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SUPER LOVERS 20 コミック

あべ美幸 

祝20巻!

SUPER LOVERSシリーズもついに20巻!
第1巻の晴と零の出逢いを思い返すと、2人の関係性もだいぶ変化したなあと思います。

さて、そんな20巻はといいますと…
19巻との2冊同時発売なこともあり、ページ数的にはそこまで厚みがあるわけではなかったのです。
ですが、なんだかすごく内容がぎっしり詰まっていたように感じます。

強烈な新キャラクターに魅入られてしまった零。
前巻から続く壱弥と零の関係と、晴の中で巻き起こる嫉妬の嵐。
零が思い出したあの時のこと…などなど、読み応えありな20巻でした。

やはり壱弥は停滞気味だった晴と零の恋愛面での起爆剤になりましたね。
「大事な友人」の壱弥とのやりとりを通して、自分の晴への気持ちを改めて再確認した零が非常に印象的でした。
いつも言葉足らずで鈍かった零の心の成長が垣間見られて、普段の晴→→→→→→→←零の図の、零側からの←がちょっとだけ見えやすくなった気がします。
しかし、お互いへの気持ちがどでかいCPですよね。
モノローグを読めば読むほどお互いに好きで仕方ないのがわかるので、早く素直に言葉と態度に出して向き合ったらいいのにななんて思うことも。
ただ、くっついているのにいろんな物事や人々に絶妙に間に入られて、なかなかドンとは進まないこの2人をあと少し楽しみたいような気持ちもあったりして悩ましいところです。

そして、零の18歳の誕生日まであと数ヶ月ということで…
今巻では晴と零のあちらの方も一歩前進ならぬ一本前進しております。
えっ、ついにくる!?…なんてことはもちろんまだです。
その日が来る時には、きっともっと2人の関係性も濃密になっているんだろうなあと想像をしつつ、首を長くしてのんびり待ちたいと思います。

忘れていた過去の記憶を思い出した零。
思い出した記憶が先々にどんな影響を与えていくのか?
零の進路・諦めていなさそうな壱弥との三角関係・今回やっと一歩前に進めた晴との関係。
もうしばらくゆっくり進んでいくのかな?と思いますが、次巻を楽しみに待ちたいです。

Sub攻めに萌える

これは朗報なのですが、本も攻めの体も分厚いです。
どちらも厚ければ厚いほど良いですからね!ヤッター!
かわいいやら萌えるやらで読みごたえありの大満足の1冊でした!

でっけえSub攻めと、ちっちゃいDom受けの組み合わせってあまり見かけないんじゃないかなと思うのですが、これがとんでもなくかわいらしくておもしろかったんですよ…
第1話の締めからして本当に良くて、まずここで次のページをめくりたくなってしまうヱビノ先生マジックにかけられました。
そこからはもう、2人の出逢いから結びまでをコミカルかつテンポ良く、かわいいもラブも葛藤も思いやりもたっぷり味わえる素敵仕様に身を任せて全力で楽しむだけで多幸感に包まれます。

起承転結がしっかりとしたストーリーももちろん良かったのですけれど、個人的にツボにドカドカっと刺さったのが攻めの梗一郎でした。
肉付きが良くムチッとした厚みと色気のあるえっちな体と、形の良い太めの眉に少し重たそうな瞳というだけでも正直たまらないものがあると思うんですよね。
(個人的にはジム帰りの黒のピタピタを推したいです)
そこへでっかい年上Subの恋愛初心者っぷりと、元来の真面目さ、ほど良い抜け感が加わって大変魅力的なキャラクターになっているんです。

梗一郎への想いをこれでもかといろんな角度からぶつけてくる愛弥の方が相手を翻弄しているのかと思いきや…ですよ。
ここぞ!という時に、恋愛初心者の梗一郎がゆえの無意識特大萌えワードがこぼれ出す度に、ウッ!と頭を抱えること間違いなしです。
たった一瞬で胸をギュッと鷲掴みにして持っていくのだからすごい。
この顔で褒めてくれなんて言われたらたまったもんじゃないですよ…
その言葉を受けた愛弥もひっくるめて2人ともかわいいったらないです。

愛弥がぐいぐい甘えにくれば梗一郎が甘くいなし、そしてイチャイチャへ…こんなの体に良すぎる。全身に効きます。
恋愛面もコマンドシーンもなんだかとってもかわいらしくて、読み終えた頃には2人のことが大好きになってしまいましたね。
Sub攻めだからこそ・Dom受けならではの萌え要素も詰め込まれながら、お互いがお互いを想い合う大切さも描かれている素敵な作品でした。

ラブがあふれるお話・体格差・ギャップ・恋愛初心者・逆転もの あたりのキーワードにピンときた方はぜひ!

