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マスターレビューアー 「BLアワード検定」合格証 ソムリエ合格

女性みざきさん

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こんな受け愛さずにはいられん

カーッ!!
こんなのみっちゃんのことを好きにならずにはいられん!!

と、みっちゃんのかわいらしさについて大声で言いたいのですが、みっちゃん強火最古参の彼氏からものすごい目で見られそうなのでこっそり言わせてください。
ものすごくいじらしくて、ものすごく愛らしくて、大きくて最高にキュートな博多弁の受けがここにいますよ〜!


はー、最っ高でした!
笑いもときめきも萌えもたっぷり詰まった、非常に満足度の高い1冊に出会えてうれしいです。
上質なこじらせ両片想いに、読めば読むほど登場人物たちのことが好きになるストーリー展開に夢中になってしまいました。
三十路の超絶ピュアな再会ラブの香りを楽しんでいたら、合間合間にグッとくるエピソードが「ここ!」という時にきてくれるんですよ。上手すぎる。
とにかく構成が巧みで読み手を飽きさせません。
どんどん夢中にさせてくれて、最後にはみっちゃんのことが愛おしくてたまらなくなった状態で読み終えられます。

まず、みっちゃんという人があまりにも良すぎる。
不器用かつ奥手で、自己肯定感も高くはないのだけれど、彼がとびきりかわいらしくて愛さずにはいられないキャラクターだということがすぐにわかるのです。
困っている人がいれば迷わず助け、人の良いところによく気付き、不器用でも一生懸命。
淡い恋の芽生えに戸惑い、まだ恋がわからないがゆえに、正直すぎる無自覚な殺し文句を豪速球で清野に投げる姿が愛らしいのです。

そして、みっちゃんのかわいらしさはもちろん、みっちゃんの良さに昔から気がついていた清野がまた良い攻めなんですよね。
みっちゃんとの15年越しの再会に舞い踊り、無意識に破壊力の高い言葉を向けられ悶絶しそうになる愉快な男でした。
執着がすごい攻めなのかと思いきや、受けを自分の世界に閉じ込めておきたいと葛藤しながらも、自分以外の人にも受け本人にももっと良さを知ってほしいと思える攻めなのが本当に良かった。
こういう、世間からは完璧そうに見えても実はとっても人間くさいキャラクターってすごく魅力的です。
2人ともが15年前の交流を宝物のように覚えている人物だったことも好ましかったです。

なかなか器用には立ち回れず生きづらいこともあるけれど、一生懸命に頑張る姿や優しい心を持った人のことを見ている人は世の中に絶対いるんだよと思える、前向きかつ優しいお話で良かったなあ。
初心な恋を描いた物語でもあり成長物語でもあったように思います。
街の声にしっかりと耳を傾けられる彼らがいる来留見市は、きっとより住みやすい素敵な市になるはずです。
読後感が良く、読み応えのある作品をお求めの方はぜひ!

もどかしい青さを見守って

受験シーズン真っ只中な6巻。
今までで1番高校生らしさを感じた巻でもあり、1番もどかしい巻でもありました。

この2人って、恋人同士だというのに圧倒的に言葉や話し合いが足りていないんですよねえ。
特に常盤は言葉が足りず、大切なことや自分の気持ちを口にするのを後回しにする癖があってわかりづらいですし…
一方の楪も、素直に不安を言えたかと思いきや、思い悩みすぎて売り言葉に買い言葉でつっかかってしまう癖が。
つまり、どちらも不器用で未熟なのです。
恋人にはなったけれど、まだまだお互いに足りていないところがある。
逆を言えば、今後の伸び代がもっともっとありそうな2人でもあるなと思います。

同じ大学を受験するとはいっても、自分も相手もすんなりと受かるかどうかはわからないものですよね。
常盤も楪も、作中でそれぞれが不安を抱えているのが見え隠れしていて、読み手的にはこれを素直に相手に伝えられたらいいのにと思ってしまうのですが、簡単にできたらこうはなっていないというのがまたもどかしい。
残りあと1巻で素直に気持ちを伝え合える関係性に成長できれば良いのですが。

萌えどころとしては、やはり例のぬいぐるみのシーンがかわいらしかったです。
志望校を聞いてうれしそうな楪もすごくかわいらしかった。
ただ、全体を通して萌えたのか?というと微妙なところかなと今回はこちらの評価になりました。
次巻では、相方をつけた常盤と楪が隣り合って歩く明るい姿が見られることを期待しつつ、素直になれずもどかしい2人の行く末を最後まで見守りたいです。

