られてから一年以上経つのにまだ番契約してない2人が、やっと邸に戻り父の本意を知り、ままならない人生もまた面白いと言えるまで。

途中フレッド視点が少し入りますが、ほぼフィディ視点で話は進みます。


初め、Ωとわかった途端のこの待遇に驚きました。
今までさんざん可愛がってきたのに、自分の奥さんだってΩなのになんでこんな扱いできるんだろうと不思議でした。
でも、世間的にはそれが普通なようで、フィディ自身もΩと診断されるまではΩを劣等種だと思ってたようです。

前編は前半は登場人物は2人だけ。途中までフィディ視点なので閉塞した世界でずっと2人で暮らしています。フレッドの態度に何者かがやってきてるのではと思わせる時もあるけど、かなり鈍感というか純粋無垢なフィディなので不審に思うこともなく、穏やかに過ごす毎日。
話にしか出てこない父親は本当に見限ったのか。と思いながら読んでいましたが、そんなことなかった。良かった。
憎まれてもいいから、フィディを守りたい一心だったのがわかってよかったです。


フィディが頼るのは今も昔もフレッドだけ。
寂しさに一緒に寝てもらおうとするのですがフレッドは盛大に勘違いしていて。
でも、あれは仕方ないと思う。フレッドは悪くない。あんなふうに言われたそりゃ勘違いするわな。理解した時の絶望たるや。
フレッドに同情するやら楽しいやら。

フィディの 性教育の失敗には笑いました。
キャベツ畑の赤ちゃん並みです。
そして、実地で教えてと言った後のフレッドの行動は笑えるくらい早かった。

最終的に鈍感すぎるフィディが恋心を心の病気と勘違いするのには可愛すぎて怖いくらいでした。どうやったらこんな青年ができてしまうのか。
でも、αだと育てられたこともあり堂々としなければならない時はちゃんとできて、結局とってもいい子なんですね。

ただ、Ωだったことで落ちんてるだろうと
悪役になることを覚悟で何も言わずに僻地へ追い出すように連れていかなくても、Ωとか関係なく愛してるよって言ってあげた方がフィディの精神衛生上良かったと追うんだけどなー

前半最後のフレッドのタイトル回収。
人生ままならないけど満足していますという言葉がで、フレッドのフィディに出会えたよ喜びが伝わってきます。


フィディ視点だからわからなかったけど、実はすんごくモテてたフィデイ。
フレッドは気が気じゃなかっただろうな。
従者の立場では伯爵のOKが出るまでは我慢するしかないと思ってただろうし。

後編ではピンチもあったけど、終始2人がラブラブだからそこの心配はいらなかったし、家族からの愛は揺るぎないし、フィディのやりたいことは準備できたしで、
今度はフィデイが人生はままならないけど面白いと言えるまでになって良かった。

短編の巣作りならぬ巣箱には笑いました。
フレッドは、可愛くて可愛くて仕方ないだろうなと、ニマニマしました。

フィディはとても正直で素直に自分の気持ちを言うので、言われたフレッドは毎回大変だと思います。


振り回されるフレッドをデフォルメで書いて下さったカワイチヒロ先生の口絵が私の読んだ時の心の絵と同じで、とっても嬉しかったし楽しいです。ずっと眺めていられる。

悲壮感あふれる最初の衝撃から、ずっと甘々な毎日と覚悟やピンチもあるけど、フレッドが蹴散らしてくれる安心感と、皆の愛。
とても楽しいお話でした。

とにかくかわいい



超人気アイドル × 犬化症候群の大学生(〜社会人)

碧(受け)は感情の乱れでポメラニアンに変化してしまう犬化症候群という病気になってしまった大学生です。行きにくい病気ですが、今はそれを生かしてアオという名でポメ派遣サービスのバイトをしています。
デリポメとしての仕事もあと少しで卒業というある日、大ファンの超人気アイドル高遠ハヤテ(攻め)に派遣されます。いつも彼の動画で癒されてポメラニアンの変化が解けてしまう碧は生の高遠に抱っこされて変化がとけてしまいます。何という失態と平謝りして帰るのですが、咎められるわけでもなく、再度予約が入ります。
が、やっぱり途中で変化が解けてしまうのですが、それでも高遠はアオのこと(碧はついで)をすごく気に入ってくれて、どんどん貢いでくれます。