余裕がなくなる大人っておいしい

うおおぉ… さ、最高だった…!萌えた〜!
前作を読み終えた時点で、このCPの先をもっと見てみたい気持ちでいっぱいになってしまっていたものですから、続編発売が本当にうれしいです!

読みどころはあげ始めたらキリがないくらいなのですけれど…
今巻最大の見どころは、やはりにょきにょきと育ったお互いへの独占欲とケイという人物の掘り下げかなと思います。
当て馬登場やピリッとしたいざこざは起こらず、自然な流れで前作で曖昧だった点を掘り下げながら、恋人同士の仲はより親密になっていく。
「恋人同士になった2人の続編といえば」の定番にはあまり当てはまらないようなアプローチが非常に新鮮でした。

なんというか、攻めの中で無意識にじわじわと大きくなっていく、受けに対してのクソでか感情や執着ってたまらないものがありますよね!
心から自分を慕ってくれている、愛らしくてたまらない年下の恋人の素直さとまぶしさと頑張りを日々ドカっと浴びて、自分の過去と今の気持ちに静かに向き合うケイがすーーーっごく人間くさくて良かったです。
ケイは本当にトモヤのことが大好きでかわいくて仕方がないんだなあ。
トモヤから見たケイはずっと完璧でかっこいい人なのだろうけれど、今作ではケイの年上の余裕のなさや嫉妬がたっぷりと見られたのも読み手的にはグッときました。
それにしても、あの色気のある三白眼でもっと欲しがってほしいなんて言われたらそりゃあ…ですよね…!クーッ!
一見すると素っ気なさそうな口調なのに、彼の内面を知れば知るほど甘い口調に感じるケイマジックに魅力されっぱなしでした。

一方のトモヤも、人生最大の推しであり恋人のケイに対しての感情が変化していきます。
一貫してケイのことを愛してやまないトモヤですが、独占欲を知ってさらに魅力的な子になりましたね。
ころころと変化する表情が終始かわいらしくて、こんな素直でかわいい子から真っ直ぐに気持ちを向けられたらたまったもんじゃないですよね。

ほど良い笑いを交えてアイドルのキラキラした部分もしっかりと見せながら、ノンストレスで恋人たちの成長を見守ることができる素敵な続編だったなと思います。
ケイとトモヤはもちろん、トモヤが所属するアイドルグループ・INCITEのメンバーもとっても素敵なんですよねえ。
メンバーとのやりとりもかわいらしくて、なんだか私もケイを含めてINCITEチームの箱推しになってしまいそうです。
やっぱりナオくんは良質な沼の予感…

SUPER LOVERS 19 コミック

あべ美幸 

祝15周年

刊行15周年おめでとうございます!
じっくりと丁寧に描かれているシリーズだなあと思います。
今回は20巻も同時発売なのがうれしいですねえ。

肝心の内容はというと…
まだまだ零の進路や将来についてのお話が続くかな?といったところです。
既に何巻かを跨いで描かれているので、ちょっと長いなあと思うことも正直ありました。
しかしながら、今巻は零の友人・壱弥がなかなかにいい仕事をしてくれていまして…
数巻前の壱弥登場時にはどうなることかと思いましたが、一途でさっぱりとしていて気持ちがいいやつだなと、どんどん壱弥への好感度が上がっている自分がいます。
彼の存在が起爆剤…もとい着火剤となって、晴と零それぞれに影響を与え、停滞気味に感じられていたお話が少しずつおもしろくなってきましたね。
晴の嫉妬・バチバチし始めた三角関係・零の晴への想いなど、読みどころがたくさんな19巻でした。

硬派でストレートにものを言う無自覚人たらしな零と、友情のその先を目指す壱弥の関係も気になりますし、相変わらず対零関係となると余裕0になってしまう晴も見ていて愉快です。
晴と零に関しては、本当に長い間ずっとぐるぐるしているけれど、なんだかもう2人ともがお互いのことが好きで好きで仕方がなさすぎてぐるぐるしているんだな…と思えてきました。
零が晴との関係のまどろっこしさに対して言い放った言葉にややすっきりとしつつ、ここまでぐつぐつ煮込んできた関係なのであれば、これは零が成人をしたらすごいことになってくれるのを期待しながら追いかけ続けるしかないですよね。