圧倒的多幸感にとける

胸が、胸がいっぱいです。
絵に描いたような幸せな日々にものすごく癒されてしまいました。
日常の中にある、素朴でとても尊い家族の幸せの瞬間を一緒に見させてもらっているようで、読み終えた頃には胸がぽかぽかになります。
はー、かわいかった。素敵な家族のお話でした。

大好きなパートナーへの愛情を隠さずに伝え合う、パパとパパの関係性がとても素敵なのはもちろん、2人の間に生まれた子どもたちもとっても愛らしくて良かったなあ。
小さな子どもがいる家庭ならではの描写や、暮らしぶりがしっかりと伝わる生活感のある描写が上手い作家さんだなあと思います。
子どもたちを成長をそっと見守り、日々慈しみながら育てる両親の図も良ければ、合間合間に遥とこーすけのとびっきり甘いシーンもたくさん詰め込まれていて満足度が高いです。
お互いを尊重し合い、心から大切に想っていることが手に取るようにわかるものですから、なんだか読んでいるこちら側も幸せでいっぱいになってしまいました。
全力で番を受け止めるこの感じ、たまりませんね。

遥もこーすけも、自分が好きなものを素直に好きだと言えなかった環境で育ち、彼らが今の関係になるまでには、きっと山も谷もあったのだろうな…となんとなく察することができるカットが挟まれていたものの、特に大きくは語られません。
幸せになったその後から始まる物語というのも、過去があまり語られないままに進む構成も珍しく感じられおもしろかったです。
続刊が出ているようなので、その辺りは今後語られるのかな?と期待をしつつ、田中家の行方を引き続き追いかけたいです。

美しい森で彼と

人間に邪魔をされず、動植物がのびのびと生きている平和で緑豊かな美しい森。
人々から恐れられている彼が住む森は、きっととても綺麗なのだろうなあ。

ファンタジーというよりも、どちらかというと童話やお伽話といった雰囲気が近いように思います。
穏やかにゆっくりと心を通わせる2人が素敵なお話でした。
攻めも受けも誠実で心優しい人物で好感が持てます。

数100年の時を生きる、本当は心優しい魔族であるイルヴァルドがすごくかわいらしいんですよ。
本当は一瞬で何もかもを破壊できてしまうほどの強い力を持っている者が、相手のことを傷つけないように、怖がられないように一生懸命そっと優しく接する姿にはなにかくるものがあります。
ウルヤナから見つめられ、褒められ、ぽっと赤らんでしまう耳と顔がとってもかわいい。
シャイで不器用で、とびきり優しくて、ウルヤナとの交流を楽しみに待つイルヴァルドが愛おしかったです。
ウルヤナが実際に自分が見て感じた物事を大切にする、芯があって真っ直ぐなタイプの人物だったことも、この2人の相性が良いと感じたポイントのひとつかもしれませんね。

と、攻めと受けの手探りの交流は微笑ましく、終始楽しんで読むことができたのです。
ですが、他魔族とのエピソードや、ウルヤナを陥れた人物、王国の人々など…
展開的には盛り上がったものの、後処理があっさりすぎて細部がやや中途半端になっていたようにも感じられ、今回はこちらの評価になりました。
文章は非常に読みやすく、メインCPの雰囲気は抜群に良かったです。

幸せについて

実を言うと、画像や写真を見るのも無理なくらい、昆虫そのものがとても苦手だったのです。
あれはムシシリーズの第1作目が発売された頃。
「虫を擬人化したお話とはどういうものなのか?」と、言葉を選ばずに言えば、大変失礼ながら怖いもの見たさで手に取ったのが始まりでした。

ひとたび本を開けば、そこには自分が知らなかった世界がひろがっていて、虫ってこんなにもおもしろい生態を持っているのか!と興味津々に。
身近なチョウやアリ、画像を開くことに少し勇気がいるタランチュラやスズメバチ…挙げ始めればキリがありませんが、作品をきっかけにして虫の生態を調べ始め、あれほど苦手だった虫が今ではすっかり「ちょっと好きかも」に傾いています。
樋口先生が描く、それぞれの種の特徴を生かしながら、時に生きることの苦しみや愛とはなにかを問い、まだ知らずにいた新しい扉をトントンと叩いてくれるムシシリーズが大好きになりました。

そんなシリーズも最終巻。
澄也と翼で始まり、翔と千翠で終わる。
原点回帰の文字に納得というか、この組み合わせで物語を閉じることほどしっくりくるものはないなと思います。

