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女性さいちゅんさん

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穏やかな気持ちできゅんを味わう

かねてから気になっていた原作が推し(白井さん)で音声化されると知り、迷わず購入しました。

誤解、誤解、誤解のコンボで、騒がしいわけではないけどすれ違いまくりの会話には声を出して笑えてしまうほど面白く、且つ平和なコメディ作品でした。
私の個人的な趣味として【(外見的に)ガラの悪い年下×平凡な年上】が好きな傾向があるので、熊田くんが特に可愛く感じてしまって、つい応援してしまうところもあったのですが、メインのCPのじんわりした展開は勿論それとして良かったです。

この作品の場合、オンラインの顔が素顔であるという、一般的な感覚とはある意味逆のパターンとも言えるんですよね。
それが明らかになって一時は橋元くんはパニックになったわけですが、でも、お互いしか知らない、お互いだからわかり合えてる部分が仕事の現場に居ても垣間見えるというのは、それで結局グッと距離感が近付くのが良いなぁって、なんだか第三者の立場でありながら嬉しい気持ちになりました。
橋元くんがめちゃくちゃ鈍感であるせいもありますが(笑)、簡単にくっつかない、簡単にエッチな展開にならない緩い感じにとても好感を持てました。
この牛歩だからこそラストのキスシーンが非常に尊く感じられたように思います。
きゃー♡♡♡ってなりました。

超・普・通の阿部さん、ハイスぺクールイケメン上司の白井さん、真っ直ぐなDK雄馬くん、お三方ともぴったりなキャスティングでした。
阿部さんのお声とあーさんのアバターの親和性の高さが特に凄いと感じました。(笑)

2枚組というボリュームで、且つ、緩やかなお話だったので、ちょっと長いな……と思ってしまうかもしれません。
BGMやSEなど、音の面でもっと緩急を付けていただけたら、音声作品としてより締まりのあるものになったのかなと思います。
終わり方ももう少しハッキリしてほしかったなと。
そういった点で少し評価を下げました。

作品(ストーリー)としてはとても楽しめたので、是非続きも音声化されると嬉しいなと思います。

もっと深堀りしてほしい!

pixivコミックで4話まで読んでいて、単行本を待っていました。

だらしないおっさんがいざとなるとめちゃくちゃかっこいいというギャップは大好物なので、それだけで単純に須東さんのことは好きになってしまいました。
根っこは優しくて温かい人だという魅力は充分に伝わってきたので(ゴミ屋敷のエピソードがとても好き)、警察を辞めることになったきっかけを詳しく掘り下げてほしかったです。
なんとなく、回想の小さな絵から汚職の濡れ衣を着せられたりでもしたのかな?等、想像することはできるのですが、あんなに荒れてしまった程、酷く傷ついたのであろうことの詳細が知りたかった。
作品自体は全体的に見るとほんわかした感じだったので、もっと一度ドン底を見たかったですね。
強い人がボロボロに傷つく(傷ついていた)所を見ると燃える(萌える)ので……。
冒頭に出てきたストーカーが終盤で報復に来るという展開は大好きです!
ただただフルボッコにしたいという浅はかな欲求もいかにも雑魚キャラ感があって、良い意味で乾いた笑いが出ました。

ストーカー被害に遭っていたことを全部話した、という瑠偉の報告は重くて、今度こそ警察はしっかり話を聞いてくれていたらいいなと思いました。
それと、「最初の依頼の時対応を間違えた」と須東さんが言ってくれたのがなんだか嬉しかったです。
漫画の展開(導入)的にはあれで全然良かったんですが、リアルにそこに生きる大人としてもっと然るべき対処のしかたがあった、と省みてくれたその一言があるのと無いのとではこの作品自体の奥行きに大きく差が出ると思いました。

成人同士だともうあまり意識しない部分だと思うのですが、須東さんと瑠偉ってひと回りも歳の差があるんですよね。
須東さんの「俺みたいな〜」っていう、ああいう、年下を想って身を引く大人ムーブ、絶対そのまま引けるわけないのにそういうこと言っちゃうの好きです〜〜〜。