中編2篇で、前編は碧視点、後編は高遠と碧両方視点になります。

貢ぎ癖のある高遠がアオをめちゃくちゃ甘やかすので(途中から碧のことも)話全体は甘いです。でも、誤解が重なってすれ違いが前編でも後編でもあるのでその辺りだけちょっと切ないです。でも、2人ともすごい一途でとても良い子たちで、幸せになってよかったです。

とにかく、ポメラニアンのアオがめちゃくちゃ可愛いです。
私は好きなシーンは脳内でアニメ化して読むのですが、アオのシーンはほぼ全部脳内映像してました。
台風に煽られて転がったり吹っ飛んだりしてるところとか、スマホをテシテシいじってるところとか、怖がって高遠の足の間に隠れるところとか、しまい忘れの舌がぺろっと出てるところとか、想像するだけだ身悶えするくらい可愛いのです。

両思いになった途端、その間高遠断ちしていた間のアレコレを鑑賞してないことに気づいて、両想いを喜ぶより絶望するってのが一ファンとしてすごいし、面白かったです。
それを見ている高遠の残念に思ってるであろう姿を想像してニマニマします。

一つ残念なのは、碧が葵になってたり、証明が照明になってた誤植があり、世界に入ってるところを我に帰ってしまうので、たった二箇所でしたが、気をつけて欲しいな。




農業男子は異世界で大活躍



大好きな物語の世界で生き残るために

事故で死んでしまった農業男子の敬人は前世で大好きだった物語の中の悪役令息でオメガのサミュエル(受け)に転生していることに、10歳の誕生日に気が付きます。サミュエルは義弟のセオドア(攻め)を虐め、王太子の側妃になった後主人公リオを殺そうとして、セオドアに殺される役どころです。そのセオドアもリオと両想いになった後戦争で命を落とすのです。
自分とセオドアが死なないように頑張ることを誓うのですが、時すでに遅く、使用人たちにはいつ理不尽な怒りをぶつけられるか戦々恐々としており、世間では既に意地悪が服を着て歩いてると有名になっているのです。
それでも、セオドアと仲直りして、前世の知識を使って農業改革を行い、いい人キャンペーンを始めます。
サミュエルとセオドアは死の運命から逃れられるのでしょうか。


サミュエルは子供のいない公爵家に養子に入った遠縁の子供でした。が、突然公爵家に実子セオドアが生まれ焦ります。実家でも居場所のない立場だったので、自分の居場所がなくなってしまうと思い、関心を買うため横暴に振る舞っていたのでした。
前世を思い出してからは今までのことを謝り、義弟とも王太子とも仲良くなり安心かと思っているところに、物語の主人公が見つかり話が不穏な状況になっていくのです。

セオドアの清々しいほどのサミュエル至上主義は楽しいです。
サミュエルがご望めば王家簒奪でもやってしまうんじゃないでしょうか。
優秀な攻めが受け以外はどうでもいいという話は大好きなので、とても楽しく読みました。

結構早い段階で両想い(サミュエルの自覚はもうちょい後だけど)になったのに悪役令息ならぬ悪役神官リオのせいでピンチの連続。
サミュエルは小説を信じすぎで無防備だから余計心配。
自分が転生してるんだから違う動きしてるリオを何故そんなに信じるのさとハラハラしました。
何度回避してもストーリー通りにしようとするリオによってなかなか平穏になりません。神罰が降ればいいのにと何度思ったことか。
リオの中の人も、かわいそうだとは思うけど、償いも罰もなかったのはちょっともやっとしました。セオドアが間に合わなければサミュエルは何度危機に陥ったか。