少しずつ変化し始めた海棠家。
恋愛はもちろん、若者たちの将来も引き続き長い目で見守っていきたいです。

好きになったっていいじゃないか

この上下巻2冊を読んで、やっと同級生シリーズがストンと綺麗に着地をしたような気がしました。
こちらの2冊は佐条父と夏目が主役の物語ではあるのだけれど、佐条親子の物語でもあったのかなと思います。
恋愛ものというより、人間ドラマをじっくりと追いかけられる良作でした。

正直なことをいえば、流れが軽やかだった上巻と比べると、悪気がないからこそ厄介な岡田の無神経な発言とその存在にストレスを感じることも多かったのですが…
それでも自然とこちらの評価になったのは、あまりにも作中でグッとくるシーンが多かったからに他なりません。

読んでいてしんどくなってしまうような、胸が苦しくなる瞬間は多々あります。
ただ、それを上回る怒涛の救済がすごく良かった。
佐条父が夏目を救い、夏目が佐条父を救い、佐条父が過去の自分と利人たちを救う。
時に優しくはない世の中も描かれていながら、心にじんわりと沁みるあたたかみがある優しさもしっかり描かれています。
佐条父と夏目の関係性の深まりも、佐条親子の関係の良化も、どちらもがサビのようで読み応えがありました。
はー、本当に読めて良かったなあ…!

佐条父と夏目の関係については「上司と部下以上恋愛未満のなにか」としか言いようがないと思うのです。
この先どうにかなりそうな気もしますし、どうにかはならない良い関係のままな気もする…その後を想像したくなる結びなのがこれまたずるいところです。
ですが、彼らが長く特別な関係でいることは間違いがないだろうという確信は持てるのだから不思議ですよね。
夏目といる時の佐条父が1番かっこよく、佐条父といる時の夏目が1番かわいらしかったです。
どちらも自然体がゆえのじわじわくる萌えが詰まっていて、巻末までに何度もウッ…と頭を抱えました。
病室で佐条父に見せた夏目の笑顔がすごくかわいいんですよ。

佐条母と同じく、趣味が良い夏目が好きになった人とのこれからをぼんやりと想像しながら、幸せを噛み締めて本を閉じました。
誰が誰を好きになったっていいじゃないか。
そんなことを思いたくなる、愛情深く丁寧に描かれた素敵なお話が読めてうれしかったです。

登場人物の掘り下げが見事

佐条父がメインキャラクターと聞いて、いったいどんなお話なのかとわくわくしました。

いやあ…これはいったいどうすれば良いのだろう。良かった。
恋愛話なのかというとまだわからない、上司と部下による名前がつけられない関係が描かれています。
LGBT他・多様性な社会に関する真面目な内容もあれば、適度なコミカルさもあり、ほんのちょっと甘酸っぱさもありつつ、1冊の中でメインキャラクター2人がうまく掘り下げられていて、どちらも非常に魅力的に見えるんです。
まだ上巻を読み終えたばかりの状態なのですが、早く次のページをめくりたくなるような展開ばかり。
おもしろかったです!お見事でした。

今までの同級生シリーズを見る限り、佐条父という人はなかなかの凝り固まった思考の持ち主だったと思うのです。
世の中にはこういう考えの人もいるよねというか…
いわゆる頑固親父的な印象を持っていたものですから、まさかこんなにも不器用でユニークでかっこいい人だとは…!
と、息子の結婚を機に複雑に変化していく佐条父から目が離せませんでした。
子供が結婚をするような年齢まで生きて、そこから自分の考えを改めるってすごく難しいことですよね。
そんな彼がもがく姿も、ふとした瞬間に見せる自然体なかっこよさもたまらなかったなあ。
きっと、作中の夏目と同じタイミングでときめいてしまった方も少なくないはず。

そして、今作から佐条父の部下として登場した夏目がもう、なかなかの良キャラクターでツボにハマって抜け出せません…
一見シュッとしたクールな若者なのかと思いきや、健気さや年相応の素直さやかわいらしい一面も見せてくれるのだからたまりませんでした。
本気の時だけ抱かれたい願望がある点もグッときました。
もう中村明日美子先生に足を向けて眠れません。
本当にありがとうございます。

お互いの中で少しずつ存在が大きくなっていく2人。
2人の関係性がいったいどうなっていくのかが気になります。
下巻もあっという間に読んでしまいそうです。

まとまりが良いです

タイトルの時点で…といいますか、これは読み進めてすぐにピンときてしまいますね。
テンポ良く進むコミカルなストーリーに身を任せ、主人公であるライハと謎の村人・レオによる奇妙で心地が良い共同生活を楽しむのが1番かなと思います。
次第に甘さがグッと増していく関係性の変化がかわいらしい1冊でした。
体が大きくてぶっきらぼうそうな攻めからのストレートな愛情表現ほどおいしいものはないですよね!

