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マスターレビューアー 「BLアワード検定」合格証 ソムリエ合格

女性みざきさん

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今年度46位

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全編サビ

うわー、すごくおもしろかったなあ…!
6巻目にしてこの展開になるのかと、毎巻おもしろさを更新し続けてくれる無能な皇子シリーズに魅了されっぱなしです。

シリーズものって、しばらく前に発売された前巻がどんなところで終わっていたのかを思い出すために、まずは1巻目から読み返してから…となりがちなのですけれど…
夜光花先生は物語の序盤にさり気なくあらすじを織り交ぜてくださっているので、本を開いてすぐに新たなお話に入り込めるんですよね。非常に助かっております。

さて、どこからどう書こうかといううれしい悩みがつきません。
リドリーVS皇帝もあれば、シュルツVSマッドあり、ずっと匂わされていた最大の謎が明かされたりと、最後の最後まで手に汗握る展開のオンパレードなのです。
全部が見どころ・全編サビなんて言葉がぴったりの巻だったのではないでしょうか?
個人的に大好きなアーロン王子とスザンヌ妃の裏側が見られたのもうれしいポイントのひとつでした。

主人公であるリドリーが知略をめぐらせ、次々と立ちはだかる問題をばっさばっさと解決していく姿にスカッとするこちらのシリーズ。
もちろんスカッと具合も素晴らしかったのですが、今巻はやはりなんといっても終盤にかけての怒涛の種明かしが1番の見どころでしょう。
思い返せば…な見事な伏線の数々に、なるほどこうくるのかとはじめから読み返したくなってしまいました。
ずっと見守っていた彼とのやり取りにはぐっとくるものも。
謎が解けてもまだ謎が残っているうえに、謎が解けたがゆえにリドリーのこれからがどんな道になっていくのかがより楽しみになったなと思います。おもしろかったです。

そして、肝心のBL部分に関してはシュルツ×リドリーが少し進んだかなといったところ。
しかしながら、前巻のレビューにも記載したのですが、リドリーのキャラクターの強さと比べてしまうとどうしてもシュルツのかっこいい部分があまり強くは見えてこないのがネックですね…
現状ではどちらかというとストーリーをメインに楽しんでしまっている自分がいます。
マッドとの関係を含め、これからはBL部分ももっと盛り上がってくれることを期待しつつ、引き続き次巻の発売をわくわくしながら待ちたいです。

技あり展開がおもしろい

ポップでかわいらしい感じのお話かな?と思いきや…
それだけではなくて、ちょっぴり胸が苦しくなったり、主人公の心の成長と恋の芽生えにグッときたり、うれしい驚きが待っていたりと盛りだくさんな1冊でした。
最後まで仕掛けがわからないようになっていて、そうきたか〜!となりました。
これは読み終えてからもう1度はじめから読み返したくなりますね!

過去の出来事に起因するトラウマめいたコンプレックスを払拭しようと、毎日少しの無理をしながら大学生活を送るコウがなんだかとても痛々しく見えてしまって辛くなるところもありました。
ですが、このしんどさが後半でかなり効いてくるのです。
一緒にいて楽しい田中との日々が、少しずつ少しずつ彼の中で名前がわからない気持ちを大きくしていきます。
自分自身の凝り固まった思考に気付けた瞬間にはちょっとグッときてしまったなあ…
コウほどではないかもしれないけれど、周囲に合わせて自分を偽って生きている人って少なくはないと思うんですよね。

そして、そんなコウの元に現れた田中のコミュニケーション能力の高さと、スマートながらもぐいぐいいくところはいく不思議なキャラクターには終始翻弄されるばかりでした。
なんておもしろいキャラクターなんだろうか。
またずるいことに、彼は最後の最後まで読み手を翻弄してくれるんですよね。
押しすぎず引きすぎずな田中への好感度が、コウとともに読み手側もどんどん上がっていくわけなのですが、ピークまで達した瞬間にえっ?!っとなる。
ここが本当に上手くて、やられた〜!なるほどなあ…!と唸るばかりでした。
攻め視点があまりにも良かった。もっと読みたくなります。
Sっけがありそうで、でも見守り系溺愛っぽい雰囲気もあり…