家族の絆が強いのがとても良かったです。
冤罪で捕らえられたサミュエルを助けるために攻城兵器を持ち出すセオドアの勢いも好きだけど、母親の公爵夫人まで甲冑を着て剣をヨロヨロ振り回しながら出撃しようとする姿に感動するやら微笑ましいやら、同じく出撃してくれた父親の公爵もだけど、優しい家族に囲まれて本当に良かった。

これからもやりたい農業政策に力を入れ、セオドアと仲良く、子沢山で楽しく暮らしていけば良いですね。



2人の続き



刑事とロマンス作家の付き合ってから

前作でお向かいさん生活に入った刑事のワイアット(攻め)とロマンス作家の雨音(受け)。
夜一緒にご飯を食べたり、いい距離感で付き合ってきます。
そんな中、雨音にサイン会の話がきます。
顔出しNGなので速攻断るのですが、ワイアットに読者に直接会える貴重な機会ではないかと言われ心が揺れます。

ワイアットの方は上司が入院したため、チームリーダーをすることになります。そんな時に発生した連続殺人事件。
メンバーとのちょっとしたいざこざやなかなか進まない捜査と思い通りに行かない日々が続きます。


2人が一緒にいるからこそ前に進むことできる。お互いが補い合って進化していく2人の関係がとても素敵でした。
雨音がサイン会をするために捻り出した手段が、作者のラナ・カークになりきり女装して挑む展開にはバレないかどうかドキドキしました。

事件の解決にも雨音は最大限貢献していて、これからもいい関係でいられそうです。
ワイアットのお父さんの誕生日パーティーの話が出て終わりましたが、もしかしたらまだ続くのかしら?
そうだとしたら楽しみです。



奴隷解放運動

国王と奴隷

奴隷のカレン(受け)は国王ルフィウス(攻め)に見染められ後宮に迎えられます。
10歳の頃から8年も奴隷をしていたカレンは自由を与えられてもどうしていいかわかりません。
ルフィウスに甘えることを教えられ、やりたかった勉強や礼儀作法などの教育を受けるのですが、奴隷制度廃止を掲げるルフィウスに反対する勢力による不穏な空気が迫ってきます。


読み始め、奴隷の身分から伴侶というからには元貴族だったとか運命のつがいとか、何か特別のものがあるのかただの一目惚れだったので、すごく不自然に感じて落ち着きませんでした。一国の王がいいのかそれで。
よく色ボケた国王が国を傾ける話があるけど(婚約破棄ものによくある)、まんまじゃんと思ってしまった。
そんな理由で貴族でもない男を連れて帰ってきて王の伴侶にするのっておかしくない?と。

カレンのおねだりで同じところにいた奴隷を全員買い取るっていうのも、助けてもらった方はいいかもしれないけど、元の持ち主にしたら突然金を置いて行かれて全員連れていかれたら、困るに決まってる。誰かを雇い入れるにしても猶予は必要だと思うし。
今の法律で違反してない限りは奴隷を買った主人にその権限があるので、せめて奴隷に給料を払い自分で自分を買い戻す制度にでもして、これ以上の奴隷を増やさないようにするとかしないと少なからず反対する人がいるはず。
と思って2人のイチャイチャは楽しいけど周りのことを考えるとそれに没頭できず、ちょっと冷めた目で読んでしまいました。

カレンは父のために幼くして奴隷としてこき使われてきましたが、決して絶望することなく小さな幸せを見つけて、夢を持って生きてきました。他人を思いやれるとても心根の美しい青年です。
とても素直で思ったことを自分の言葉で辿々しいながらも懸命に言葉にする姿は、ルフィウスが可愛すぎて悶え苦しむのはよくわかります。

ルフィウスは奴隷解放を掲げ、父である先王との決闘で勝ち、国王の位につきました。
自分の理想のため親友で側近のライリーと共に政策を詰めている最中でした。
いつも怖い顔をしているルフィウスですが、実は感情の起伏を出さないように必死になるあまり凶悪な顔になってしまうだけなのです。この様子は読んでいてとても楽しいです。そして心の声がうるさい(笑)