瑠偉が須東さんに惹かれていくのは自然の摂理なので(?)恋する姿が全体通して可愛かったです。
4話の、“エッチしてないのに朝まで隣で寝ていてくれた”事実にきゅうんと喜ぶ顔が特にキュートでした。
須東さんと瑠偉の過去の繋がり方は好きなのですが、あの日、何故傘を二本持っていたのか……例えば、普段から鞄の中に折り畳みを常備しているが、あの日は朝から雨予報が出ていて普通に長傘も持って出てしまった、とか、いじめで物を盗られたり捨てられたりするのが茶飯事なので、常にあらゆる予備を用意してある、とか、傘を忘れることに対するトラウマや強迫観念があって何本も持ち歩いてしまう、とか、、、何かしらのバックボーンがあるとより良かったなと思います。
須東さんの方も深く描いてほしかったことも含めると、話数が足りなかった気がしますね。
ぷぅ先生のどんよりした話に期待を抱いてしまうタチなので、もっと欲しかった!というのが正直なところです。

フウガくんみたいな可愛い顔してえぐいことを追求する子、嫌いじゃないです。(笑)(カバー下)

追記です。
おもちゃの趣味を“付き合っている相手には言いづらいが須東さんは『契約』だから気にしない”という気軽さが良いなぁとその段階では素直にこちらも感じていましたが、それに対して、互いに「好き」と言葉にした後のエッチでは少し挿入しただけでも感じすぎてしまうという時間経過(関係の変化)による対比がまた良かったです。
とてもラブでした。

雰囲気だけ 声優の芝居を楽しむCD

原作既読です。
まず、その原作自体、大したストーリーがありません。
オメガバースの設定もろくに活かされてはおらず、オメガはただヒートのある厄介な属性で、アルファと番いになって守ってもらうしかない、(妊娠することも無さそう)、というような感じの大雑把さで、結局話の軸をどこに置きたかったのかがよくわかりません。
ただ【新選組×オメガバ×タイムスリップものやりたい】という大枠の欲求だけで、中身を何も煮詰めずに作られた感じです。

また、原作ではもっと現代パートが描かれており、総介に薬を処方している叔父が登場し、二人の会話の中で沖田総司もオメガだったのではないか、といった話が出てきたり、処方された新薬をODしたことで総介は過去へ飛んだ、というような流れがあるのですが(電子書籍の試し読みの範囲でもその辺りは読めます)、そういった部分はCDでは一切カットされているので、イントロダクションのイの字も無い唐突な始まりです。

総介が屯所の仲間と交流するシーンもカットされていて、土方さんが何をもって総介が新選組に必要だと感じたのか、また総介にどう惹かれたのか、というような辺りが原作以上に全くスカスカでストーリーに説得力がありません。

面白味があるのは斎藤さんの方だと思います。
が、こちらも、原作単行本では土方×総介の本編が終わった後(下巻後半)に総司の話が補完されているのですが、CDにその話は無いので、『え、で……?』という状態で終わってしまっています。
いずれにしても、斎藤さんがめちゃくちゃ可哀想です。
とにかく私の今作の一番の感想は『斎藤さんが本当に可哀想』でした。
白井さんのお芝居が最高です。
一番最後の「この世におりません」という台詞の重みが、あの軽妙な声音でふわりとその場に落とされていくからこそ際立って、ぎゅっと胸が締め付けられます。

勿論、白井さんだけでなく、メインの増田さん、木島さんも大変素晴らしかったです。
増田さんのよくできた嫁感×えちかわのバランスがとても良く、且つ、細かいお芝居が本当にナチュラルで心地良くて可愛いです。
木島さんのお芝居をガッツリと聴くのは今回がほぼはじめてだったのですが、ドクソイケ攻めボイスが最高でした。
このお三方は本当にぴっっったりでした!