随所に工夫がされていて楽しめた1冊でした。
ただ、欲を言えばこの先をもう少し読みたかったかも。
すごく雰囲気の良いCPになると思うんですよね。

世界はこれを愛と呼ぶんだぜ

はー、どこを開いてもでっけえラブが溢れる最高の続編でした。
またあんみつに会えてうれしい気持ちでいっぱいです。
そして、会うたびに相思相愛メーターがぐいぐいと上がっていく2人だなあと思います。
これがもう、読んでいてすごく心地が良くって思わずにまにましたくなってしまうくらい全身に効くんですよね。
ありがとうあんみつ。ありがとうミナヅキ先生。

恋人たちのその後といえば、やはりなにか一波乱ありそうなものじゃないですか。
しかしながら、あんみつの2人にはあまりそれらが当てはまらないのです。
ただただお互いを心の底から信頼しあって、より深まった愛情を大きく育てていく様子を見守るかたちになっているのですが、まったく飽きがこないうえにもっと読みたくなるのだからすごいですよね。
共生契約を結んだ、守り守られ・愛し愛され・与え与えられな唯一無二の関係になった2人をこれでもかと堪能できる。
これを最高と言わずになんと言おうか。
なにがあっても彼らの関係性は揺らぐことはないでしょうね。

萌えるポイントを数え始めたらキリがないのですけれど…
アンナ視点で見るみつるの表情もかわいらしければ、みつる視点で見るアンナの表情もたまらなくかわいらしくてどうしようもないという…この…もう…なんだ……?
本来ならば恋人同士でしか見ることができないものをこっそり覗き見させてもらっているようで、2人を見守る部屋の壁冥利につきます…
みつるのことがかわいくてかわいくて仕方がなく、時折のろけすぎて様子がおかしくなるアンナの溺愛っぷりはもちろん、かわいいのにどしっと構えた男前なみつるも本当にツボでした。

お互いに執着し合う2人のどでかい愛がぎっしり詰まった1冊です。
もし叶うなら、彼らの何気ない日常をもっともっと眺めていたいなあ。

How to melt コミック

末広マチ 

じっくり描かれてはいるものの

手に取って、おお…!となる分厚さに思わず期待が膨らみました。
やっぱり分厚いとわくわくしますよね。

絵柄が好きな作家さんではあるのですが、お話がすごく刺さる時とそうではない時の差もあって、今回はどちらだろうかと期待をしながら読み進めました。
読んでみた結果、恋愛に発展するまでの心情が丁寧に描かれていた良かったのだけれど…
すごくハマったか?すごく萌えたか?と考えると、ちょっと自分の好みとは異なったかなとこちらの評価になりました。

というのも、グッと掴まれるような盛り上がりが少なかったように思えたのです。
やはりこの厚みですから、恋愛に興味がない年上美人が年下からの熱心なアプローチにどう溶かされていくのかを最後までドキドキしながら見届けたいじゃないですか。

うーん…登場人物の気持ちの変化が丁寧に描かれてはいるのです。
ですが、全体的にテンションが淡々としているように見えたというか…
ロートーンのまま長尺でじっくり進んでいっているようにも感じられて、ラストの前に少々ダレてしまいました。
ただ、このゆっくりと静かに進む恋模様がお好きな方もきっといらっしゃるはず。
個人的にはもっと緩急がほしかったものの、素直でまっすぐな年下攻めの図はかわいらしかったです。

横浜篇ラスト

かわいらしい絵柄とは裏腹に、重苦しくヒリヒリとした展開が続いていた横浜篇もついにラスト。
都と冬夏はもちろん、他キャラクターにもきちんとスポットが当てられていて、最初から最後まで見逃せないといいますか…
とても読み応えのある1冊だったなと思います。おもしろかったです。

