KINACO先生インタビュー

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KINACO先生インタビュー本能に抗う純愛物語！クーデレα×元βの強気関西弁Ω!! コミックス『僕たちは運命に嫌われている』

2019/11/10 18:53

突然のヒートでピンチ！陸上部のライバルと、ヤルしかなくて!?

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第2163回
KINACO／東京漫画社／MARBLE COMICS
コミックス『僕たちは運命に嫌われている』11月15日発売
サイン本プレゼントあり！詳しくはインタビュー後に！

STORY
高校2年の八尾のバースはベータだった。しかしある日、同じ陸上部のライバルでアルファの九條と一緒にいる時に突然ヒートを起こしてしまう。抑制剤は手元になく、周りの人間にまで影響を及ぼしてしまったヒートを治めるためには、九條とセックスするしかなくて――。バースに弄ばれる高校生たちの純愛ストーリー。

――作品紹介をお願いします
α×β→Ωのオメガバースなんですが、攻めのαに、受けとは別の「運命のΩ」がいるお話になります。
「運命」や「本能」に縛られた世界で、好きな人と結ばれたくて藻掻く高校生たちの物語です。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
2人は高校の陸上部のチームメイトで、攻めの九條は、運命の番に出会うと幸せになれると言われてるオメガバース世界で「運命なんてくだらない」と考えるちょっと変わったαです。属性で言うとクーデレ攻めです。
受けの八尾はβですが、βは‪α‬に敵わないという常識に囚われず、αの九條に常に対抗心を燃やす熱い子です。属性で言うと強気受け？元気で強気ですが、人を思いやる優しい部分も持ち合わせてる子です。
八尾はごく普通のβなんですが、ある日突然激しいヒートを起こして、Ωに変異してしまいます。ヒートを鎮めるためには目の前にいる九條とセックスするしかなくて──…というところから物語が始まります。

――当て馬や重要な脇役は？
ちょいちょい出てくる怪しい医者の五百旗頭(いおきべ)先生がお気に入りです。彼のちょっとぶっ飛んだ言動にも注目してもらいたいです。

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
若干重いテーマの物語なんですが、話が暗くならないように気をつけました。八尾の関西弁や彼自身の明るさ、九條のまっすぐさのおかげで重くなりすぎずに済んだと思います。
私が書いたエセ関西弁を関西人の御二方に直してもらっていたんですが、チェックを終えて上がってきた八尾のネイティブの関西弁に毎度毎度悶えさせて頂いてました。
関西弁、ほんと明るくてエッチで最高なので、その辺も見ていただけたら嬉しいです！

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
苦労した点はラストをどうするかです。
どんなラストなら二人が笑顔で「幸せ」といえるんだろうかと、禿げそうなほど悩みました。最終話のプロットは何度も書き直して、結局全部でバージョン違いが50本くらいあります(笑)
自分一人で考えすぎて煮詰まりすぎた時、担当さんがいい具合に新しい風を吹き込んで頭を換気してくださったので、本当に助かりました。
逆に、幸せなシーンを描いているときは楽しかったです！普段クールな九條が八尾のことになると必死になったり、かわいいことたりやったりするシーンは癒しでした……特に3話はかわいい九條をたくさん描けたので最高に楽しかったです。

――今作にまつわる裏話はありますか？
裏話……色々あるんですが、どれも盛大なネタバレになるので言えないのが辛いです……(笑)
あ、ヒロムと短髪の友達は将来的に付き合うというマイ設定があります。五百旗頭先生にもお相手が……♥
ちなみに担当さんが五百旗頭のもじゃもじゃ頭をみて、「八尾くん絶対五百旗頭先生のこと“わかめ”って呼んでますよね！」って言うので、採用させていただきました(笑)

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
1話執筆中の去年の大晦日に高熱がでまして、正月に救急に駆け込んだらインフルエンザで、しかもかなり重症で心拍数が異常だったために心筋症を疑われ、半日検査入院を余儀なくされてしまったことですかね(遠い目)
色んなコードに繋がれながらベッドの上で「担当さんごめんなさい……連載始められないまま死ぬかも…」って考えてたのがいい思い出です……(笑)
結局ただの水分不足だったんですけどね！(皆さんも病気の時は辛くても水分補給をお忘れなく…！)
あと、突然パソコンが壊れて買い換えたり、新しいパソコンが雷で一時的に故障したり締め切り間に合わないかも……ってことが何度もありました…
……なので、無事コミックス発売まで辿り着けて本当に良かったです……！

――今、何かハマっていることは？
お風呂でアイスを食べることにハマってます♪
体の表面は温かいのに、内側は冷たくて……めっちゃ幸せな気持ちになるのでマネしてみてください！最高に贅沢です♪
ちなみにサクレのレモンが好きです︎︎♥

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
描ききった達成感と、発売直前のドキドキワクワクそわそわが入り交じってます！
そしてなによりも、ここまで支えてくれた担当さんと、関西弁の直しを手伝ってくださった友人二人に感謝したいです。
連載中手紙や差し入れやTwitterなどで支えてくれた読者のみなさんにも感謝の気持でいっぱいです！

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
ちるちるユーザーのみなさま、はじめましてこんにちはKINACOと申します。
ここまで読んでくださってありがとうございます！
運命に翻弄される高校生たちの物語、切なさも含めて楽しんでいただけたら嬉しいです！

　
東京漫画社：担当編集 Nさんより
KINACO先生はすごく勉強家で、『東京オメガバースII』の依頼をした時に、ご許諾のお返事をいただいた時にはすでに前のシーズンのコミックスをご自分で買って読んでいてくださってました。
オメガバースという世界観に関しても、他社の作品なども読みこまれて、この作品に対する気持ちが初めからとても高かったのを覚えています！
主人公である八尾くんは、突然変異のオメガという身の上になるわけですが、それでももって生まれた逆境に立ち向かう強さだったり、九條くんや友人たちに支えられて自分を失うことなく進むとてもまっすぐな子です。そんなところに、九條くんも惹かれたと思いますし、そんな八尾くんだからこそこのお話の最終話がこういった形になったのだと思います。

運命じゃないオメガとアルファの逆境の物語を是非、見届けていただけるとうれしいです。