お芝居が素晴らしかった分、話の中身の無さと、あと、SEの足りなさも残念でした。
ねずみの玩具のくだりとかテンポ良くていいなと思っていたのですが、メインイベントである土方さんと総介がいたすシーンでは臨場感がイマイチで、原作を読んでいないと想像だけで埋めるのは限界があるだろうと感じました。


というわけで、キャストのお芝居9割、斎藤さんの不憫さ1割での評価です。

あ、メインテーマ曲は雰囲気あって好きでした。

短い話の中に充実の笑いとエロ

※ネタバレといっても軽微です


本編のCDには収録されておらず、聴きたい〜〜〜!と思っていたコミックス描き下ろし部分をこの形で出していただいて、商売上手め!と思いながらも大変嬉しかったです。

とにかく可愛くて大満足。
絵で見せるギャグシーンも思い切り振り切ったお芝居で笑わせてくれて、そしてエッチシーンは本当に最&高でした。
色々な所で書いているのですが私はとにかく増田さんの受けが大好きで、この気持ちいいのが止まらない獅子倉も大変可愛かったです。
あくびをしながら素っ気ない喋り方をする辺りなどのお芝居も凄く自然で生っぽく、それがあるからこそとろとろになるエッチシーンがより汁気を感じて、良い相乗効果になっているなと思います。

虎谷の興津さんは、本編の方のレビューにも書きましたが本当にあまりにも虎谷なので、今作でもとても虎谷でした。

二人の赤ちゃんが見たいなという気持ちと、まだまだゆっくりじっくり恋人としての時間を紡いでいってほしいなという気持ちの両方が私の中にあります。
続編の『運命の番と温泉旅行だなんて』の音声化や更にその続きなど、期待が尽きません。

二人が刻んできた時間の全てが尊い

二本とも最高でした。
素晴らしかった。
どれだけ言葉を尽くしても、この新たな二つの物語に触れられた喜びは表現しきれないのですが、なんとか書いてみたいと思います。


『Once Upon a Time』
こちらは、ボイスアクリルキーホルダーsoloeteの特典から、その後SS集に収録された『追懐のアイビー』を更に追いかけるような内容でした。
春惟お兄ちゃんが『兄』であろうとし続けていたこと、それが母の笑顔の為、そうして母から愛情を受け取る為であったということを、慧斗くんは『追懐のアイビー』の時に理解していて、それから彼は、甘えさせてもらうだけだった『弟』であることをやめ、『兄弟』であることが終わっていくことを実感する時間を経てきたことはその後のSSからも見て取れます。
そうしたことを踏まえた上で聴くと、「どっちでもいいだろ」という台詞にも深い意味を感じました。
弟としての恩返しであっても、恋人としての愛情であっても、本当に今の彼にとっては「どっちでもいい」んだろうと思います。
ただとにかくお兄ちゃんを甘やかしたくて、甘えてくれないと寂しいのが今の慧斗くんであるということなのだと。
お母さんの「はるくんは子供の頃の方が物わかりが良かったわね〜」という台詞はとても痛くて、それに対する、あのエッチを経た後の慧斗くんの「うん」は、とても幸せでした。
子供の頃に物わかりが良かったのはお母さんに対する諦めがあったからだ、ということは過去になって、今わがままを言ってくれる春惟お兄ちゃんのことが、慧斗くんはとても愛おしくて、安堵もしているんだろうと感じられる「うん」の一言でした。
慧斗くんの「俺たち今、超幸せだよな」に対して「そんなのずっとそうじゃん!」と返せるお兄ちゃんの無邪気さというか、本当にそう思っているんだろうなという所に、聴いているこちらがどこか救われたような気持ちにもなりました。
この5年で、いや、出逢ってからずっと、二人の中でいろんな感情の揺らぎがあって今に至っているはずなのに、それを全部ひっくるめて「幸せ」と言ってくれるお兄ちゃんの純粋さと、やはり今も残る兄らしい包容力に、少し心がムズムズする感じがしました。
タイトルの通り昔々を思い返して、その日々があったからこそ今が「ほんと、信じられないくらい幸せだ」と思えることがとても尊いなと思いました。