組の抗争や、それぞれの過去。
そして、どのキャラクターがなにを抱えて生きているのか?なにが隠されているのか?など、相関図を見ているだけでもなかなかに複雑だった横浜篇。
数巻にわたって描かれていた、ずっしりと重たく謎めいた部分がこちらの8巻で明らかになりましたね。

都の両親の死の謎、饕餮と藍浮、奈倉組の2人…など。
そうだったのか…!もあれば、そうだったのか…もあったりと、本当にいろんな意味で心がざわつく展開ばかりなのです。
都と冬夏の成長と、強固になっていく守り守られな唯一無二の関係性に一喜しつつ、今巻ではその周囲を固める面々の人間関係にも惹かれてしまいました。
執着と身勝手な優しさと強い想いが絶妙に混ざり合っていて、どこを開いても目が離せないのです。
楽々先生、人間関係を描くのがうまいなあ…と唸るばかりでした。
暗く長い夜が明けた彼らの未来が、少しでも明るいものになりますように。
断片的にしか語られていない都の両親のお話も、今後どこかでもっと読めたらうれしいなあ。

次巻からは青春スクールライフ編とのことで、より関係が深まった都と冬夏の甘くてかわいらしい年相応な部分がまた読めるのかなと楽しみです。
ハレルヤな日々が送れることを願って、次巻を待ちたいと思います。

甘やかがもっとほしかったです

受けがオメガかつ天涯孤独の苦学生…と、なかなかに不憫な属性になりそうなところですが、彼の人柄の良さと健気さに好感が持てる1冊でした。
子供へのあたたかみのある優しい接し方も、家族への愛情も、少しずつ育っていくケアリーへの淡い恋心の育ちも良くて、読んでいて自然と幸せになってほしくなる受けだったなと思います。
その一方で、お話全体のまとまりと攻めのケアリーに関してはどうだろうか…と思う1冊でもありました。

巷で噂されているプレイボーイ感はそれほどなく、さり気ないひとことがスマートなケアリーの英国紳士っぷりに、これはきっと雨瀬のことを甘やかして幸せにしてくれるのでは?なんて期待をしながら読んでいたものですから、合間合間の姿がもどかしかったというかなんというか…
ここでこの発言と行動をしてくれたのなら良かったのになと感じることが多々ありまして、すごく魅力的な攻めだったか?甘やか婚だったか?と考えると微妙なところです。
紳士的な抱き方は良かったものの、それよりも冒頭の紳士っぷりはどこへやらなデリカシーのない発言が多かったことが気になりました。
うーん…個人的には、ケアリーよりも雨瀬のベータの友人の方が魅力的に見えてしまった。
でも雨瀬はケアリーが好きなんですものね。

ケアリーの姉関係など、後半の展開もバタバタしていて駆け足だったなと消化不良のまま読み終えてしまい、今回はこちらの評価になりました。
もっとケアリーと雨瀬が両想いになった後が読めていたのなら印象が異なっていたかもしれません。
後日談・そこへ至るまでをもう少し読みたかったです。
これでは甘やかさがあまりにも少なすぎます…

ページ数が足りない!

BLゲームの世界に転生し、サイコパスな攻めに溺愛される…
タイトルでもうわかる通り、情報量も多ければ設定も盛り盛りな作品だったのですが、全体的にコミカルにテンポ良く進んでいくので読みやすいのはさすが。

転生前の記憶を頼りに、あの手この手でこの先に訪れる危機を阻止しようとする主人公という流れはそこまで珍しくはないと思うのです。
ですが、危機の原因となっている攻めの三輪が一癖も二癖もある人物なものですから、最後まで新鮮な気持ちで読めました。

三輪の考え方がとてもシンプルなので、かなりの悪いことをしようとしているはずなのに嫌悪感は湧いてこないのが不思議。
ある意味気持ちが良いほどのサイコパスというか…
突然受けを刺したかと思いきや、今度は珍しいタイプの受けに興味を惹かれ執着し、ニコニコと悪気のない脅しをかけるけれど、なんだかんだと抱き方は優しく丁寧でねちっこい。
この攻めはなかなか見かけないぞと、非常に印象的なキャラクターでしたね。