ただ、ほのぼのしてるのだけが3/4ほどきてこのまま続くのかとちょっと心配になったところで反対派の動きがあります。
最後はかなり駆け足ではありましたが、この最後が勢いがあって楽しかったです。

彼らが考えた作戦には驚きました。
万全の体制を敷いていたとはいえ何が起こるかわからないのに、最愛のカレンを危険な目に合わせる作戦に賛同するとは。それまで理想ばかりのお花畑にいる人かと思っていたけれど、非情な判断ができるところも併せてさすが為政者だと思いました。

半分以上はお花畑だったのでちょっとだらけ気味でしたが、最後の方は楽しかったです。

そして、側近のライリーによる貴族に対する毒舌には笑いました。


異世界召喚された先で


皇帝 × 誰かに召喚された青年

珠莉(受け)は10歳の時、異世界から召喚されてきました。が、元いた世界の記憶がなく、時の皇帝が崩御したのと同じ時だったことで関連を疑われて命を狙われますが、次期皇帝の紫冰(攻め)に助けられ、珠月という名を与えられ、神廟で国のことや言葉を習い、今は紫冰の側近として宮殿に勤めています。
年頃の紫冰は降るような縁談に困っており、今は珠莉が防波堤になっていますが、いずれは妃を娶らねばなりません。
紫冰を慕う珠莉はどうなるのか、と話は進みます。

2人が両片思いなのが珠莉視点ですがありありと分かって、珠莉のことになると嫉妬心を丸出しにしている紫冰がとても楽しいです。
2人が両思いになるのも比較的早く、そちらの方は安心して読めますが、紫冰か珠莉のどちらかが狙われる事件は未だ続いており不穏のままです。

話は誰が狙われているのか犯人なのかというふうに進みますが、ふたりの関係ががっちり安定しているので悲壮感とかはなく、いつ危ない目にあうのかと心配しながら読みました。
最後の方で少しピンチはありますが、紫冰のおかげですぐ解決するので、安心して読めました。
犯人に対しては色々と思うところはあれど、彼らが動かなければ珠莉はこちらの世界に来てないので、結果オーライでしたね。
気持ちを隠さなくて良くなってからの紫冰の溺愛ぶりにはびっくりなので、自分の娘を妃にと思ってた人たちもきっと諦められたことでしょう。


たた、竜の使役のこととか祭司の皓燕のこととか言及されないままだったのでストーリーには関係ないけどすごく気になったので、話の中に説明あったら良かったな。


すこし異色な召喚異世界ファンタジー




召喚された元高校教師 × 神官


「うつし世」と冥府の間にある「狭間の世界」。
人間やエルフ、獣人族が住み、過去魔王を封印した伝説のあるこの世界で唯一残った神官一族のシリル(受け)は神官として一人前になるべく「うつし世」から「花婿」を召喚してもらいます。来たのはなんともくたびれた冴えない男性・和馬(攻め)でした。
早々に「仮の絆」を結ぶのですが、これで大丈夫なのか心配になるのです。


最初はなんとも勝手な話だと思いました。
召喚という名ですが、「うつし世」で生を終えた者が冥府に行く手前で喚ぶことのようなので、無理やり勝手に連れてくるというのではないようです。
とはいえ、たとえ死んだ魂だとしても勝手に召喚した癖にぱっと見だけで頼りないと文句を言うなんて、と読み初めは少しムッとしながら読み始めました。
ただ、和馬が仕事に疲れボロボロだっただけでとても優秀な人物だったこともあって、早々にそんな雰囲気はなくなり、教師であった経験を大いに生かしつつ、この世界の
危機にいち早く気づきこの世界を救う一助となるまでを、シリルとちゃんと絆を深めながら進めていく様はハラハラもしましたがとても楽しかったです。

最初は感じの悪かった騎士団長や国王がどんな邪魔をするのかと思ってたけど、和馬に早々に手懐けられていい人になってて、読んでいてストレスもあまりなく良かったと思います。

シリルの両親の汚名も返上できたし、大団円だったのではないでしょうか。
これで、