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イチャイチャアマアマラブラブが読みたかった

「イチャイチャアマアマラブラブが読みたーい」熱が、私に発生。
己が荒んだ気分か、コロナ禍の閉塞感のせいか、「とにかく何も考えずにイチャイチャアマアマラブラブが読みたいんじゃあ!」と、心が叫ぶのでした。
そこで購入。
単行本では初読み作家さんです。(アンソロジーで短編を以前読んだことがありました。)

<ここからネタバレを含みます>



……よかった… 私の今の需要にぴったんこ!
イチャイチャアマアマラブラブに浸れましたよお。
コミカライズ版は以前読んだのですが、期待通り。いやもっと濃かった…

オメガバース作品です。
オメガの千明は、元保育士のハウスキーパー。家事代行サービス会社から、「急遽のピンチヒッター」として、一時的にアルファの家庭に派遣されます。「発情期を終えて間もないから大丈夫だろう」と。向かった大神家には、狼そのものの容姿のハイブリッドアルファ(先祖返りの狼人)の気難しい主人・大神と、幼く可愛い子どもたちが3人も。元保育士で子ども好きの千明は張り切りますが、仕事中なぜか突然イレギュラーな発情期が起こり…

作者さんのあとがきに、「『変身しない』獣人が攻め」とあり、「あ! 人狼ものは数多くあれど、大概、人間から狼に変身するもんな」と気づきました。
つまり、体格大きくたくましい攻めが、常にモフモフなのです。しっぽもあります。
たくましい胸に縋っても、そこはモフモフ暖かい。なにこれ? ギャップ萌え?
気難し気な大神ですが、詳しくは書きませんが、実は中身が結構可愛い。
そして、濡れ場が、実に、濃く、エロかった!
コミカライズ版もエロかったけど、2倍くらいエロかった。
なにしろコミカライズ版では、諸般の都合により白抜きにされていたトコが、文字でがっつりと描写されているのです! (どこが?なのかは読んでください)
お話は全体的に、予定調和ではあるのですが、今の荒んだ心の私は意外性を求めていないのです。「こうなったら、はい、こうでしょう!」と、ぴったりピースがはまるのが快感。
安心して読めます。
そして、可愛い挿絵が多いのが、すごくいい!
続編が出ているそうなので、即購入決定です。

blanc #2 コミック

中村明日美子 

外壁

1・2巻まとめて。
blancとは、フランス語で「白」。
フランスの刺しゅう糸の会社DMC社では、白blancの刺しゅう糸は1種類だけしか出していない。他の手芸用品会社は、青みがかったような白やアイボリーに近い白も展開しているのに、「我がDMC社の究極の白はこれだけです」と言っているようで、私はかねてより勝手に清々しく感じている。
「blanc」というタイトルで想起したのは、まずこれであった。閑話休題。
それにしても、紅茶の一滴でも落としたら、どん底まで落ち込みそうな装幀である。ふだんはカバー必須ですな。
タイトルから、まだ20歳になったばかりの「まだ若く白い」彼らが描かれるのかと想像した。が、違った。
2巻を読んで、「その白であったか」と、得心した。

前作「O.B.」を読んで、草壁と佐条の二人は「稀に見る奇蹟の二人なんだな」と思った。外の世界に何もぶつかっていなかったからである。
「O.B.」で、他の2カップルは、外との問題に何かしら悩んでいた。ハラセン・空乃組は、ハラセンが親へカミングアウトをすべきか悩み、空乃はそんなハラセンに寄り添おうと悩む。有坂先生・響組は、もっとすさまじく、響は両親とはほぼ絶縁状態らしい。有坂は自責の念から、娘にカミングアウトしてしまい号泣され泣き叫ばれる。(その後、娘とは和解するが)
「O.B.」の中では、草壁・佐条組だけが、二人だけでのけんかはあれど、お互い二人しかなかった。

「blanc」は、彼らが初めて、外の壁を感じ、悩み、苦しむ物語だ。
佐条が、大学受験模試会場への電車の中で過呼吸のような発作を起こしてしまう癖がついてしまった程、高校受験で家族をがっかりさせることを恐れていた理由は、父親がこういう人だったからなのかもしれない、と思った。
初めて外壁にぶち当たり、自分たちの関係に、外を巻き込み、関わっていく。それは、それでも、揺らぎないものがあったからこそ。
その揺らぎないものが何であるかを、彼らの物語をずっと読んできた私は、だからこそ知っているわけで。そのことに感動と愛しさを覚えた。

ところで、「卒業生 春」で、草壁が佐条のお母さんに贈ったCDが、シュガー・ベイブ(山下達郎らがいたロックバンド)だったことが、わかって感激した。お母さんの世代を考えてのシュガー・ベイブ! それにしてもシュガー・ベイブ! なんと通好みの洒落たセレクト! 思わず「Down Townへくりだそう~♪」と口ずさんじゃったわ。