西条公威さんのレビュー一覧

現のヤマイ 小説

西条公威  烏山千歳 

怖い!怖い!怖い!

一冊の中におさめられている全ての話が怖いホラーです(霊とかではなく)
以前、木原作品に心のホラーの表現が云々、、と書いたことがありますが、あちらはそれでも救われるのですが、こちらには救いがありません。
暗闇へまっさかさまに堕ちて行きます。
それが、まだ未成年の少年達の姿で表現されるのだから怖いのです!
出版元は今はない会社ですが、今なら作品として出なかったであろう作品が96年にこうして世に…

6

太陽の下、風に吹かれ 小説

西条公威  初田しうこ 

孤独の観念的世界

日常の情景を一部分切り取って、そこに孤独を見る描写がこの本の作品全般に渡ってとられている。
果てしなく観念的な手法は、一時の幻想小説の流れに近い作りであり、読み手を選ぶ一冊になっている。
そこには、切なさとか淋しさとか、寂寥を生む感情は存在しなくて、ただ、登場人物の感情に映るデフォルトされた風景が印象的に孤独を語るのです。

表題
家出をしてから放浪し、人種の違う国にやってきたジーンは現…

1

恋をするのはおうちの事情 2 小説

西条公威  有藤せな 

優しさが招くすれ違い

両親が失踪してしまった為に、幼稚園児の弟の世話と家計をねん出するために売りをしようとした時に出逢った田中と雅哉。
色々あって、まるで新婚のような同居を始めた二人に訪れた危機とは?
という2巻です。
この方のエチ表現、すごくエロいんですよね。
他にもエロい作家さんいらっしゃいますが、前作でも書きましたが何か濃いんですよ。
互いを求めあってる気持ちがすごく伝わってきて、妙にリアルさを感じる。…

3

恋をするのはおうちの事情 小説

西条公威  有藤せな 

AV現場が初体験v

短編集が実に痛い作品が多くて、これもどんだけ痛いんだろう?
表紙なんかパンツに一万円挟んでますよ@@!
題名からして売りの話なのかな?なんて、ちょっと期待いたしました。
結末、行きつくところ実に、甘い甘いお話になっておりました!
これまたびっくりでした~。

主人公・雅哉は小さい頃母親が家を出て、それから何人も母親が代わり、父親は時々失踪したりと、愛に飢えた生活をしていました。
現在…

2

夜には凍る道 小説

西条公威  神葉理世 

破壊、もしくは変成

表題は比較的、他作品に比べまったりとしているが、前半作品が狂気であることで、この本の傾向はおそらく読めてしまうと思う。
どれも”自分を変えていくもの”を持っていて、それは実に恐ろしい黒根っこなのです。
まるで昔見た70年代初頭の実験的アングラ映画を思い出させる作品です。

表題は、たった一度の過ちにより妻に縛り付けられる事になった夫のやりきれない想いを、まるで待ってましたかの様に癒しのはず…

2

夜には凍る道 小説

西条公威  神葉理世 

最狂の誘い受け・・・?

ある日の帰宅途中、いつもより遅い時間の電車に乗りながらふと窓の外を見ると、電車に向かって股を広げオナニーをする全裸の男が・・・!

下手したらコメディかと思えそうなトンチキ場面ですがノリはいつもの西条さんでした。この場面を読んだ時の私の衝撃と高揚はいつもの比ではありませんでしたが。しかもその受け、バイブ三本入れなきゃ感じないってんだから恐ろしい。受けが受けなら攻めも攻め。鬼畜プレイ願望のある隠…

3

孕み猫 小説

西条公威  小菅久実 

萌えはないです。

収録されている三作に共通しているのは支配する者とそれに隷属する者の関係です。愛情と憎悪が絡み合う複雑さの中、同じ関係を築きながらも目的や形態は様々で、それぞれにインパクトがあり、面白さがありました。データベースにある通りこの本はかなりハードな部類に含まれます。行為の描写自体は然程細かく無いので内容ほどエグさを感じませんでしたが、狂気の中に何とも言えない不気味さが常にありました。大抵の本は一度読めば…

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