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マスターレビューアー 「BLアワード検定」合格証 ソムリエ合格

女性みざきさん

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今年度17位

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善と悪の曖昧さ

なかなか夜明けが来ない夜明けの唄。
ここ数巻続く重たくしんどい展開の数々に、そろそろひとすじでもいいから光が見たいなあなんて思っていたのですが、今巻も結構重ためです。
微笑ましくて明るいシーンもあるにはあるのですけれど、その上をいくヘビーさなので、カバーイラスト通りの内容を期待するとちょっと違うかもしれません。

物語としては間違いなくおもしろいと思います。
まるでジェットコースターのようというか…
手に汗握る展開が続き、いったいどうなるんだ?とハラハラしっぱなし。
ただ、これは萌えなのかというとどうかなと中立評価になりました。
うーん。BLとしての萌えを楽しむよりも、この大きな風呂敷をどうやって畳むのかが気になる作品になってきているのかも。

アルトとエルヴァ。
一時的に離れ離れになった2人の、その両方で繰り広げられる緊迫感のある出来事には思わず手に汗を握りましたし、アルトの体の謎がほんの少し解けたことも読みどころのひとつでしょう。
今巻はアルトとエルヴァにどうこう…というより、もっと違うところにフォーカスがあたっていたように思います。

島民の暴動により、敵と味方、善と悪がどちらなのかがわからなくなるやるせなさったら。
今まで身を賭して無条件に守る対象だった人々が、殺したいほどに憎くなる瞬間とはどれほどつらいものなのか。
黒海に関しても、ニナとバジルを見ていると、黒海ははたして悪なのだろうか?と思えてならず、このなんともいえない気持ちの収まりの悪さを描くのが本当にうまいなあと。
あそこで動かなければ、望み通りただの傍観者でいられたのに、それでも動いたシヨン。
一貫して、なにがどうなるのかを見ていたかったはずの彼の中の揺らぎが感じられて、とてもつらくはあるのだけれど一連のシーンのすべてが非常に印象的でした。
彼に心はきっとあったんじゃないかなと私は思いたいです。
シヨン視点があれば読んでみたかった。

アルトVSバルトロも読み応えはあったものの、現代文明からの突然のハンティングゲームは…ちょっとしっくりこなかったです。
ファンタジーだと思っていた世界観から現代ものになり、現代ものにしては現実味が薄くなったように感じられ、もう少し違う形の導入での一騎打ちが見たかったかも。

マニエリが言う通り、なにかの犠牲の上に成り立っているこんな島なんてぶっ壊れちゃえばいいのにと思いながら、引き続き夜明けを待ちたいです。

ハラハラが増していく

新刊発売を機に読み返していたのですが…
し、し、しんどいなあ〜…!?

謎めいた黒海と覡という存在や、幼い頃から知っているアルトへの感情が徐々に変化していくエルヴァの姿に、ハラハラドキドキわくわくしながら読み進められていたのは1〜2巻までだったような気がしてきました。
もちろんおもしろいことに違いはないのだけれど…巻数が増すごとに、胸躍る描写よりもハラハラ度だけが突出してぐいぐい上がっていっていやしませんか。

特にここ数巻はとっても苦しくてしんどい。
でも、先が気になって読みたくなってしまうんですよね。
お話としてのおもしろさは星5なんです。
ただ、全体を読んで萌えなのかと考えるとどうなんだ?と、毎回評価に悩みに悩む展開でして。
ちるちるの5段階評価がこれほどまでに難しい作品ってなかなかないと思います。

アルトとエルヴァの関係の深まりにはもう、いくらアルトが大きくなってもやっぱりエルヴァが抱きしめるんだよねと、感慨深いものがあったのです。
ですが、それよりもミカがあまりにもしんどくてですね…
アルトとエルヴァの関係が大きく前に進むのはここしかないとは思いつつも、やっぱりミカのことがどうしても頭に残ってしまって、大喜びはできなかったというのが正直なところ。
彼にも、過去の覡たちにももっと救いがあってほしかったなあ。