こちらの作品、なんというかすごくわかりやすいのです。
2人の出会いから始まり、共同生活を経て少しずつ惹かれ、力を合わせて問題に立ち向かい、最後はストンと着地をする。
正直なところ、きっとこれはこうなるよねと展開の予想ができてしまったのですが…
逆を言えば、綺麗にまとまっていてわかりやすいからこそ、肩の力を抜いて楽しみやすいお話でもあったかなと。
メイン2人が嫌味のない素直な人柄だったこともあり、村での生活描写も、主人公・ライハの成長も、後半になるにつれどんどん甘くなるレオとの恋愛模様も最後まで微笑ましく追いかけられました。

…と、これはこれでありなのだけれど、ページ数的にも個人的にはもう少しイチャつく2人を読んでいたかったですし、山場である海軍のあれこれに関してはやや駆け足であっさりしていたように感じられました。
個性豊かで好感が持てるキャラクターが多かったがゆえに、もうちょっと読みたい・知りたいも多かったです。
ライトめな読み口で起承転結がカチッとハマった王道作品が読みたい!なんて時にちょうど良いバランスなのかもしれません。

読み終えて気になった点は、状況説明文の途中でライハの心の声が()で入り、そのまま文章が続いて閉じてしまうパターンが多く読みづらかったことでしょうか。
うーん…入れるのであれば段を分けるか、もしくはない方が読みやすかったかな。

好きがあふれる2人がかわいい

受けの痴態や発言を前にして、脳内が「受けかわいい」でいっぱいになる攻めも、世間ではかっこいいと言われている攻めのことを「かわいい」と思ってしまうかわいい受けにも会える!
とっても幸福度と栄養価の高い作品だなあと思います。

めでたしめでたしのその後の2人といえば…
二人三脚で乗り越えなければならない、なにかしらの大きな山が立ちはだかりそうなところ。
ですが、こちらの2人は巻数が増えるごとにどんどん甘さと相思相愛っぷりが増していくのだからたまりませんね!
3冊目となる今作も、お砂糖たっぷりの甘みとフェティシズムをドカドカ刺激されるプレイの数々にすっかりやられてしまいました。

お話としては、事務所公認のパートナー契約や女性スタッフとの一件、翔太の家族との対面など、山場となる読みどころがしっかりとある1冊だったかなと。
ただ、そのエピソードのどれもが安心して読めるものなのです。
蒼くんと翔太の関係性がこれ以上ないほど強固なものなので、作中で2人が感じた少しの嫉妬や不安も、そのすべてがより強い関係になるための肥料になっているというか…
大きな困難を乗り越えるのももちろん読み応えがあって良いのですけれど、こちらの作品は周囲の人々にあたたかく応援されながら愛を育む2人を眺めるのもいいなあなんて思えちゃう。
肩の力を抜いてストレスフリーで楽しく追いかけられるのがうれしいです。

そして、なんだか毎巻蒼くんが見せる甘S時々ピリッとなギャップ大な姿にうぐぐ…となっています。
光音くんの前だとやや子供っぽいところが見え隠れするのもずるいんですよ…
かっこいいとかわいいと甘みのあるSっ気が共存する攻めって、なんでこんなにも底なし沼のような魅力があるんだろう。
それを読み手が見られるのも、蒼くんを前にした翔太が素直でかわいらしいいい子だからなんですよねえ。
お互いがお互いにしか見せない甘々な姿がこれまた最高に良くって!
それをちょっとだけのぞき見させてもらっているようで、終始多幸感でいっぱいになれますね。

まだまだこの2人がイチャつく姿を末長く眺めていたい。
そんな気持ちで読み終えられる素敵なシリーズだと思います。

ムズムズの中のスパイス

吾妻先生が描く、登場人物たちのいきいきとした表情が大好きです。
読んでいて目が楽しいとはこのことだよなあなんて思います。
背景もアングルも美しくて目が足りませんね!