マイノリティであること、なくならない世の中の偏見や、どうしたって相容れないなにか。
生きることや死ぬこと、幸せな人生とはなにか?
主人公である千翠の小さな肩には、常にずっしりと重たい生きづらさが纏わりついています。
けして最終巻だから幸せ、ではないんですよね。
千翠視点で読み進めるからか、この苦しい状況からなかなか脱することができないのです。ぐるぐると悩みます。
心理描写が丁寧だからこそ読んでいて苦しいです。
なので、萌えかそうじゃないかだけで考えると微妙なところだなと思ってしまった箇所もありました。

しかしながら、そこは樋口先生作品。
苦しんで悩みに悩んで、彼らがやっと見つけられたひとつの幸せの答えが本当に沁みたんですよ。
最後まで追いかけられて、読めて良かった。この一言に尽きます。

今作の攻めがあの翔だということも効いていて、翔と千翠の関係がすぐに上手くいくかというとそうではないんですね。
翔に恋をして一喜一憂する千翠の姿はかわいらしくも切なく、その一方で翔の両親の事情を知る読み手側としては、翔による千翠への一歩引いた態度も理解ができるわけで…上手いなあ。
千翠には愛し愛されて生きる幸せを感じてほしくなり、翔には愛することを怖がらないで生きてほしくなる。
どちらもどこか心に脆い部分を持った人物だったことがとても好ましかったです。
お互いの強いところも弱いところも見せ合いながら、大きな手と小さな手を取り合って末長く幸せに暮らしてほしい。
きっと彼らなら、彼らなりの幸せをその都度感じて生きていってくれるはず。

どこまでも誠実な翔が見せる、後半の怒涛の愛情深さに胸を打たれ、その後の翔視点の短編で見え隠れする等身大の彼の姿がなんだか愛おしくてたまりませんでした。
なにせ父親があの人ですから、これから千翠を愛してやまない溺愛攻めになるんだろうなあ。
これまでのシリーズを読んでいた人なら、あっとなるサプライズもあちこちに散りばめられていてうれしかったです。

生きることや幸せについて真剣に向き合った素敵な最終巻でした。
シリーズの終わりが寂しくないと言えば嘘になりますが、また彼らに会いたくなったら何度でも会いに本を開きたいと思います。
素晴らしい作品をありがとうございました!

綺麗な男の人間くさいところ

手足が長い人が、身長よりもだいぶ低めの設定になっているキッチンを使いにくそうに使っている姿が好きです。
腰の位置よりも下で料理をする麻水が良かった。好きです。

6巻目にしてようやくといいますか。
恋人同士になった2人といえば…の、わりと序盤にありそうな相互嫉妬がここでくるのは珍しいのではないでしょうか。
といっても、2人のもやもやも嫉妬心も側から見ればかわいらしいものなので安心して読めるかなと。
個人的には、麻水のわかりにくい表情から感情の変化を読み取った由岐に花丸をあげたいです。
付き合いが長くなってきた恋人だからわかるんですよねえ。

そして、誰にでも真っ直ぐで心の声がすぐに漏れ出てしまう由岐とは真逆で、なんとなく自分でも自分の感情がはっきりとはわかっていなさそうな雰囲気があった麻水。
そんな、羽山麻水という人の人間くさい部分が見えた巻でもありました。
渡英時の環境や、常にニュートラルな態度で麻水と接する辻に刺激を受け、じっくりと自分のことを考える時間ができたからなのか、今巻でより人間味が増したように思います。
嫉妬をしたり、独占欲が芽生えたり、恋人がかわいすぎて大丈夫なのかと考えたり、なかなかにおもしろい男でした。

…と、甘みも適度にありつつ、またひとつ成長してお互いへの気持ちを大きく育てられた2人については良かったのですが。
うーん…既刊と比べるとなんだかドンとくるものがなくサラッと読めてしまったなと思うところもあり、今回は3.5寄りのこちらの評価になりました。
もちろん長く追いかけたい2人ではあるのだけれど、それと同時にややマンネリ化を感じたのも正直な気持ちでした。
すごく好きなシリーズなんですけどね。
じわじわとゆるやかに関係を深めていくこの温度感は好みなのですが、はたしてこれ以上彼らの間になにか大きな物事は起こるのかな。
周囲にCPが増えてきているのも今後どうするのだろう。

いつも見ていた隣の君

私はずっと、コウと日高が恋人同士にならなくても、恋愛関係にならなくてもいいと思いながらこのシリーズを追いかけていました。
もちろん日高には幸せになってほしいけれど、たとえどんな形に転がってもいいからままならない2人を最後まで見届けたい。そう思っていました。