そんな重たさが残る作中でも、アルトの父親のエピソードが唯一の救いでした。
たとえ元が黒海でも、まっさらな状態で人を愛し、人を愛する愛息子であってほしいと願った彼は人間に違いありません。
そもそも、あれほどまでに陸に上がりたがり、人に強い執着を見せる黒海とはいったいなんなのか?
乗っ取りに成功した黒海同士でも感情が異なっているようで、不安定さが見え隠れする黒海の今後が気になります。

大きな犠牲の上に成り立っていた島の真実と、悲しくつらい覡の存在が本当にしんどいのですが…
きっと一筋縄ではいかないだろうと思いつつ、すべての謎が明かされ、この物語がどんな夜明けを迎えるのかを引き続き見届けたいです。

受けのことを好きになれず

なかなか流れに乗れず、中立評価になってしまった上巻。
いったいどんな結末を迎えるのかと思っていましたが…
下巻でこちらの評価になったのは、やはり臼井の変化でしょう。

なんでしょうかね…すごくかわいらしかったのです。
やっと本来の彼が見えてきたというのかな。
恥もなにもなく、感情を丸出しにして泣きじゃくる臼井の年相応な姿にグッときてしまった。
そうなんです。彼はまだどうしようもないくらいに子供なんですよね。
そんな彼が葉のためにと変わる努力をし、見事な成長を遂げていく。
上巻では想像もしなかった姿です。
恋とはここまで人を変えるのか。
一途で、素直で、真っ直ぐに葉へ愛を伝えてくる臼井が本当に良かった。
これを溺愛攻めと呼ばずになんと呼びましょう。

それゆえに、葉の良さが上下巻を通してもわからなかったのが残念でした。
ずっと「大人」なことを振りかざしてぐるぐるしていたように見えて、ここまで女々しいと萌えられなかったなあ…
繰り返しになりますが、臼井の想いの強さと変化はすごく良かったんですよ。
ただ、そんな魅力的になった彼がなんで葉のことをこんなに好きでいるのかがわからなかった。
でも臼井は何年も前から葉が好きなんですものね。
あんなに恋に落ちた瞬間の顔を見せられてしまったら、もうなにも言えないかな。

しかし、上下巻ともに見開きページがどれも美しくて印象的でした。
大ゴマでスパッと魅せてくれる画面作りが素敵な作家さんですね。

青臭くて馬鹿正直

繊細な線で描かれる、どことなくアンニュイな雰囲気を感じる作風が好きです。
シンプルなタイトルとカバーイラストに惹かれて手に取りました。
透明感があってとっても素敵。

うーん…臼井も葉も、どちらも好みが分かれる性格だと思うんですよね。
なににも興味が持てず、人の気持ちがわからない子供と、優柔不断で流されやすい真面目な大人。
この2人を混ぜたらいったいどうなるのだろうか?
はたして2人のことを好きになれるのだろうか?と、首を捻りながら読み進めていくと…
なんだかちょっとずつ、なにを考えているのかがわからなかった臼井から、すごく青臭くて馬鹿正直な感情が見え隠れしてくるんです。
やっていることは大人っぽくても、中身は17歳なんだなあと思えてしまったというか。
彼の年齢を考えると、思ったことをそのまま口にする図々しさはいっそ好ましくもあります。
まだ恋というものを知らなさそうな彼がどんな変化をしていくのかを見守りたくなりました。

臼井の独特なテンポのセリフと、それに振り回されつつある葉の図に慣れるまで時間がかかり、関係的にもそこまで萌えられず上巻時点ではこちらの評価となりました。
葉の元彼が1番良くない人だよなあ。

耳たぶは口ほどにものを言う

テンポが良くサクサクと読める1冊でした。
名倉先生の文章って、すごく読みやすいんですよね。

今でこそ年下攻めの40代受けはそこまで珍しくはないように思いますが、そういえば発売当時はあまり見かけなかったかもなあなんて思ったり。
ただ、石神の性格が40代にしてはピュアすぎるというか…
年齢のわりに子供っぽかったり、自信がなくておどおどしていたりと、あまり大人な感じはしないかもしれません。
残念ながら今回は様子がおかしな攻めは出てきませんが、攻めのことがタイプすぎておどおどバタバタと様子がおかしくなるキュートな受けは出てきます。