『Happily ever After』
こちらは、シナリオ担当の桜しんり先生がご自身のサイトに掲載してくださっている『はたんきょう』の内容(「嫌いだった」「仲良くしたくなさそうなのに友達みたいに接してくる」)をはじめて音声として、今の彼らの言葉として形にしてくれたといことが大変嬉しかったです。
春惟お兄ちゃんの「いつか言っとかなきゃいけない気がしてた」という台詞が重いのと同時に、それが今(あの海の時間)だったんだな、としっかり腑に落ちる感じがあったというか。
二人がもう、永遠を誓い合う時に、誰も居ない海で風を受けながら、『今』なんだと、そうやって自然とお兄ちゃんの背中が押された感じに、胸が締め付けられる感じがしました。
「今となっては大したことじゃない」なんて、当時の春惟お兄ちゃんがどれだけ苦しんでいたかを知っていたら、そんなこと――と思うのですが、これはやせ我慢とか無理矢理そう思い込もうとしているものではなくて、本当に今のお兄ちゃんは満たされていて、そうやって過去を昇華できたんだなと、その後の「だぁいたいさあ、〜なれるわけないじゃんねっ」という台詞と併せて思いました。
大人になって、慧斗くんと愛し合えている春惟お兄ちゃんが、子供の頃の自分を抱き締めて慰めて思い出として別れを告げるみたいな、そんな感じがしました。

高校生当時は籠の中に閉じ籠もって互いを抱き締め合う秘密の関係という印象でしたが、こうして生涯共に居ることを確かめ合った大人の二人は、海のように広く大きな世界に踏み出して、より一層絆を強くしたような、晴れ晴れとした愛の深さを感じました。
本当に、二人がこれから描いていく未来を、更にずっと見守りたいと思いました。


二本ともセックスはとても激しく濃厚で大満足です。
穏やかな日常や、少しふざけてみたり、燃え上がるように愛し合ったり、全てにおいて白井さん、増田さんのお芝居は大変素晴らしかったです。
また続きの物語を覗かせてもらえることを心から願っています。

恋愛感情の上手な育み方

まず最初に言いたいのは、白鳥さんが会社員としてかっこよすぎる。
いかにも受けらしい風でもなく、でもとても優しい風貌で、なんというか、社会人としてしっかりしている感じが振る舞いや言葉の随所に滲み出ていて、あぁ、これは惚れてしまうな、と思いました。


以下、かなり個人的な解釈を含む感想です。

人の役に立つことで承認欲求や自己肯定感を満たすというやり方は確かに大人になっても抜けないものだと思います。すごく白鳥さんのその気持ちがわかって、「ただの自己満足」と言っている所にも共感しました。
でも、そんな所に「頑張らなくても先輩は素敵です」と鷹見が言ってくれて、人の為に役に立とうとしていなくても存在を認めてもらえるんだ、ということは本当に白鳥さんにとって衝撃的で解放された感じであっただろうと思います。
本当は多分、これまで白鳥さんと関わってきた人達の中には同じように思っていた人は居ると思うのですが、言葉にして伝えてくれたのは鷹見が初めてだった、というのは白鳥さんの心に大きく響いたでしょう。

ですが、『あんな簡単に返事してよ良かったんだろうか』という引っかかりは大事だと思いました。
白鳥さんの中で、鷹見に対しては常に『かわいい』という感情が先行していて、イコール恋愛感情として捉えていいのだろうか、という疑問をこちらも感じていたからです。
朝倉さんが来た後のエッチの時、鷹見が必死に縋るように伝えた「好きです」と、それに対する白鳥さんの「俺も……鷹見が好きだよ」には若干の温度差を感じました。
白鳥さんは常に鷹見のことが可愛くて喜ばせたくて心配させたなくて迷惑かけたくなくて……というような気持ちを持っていて、その距離の取り方は鷹見にとってはとても辛かっただろうなと思います。

朝倉さんに言われた言葉を引きずって、お祭りの人混みに入らないという選択を白鳥さんがしたのは、彼なりに何でもかんでも鷹見に合わせない、と少し頑張ってみたのかなとちょっと微笑ましい場面ではありました。
けれど朝倉さんから告白された時に鷹見について言った評価が「いいやつ」「優しい」「愛情表現してくれます」というような言葉ばかりで、鷹見からの気持ちを一方的に受け取っているだけのような気がしました。
「あいつのそういうところが好きなんです」と言った後の朝倉さんの表情は、私が感じたようなことを同じように感じていたのかもしれない、という風になんとなく思いました。打ちのめされた……?のとはちょっと違うと感じました。