そしてついに迎えた最終巻。
とても彼ららしく、納得のいくラストだったなと思います。

料理の注文がなかなか決まらない優柔不断さや、少しはねた後頭部の寝癖を見つけたり。
あの大失恋を経て、かつての盲目的に想っていた頃よりもやや俯瞰でコウのことを見られるようになった日高。
たとえコウが誰と付き合ったとしても、コウの中の自分の位置は揺るがないのではないかと凪いだ心で考えています。
いったい何を言っているんだと思いました。
そんなの、誰がどう見たってまだ好きじゃないかと。

2巻の吉田さん家族のエピソードを読んだ際にも感じたのですが、日高という人はずっと「普通」に負い目のようなものを抱いていたのではないかなと思うのです。
世間の言う当たり前に自分は当てはまらないとどこかで感じていたからこそ、女性と付き合うことができるコウには「普通のいい相手」と付き合うことをすすめたのかもしれません。
けれど、コウは普通だとかそうじゃないとか、そんなものどうでもいい人なんですよね。
このひと言がコウから出てきた瞬間、日高のことを好きだって言っているその人は「普通」なんてどうでもいいってさ!なんて思ってしまって、なんだかすごくスカッとしました。

あの頃好きだったものや、相手にどんな癖があるのかを、出逢って十数年経った今でもすぐに思い出せて、誰と付き合っても離れてもなんだかんだと戻ってくる。
それはなぜかって、好きだからに他ならないでしょう。
とびきりシンプルで、もうずっと当たり前にそこにあったものにやっと気付けた2人に静かに感情を揺さぶられました。
そうなのだろうと思いつつも、はっきりと彼らが恋人になったとは描かれていないんです。
そこもまた彼ららしくて良かった。
だから私は秀吉子先生の作品が好きなんだ。

初恋の輪郭をなぞりはじめたばかりの超恋愛初心者なコウが日高への気持ちを自覚してあたふたするたびに、いいぞもっと心乱されてくれ中山コウと思わずにはいられませんでした。
ですが、信仰とまで例えられている日高の想いの大きさにコウの想いがそうそう早く追いつけるはずはないと思います。
でも、きっとゆっくりでいいのです。
だって、コウのことをいつくしみ、愛し、一生好きでいてくれる人が隣にいるのですから。

好きな気持ちの形が違っても、普通じゃなくても、遠回りだっていいじゃないか。
それから…それから君とどこに行って、次はなにをしよう?
最高の初恋が読めてうれしいです。
一途な気持ちとリアルな感情が本当に素敵な作品でした。

愛を積む楽園 コミック

rasu 

手を重ねるように愛を積む

オムニバス作品や短編集って、作品全体の雰囲気や設定にその作家さんならではの色がより濃く出ていておもしろいなと思います。
しとしとと静かに雨が降る薄明るい世界に、ほんのりと小さな光が灯って、ぱっと消えそうになって、また灯る。
そんな、しっとりとしたやさしさと深い愛情を感じる1冊でした。

すーーごく良かったなあ。
どの作品も良かったのだけれど、やはり表題作の愛を積む楽園が飛び抜けて良かったです。
読み終えた今、とても素敵な余韻に包まれています。
45歳という年齢設定も、記憶喪失ものの定番では終わらない結末も非常に魅力的でした。

もし、ある日突然記憶の一部分だけが消えてしまったら?
思い出が多く残る長年連れ添ったカップルに起こった出来事だからこそ、日常の中で静かに襲いくる切なさややるせなさにも重みがあります。
けれど、それと同時にあたたかさと愛情深さもひとしおでした。

記憶喪失ものといえば、記憶が戻るパターンの方が多いのではないかなと思うのですが、こちらの作品は…わからないのです。
今後彼らはどうなっていくのか?はたして記憶は戻るのか?
そのどちらもわからないままだというのに、きっと2人の未来は光あるあたたかなものに違いないと想像をしたくなります。
少しずつ大切に積み重ねていった愛を忘れてしまうことがあったとしても、どちらかが覚えていればいいのでしょう。
そして、また新しい愛を2人で積み重ねていけばいい。
きっとそこはいつだって楽園のはずです。
人生が丁寧に描かれた素敵な作品に出会えてうれしいです。

同時収録作品も、ほの暗いものから明るいものまで振り幅が広く読み応えがあります。
それぞれトーンは多少違えど、どの作品もやさしくて愛のあるお話ばかりでした。

煩悩の数と同じくらい受けを溺愛してやまない攻め

山瀬慧…クールな顔をしてなんて愉快な男なんだ…

受けのことが大好きすぎて、毎回脳内がたいへんなことになっているムッツリ攻めって本当にいとおしいですよね。
ちょっと距離が近くなっただけでも平常心ではいられず、ふと笑顔を向けられれば「俺は明日死ぬのか?」ときました。
これは、これは間違いなくおもしろい攻めです。

