小菅久実さんのレビュー一覧

孕み猫 小説

西条公威  小菅久実 

離れたいのに手放せなかった何か。

内容については、ある意味常軌を逸していて、共感するには難しい作品かと思います。
読んでいる最中、重苦しいし、愛なんてかけらもないし、色んな意味で縛られてしまう。
ただ…何でしょうか、なんとも言えない、執着のようなものに自分自身が囚われて、私はこの本を2回手放し2回買い直しました。
もういい、もう読まないと思って手放すのですが、なぜかまた買う。
3回目手放そうと思った時、無駄な抵抗かと思い、…

0

孕み猫 小説

西条公威  小菅久実 

体言止めが多く、独特のリズムのせいでポエムっぽく感じる

執筆当時22ならしょうがないのかもしれませんが、内容以前に文章が自分に酔過ぎてて受け付けませんでした。作者の思い入れや意気込みが強すぎるんじゃないでしょうが。見ていて白けます。自信があるのか不安なのかわからない後書きもそうです
内容、文章ともに深みを出そうとして、またそういう方向性のものに似せようとして逆に底の浅さがさらけ出されているんじゃないでしょうか。
内容はわかってて読んだので文句はあり…

2

淫花 小説

七宮エリカ  小菅久実 

ズシンと響く小説

答姐トピでご紹介いただきました。いつまでも印象に残るだろうなぁと思う、これまで読んできたBL小説とは一線を画す作品でした。

表題作の他に、閉塞的な村を舞台にした「絶唱」が収録されています。どちらも大正時代~昭和初期のお話です。

自分は中学生の頃にお祭りで実際の見世物小屋を初めて見て、あの独特の雰囲気に圧倒されました。おどろおどろしいというのか、禁忌の香りがすごいんですよね。「怖いもの見…

1

淫花 小説

七宮エリカ  小菅久実 

文章の美しさに酔う

表題作と「絶唱」の2作収録、2作は全く別の話で繋がりは無し。
自分は実は耽美系はあまり好きな方ではないんですが(平凡受好きなので)これは面白かった!
2作とも時代は昭和初期でしっかりとして尚かつ美しい文章の紡ぐ糸は繊細にして優雅。
これにはやられました~、文章的には「上手ッ!!」って感じです。

表題作は見せ物小屋に売られ育った両性具有の少年の話。
昭和初期・見せ物小屋っていうと、自分…

3

孕み猫 小説

西条公威  小菅久実 

隷属と支配

同じ作者による『現のヤマイ』にも表現されていたことですが、この一冊は”支配”と”隷属”がよりわかりやすく、さらに具現化して表現されているように思えます。
それぞれの本の後書きに、作者が過去隷属を強いられた立場であったことが綴られ、その恨み(なのだろうか?)が隷属の立場からではなく、支配する立場の表現でどうやって隷属させられていったかをまざまざと見せつけることに成功しています。
単なるハードコア…

7

孕み猫 小説

西条公威  小菅久実 

萌えはないです。

収録されている三作に共通しているのは支配する者とそれに隷属する者の関係です。愛情と憎悪が絡み合う複雑さの中、同じ関係を築きながらも目的や形態は様々で、それぞれにインパクトがあり、面白さがありました。データベースにある通りこの本はかなりハードな部類に含まれます。行為の描写自体は然程細かく無いので内容ほどエグさを感じませんでしたが、狂気の中に何とも言えない不気味さが常にありました。大抵の本は一度読めば…

4

淫花 小説

七宮エリカ  小菅久実 

耐えて忍んで報われる

大正~昭和初期の匂いが漂う、あのけだるげな雰囲気を背負って耽美に進む、日本が舞台のメロドラマ。
これではかなげさや、健気さがなければBL版"花登こばこ"の根性ものになるところだな、、とかすかに思う。

その美貌と、ふたなりといわれる両性を併せ持った体の為見世物小屋で太夫をしている類は、その体を売り物にするのではなく、誰もしたことのない技を得得して認められようと、努力してい…

3

淫花 小説

七宮エリカ  小菅久実 

けなげでせつない耽美小説

両性具有、見世物小屋、報われない恋・・もう耽美小説の要素てんこ盛り!
懐かしい昭和の匂いがします。BLではなく、JUNEって感じです!
見せ物小屋でお客のまえで性交を強いられるのが嫌で逃げ出した類。
両性具有を見せ物にするのではなく、綱渡りとか、短刀投げで身を立てたいと密かに練習を重ねている類。
祭があるところに旅をしては、見せ物小屋を立てて暮らしている類たちだったが、半月ほど興行主となる…

1

淫花 小説

七宮エリカ  小菅久実 

昭和初期の独特の世界観

現代設定では絶対に書けない話が前半。
両性具有の話はいくつかあると思うけど、その時代背景とか都会ではないどこか田舎風の設定で余計になんだか淫靡な感じです。
とりあえず健気な受けが幸せになって良かった。
個人的には牛蔵がその後どうなったか気になったんですが。
あとで牛蔵に邪魔されなかったんだろうか?(笑)

後半の「絶唱」絶唱というとどうもあの文学作品の絶唱を思い出してしまうのは古いでし…

3

暗闇の封印 黎明の章 小説

吉原理恵子  小菅久実 

目覚めの時

ミカエルの揺さぶりが功を成し、
ついにルシファーとしての記憶を取り戻したキース。
「影の館」を崩壊させた後悔、
そして「キース」という移し身に愛着を感じるルシファーは、
天上界(ミカエルの元)へ帰るのを拒みます。

シリーズ第1作目『影の館』では、
支配するもの・されるものという力関係にあった二人ですが。

ミカエルはルシファーを失ったことで、彼に対する愛を再確認し、
今まで彼…

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