誰もが羨むような豪邸と資産、そして才能ある文章を書く腕を持っているというのに、とても社会には適合できそうにはない石神という人。
極度の人見知りかつやや自虐的で、すぐにめそめそと泣いては、耳たぶを真っ赤にして照れたり、かと思えば自信がなくおどおどとする。
なんというか、一言でいうのならものすごく面倒くさい人なんです。
ですが、ころころと変わる感情の喜怒哀楽が激しくて、なんだかだんだんかわいらしく見えてくるんですよ。
だから周囲の人々も、相手となる脩一も放っておけなくなってしまうんだろうなあ。
後半の彼なりの頑張りっぷりは印象的でした。

攻めの脩一視点で進む前半を見ると、正直言って、脩一への印象はあまり良くありません。
でも、好みのタイプではないと思っていた石神に、あれよあれよと転がるように落ちていく姿はおもしろかったですね。
元遊び人で、当初は石神のことを軽く見ていそうだった彼が、小狡い計算なんてできるはずがないノーガードの相手にまんまと骨抜きにされている姿はなんとも愉快でした。
口調は荒っぽいけれど、なんだかんだと石神のことがかわいくてたまらないのがわかるので、不安を覚えやすい石神にはこれくらい正直にストレートな物言いをしてくれる、ちょっと強引な恋人がちょうどいいのかもしれませんね。
どこから見てもお似合いな2人でした。

コミカルで読みやすく楽しめたのですが、飛び抜けて萌えたか?と考えると微妙なところかなと、今回は星3.5寄りのこちらの評価になりました。
石神の元彼・雅巳と、脩一の友人・小城のCPになりそうな関係が本当におもしろそうだったんですよね…
あとがき部分のSSの時点でもうおもしろそう。いつか読めたらうれしいです。

かりそめの居場所から

久しぶりの再読。
この時代のBL小説の雰囲気、やっぱり好きだなあ。
数多くある雪代先生作品の中でも、内容が思い出せるほどに記憶に残っていたのは、依存や痛々しさからなかなか抜け出せない心理描写の細やかさがあったからかもしれません。
徹底的にとことん痛く。でも甘みもあるこの不思議なバランスが好きです。

今回十数年ぶりに読み返して、初読時とは印象が異なっていたことがおもしろかったのです。
発売当時には、恋人・崇からの手酷すぎるDV暴力の数々に苦しみながらも、ボロボロの状態で引き返そうとしてしまう智紘を救い出そうとする高藤が、包容力のある優しくて素敵な紳士に見えていたのですが…

読み返してみると、優しいと思えていた高遠もよくよく見てみれば、智紘を自分だけの鳥籠に閉じ込めているようにも感じられるんですよね。
暴力と共依存が蔓延る、痛くて苦しいけれど精神的にはある意味穏やかだった安息の地から救い出されたようでいて、とびっきり甘くて優しいのに逃げられない檻に移っただけな気がしてならないのです。
性質はやや違えど、崇も高藤もどこか似通ったところがあるのかも?なんて思います。怒らせると怖そう。
だからこそ智紘も惹かれたのかもしれませんね。

執着心が強く、愛に飢え、人一倍愛情を欲しては独占したい智紘と、そんな智紘を一生閉じ込めて愛したい高藤。
2人があまりにもお似合いで、破れ鍋に綴じ蓋とはこのことだなあとしっくりきました。
あなたを不幸にしても離れたくないって、愛してるよりも強い言葉じゃないですか?