白鳥さんの中でしっかり鷹見に対する恋愛感情が芽生えたのは、喧嘩をした時『悲しい』と感じた時ではないのかなと私は思いました。
そしてクライマックスで一番好きだったのは「だから自信をなくしてなんていられないんです!」という鷹見の言葉です。
自分がうんと年下であるという事実、社会人として、恋人としての距離感、そういうものに鷹見はずっと悩んできたのではないかと思います。
でも、『不安にさせないように』『心配かけないように』といった白鳥さんの気持ちを、自分が覆すしかないんだ!という強い決意が感じられた言葉でした。
白鳥さんが勝手に自己完結してきたということを自覚して、「俺たちもっとたくさん話し合っていこう」と言った言葉に希望を感じました。

かわいいかわいいと思ってきた鷹見の頼もしさを見た後の「俺に今からどうされたいか言って」はドキューンと撃ち抜かれた台詞でした。
年下がタメ口になる瞬間というのも個人的に大好きなので、あれはたまらなかったです。
服を脱いだ後の『にこっ』もずるかったですね。
あそこから急速に攻め度が上がっていったら、確かに白鳥さんの心臓はもたなくなるだろうなと思いました。
それが年下わんこ攻めの醍醐味ですが!


描き下ろしの「ちょっと焼けた?」と「ちょっと妬ける」は意図的なのかな?と楽しませていただきました。
本編で渡辺さん達が出てきた時に『お、よくある友人に嫉妬するやつか?』と思ったら違ったので(そこでの白鳥さんのスマートな振る舞いも最高でした)、こっちで、その方向で絡んでくるのか〜と、ねじねじと捻ったパンを食べたような気分でした。


これは毎度言っている気がするのですが、ぷぅ先生のエロシーンはぷぅ先生の絵柄だからこその濃度のギャップというか、そういうのがたまらないんですよね。
兜合わせが個人的に好きなので(白抜きですが質感のわかる修正度合いで)それが見られたのも嬉しかったですし、白鳥さんがはじめて鷹見のものを咥えた時もはじめてなのに喉奥――!?と驚かされたのと、出されたものを口から垂らす描写に非常に背徳的なエロスを感じました。


ちなみに、私は朝倉さんがけっこう好きです。
確かに敵を作りやすいだろうなと納得のいく、豪快で自信たっぷりな性格ですが、それも二次元の中なら悪くないなと思いますし(ふふふ)、それでいて仕事に関しては的確なアドバイスをくれる所が魅力的だなと思いました。

ドラマ性良し、エロも良し

まずはおかえりなさいの気持ちです。
原作のドラマCDの続きが出ることをずっと待ち望んでいました。
アニメからもだいぶ久しぶりになりましたが、キャラクターの声を聴いたら全然そんな感じは無く、当たり前のように、いつものようにそこに存在してくれていて、いわゆる“実家のような安心感”に包まれました。
前野さんが「我が家」と喩えてくれたのも凄く嬉しかったです。
アニメではキャス変された周りのキャラクター達も原作キャストが帰ってきてくれて、懐かしさに浸りました。
委員長が登場しないので少し寂しかったですが。


物語としては、恋愛の中のけっこう苦しい部分が描かれているターンなので、ドラマとしても聴き応えがありました。
この話のテーマ『「好き」って地獄』というのが個人的に凄く好きなんですよね。
幸せに溺れて、自分でもそれが怖くなって、案の定深く傷つくことが起きるわけですが、この勢多川ちゃんの場合、そこに母親が絡んでくるのがなんとも涙を誘うところです。
康介さんがくれた、康介さんと育んできた愛が沢山詰まった大切な指輪に勝手に触られたことで感情の制御が利かなくなったことがまず萌えポイントで、そのことに自分で驚き、母を傷つけてしまったことと、指輪にも傷をつけてしまった、両方のことに同時に押し潰されてしまうところに胸が締め付けられてなりません。その上そのことを康介さんに言うことができないから更に苦しんでしまうという、正に『地獄』。
ろくな母親ではないけれど、感謝している、しかたないと思っている勢多川ちゃんの心が健気で痛々しく、飛び出す前に泣きながら手当てをしたというのが実に彼らしくて泣けてしまいます。
ようやく事情を把握した康介さんが「辛かったろう、傷ついたろう」と推し量る台詞には、勢多川ちゃんに対して感じる同様の気持ちと、また、それを支えてやれなかった康介さんの虚しさや悔しさへの共感の二つで苦しくなります。