待ちに待った灯台守のかもめの子の続きは恋愛編。
はー、おもしろかったなあ…!
どんどん成長をして新しい感情を知っていく好奇心旺盛なルネと、そんなルネに時に振り回されながらも居心地の良さを感じていそうなエヴァン。
まるで家族や相棒のような2人の灯台での生活を見守り、ちょっぴりコミカルで初々しい恋のエッセンスがぽたっと垂らされた微笑ましい日々を楽しみながら追いかけられました。

少しずつエヴァンが若返っていってしまう謎や、彼が抱えている罪とはなんなのか?
はたしてルネとはいったい何者なのか?
幸せと思春期のようなむずむずでいっぱいの日常の中に、断片的に差し込まれる過去と謎が非常に良いスパイスとなっていて見事でした。
ページが残り少なくなっていくにつれて先が気になって仕方がなくなるんですよね。
毎巻引きが上手いものですから、読み終えたばかりだというのに早く続きが読みたくなってしまう…なんてうれしい悩みなのでしょうか。

そして、2巻で特に印象的だったのは、エヴァンが顔をぐしゃぐしゃにして泣きながらルネに愛していると伝えるシーン。
なんて魅力的な表情を描かれる作家さんなんだろう。
なんだかもう、2巻ではエヴァンに1巻とはまるで別人のような幼さとかわいらしさが漂っていてたまらなかったなあ!
本来の彼はきっとこっちなのかな。
赤面顔も涙目も、ルネに対する何気ない仕草もすごくかわいらしかったです。

カチカチと時計が先に進んだり戻ったりするように、一方は先へと進み成長をし、一方は巻き戻って若返り同い年になった2人。
次巻は真実編とのことで、この先が読めることをうれしく思いつつ…
どんな現象が起きているのかまだまだわからないことだらけではありますが、最後には彼らのもとに幸せが訪れることを願うばかりです。

おかえりなさい!

ショートストーリーを追ってはいたけれど、いざキャラ文庫の刊行予定表に「FLESH&BLOOD(25)」の文字を見つけてからというもの、こんなにもうれしいことがあるだなんて!と、いてもたってもいられない気持ちでいっぱいになりました。

松岡先生、おかえりなさい!
この10年間、何度も読み返しながら我らがキャプテンの帰還をずっとお待ちしておりました。
本編のカイトたちに再び会えるのはもちろん、松岡先生が紡ぐ物語の続きが読めることが1番の喜びです。
あとがきの「セール・ホー!」の一言が本当にうれしくてたまりません。大好きです。

新刊を読むからには全巻読み返してから読むぞ…!と、数日をかけてどっぷりとFLESH&BLOODの世界に浸り、いざ25巻へ。
物語は辛く厳しい戦いの渦中だというのに、見知った面々が登場するたびに懐かしさを覚え、読める幸せを噛み締めてしまった自分がいます。
本編刊行が10年空いていたとは思えないほど自然に、24巻の先を生きる彼らがそこにはいました。

イングランド側、スペイン側ともに緊迫した状況がひしひしと伝わる25巻でした。
アルマダの海戦に入ってからの物語の進み具合は、今までの荒波のような流れと比べればゆっくりめだと思うのです。
ですが、その分キャラクター1人1人の心情が本当に丁寧に描かれていて惹き込まれるんですね。
彼らの苦悩、想い、深い心の繋がり、生きざまをじっくりと追いかけられるかと思います。
ジェフリーと海斗の関係性に関しては言わずもがな。
すっかりグローリア号に馴染んだキットを交え、協力し合いながら最良の方法を考え、実行する仲間たちの姿は読み応えたっぷりです。

そして、作中で特に印象的だったのは、形は違えどお互いに相手のことを想う海斗とビセンテの心情でした。
全てを知っているからこその海斗の苦悩と成長、海斗の生死を未だ知らずにいるビセンテ。
イングランド側はもちろん、スペイン側のことも好きになってしまっているものですから、難しいとはわかっていてもどうにかどちら側も無事でいてほしいと願うばかりです。
魅力的がゆえに、どちらを、誰を応援したらいいのかがわからない。
それがこの作品の1番悩ましいところかもしれませんね。

ジェフリーと海斗の命運を握ると言っても過言ではない、蠍の心臓作戦はどうなるのか?
海斗が考えるように歴史の差異があるのだとすれば、今後作中でどう影響を及ぼすのか?
まだまだ気になることだらけな海戦の行方を引き続き追いかけたいです。
大満足の1冊でした!