犬用の首輪に理不尽な暴力と性暴力、共依存関係とストーカー行為に傷害…と、智紘の恋人だった崇の不安定さと、何をするかわからない不気味さに関しては、あまり気軽に読んでみてとはおすすめできないものです。
ただ、健気すぎて時に痛々しくあっても智紘も結構ガッツがあるんですよ。
高藤が何度もいい子だと智紘を甘やかすこともあって、そこまで重たくならずに読み切れるかなと思います。

欲を言えば、高藤の従兄弟視点よりもやはりその後の2人が読みたかった。
もしくは、崇がどんな人間だったのかをもっと知りたかったですね。

飾らない自然な会話に惹かれます

長すぎず、短すぎない長さの短編で読みやすかったです。
堅苦しくない文体で繰り広げられる会話劇も良いテンポ感でした。

読み口は気軽に読めるライトさなのだけれど、描かれていることはとても現実的。
大人の恋愛もの…というよりも、どちらかというと人との出会いを通して自分の人生と本当の気持ちを見つめ直すきっかけを得るお話といった印象が強いです。
恋愛要素はあまり強くはないのですが、なんだかこんな関係もちょっといいかもと思える雰囲気の良さがありました。

アンドリューことドリューも、1日にしてヒーローとなったドリューを取材するポールも、終始気安く明るい口調でありながら、どちらも真摯に相手と自分に向き合う人たちだったのが良かったですね。
悲しい事故に関連する取材を通して、2人の距離が徐々に縮まっていく姿がとても自然でした。
正反対の考えと性格を持った2人による会話のキャッチボールが本当に正直で、読んでいて気持ちが良かったです。

彼らの関係はいつまでうまくいくのか?
それは彼らにも、もちろん読者にもわかりません。
なんだったら1ヶ月後にはだめになっているのかもしれません。
でもなぜか、恋愛も人生もそんなに悪い結果にはならないような気がしてくるのだから不思議です。

萌えた萌えないでというと、そういうお話ではないかなと思います。
誠実で嘘のないヒーローとの出会いから、ポールの柔らかくてデリケートな内面が少しずつ形を変えていく様は読み応えがありましたね。
社会と自分自身。そして、ゲイ同士の恋を現実的なアプローチで描いた作品です。

ツボをめった刺しにしてくる攻め

カバーからもうすでに食えない色男感が漂っていて、これは絶対に受けをどろっどろにとろけさせてから抱くタイプの攻めだ…と、とんでもなく沼な予感がしていた今作。
全コマ時田がえっちすぎて困りました。
な、な、なんだこの歩く色男は…?

太めの眉に重ための瞼と三白眼に加えて、しっかりと筋肉がついていることがわかる厚めの身体。
そして、どことなく気だるげな雰囲気の時点で「あっ、これは刺された」と思ったのですが、合間合間に受けと読み手の胸をめった刺しにしてくる所作の数々ときました。
なんだかもう萌えの緩急がすごかったんですよね…匠の技すぎる。
こんなのたまらないったらないです。最高でした。
2026年6月上旬時点で、今年度読んだコミックで最高にツボに刺さった攻めかもしれません。

端的に言えば、すけべなことに興味が大いにある花村清志の開発日記なのですが、なかなかどうしてこんなにもおもしろいのか。
昼は教師、金曜日の夜はまた別の顔が。
正反対な性格の2人のいろんな顔がこの1冊で全部見られちゃうんですね。
ゆっくりじっくり、甘く優しく、時にちょっとだけ意地悪に。
毎週少しずつ丁寧に時田の手で開発されていく花村の体と同時に、ふわ〜っと好意が育っていくのだからおもしろいです。
どうしても感情が外に漏れ出てしまう花村の喜怒哀楽の激しさは追っていて楽しく、意地悪なのかと思いきやなんだかんだと甘く優しい時田のギャップもたいへん魅力的でした。
教師観も良く、2人ともがこんな先生がいたらいいなと思える教師だったことも最高に良かったなあ。

こうしてやろうと思えるほどクールで余裕がありそうに見えて、ノーガードで真っ直ぐに突っ込んでくる受けにぐわんぐわん振り回されている攻めの図って本当に何回噛んでも味がします。
本人はリードを持っているつもりかもしれないけれど、そのかわいいハムスターめっちゃぐるぐる走るんですよ。
駆け引きも何も通用しない超絶恋愛初心者のかわいさに陥落する攻めと、初めての恋に一喜一憂しながら、余裕0の無自覚さで攻めを振り回す受けの組み合わせに思わず笑顔になってしまいました。
この2人、今後どんどん甘くなる予感しかしなくてわくわくしちゃうなあ。

テンポ良し、キャラクター良し、萌えはたっぷり!
最初から最後までノンストップで萌えられる最高の1冊でした!