そして、堰を切ったように泣く勢多川ちゃんにこちらも泣かされました。
特に「情けない」という台詞は、“泣きの芝居の中で「情けない」という台詞を言う”という感じではなく、本当に勢多川ちゃんの心から溢れてきた「情けない」という感情がばっと音になったという感じで、その生々しさに聴いているこちらの心まで抉られるんですよね。
増田さんご自身がフリトでも仰っていましたが、彼のファンとしても、今の増田さんでこの勢多川ちゃんを聴けたのがとても嬉しかったです。

康介さんと夏生くんのやり取りは大人の香りで、これがこの作品(ひとりじめシリーズ)の味に渋みを出してるんですよね。
康介さんの「そんな安い覚悟のつもりねぇから」はBL史に刻んでほしい大好きな名台詞です。
勢多川ちゃんが夏生くんの気持ちに気付いて康介さんへの独占欲を強めるという流れも好きで、原作を読んでいる身としては、ここで芽生えたそれを応援したくなるような気持ちになります。

また、今巻はこれまでで一番エロ度が増した巻であることも魅力の一つだと思います。
決してセクシャルな雌みがあるわけではない、けれど康介さんとの行為に溺れている勢多川ちゃんの喘ぎが絶妙な匙加減で、わたしの大好きなキス喘ぎも沢山聴けるので大変おいしくいただきました。


是非また続きが出ることを願って止みません。

音だけで描かれる春田ワールド

もともと作家買いで原作を読んでいて、しかも獅子倉は脳内CV増田さんで再生していたので、現実になってしまったこどがまずとても嬉しかったです。

実際に聴いてみると、増田さんはかなり素に近い……と言うとやや語弊があるのですが、“増田さんがラジオなどでふざけた時に出てくる煩い奴”のそのまんまという感じで、なるほどそう来たか〜と思いました。
はじめのうちはやや作ってる感があるかなと感じましたが、ノッてくると本当にのびのびと煩かったですね(笑)
巻き舌も気持ちよかったです。
でも煩いだけではなく、喫煙所のシーンで思い切り傷いて吐き出した「いい加減にしろ……ッ!!」「〜ムカつくんだよ!!」の泣きそうになっている声音は凄く切なくなりました。
やっぱりああいう、誇張した泣きの芝居ではなく、湧き出る想いをそのまま音にするのが本当に巧い役者さんだなと思います。
そしてやはり彼の受けが私は大好きです。
ギャンギャンと反発しつつも溶かされていってしまう過程の攻防とか、すっかりトロトロにされてしまってから果てるまでの喘ぎと台詞がリアルでスムーズでとても良かったです。
夢の中の、満員電車では声を我慢してるのと、公園のややデフォルメされてるのも好きでした。
ブックレットやフリトで触れられていた、風呂から土下座の切り替わりは本当に素晴らしかったですね。
ちゃんと原作の勢いを踏襲して、読み手の感じたままを収録でもやってのけてくれる増田さんのプロ意識が嬉しいです。

そして、興津さんの虎谷が、全編通して聴くと試聴で感じた以上に凄く虎谷でした。
合コンで庇うシーンとか、お見舞いに行く話の必死に白々しくする感じとか、ホームでの告白の、照れと、腹を括って言葉にする抑揚とか、本当に理想通りでした。