受けの守は終始どんぶらこと流され気味な主人公でしたが、流されつつもガッツがある性格だったからこそ、彼の視点で読み手もジェットコースターのような展開に入り込めたのかなとも思います。
ただ、恋愛面に萌えたかというと微妙なところです。
いかんせんページ数が多くはないので、攻めによる初めての執着は感じられても溺愛ものというには描写が少し足りないように思えました。
おもしろくはあったけれど、これからが見たいのにあっという間に終わってしまった…
せっかくの属性盛り沢山な設定も少々もったいなく感じ、この辺りももっと活かせたのではないかなあとこちらの評価になりました。

両視点のうまみ

文庫ではやや厚めの約340P超があっという間でした。
どんな題材でもするすると読ませてくれる構成の上手さと、文章力の高さが光る作家さんだなあと思います。

海野先生のお仕事ものって、仕事内容にはリアリティがありつつ、その中にBL要素がストンときれいに収まっていてバランスがとても良いんですよね。
そのお仕事内容も決して説明くさくはなく、読んでいるうちに自然となるほどなあと頭に入ってくる親切さ。
今作も、知識0の状態でも問題なく楽しめました。

両視点の再会ものとくればやはり、攻め・受けのお互いの心の内を知るのは我々読み手のみ…なことが最大の魅力であり特権。
思わぬ再会からの、片側からだけでは見えなかった真実、仕事に恋に…と盛りだくさんな内容でしたが、両視点が実に上手く活かされていておもしろかったです。
特に表題作では、反対側から見るとこうも見え方が変わるのかとムズムズすること多々でした。
思わずこちらがムズムズしてしまうような心情が綴られていると、なんだかもうページをめくるのが楽しくなっちゃいますね。

受けの直人がカラッとした気持ちの良いポジティブさを持った人物だったこともあってか、終始安心して恋の行方を見守ることができました。
かゆいところに手が届きながらも届きすぎず、嫌味のない正直な性格で好印象な爽やか系。
海野先生作品ではあまり見かけないタイプの受けなのでは?と、少々新鮮でしたね。
恋愛面での不器用かわいらしさに関しては攻めの正臣かなあと思うのですが、作中で1番良かったのは直人のキャラクターかもしれません。
世の中をまだ知らなかった頃と、社会人となった今だから見えた新たな景色を重ね合わせ、仕事と恋愛はもちろん、人間的にも少しずつ成長していく彼が好きです。
正臣も直人に影響をされて心境が変化していったりと、相互作用なんて言葉がぴったりな2人だったと思います。

ただ、後半のインターン編に関しては…うーん。
おもしろくなかったわけではないのだけれど、読んでいてちょっとストレスがたまったかなーと思うところもあり…
キャラクターの成長を描くには必要なお話だったとは思うものの、モンスターインターンに対してはっきりとしない2人にもやもやしてしまったことも事実でした。特に正臣。
前半部分は星4.5。後半はもっと恋愛面の盛り上がりが見たかったなと3.5寄りのこちらの評価になりました。

一気に没入して読んでしまった

「拒まない男」のスピンオフ作とのことでしたが、カバーイラストのキャラクターたちに見覚えがなく、新キャラクターの彼らがどう前作と絡んでいくのかなーと考えながら読み進めました。

はー…!すごくおもしろかったです!
なんでしょうか、このハラハラドキドキ感は。
没入して一気に読んでしまいました。
そうくるか!と、どうなるの?!がどんどん続いていくのは三月えみ先生作品ならではでしょう。

スピンオフ元初読時にも感じましたが、常に先が気になる読ませ方がお見事なのです。
パズルのピースがカチっとハマった瞬間にグッと掴まれるんですよね。
流石のストーリーテラー。とても丁寧に作られた人間ドラマを見ているかのようでした。
黒瀬と律の立ち回りの絡め方も本当にうまいなあ。