男前で包容力大なかわいい受けに好感

こーすけのことを「いい男だ」と言う遥に、そうそうそう!本当にそうだよね…!?と同意するばかりの3巻でした。

最高に幸せな田中家の日常を描いたこちらのシリーズ。
1巻時点で、もう既にあたたかい家庭が出来上がっている状態ではじまっていたので、いったい遥とこーすけはどこでどうやって知り合ったのかな?と、2人の過去が気になっていたのです。

2人の出会いを読み、早く4巻が読みたくて仕方がありません。
出会いから距離の縮まり方まで、読んでいてなんだかとてもわくわくそわそわしたというか…2人らしくて良かったなあ。

5年前の彼らは常に必死で、なにかにあらがったり立ち向かったりしながら、夢のためにとにかく一生懸命に生きているのだけれど、1人で抱えた重たい肩の荷を下ろせる場所がない状態でした。
ひょんなことから出会った2人が同じ家で共に暮らし、自然と毎日が少しずつやわらかに色付いていきます。
2人そろっていい感じに肩の力が抜けていって、一緒にいてすごく楽しそうな日々が微笑ましくてかわいい。
もっとお互いを知りたい、近付きたいと思い合いながら育つ気持ちといえば…それはもう…ですよね。

5年後とは印象が真逆の遥に驚きましたが、よくよく見てみるとあちこちに今の遥にも繋がる一瞬があったりして。
遥の良いところを全部こーすけが引き出した結果、今のありのままの遥がいるんだろうなと思うとたまらないです。
終始こーすけが包容力のある優しいかっこよさを持った人で、なんて素敵なんだろうかと何度も思いました。
こーすけの元で知らないことや出来ないことを経験しながら、どんどん人間味が増していく遥から香る、どストレートな溺愛の片鱗にもにこにこしちゃいます。

彼氏になったとはいっても、まだお互いに好きだと言っていない2人。
ここから唯一無二の関係に至るまでをじっくり追いかけたいです。

お仕事描写が楽しいです

担当編集と担当作家。
苦手だったはずの相手との距離の縮まりと、仕事に対しての真摯な向き合い方が丁寧に描かれていて読み応えがありました。
切江先生らしい甘さもちょこちょこっとさりげなく味わえるのもうれしいですね。
三室と小坂の自然体で柔らかい雰囲気も良かったです。
すごく相性の良い2人だったと思います。

タイトル通り、ひょんなことから嫌いな担当編集とプライベートで遭遇し…と始まるお話。
あまり良い感情を持っていなかった相手への印象が、少しのきっかけでどんどん変化していく図はやっぱり追いかけてみるとおもしろいです。
攻めの三室への誤解が解けていけばいくほど、受けの小坂と同じく、か、かわいいな〜?!なんて気持ちになってしまうこと間違いなしです。
小坂もかわいらしいのだけれど、一途な三室のかわいらしさの塩梅がなんというか…こう…
ふと道端でひっそりと小さく咲いていたかわいい小花を見つけた時のような、自分だけが知っている特別感が湧いてくる絶妙さなのです。良かった。
切江先生って、誤解と思い込み、そしてすれ違いというBL三大要素を描くのがうまいなあ。

恋愛要素はもちろん、今作はお仕事描写もとても良くて。
人を楽しませるものを作り上げるにはどういったことが必要なのか?
いったい自分はどんなものを書きたいのか?
プロの作家と担当編集者として、ああでもないこうでもないと一緒に知恵を絞り、ふと思いついたアイデアがぱっと花開いた時の気持ち良さったら!
二人三脚で作品を育てあげていく道のりがおもしろく、彼らのディスカッションの数々には非常に胸が躍りました。

派手なお話ではないけれど、なんかこの感じちょっといいかも。
そんな気持ちになりながら読了できる1冊でした。
2人が作りあげたお話、読んでみたいなあ。