後輩くんの玲央くん、小野田さんの坂くんもとても良かったです。
特に後輩くんはめちゃめちゃ味があって、ギャグ作品としてかなりキーマンになってくれていたと思います。

原作とCDでは台詞の勢いがやや違う所もありましたが、特に違和感は無く、音声作品としてスムーズに聴けるものになっていました。
ナレーション部分の変更や、いくつかのシーンのカットも問題は無かったですが、出張先のホテルでのセックスシーンを短くされたのだけが唯一残念でした。
精子を欲しがるというのはオメガとしてだいぶ開発された一つの証左となる重要な部分だと思うので、原作通り一度イカされて尚追い立てられるという流れは守ってほしかったなと思います。
それにしてもその増田さんの「精子が欲しい……♡」の台詞は素晴らしかったですね。
偶然の産物かとは思いますが、息を吸った音がうまい具合に「♡」を表していたように感じました。(意図的にやっていたら天才)
結ばれた後のセックスシーンは、獅子倉のモノローグの後まで原作より+αで続いてくれたのが良かったです。

帯裏やケースの中、おしゃべりCDの盤面までふざけていて、トータルとして、あの春田ワールドを良くCDとして仕上げてくれたと思います。
コミックスの描き下ろしの話も聴きたかったですね。
続編も描かれていますし、また音声化してくれる機会があったら嬉しいです。

じっくり耳でドラマを楽しめる

もともと良作である原作をしっかり音声作品として質の良いものに仕上げてくれていました。
まず、ブラック企業に捕らわれてしまっている社畜と、家庭環境に恵まれず達観してしまったダウナー系年下というキャラクター設定に重みがあります。
中学生と小学生だった頃以来の突然の再会から今回の物語が始まるわけですが、ストーリーの展開のしかたが単調ではなく、それぞれ個の物語と、それが重なり合う二人の物語という組み立てがよくできているので、そのドラマを増田さんと前野さんの良い芝居で聴かせてもらえるのはとても満足度が高いです。

増田さん演じる浩国は、見た目がザ・普通であり、見事に仕上げられたザ・社畜で、作中の大半はボロボロですが、フリトで、音声化にあたり、漫画よりも表現の幅をほんの少し大きめに作ったという話をされていた通り、とても生き生きと、等身大の一人の人間としてしっかり存在していました。
徒労でしかない人生の流れが大きく変わった、自らの選択で変えた、プロポーズの劇的な瞬間の爆発力は素晴らしく、まさにクライマックスという輝きでした。
映画館のスクリーンに映るカラーの映像が見えた気がします。

前野さん演じる甲斐は感情の起伏が小さいのですが、その中で浩国に優しく寄り添う声音だったり、好きな相手に迫る男の声音だったり、諦めの色だったり、そういった些細な機微を丁寧に聴かせてくれました。
事前に公開されていた動画で声は聴いていましたが、本編の第一声である「死んでんの?」で、あ、間違いない。と思えました。

あと、これは私の個人的な趣味の話ですが、増田さんの受けが好きなので、えっちシーンは少ない今作ですが、そんな中でも、やはり光っていたな、と。
ストレートの浩国の生理的に出てしまう声、という感じがとても良かったです。

フリトでお二人も言っていたように、会話をよく聴けるドラマCDであり、はじめにも書きましたが原作がそもそも良いので、ストーリー重視で芝居を堪能したい人におすすめの作品だと思います。

リーマン✕ランジェリーは耽美

ドラマCDの予習として読みました。

ランジェリーものは元々そんなに好みではありませんでしたが、こちらは絵の綺麗さと、獄寺さんの見た目が非常に好みだったことでときめきながら読めました。
加えて、年下大型わんこ攻めが好きなので、そこはドンピシャでした。

ストーリー自体はド王道なので感情が掻き乱されるようなことは無く、ツッコミ所もありますが、ランジェリーエロ特化型作品という風に見れば良作だと思います。
上に書いたように絵が綺麗なので、鬼上司としての顔が本当にイケメンで、それがぐずぐずになる匙加減が良い塩梅でした。
獄寺さんがぐずぐずになってしまうわけは繊細でピュアなものだったので愛しみポイントです。
タイトルがちゃんと回収されていました。

あとはポメラニアンの可愛さですね。
元ヤン(を頑張ってた)でありながら可愛い獄寺さんがふあふあのポメラニアンを抱いていたり色々と触れ合っている描写は心の表情筋が弛みました。

ブラは着けていないので、セットを求める人にはもしかしたら物足りなさがあるかも。
頼りなげな布がテントを張る描写が好きな人には刺さります。