とある会社の営業職に就く2人のお話。
大学時代にひょんなことで知り合って以来、田上に一目惚れをしてしまった山瀬。
学生時代〜現在にいたるまで、田上から一方的にライバル視されているわけなのですが…
負けん気が強い田上にキャンキャン噛みつかれても、そのどれもが山瀬にとってはご褒美でしかないのです。
職場で顔を合わせれば「かわいい♡好き♡」が止まらず、愛してやまない田上が存在しているだけで幸せ。
スンとした顔で何事もそつなくこなしながらも、頭の中が田上への愛と少しのスケベ心と煩悩でいっぱいな山瀬が本当におもしれー男でした。

そんな日々の中、田上から「次の営業で俺に勝てたらなんでもいうことを聞いてやる」と言われ…
願ったり叶ったりというべきか、山瀬にしてみればボーナストラックのような展開でしょう。
下心を燃料にしてあっという間に成績トップになり、どうにか願いが叶ってお付き合いが始まります。

全体的に明るいラブコメディ作でした。
コミカル9:シリアス1の割合で読みやすかったです。
ノンケで負けず嫌いの田上がどんぶらこと綺麗に流されてくれるほだされ受けなので、田上が気持ちよくされてしまいながら次第にほだされていく姿と、山瀬の妄想の上をいく無自覚な田上に翻弄される山瀬。
そして、時に鼻血を垂らし田上を溺愛する山瀬の様子のおかしさを全力で楽しむのが正解かなと思います。
山瀬視点で見る田上がすごくかわいいんですよね。
全編煩悩だらけな攻め視点なのも効いていておもしろかったです。

田上はどうして山瀬のことが好きになったのかな〜…と思わなくもないのですが、あんなにどろどろにされながら直球で好きだと体にぶつけられてしまったらほだされてしまうのかも。
山瀬への想いの自覚がはっきり描かれていればもっと良かったなと今回はこちらの評価になりました。

巻末まで読んで別作品のスピンオフ作らしいと気付いたものの、知らずに単品で読んでも問題なく楽しめました。
ラブコメ・全編攻め視点・様子がおかしな敬語攻め・ほだされ受けあたりのワードにピンとくるものがある方はぜひ!

関西弁のでかい男前のギャップに萌える

体がでっかい関西弁の良い男が見られると聞いて手に取りました。
見てください、このカバーイラスト。
このあふれんばかりの色気。大優勝です。

ギーチのキャラクターがとにかくツボでツボで仕方がありませんでした。
雄みの強い男前をいろんな角度から見られて最高にHAPPYです。
ユイと出逢ってから少しずつ初めての感情に気付くわけなのですが、それがどういうものなのかがよくわかっていないがゆえに、どストレートに思ったことを口にするんですよね。
おそらく本編で彼は一度もユイに好きだとは言っていないはずなのですけれど、どこからどう聞いてもそれは大好きってことじゃん……?と、こちらが頭を抱えてしまう素直な言葉ばかりが出てくるじゃないですか。
でっかい攻めが受けからかわいいと言われて、もっと言ってほしいと返したり、この外見と中身でこんな甘えたな一面と無自覚初恋っぷりを見せつけてくるギーチがおそろしいです。
男前っぷりとのギャップにおそろしく萌えました。たまりません。

そして、肝心のストーリーに関して。
どこか居場所がなく、愛を求めていた2人が出逢うお話の結びの部分はタイトル回収も出来ていてとても良かったです。
ただ、スムーズに読めたか?と考えると、一瞬手が止まってページを戻すこともあり…やや微妙なところかなと。
全体的にエピソードがぎゅうぎゅうに詰め込まれ、少々中途半端に感じましたし、2人が恋愛感情を持ったきっかけもわかりにくいです。
ユイがなぜデリヘルに固執していたのもわからなかった。
ギーチの過去やユイの過去、坊ちゃんに関しても掘り下げがもっとあればより面白くなったのではないかなと惜しく思います。

絵柄は非常に美しく、女性キャラクターから渋めのおじさままで、人物の描き分けもとても魅力的でした。
キャラクター設定が本当に素敵だったので、もう少しお話がすっきりまとまっているとうれしかったです。
実は育ちが良いギーチがヴァイオリンを弾いている姿や、ユイを溺愛する姿ももっと読んでみたかったなと、今回は星3.5寄りのこちらの評価になりました。