本編の雰囲気的にもパッと明るいお話ではなく、なかなかに苦しい展開が続くのですけれど…
富と律、どちらもが少しでも救われるような未来があることを願わずにはいられません。
特に、危うさでいっぱいの富の人生が明るいものになると良いのですが。
まだまだ先のことはわかりませんが、富が本当に好きだと思える人が村咲になればいいなと思います。

個人的に、ドライそうに見えて実は…な村咲のキャラクターがとても好みでした。
普段の様子と、富の彼氏のフリをした「町崎」とのギャップにやられましたし、そして終盤で一瞬垣間見えた真実によって2巻で彼がどうなっていくのかが気になります。
村咲もなにか重たいものを抱えていそうですし、彼のこれまでもこれから描かれていくのでしょうか。
黒瀬×律CPに関しては、黒瀬がどっしりと構えて見守ってくれているので、たとえ律が1人で抱え込んでも黒瀬が助けてくれるかなと安心して見ていられますね。

まだ1巻の時点でこんなにも夢中にさせてくれるとは…と驚くとともに、物語のあちこちにばら撒かれた点と点がつながった際には、これはきっとたまらないものがあるだろうなと思います。
うーん、早く続きが読みたい…!
いったいどんな結末を迎えるのかを想像しながら、続刊も楽しみにお待ちしております。

100歳超えのおぼこさ

エルフの肉はそんなに美味いもんじゃないとはいったいどんなお話なんだ…?と、あまり見かけないタイトルに吸い寄せられ手に取りました。
読んでみた結果、なるほどそういうことかと。
こればかりは読んでみないとわからないところではありますが、タイトルの切り取りがうまいなあ。

とある事情から、エルフを狩って国王に献上するためにエルフが隠れ棲まう森へとやってきた冒険者のシグルドと、痩身美形が多いエルフの中ではかなり浮いた存在である、筋骨隆々豊満ボディを持ったエルフのスヴェイン。
彼らが王都へと向かうまでの旅を描いたお話です。
両視点で描かれているので、2人がその時なにをどう思っているのかが読み手には丸見えなのがうれしいですね。

こちらの作品のポイントは、なんといってもエルフのスヴェインの存在でしょう。
筋肉質でムチッとしたわがままボディを持つ、強そうな肉体美とは裏腹にどこかぽやぽやしていてかわいらしいきれいなエルフのお兄さん。
彼の設定がツボにハマればきっと楽しめるのではないでしょうか。
彼があまりにも素直で純粋かつ穏やかな性格なので、見た目はムチムチ!中身は100歳超えの幼女!なんてワードが読中に終始脳内でぐるぐる飛びまわっていました。

これから向かう王都で殺され、調理されてしまうかもしれないというのに、こんなにも素朴で愛らしい姿を見せられてしまったらもう…
旅の終わりが近付くと共に、彼を国王へと引き渡さなければいけないシグルドの心中も複雑に変化していくのも仕方がないことでしょう。
それくらい受けのスヴェインは魅力的でした。
攻めよりも大きい受けっていいなあ。
(アレも攻めより大きかったのが個人的にはうれしいポイントでした)

と、旅の道中は楽しんで読めたのですが、強く萌えたのか?と考えるとそうではなかったかもしれないなとこちらの評価になりました。
というのも、攻めのシグルドのキャラクターと、後半部分にかけての展開があまり刺さらなかったのです。
スヴェインのキャラクターを活かすには良い展開なのだろうとも思いつつ、いまいちすっきりしないのはなぜなのか…?
シグルドが次第にスヴェインに惹かれていくのはとてもよくわかるのだけれど、彼の妹と恋人を見れば見るほど、そもそもの行動は不必要だったのでは?と思ったり、シグルドが突然振り切った行動をする度に芯がなくブレた印象を持ちました。
受けのキャラクター設定は良かったものの、ストーリーにはなんだか乗り切れないまま読み終えてしまいました。